東郷和彦のレビュー一覧

  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    領土問題について体系的に知ることができた
    北方領土竹島尖閣それぞれ違った課題がある

    北方領土  歴史問題
    竹島  政治問題
    韓国は異常なまでの熱量
    日本が侵略してきたときの状況と同じで、また竹島を奪うことで韓国を侵略してくるのではないかと言う思いを持っている
    尖閣  資源問題
    石油が出ることが分かってから問題となった

    尖閣はエネルギーを共同開発する方が良いのではないか

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    2022年04月29日
  • 歴史認識を問い直す 靖国、慰安婦、領土問題

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    [「棘」と付き合う]近年の日本外交にとって大きな課題の一つとなっているいわゆる「歴史認識問題」。尖閣諸島、竹島、北方領土問題とも絡みながら複雑に展開するこの問題を改めて概説するとともに、その解決に向けた方策が具体的にまとめられた一冊です。著者は、外交官として欧亜局長や駐オランダ大使などを歴任された東郷和彦。


    「歴史認識問題」を、空間的にも時間的にも広い枠組みの中で組み立てようとする著者の視点から得られるものは非常に多いのではないでしょうか。本書を読むと、日本国内における議論と海外(必ずしも歴史認識問題の当事者に限られず)における受け止め方に、愕然とするほどの差異があることがよくわかります。


    東郷氏が提示する解決のための処方箋に賛成できるかは人それぞれかと思いますが、「もう日本のみでどうこうできる問題ではない」という点と「歴史認識問題はそれだけの問題にとどまらない」という2点については、なるほどと多くの方が首肯できるところかと。議論の入口として本書を手に取り、多様な意見を交わすというのも良いかもしれません。

    〜経済・政治・軍事の面で、中国の強大化は続くかもしれない。けれども、帝国主義国家としての目前の勝利を成就したことにより、中国は奇しくも、世界の文化と思想的リーダーとなる資格を失ったのである。ここに、深い意味でのアジアにおける大きな真空が登場したのである。誰がこの真空をうめるべく、宿命づけられているのか。私は、それは、日本だと思う。〜

    本当に難しい問題だと思います☆5つ

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    2016年02月10日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    著者は、元外務省の職員で、ソ連、ロシアと直接北方領土問題の交渉を行っていた人物。そのため、北方領土問題については、実際的な経緯は、この本から詳しく知ることができる。

    尖閣問題、竹島問題についても、基本的なことはわかりやすく書かれている。

    また、感情的にならず、冷静に交渉することの大切さを述べ、日本の国益となるような「実」を取ることを考えている内容であると思った。

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    2013年01月07日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    このところの国境問題について、入門書としてあちこちに取り上げられている2冊の新書がある。一つは昨年5月初版の「日本の国境問題」(孫崎享著、ちくま新書)であり、もう一つは今年2月初版の本書だ。私が本書から教えられたことは、①韓国人があれほど竹島支配に心情的にこだわるのには歴史的背景がある、②北方領土問題・尖閣諸島問題では、相手方政府のメンツをつぶす日本政府のナイーブな言動が日本の立場を極めて悪くしてきた、③ロシアと日本は対中国で利害を共有しうるのだから、北方領土問題には解決の糸口はある、という3点。 もちろん、北方四島・竹島・尖閣の三問題についての歴史的経緯も分かり易く記述されていて、読む人それぞれが多々得るところがあると思う。 ご一読をお勧めします。

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    2012年09月24日
  • 一帯一路 多元的視点から読み解く中国の共栄構想

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    一帯一路についての、中国の上海社会科学院と日本の京都産業大学の研究者による12本の論文から構成されている。
    歴史的中国経済周期など経済史、バリューチェーン貿易、対外投資新戦略、日本外交や日露の戦略、RCEPとの関係、政治と経済の相互作用、国際法、グローバルジハード、機能的論理、援助政策などの観点から。
    中国の研究者の論考は自分の受け止め方、考え方と大きく異なったので違和感はありつつも面白かった。

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    2023年07月01日
  • 返還交渉 沖縄・北方領土の「光と影」

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    予想より面白くてサラサラ読めた。
    沖縄と北方領土の返還交渉の振り返り、その経緯と相違点、各々の問題点。
    沖縄返還時の裏チャネルを使った二元外交も、うまくいかない北方交渉も、ポイントは同じく「愛国心」と「醒めた現実主義」。
    そのバランスが結果として良い方にでた沖縄と、「愛国心」が出過ぎてバランスを崩した北方四島。その領土問題の発端も違うから難しいけれど。
    「まず還ってくること」に比重を置いた沖縄の現状と、「どう還ってくるか」に振れたことでまだ戻ってこない北方の実情。100%の正解なんてないだろうけど、その時々で全力の外交が行われた結果。
    愛国心って大事なのかやっぱり。

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    2021年06月26日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    元外交官の人は、発言が極端に慎重になるんだなあ。私が読んだ2021年現在、領土問題は日本にとってすべて悪化してる

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    2021年03月27日
  • 歴史認識を問い直す 靖国、慰安婦、領土問題

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    日本の歴史認識について、過去にヨーロッパの外交官を歴任した東郷氏が記述した一冊。

    当然ながら尖閣、竹島、北方領土問題は元より、その背景となる相手国の状況にも迫ってるのが、さすがに元外交官という感じだけあって説得力があった。

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    2016年07月11日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    現行の領土問題として知られる、北方領土、竹島、尖閣諸島について、歴史から現状までを幅広く記述した一冊。

    日本の見方はとかくこれらをどうやって奪回(尖閣諸島は維持)するかというところだが、実際には世界のパワーゲームの中で様々な見方があることを知った。

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    2016年02月28日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    日本の領土問題のポイントを知るには手軽な本。外務省官僚らしく、どちらにも片寄らない引用はさすが!放置したらどんどん悪化する領土問題、、、北方領土返還のチャンスがこんなに沢山あったなんて、、、

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    2015年02月03日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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     日本が抱える3つの領土問題の本質について,分析しています。
     特に,元外務省官僚だった著者の東郷氏が,当時,当事者として関わった「北方領土問題」について語っているのを読むと,「領土問題は,双方の歩み寄りが,色んな形で必要なんだなあ」ということがよく分かります。「両国間には領土問題は存在しない」「もともとここはうちの土地だ」なんて言っているだけでは,外交は進まない。
     日本は「武力による問題解決をしない」と決めた以上,少しずつ前進する如かないのだと思います。
     ナショナリスティックな構えだけで突き進むのは大変危険です。
     本書を読んで,冷静な対処が一番大切なんだなあって思いました。
     そして,あきらめないことも…。

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    2014年01月14日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    全部で2部構成、第1部は東郷和彦さんの主張が丁寧に、こってりと。
    第2部は、お2人での対談という構成となっています。

    その東郷さんは元外交官、佐藤優さんの上司として、
    主に北方領土問題に携わってこられた方です。

    凄く頭の良い方なんだなぁ、、と感じました。
    それだけに、部下としてついていく方は大変そうだ、とも。

    その東郷さんの主張、読み解くのはなかなかに骨でした。
    一点して、保阪さんとの対談となった第2部はわかりやすかったです。

    印象に残ったのは、徹底的にリアリズムを貫いているとの点でしょうか。
    外交の最前線におられただけに、なんとも説得力のある言葉として響いてきました。

     “交渉で決める以上は、双方で「これでよかった」という案を見出さねばならない”

    外交の最大の目的は“戦争を避ける”ということ、
    そのためには、彼我の国力差を冷徹に見つめる必要がある。

    そして、結果としての譲歩もやむを得ないとは、
    共感するかどうかは別として、、理解できる筋立てでした。

     “(武力で来る相手に対する)唯一の抑止力は、
      自ら適切な武力を行使してたたきかえせるかということ”

    日本の“今”の抑止力がどの程度あるのか、
    そして、周辺諸国との相対的な国力の差をどう把握するのか、、

    フラットに相手の立場を俯瞰していき、その上で、
    個人のプリンシプルと重ねて、譲れない部分をフォーカスする。

    交渉とはこういうものなのかなということを、なんとなく。
    そして、“力なき正義は無力”ということもあらためて、なんて。

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    2014年01月09日
  • 歴史認識を問い直す 靖国、慰安婦、領土問題

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    これから日本の再興を本当に実現しうるるとしたら、まず思想・哲学・宗教・徳の次元で全世界に深く通ずるものを作り上げなくてはいけない。
    「富国有徳ふじのくに」

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    2013年06月08日
  • 歴史認識を問い直す 靖国、慰安婦、領土問題

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    過去の事実から、中国・韓国・ロシアとの問題にどう向き合って、
    今後どう進めていくべきかを、東郷さんの解釈で語る一冊。

    外務省トップの方でもあるのでこんなこと、発言があったのかの
    事実に気付かされる。

    中国問題では、
    加害者でもあり被害者でもある日本の立場を考えた周恩来の
    発言があったという事実。

    また話題となる村山談話についても、
    村山談話とは言っても、当時の自社さきがけの閣僚全員が
    署名した閣議決定であること。決して一人歩きの発言ではない、と
    いうことがどうもネトウヨは分かっていない。
    なお自民党でとりまとめたのは、当時の通産大臣の橋龍である。
    また、
    「未来志向」の談話、とあるが「未来志向」は過去のことを忘れましょう、
    の意味だから被害者が一番聞きたくない言葉には気付かされる。

    韓国については
    小渕・金大中会談で過去を乗り越え、(韓国側から)未来志向な関係を
    築こうと、完璧な合意まで至っていたのに、いつの間にか関係が
    崩れてしまったこと。
    そして韓国系アメリカ人がユダヤ社会との連携を深めているという事実。
    なぜ、慰安婦がアメリカ人に理解されないのかは、強制連行が
    問題ではないという事実がぽっかりと今の議論でも抜けているので、
    これでは日本は国際世論から取り残されてしまうだろう。

    この本を左寄りと言っては、行けないと思う。もっと読まれてほしい。

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    2013年05月14日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    北方領土
    1年ちょい前に本書が発刊されたときには北方領土交渉の糸口は無かったが、東郷氏は2011年10月3日のラジオ「ロシアの声」でプーチンはガスプロム社長に「日本、韓国、中国などとの協力発展についての拡大的な提案を準備するよう支持した」と発言した話を紹介し、この紹介順が日本に対するメッセージになっていると言っている。

    ともかく昨年の森元首相訪問、に続き安倍首相訪問で交渉再開ができることにはなった。ただし東郷氏の見立てでは四島一括返還にこだわる限りは交渉は決裂するし、メドベージェフ訪問以降北方四島のロシア化は進んでいる。少なくともプーチンは平和条約締結後に色丹、歯舞諸島の返還をするというのは過去にも認めている。2島先行返還でも択捉、国後への道はつながると信じると言うがそれは正直な所わからない。四島一括と言う正義の御旗をかかげていれば国内的な批判は受けずに済むかもしれないが過去の交渉は何度かこの国内向けの強気な表現で決裂している。
    対談での保坂氏の爆弾:2島返還で決着するのはどう考えるか?

    竹島
    韓国からみると1905年の島根県の竹島編入はその後の1910年の韓国併合とワンセットで捉えているらしい。歴史的にどちらの領土であったかと言うとどちらの主張にも瑕疵はあり(韓国の主張は位置的に無理があり、日本も編入までは日本領とは見なしていたとは言えない)、結局20世紀の初めは無主の地であり国際法上は編入は有効で日本の領土であったとしても、韓国からすると力関係上文句が言えない際に取られた土地と言う感情があるのだろう、1950年以降は韓国ナショナリズムのシンボルになってしまっている。逆に日本からしても敗戦後どさくさ紛れに武力支配されたと言う思いは残っている。韓国にある独島ナショナリズムあるいは独島憧憬主義には東郷氏もどうしてそこまでと理解しがたい物はあるらしい。

    2010年京都産業大学で開かれたセミナーをきっかけに名古屋大学池内教授の「竹島/独島と石島の比定問題・ノート」と言う論文と嶺南大学金秀姫教授の「竹島の日制定後の日本における独島研究動向・石島解釈論」と言う批判論文が鉢合わせした。(大韓帝国勅令41号:1900年に韓国政府は鬱陵島を鬱島と改名し管轄地域を鬱陵全島と竹島石島とした。この竹島石島が何をさすかという話、江戸時代の鳥取藩は鬱陵島を竹島、竹島を松島と呼んでおり1696年幕府に対し松島は鳥取藩に属さないと答えている。名前がかぶるのでややこしい)だがこの二人の意見は真っ向から対立しているにも関わらずお互いの研究の進め方に敬意を払いそれぞれの意見を尊重した議論が出来たそうだ。
    対談での保坂氏の爆弾:主権を放棄し経済利権だけ確保するのでどうか?

    尖閣諸島
    これは日本がチャレンジを受ける立場、東郷氏は領土問題があると言う認識に立つべきではないかと。そして武力衝突につながらないように緊張緩和策を検討すべきだと言っている。(国有化で緊張は高まってしまったのだが・・・)しかし同時に武力衝突やむなしと覚悟して十全たる準備もすべきだと。
    その上での東郷氏の爆弾:主権は維持するとして日中台共同で石油開発をしてはどうか?
    保坂氏からの逆提案:3つの領土問題をあわせて国際司法裁判所に提訴してはどうか?

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    2013年05月07日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    領土問題を作って退去するのは、戦勝駐留軍のおやくそく。日本では、北方領土、竹島がその役目。尖閣諸島は資源問題なので、チト違う経緯。これからの外務省は、いかに戦争を引き起こさないかという、明治時代の外交官の立ち回りが求められるとのこと。自衛隊と中国との非公式チャネルが継続されていたことで、なんとか踏みとどまってる状況だが、状況は不安定。

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    2013年03月23日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    ●は引用、→、無印は感想

    領土問題(外交)は、時代とともに、歴史的背景(太平洋戦前・戦中、占領期、冷戦期、冷戦後)、経済的背景(日本のバブル期・ソ連の崩壊直後・中国の経済開放直後とそれ以降)によって変わっていく。

    北方領土、竹島、せんがく諸島。同じ領土問題でも、それぞれ問題点(歴史的、領土的、領土的)が違う。そのことを理解させられる。

    北方領土問題については、その歴史的事実を認識していたが、竹島、及びセンガク諸島問題がそれぞれ日露戦争(韓国併合)、日清戦争(台湾割譲)という日本帝国の植民地の歴史としての認識は欠けていた。

    ●私は、特に、この孫副隊長の発言には、仰天した。もしも中国が本当に管轄権の主張を実力で示そうとするなら、行き着く先は、武力衝突の道しか残っていない。それが、この時の私の直感だった。
    ●私は、民主党政権が、たとえ無様な姿であっても船長の釈放という形で事態を旧に戻さなかったら、何度目かのステップには、かならず軍艦がでてくるだろうと思った。軍艦は、当初は威嚇のためにでてくる。しかし、その威嚇が効果を持つためには、万一の場合は撃つということでなくてはならない。2008年12月の海事当居の発言とあわせ読んで、私は、最も本質的な意味で、戦後は終わったと思った。2010年9月7日、日本は、新しい時代に入ったのである。憲法9条というイデオロギーで日本を守っていた時代は終わった。外交の先に武力衝突がありうるという時代が始まったのである。戦前の外交官は、戦争にならない外交のために命を懸けた。この日以降、日本の外交は再びそういう時代に入ったのである。その後の日本の安保政策は、おおむねこのラインで進んでいる。2010年の「防衛計画の大綱(NPDG)」が国防の重点を南方にシフトし、海上自衛隊の力を増強しているのは当然の動きである。
    →2013年2月、海上自衛隊護衛艦が中国海軍フリゲート艦から射撃管制用レーザーの照射を受ける事案が発生した。本書の指摘どおりに事態が展開している。以下の引用にあるようなバックドアは開いているのだろうが、ちょっと怖い。
    ●東郷 はい。今尖閣に関して勇ましい議論をきくと、この方は本当に考えたことがあるのかなと思ってしまいます。戦後外交で私は初めて、戦争のリアルな危険性が出たと思っています。(略)安保条約第5条によって日本施政下にある尖閣が攻撃されればアメリカは防衛に参加する条約上の義務がありますし、そのことに疑問を呈する理由もありません。しかし、こういう話の言葉にならない根本常識は、日本自らが国を守って血を流すという覚悟と実行あってのことです。
    ●東郷 先日テレビで見て知って驚いたのですが、30年ほど前から自衛隊の幕僚長クラスのOBと中国軍部の佐官クラスが、日中関係全般に関する対話を行っているんですね。この30年間、常に日中関係は良好だったわけではないのですが、にもかかわらず、一度も欠かさずに対話を継続してきたということです。(略)東郷 30年前の中国は、経済力も国力も今と比べようもないほど小さかったのですが、当時から自衛隊は将来の中国を見越していたのかもしれません。それが30年にもわたるチャンネルにつながった。これはまさに戦後の自衛隊のあるべき姿だし、心から尊敬を表明したいです。
    →”先日テレビで見て知って驚いた”とは。部課が違うとこういったインテリジェンスコミッティーとは関わりがないのか?
    ●保坂 自衛隊幹部や防衛大学校の関係者と話をしますと、彼らは必ず、「われわれは戦争をするためにいるんじゃなくて、戦争を抑止するために存在する集団なんです」と言いますね。総じて今の防衛省は、シビリアンコントロールの下で抑止の視点からの防衛を真剣に考えているのではないでしょうか。旧軍のそれゆけ、やれゆけの体質はありません。→疑問

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    2013年03月16日
  • 戦後日本が失ったもの 風景・人間・国家

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    景観は公共のものとして考える欧州に対し、家は自分のものであるのでどのような概観でもかまわないと考える日本。
    そのような話から、教育、文化へと発展させ、日本人としての軸を持つことが大事であるとまとめている。グローバル社会が加速す売る中で、小手先ではなくきちんと自国を語れる教養をもつことが、真のグローバル化であると考えさせられた。

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    2013年02月11日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    ネタバレ

    前半は東郷氏による講義形式で、後半は保阪氏との対話形式で各領土問題を解説、解決の糸口を探ります。
    東郷氏は領土問題には「法的」「政治的」「歴史的」な3つの側面があると分類し、各問題に対して、前提となる史実、条約文書などをあげながら、一つずつわかりやすく解説してくれます。領土問題は「政治的」な解決しかありえなく、しかしそれが「歴史的な」問題からくるナショナリズムと結びついたときには、その問題を解きほぐし何らかの解決に導くという事にはきわめて大きな困難が伴う、と指摘します。

    ナショナリズムとの結びつきという側面でとらえると
    竹島>尖閣諸島>北方領土
    という評価になるのでしょうか。

    こと竹島に関しては、現在の日本が韓国同様竹島問題をナショナリズムと結びつけた際の危機的状況を、韓国側にも冷静に想像して考えてほしいと指摘し、本件のように政治的に冷静な議論ができにくい状況では、民間レベルでの冷静な意見交換が必要であるとしています。

    韓国にとっては1905年の竹島併合を1910年の韓国併合の布石としてとらえられている状態であること、尖閣もまたその領有が下関条約による台湾併合の前座とみなされ得る時期にあることを踏まえ、尖閣は早期の対策が必要になります。「グロムイコの屈辱」を中国に味わわせることをやめなければならない、という氏の指摘には尖閣問題がナショナリズムとの結びつきに落ちることを回避する意味合いがあります。が、実際にその問題性を認め、道筋を作るには相当な胆力が必要となりそうです。しかし、今後中国との協力体制を構築し、中国に脅威を感じるすべての国との信頼関係を構築するためには尖閣問題の深刻化は避けなければなりません。

    島国である日本に育つと、国境・領土問題に鈍感になってしまうきらいがありますが、逆にそれは自国の領土問題に対する冷静さを保ってくれるものとも思います。竹島に関する韓国の発狂ぶりを見て、その背景となっている国民感情、教育の実態を知り、自分が同様に発狂した際にどうなってしまうかを冷静に想像してみる、その素地が日本にはあると思います。

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    2013年02月11日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    19世紀から20世紀の前半まで世界の常識は帝国主義で、日本も例外ではなく軍事主導で多くの領土を獲得した経緯がある。
    ちょっと前まで国境は、武力で決まっていたんだよなぁ。
    この本では三つの領土問題を取り上げているが、実はこれらはそれぞれ力点が違う。北方領土は「歴史問題」であり、竹島は「政治問題」、そして尖閣諸島は「資源問題」だ。いずれの問題も、当時のような軍事主導体制での解決はできないので、外交や政治の問題になってくるのはいうまでもない。
    マイケル・ウォルツァーの“Politics-short-of- force may depend on force-short-of-war”が思い出されたが、この理解が我々には圧倒的に欠けている気がします。東郷先生は外務省辞めたんだったらもっといろいろ言っていいじゃないの。82点。

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    2012年11月28日