あらすじ
戦後七〇年を迎える日本が瀕する外交の危機、そして危機における外交の在り方とは。首相談話、靖国、尖閣、慰安婦と徴用工、北方領土の五つの論点から中韓米露関係を考える。元外交官が「遺言」として綴る打開策。
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Posted by ブクログ
佐藤優さんの上司だった方で、まともなのはこの人、とこの著書でも感じさせられます。
「国益」を一歩もゆずらない、という態度は、「内側」には通用しても外交はできません。でも、狭い世界の中で、自分たちの言い分だけを「ブレず」に言い続けるだけでいると、みるみる状況が悪くなっていることが実感できます。
「左」「右」や、「チャイナスクール」などとレッテルを貼っては言い分を認めない態度は、新たな発想を閉ざし、結局は対話を開始することができない状態を固定化してしまうはずです。
歴史にifは意味のないことですが、2000年代のはじめに、あと少し、状況が正しい方向に動いていたら、と思わずにはいられません。