羽海野チカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ高校生プロ棋士・桐山の痛切なスランプから始まった巻。大人びて内向的な分、その独白はひたすらに、こちらの心を切り付けられるほどに悲しく、寂しく、つらい。
けれど二階堂始め、学校の先生、懇意にしている三姉妹などなど、彼自身は気付いていないけれども、彼を想う人は、周りにいてくれて、そっと桐山を癒しているのが、嬉しい。
対戦相手にもそれぞれに人生があって。桐山自身も家族を無くしていたり、義姉・香子に複雑な感情を抱いていたり。将棋漫画としてだけでなく、人間ドラマとしてもオススメ。桐山の、河や町の風景をバックにしたモノローグはいつも圧倒的に、切ない。 -
Posted by ブクログ
羽海野チカが、少年誌(ヤングアニマル)に舞台を移して新連載中の作品。
「ハチミツとクローバー」も、独特な、幸福感に包まれた空気が流れていて、それがとても読んでいて心地が良かったけれど、この「3月のライオン」はそれが更に色濃くなっている。
重いストーリーが下地にありながら、それを完全に覆いつくすぐらいの明るさと、全面的にファンタジーな絵柄。羽海野チカのマンガは、ネコやイヌのような、動物が特にいい。それぞれの動物の特徴をよく捉えていて、その愛らしさを最大限に表現するような描き方をする。
将棋のプロ棋士が主人公ということや、東京の下町が舞台ということは意外だったけれど、今回の物語は、「ハチミツとクロ -