中山康樹のレビュー一覧
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[ 内容 ]
スリリングな怒濤のライヴからリリカルなピアノトリオまで今なお刺激的な必聴盤50枚を厳選。
ジャズの真髄がわかる最上の入門書。
[ 目次 ]
1 新しいメディアが生んだ「名盤の時代」(ジャズ・アット・マッセイ・ホール/チャーリー・パーカー―パーカーもガレスピーもパウエルも「この一枚から」
バードランドの夜Vol.1/アート・ブレイキー―クライマックスが連続する熱狂的ライヴ盤 ヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウン―若きクインシー・ジョーンズがメリルの才能を際立たせた「平仮名ジャズ」 ほか)
2 60年代に頂点を迎えた「レコード芸術としてのジャズ」(アウト・オブ・ザ・クール/ギル・エヴァンス―一聴すれば「ギルは難解」の先入観が吹っ飛ぶかっこよさ
フリー・ジャズ/オーネット・コールマン―楽しむためには、いささかの知識が必要な「要注意盤」 ドゥーイン・ザ・シング/ホレス・シルヴァー―シルヴァーの鳴り止まないピアノが生み出す強力なグルーヴ ほか)
3 フュージョンの時代を経て一巡したジャズの歴史(ラスト・レコーディング/アルバート・アイラー―ロック・ファンをも魅了したカリスマ・サックス奏者の遺作
リターン・トゥー・フォーエヴァー/チック・コリア―空前のベストセラーを生んだ「B面」の圧倒的なメドレー ダーク・ビューティ/ケニー・ドリュー―ピアノ・トリオの醍醐味を堪能する ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ビートルズ(主にジョンとジョージ)とボブ・ディランの交友が、それぞれの音楽に与えた影響を、史実やディスコグラフィー、本人や関係者へのインタビューをもとに紐解く一冊。
ビートルズは、アコースティックギターをかき鳴らすフォークシンガーだったボブ・ディランに、バンド編成とエレキギターという新たな表現の可能性を示した。一方でディランは、ビートルズに歌詞の世界を広げるきっかけを与えた。また、初対面の際にマリファナを教えたことが、『ラバー・ソウル』から『リボルバー』、そして『サージェント・ペパーズ』や『マジカル・ミステリー・ツアー』へと続く、あのサイケデリックな世界観につながっていくという「点と点のつながり」が面白い。
最も影響を与え合ったジョンとディランは、お互いに強い自負もあってか、創造的なパートナーにはなれなかった。でも、ジョンやポールの存在に窮屈さを感じていたジョージ・ハリスンはディランと深く親交を結び、後には一緒にバンドまで組む。しかも年下のジョージがリーダー。その人間関係の対比も興味深い。
それにしても驚かされるのは60年代ロックの進化のスピード。ビートルズの全アルバムが発表された時期と重なるように、ディランは『フリーホイーリン』(1963)、『Highway 61 Revisited』(1965)、『ブロンド・オン・ブロンド』(1966)といった歴史的名盤を次々と発表。さらに同時代にはストーンズやビーチ・ボーイズもいる。
わずか数年の間にロックは劇的な変貌を遂げた。本書は、その大きな源流としてエルヴィス・プレスリーの存在にもきちんと触れている。しかも読みやすい。
『While My Guitar Gently Weeps』にまつわるエリック・クラプトンのエピソードなど、他にもさまざまなミュージシャンが登場するのも楽しい。
ただし、本書はあくまで筆者が史実や証言をもとに「点と点をつないで」描いた一つの解釈でもあるので、その点は頭の片隅に置きながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ロックの歴史」というより「ロックのルーツ」というべき本なのかもしれない。
本書では「ロックンロール」という言葉のルーツから紹介されている。なんでもトリキシー・スミスというシンガーが歌っていた「マイ・ベイビー・ロックス・ミー・ウィズ・ワン・ステディ・ロール」という曲を当時の人気のDJアラン・フリートという人が命名したのが原点だそうで、「ロックンロール」のルーツは、アメリカのブラック・ミュージックにあるのだそうだ。
当然この時代を知らず、感覚的にロックに入った我々世代には、ロックンロールとブラックミュージックは結び付かない。
ロックンロールと聞けば、ツェッペリンの「ロック・アンド・ロール」が連想されてしまうのだが、本書で扱う情報はほとんどツエッペリン以前という感じだ。
後付けで時折耳にすることのある「ロック・アラウンド・ザ・クロック」や「ハートブレイク・ホテル」などがロックの原点的な曲であることはそれとなく感じていたものの、それらがイギリスに上陸してイギリスに音楽的な影響を与え、独自のロックが生まれていき、それがブリティッシュロックを生み出していったという流れについては今回理解できた。
特に70年代、80年代のハードロックに馴染み深い世代としては、「ブリティッシュロック」というワードをよく使っていたので、英国こそがロックの震源地であると思っていた。
ビートルズやローリグストーンズも、リアルタイムではなく、中学生、高校生になってから後追いで興味を持ち始めた世代である。当時、クラスの中には洋楽好きの中にも、ビートルズ派、ストーンズ派があったように思う。兄貴がいるちょっと渋い奴は、ストーンズを語っていたように思う(笑)。
米国から上陸したロックンロールからスキッフルと呼ばれる英国独自の音楽が生まれ、そこからビートルズというブリティッシュロックの第一種が生まれ、一方おなじく米国から上陸したジャズやブルースの音楽性を追求するなかからモッズサウンドというものが生まれ、そこからストーンズという第二種が生まれたようである。
ビートルズのジョン・レノンも、ジョージ・ハリスンも、リンゴ・スターも皆スキッフルバンドの出身であったようだ。
そういう意味では、スキッフルバンドの元祖ロニードネガンをブリティッシュ・ロックのルーツとする説があるようである。
もう一つの特徴は、ギター・ヒーローの流れである。1950年代にブームを巻き起こしたクリス・リチャード&シャドウズのギタリスト=ハンク・マーヴィンやブルースギタリスト=マディ・ウォーターズの影響力が大きかったようだ。
ヤードバーズが生んだ三大ギタリスト、エリック・クラプト、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジはそれぞれに彼らの強い影響を受けている。
ヤードバーズ出身の三大ギタリストが、ブリティッシュロックを渓流から大河へと展開していく大きな役割を果たしたことを考えると、このギターヒーローの流れというのは、ブリティッシュロックを特長づける大きな柱であるように思える。
そうした意味からか、自身としては、ヤードバーズがブリティシュロックの原点ではないかと思ってきたが、著者はまた少し違った観点で、ヤードバーズを原点と捉えているようであった。
すなわち、本物のブルースを追求するエリック・クラプトンは、結局ヤードバーズでは「ブルースもどき」と思えるものしか実現できなかったと回想しているが、このブルースもどきこそが、実は英国でうまれた英国独自のロックだったのではないかという分析である。
ロックのルーツ、特にブリティッシュロックのルーツを理屈づけた書籍ではあるが、ここから派生していく大河の歴史はなかなか簡単に語り切れるボリュームではないだろう。いずれ70年代、80年代へとつながる歴史を著者には語っていただきたいと願う。 -
Posted by ブクログ
「ビートルズとストーンズの歩みや作品を時系列に沿って対比させることによって、ライヴァルという言葉に置換されることのない関係性を探り、それによって浮かび上がるであろう接点を検証したい」
「その手段として、ビートルズとストーンズのメンバーや関係者が残した発言を洗い出し、それらを新たに組み立て直すことによって、ビートルズとストーンズのあいだにあったものを探り出そうと試みた。」
といった趣旨の本である。
「こうした試みがすべてのミュージシャンやアーティストに有効に機能するとは思えない。ビートルズとストーンズだからこそ有効であり、成立するだろうと考えた。もっとも結果については読者の方々の判断に委ねるしかない。」
ということで、判断を委ねられた読者の一人として正直に書かせていただければ、「成功はしてないな」ということになる。
確かに本書の半分近くを占めているメンバーや関係者の発言は目を引くものもあるし、この手の本を割と読んできている僕としても、初めて知る発言もあった。
ただ、ビートルズとストーンズの関係性に関しては、今までに色々な書籍や関係者の発言で明かされてきた内容以上のものはなかったように思える。
ビートルズの簡略化された伝記とストーンズの簡略化された伝記を平行して読んでいるような印象すら持ってしまった。
つまらない本ではないし、それなりに面白く読み通せることは出来る。
ただ、「お! こんなことがあったのか!」といった驚くべき出来事に関しても、実は同じ著者の別の本ですでに読んでいた内容だったりもする。
映像に関するビートルズとストーンズのリンクや、アラン・クレイン絡みの項など、もっと深く追及していけば、かなり面白い内容になりそうにも思える。
もう少し、時間を書けて書かれるべき内容なのかな、という気がする。
本書はその点でいけば、ちょっと表面だけをなぞったって印象を受けた。
一言で言ってしまえば「面白い題材だからこそ、非常に物足りないし、残念」ということになるかと思う。 -
Posted by ブクログ
「本人が言うことだから間違いない」とはよく聴くフレーズだが、
「本人だからこそウソをつく」ということを、幸か不幸か我々は
自分自身の体験として知りすぎるほど知っている。
というプロローグで始まる本著は、語り継がれる多くのビートルズ伝説の中から、
著者中山康樹が全8章と9つのコラムで、計17の伝説について再検証している。
“ジョンとポールはいささかジョージを甘やかしすぎた、インド系は才能の浪費だ”
“捨て曲だからストーンズに渡した、捨て曲だからリンゴに歌わせた”
などと断じた中山康樹著「これがビートルズだ」の大胆不敵だが身も蓋もないのが
笑えたビートルズ評ほどのストレートさは無い。
検証という形をとったせいか、荒唐無稽な著者本来の魅力にはやや欠ける。
だがHELP!のポーズ、ブッチャー・カヴァー、ホワイトアルバムの通し番号、
ビートルズ解散の真相など、そういえば確かに気にしてたが忘れていたことを
思い出し、再検証でき、ビートルズ好きの知識欲を補給してくれた。2008年初版。
第1章 レイモンド・ジョーンズは実在したか
第2章 シタールはどこからやってきたのか
第3章 「ラバー・ソウル」VS.「ペット・サウンズ」伝説の死角を検証する
第4章 “ブッチャー・カヴァー”回収騒動の真相
第5章 「リヴォルヴァー」はどうして“回転式連発銃”なのか
第6章 「ホワイト・アルバム」限定番号は世紀のペテンだった!?
第7章 映画「レット・イット・ビー」を巡る謎と推測
第8章 ビートルズ解散劇の舞台裏
コラム1 《マイ・ボニー》が投げかける疑問・・・R.ジョーンズが求めたレコード
コラム2 世紀のホラ吹きドラマーの嘘と真実・・・自称「最も多くの録音に参加したドラマー」
コラム3 カメラマンは見た・・・ジャケット製作秘話
コラム4 「ヘルプ」ジャケットの謎解き・・・英版「NUJV」と米版「NVUJ」の理由
コラム5 「涙の乗車券」謎1:ビートルズ史から消えた女性…フォーク・ロックミュージシャン、J.デシャノン
コラム6 「涙の乗車券」謎2:12弦エレキ・ギターの魔法…フォーク・ロックバンド、サーチャーズ
コラム7 「サージェント~」のジャケットにまつわる素朴な疑問
コラム8 スリー・ヴァージンズ?・・・トゥ・ヴァージンズに映る謎の男
コラム9 本作より先に発売されたJAZZ版「レット・イット・ビー」