後正武のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ以下は、後 正武『意思決定のための「分析の技術」』の添付箇所(「データや情報を効果的に用いる工夫」)を基に、実務で使える形へ再構成したプログレスレポートです。本書全体は「分析には再現可能な技術がある」という立場で、分析を体系化しています。添付部分は、その中でも「集めた情報をどう意思決定へ変換するか」という実践編に当たります。
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プログレスレポート
データや情報を「意思決定」に変える4つの技術
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エグゼクティブサマリー
本章のメッセージは非常にシンプルです。
情報を集めるだけでは価値はない。
分析・図解・仮説・シミュレーションまで行って初めて意思決定になる。
著者は情報活用を4段階に整理しています。
1. データを定量的に処理する
2. 図にして意味を与える
3. 仮説を立て検証する
4. シミュレーションして未来を考える
この4段階を繰り返すことが、
「分析力」ではなく
意思決定能力を生むと述べています。
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① データを定量的に処理する
最初に必要なのは
感覚を数字へ変えること
です。
例えば営業なら
* 訪問件数
* 商談件数
* 受注率
* 売上
* 利益
* 工数
など、
共通の尺度へ変換します。
時間分析なら
「目的別」
「業務別」
「顧客別」
などで集計する。
さらに
OVA(Overhead Value Analysis)
のように
すべての間接業務を金額へ換算する考え方も紹介されています。
つまり
数字になって初めて比較できる
ということです。
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本質
分析とは
数字を作ることではなく
比較可能な指標を設計すること
です。
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② 図にして意味を持たせる
数字だけでは理解できません。
そこで
図にします。
例えば
営業活動なら
営業マンの移動ルート
顧客訪問
時間配分
商談フロー
などを可視化します。
すると
今まで見えなかった
* 無駄
* ボトルネック
* 偏り
が見えてきます。
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図解の価値
図は
単なる見栄えではありません。
著者は
視覚化によって
人は
原因
結果
因果関係
プロセス
を一瞬で理解できると説明しています。
つまり
図は
思考を助ける道具
なのです。
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③ 仮説を立てる
ここが最も重要です。
分析は
データを見ることではありません。
データから
法則
を見つけることです。
そのためには
まず
「こうではないか」
という仮説を立てる必要があります。
そして
その仮説が
再現するか
例外はあるか
検証する。
自然科学では
この繰り返しによって
法則が発見されました。
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実務では
営業でも
マーケティングでも
組織改善でも
同じです。
例えば
「紹介案件は受注率が高い」
という仮説を立て
数字で検証する。
当たれば
営業戦略になる。
外れれば
仮説を修正する。
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科学的態度
著者は
試行錯誤だけ繰り返す人と
原因を考える人では
問題解決能力に大きな差が生まれる
と述べています。
つまり
失敗より
失敗から仮説を作る力
が重要なのです。
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④ シミュレーションする
最後が
未来を考える工程です。
現実は
未知だらけです。
だから
未来を
頭の中で
何度も試します。
例えば
登山なら
* どこで休憩するか
* 雨が降ったら
* 道を間違えたら
* 装備不足なら
を考える。
営業なら
* 相手が反対したら
* 値引きを要求したら
* 上司が出てきたら
を考える。
事業なら
* 売れなかったら
* 人が採れなかったら
* コストが2倍なら
を考える。
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未知を放置しない
著者は
未知を
「起きたら考える」
ではなく
「今考える」
姿勢を重要視しています。
つまり
未来予測ではなく
未来準備です。
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シミュレーションで重要な姿勢
著者は
シミュレーションには
知的謙虚さ
が必要だと述べています。
希望的観測ではなく
現実を見る。
「きっと成功する」
ではなく
「失敗するとしたら」
を考える。
だから
準備の質が上がります。
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全体構造
情報収集
↓
① 数字にする
↓
② 図にする
↓
③ 仮説を立てる
↓
④ シミュレーションする
↓
意思決定
↓
実行
↓
検証
↓
改善
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この章の重要メッセージ
分析は
情報を集めることではない。
分析とは
意思決定できる状態へ
情報を変換することである。
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AI時代への示唆
① AIは①②を高速化する
生成AIは
数字の整理
集計
グラフ化
要約
可視化
を極めて高速に行えます。
つまり
①定量処理
②図解
はAIの得意領域になります。
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② 人間は③が価値になる
AIは
分析できます。
しかし
何を検証するか
という仮説は
人間の問題設定能力に依存します。
つまり
今後の競争力は
分析力より
仮説設定力になります。
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③ AIは④で真価を発揮する
生成AIは
シナリオ生成が得意です。
例えば
「競合参入したら?」
「価格を20%下げたら?」
「海外展開したら?」
を数十通り考えられます。
これは本書がいう
シミュレーション能力を
飛躍的に強化します。
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あなた(田中さん)の活動への示唆
現在取り組まれている以下の活動と、本章は非常に親和性があります。
* メニコン新規事業開発
* moviLinkの体験設計
* 「1日結論OS」
* 白地くんポートフォリオ
* 経営者向け戦略支援
これらを踏まえると、さらに強化できる点は次のとおりです。
1. 「分析→結論」ではなく「分析→仮説→シミュレーション→結論」のOSにする
現在の意思決定フレームに、「失敗シナリオ」「代替案」「条件分岐」を標準項目として追加すると、意思決定の頑健性が高まります。
2. 仮説を資産として蓄積する
案件ごとに「立てた仮説」「結果」「学び」をデータベース化すると、経験が再利用可能な知識資産へ変わります。
3. AIを”分析担当”ではなく”シミュレーション担当”として使う
データ整理だけでなく、
* 「この戦略が失敗する条件は?」
* 「競合ならどう反撃するか?」
* 「3年後に後悔するとしたら何が原因か?」
といった問いを投げることで、AIを意思決定のストレステストに活用できます。
4. 図解を意思決定プロセスの標準成果物にする
顧客提案や社長報告では、文章中心ではなく「因果関係」「意思決定ツリー」「シナリオマップ」を標準化すると、関係者間の認識を合わせやすくなります。
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総括
本章は一見すると「分析テクニック」の説明ですが、本質は情報処理論ではなく意思決定論です。
重要なのは、情報を集めることではなく、情報を「行動可能な知識」に変換することです。そのための基本サイクルは、
定量化 → 可視化 → 仮説化 → シミュレーション → 実行 → 検証
という循環にあります。
このサイクルは1998年の出版時点で提示されたものですが、生成AIの普及した現在では、AIが「定量化・可視化・シナリオ生成」を担い、人間が「問い・仮説・最終判断」を担う形へと発展させることで、より強力な意思決定プロセスとして活用できます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下は、『経営参謀の発想法』第3章「戦略を立案する」の添付箇所を統合し、単なる要約ではなく経営・新規事業・コンサルティングの実務に活かせるプログレスレポートとして再構成したものです。
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『経営参謀の発想法』
第3章 戦略立案のプロセス
― 良い戦略は「分析力」ではなく「プロセス設計力」で決まる ―
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エグゼクティブサマリー
本章では、
「戦略とはアイデアではなく、正しい順番で問題を解くプロセスである」
ということが一貫して語られている。
優秀な人が一人で考えて作るものではなく、
組織全体の知識を集約し、
共通認識を作り、
実行可能な形へ落とし込むまでが
「戦略立案」であるという考え方である。
そのために、
戦略策定は必ず次の五段階を踏む。
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戦略立案の5ステップ
STEP1
課題を明確にする
最初にやるべきことは、
「何を解決するのか」を決めること。
ここが曖昧なまま分析を始めると、
分析量だけ増えて、
何も決まらない。
課題設定では
・問題の定義
・目標設定
・イシュー(論点)の整理
が最重要となる。
つまり
良い答えは、
良い問いからしか生まれない。
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STEP2
現状を把握・分析する
ここで初めて分析に入る。
代表例として
・4C
・市場分析
・競争分析
・顧客分析
・自社分析
などが挙げられている。
しかし重要なのは
分析することではなく
「課題を説明できる情報を集めること」
である。
分析が目的ではない。
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STEP3
現状を診断・評価する
分析しただけでは意味がない。
分析結果から
何が重要なのか
何が問題なのか
何を優先すべきなのか
を読み解く。
ここで重要なのが
Management Implication
つまり
経営上の意味付け
である。
例えば
市場が縮小している
↓
だから撤退
ではない。
市場縮小でも
利益率が高いなら残る。
競争が激しい
↓
だから勝てない
でもない。
差別化できれば勝てる。
つまり
データを
「意味」
へ変換する工程である。
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STEP4
解決策を検討する
ここで初めて戦略案を考える。
重要なのは
いきなり一案に飛びつかないこと。
まず選択肢を広げ、
評価軸を決め、
比較し、
最後に絞り込む。
つまり
発散
↓
評価
↓
収束
という流れになる。
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STEP5
実行プログラムを策定する
良い戦略でも
実行できなければ意味がない。
そのため
最後は
実施計画
ロードマップ
担当者
スケジュール
チェックポイント
組織体制
まで落とし込む。
ここまでできて
初めて
戦略が完成する。
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本書が最も伝えたいこと
戦略は
一直線では進まない。
図にもあるように
①→②→③→④→⑤
へ進むが、
途中で
「やっぱり課題設定がおかしい」
となれば
①へ戻る。
つまり
戦略は
フィードバック型
なのである。
これは
PDCAというより
仮説検証型に近い。
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なぜチームが必要なのか
本書では
何度も
チーム編成
の重要性が語られる。
理由は明確である。
営業だけでは
顧客しか見えない。
開発だけでは
技術しか見えない。
生産だけでは
製造しか見えない。
経理だけでは
利益しか見えない。
つまり
一人では
全体最適が見えない。
戦略は
会社全体の資源配分を決めるため
必ず
全部門の知識が必要になる。
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コンサルタントの本当の役割
本書は
ここが非常に興味深い。
コンサルタントは
答えを出す人ではない。
企業に代わって
戦略を考える人でもない。
役割は
「正しいプロセスを設計すること」
である。
つまり
・議論を整理する
・データ分析を支援する
・外部知見を提供する
・論点を整理する
・意思決定を促進する
オーガナイザー
ファシリテーター
なのである。
これは
現代の戦略コンサルティングにもそのまま当てはまる。
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Early Development of Conclusion
(結論の早期形成)
著者が強く勧めている考え方がある。
それが
Early Development of Conclusion
である。
つまり
最初に
「仮の結論」
を持つこと。
これは
思いつきではない。
仮説である。
仮説があるから
必要な分析だけ行える。
仮説がないと
永遠に分析し続けることになる。
著者は
後から追加分析するくらいなら
最初から
仮説を持った分析の方が
効率が高いと述べている。
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Sense of Urgency
もう一つ重要なのが
少しでも早く前へ進もう
という意識。
分析を完璧にしてから動くのではない。
必要最低限で
次へ進む。
必要なら
戻ればいい。
この
スピード感
が
戦略立案では重要になる。
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作業計画(ワークプラン)の重要性
本章で最も実務的なのが
作業計画である。
著者は
プロジェクトが失敗する原因として
分析不足より
作業計画不足
を挙げている。
つまり
最初に
・何を
・誰が
・いつまでに
・どう進めるか
を決める。
途中報告
レビュー
意思決定会議
チェックポイント
まで決めておく。
これだけで
チームの生産性は大きく変わるという。
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実務への示唆
① 分析より「イシュー設計」が重要
あなたが取り組んでいる新規事業や戦略立案でも、情報収集や分析に時間を使う前に、「本当に答えるべき問いは何か」を定義することが成果を左右する。分析力以上に課題設定力が価値を生む。
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② 仮説を持って分析する
「Early Development of Conclusion」の考え方は、近年の仮説思考やリーンスタートアップにも通じる。最初に暫定結論を置き、それを検証する形で分析を進める方が、時間と労力を大きく削減できる。
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③ 戦略は「実行計画」まで設計して初めて完成する
優れた戦略資料でも、実行ロードマップ・担当・マイルストーン・レビュー体制がなければ実現しない。戦略立案とプロジェクトマネジメントを切り離さないことが重要である。
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④ コンサルタントの価値は「答え」ではなく「プロセス」
社内外の関係者が納得して意思決定できる場を設計し、論点を整理し、合意形成を促すことが、コンサルタントや経営参謀の本質的な役割である。
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⑤ フィードバックを前提に設計する
戦略立案は一方向の工程ではない。各ステップの結果を受けて前工程へ戻ることを前提にすると、誤った前提のまま進むリスクを減らし、意思決定の質を高められる。
総括
この章の本質は、「戦略立案とは、優れた発想を生み出す才能ではなく、適切なプロセスを設計・運営し、組織の知見を結集して実行可能な計画へ落とし込む技術である」という点にある。
示された5つのステップは現在でも有効であり、仮説思考、デザイン思考、リーンスタートアップ、アジャイル開発などの現代的な手法とも整合する。特に「仮説を早く置く」「分析は目的ではなく意思決定の手段」「実行計画まで含めて戦略」という考え方は、新規事業開発、事業戦略、DX推進、組織変革など幅広い領域で再現性の高いフレームワークとして活用できる。
追加箇所の要約
一次情報を失う組織は、判断力と実行力も失う
追加箇所では、経営者・管理職が現場から直接得られる一次情報をどれだけ確保できるかが、経営判断の質を左右するという問題が論じられています。
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1. 「人に聞く」ことを避けると、経営者の総合能力は弱くなる
組織内では、管理職が部下に対して、
「その細かい点は担当者に聞いてください」
と答えることがあります。
しかし、こうした態度が常態化すると、管理職自身が現場情報を持たなくなります。本来、管理職や経営者は、すべてを自分で処理する必要はありませんが、少なくとも重要な事実については自ら把握し、統合的に判断できなければなりません。
著者は、経営者として総合能力を磨くには、細部を完全に他者任せにせず、必要な情報を自ら取りに行く姿勢が不可欠だと指摘しています。
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2. 組織の肥大化は、一次情報を減らす
著者は、ラーメン店主と大企業の管理職を対比しています。
ラーメン店主は、顧客の反応、売上、原材料、店員の様子などを自分で直接把握できます。つまり、事業を判断するための情報の多くが一次情報です。
一方で、企業組織が大きくなると、
* 組織が分業化する
* 中間管理層が増える
* 報告書や会議が増える
* 情報が加工・要約される
という変化が起きます。
その結果、トップや管理職が接する情報は、現場の生の事実ではなく、誰かが整理・編集した二次情報、三次情報へと変わっていきます。
著者の問題意識は明確です。
組織が高度化するほど、経営者は現場から遠ざかり、判断の土台となる一次情報を失いやすい。
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3. 報告や会議には「情報加工コスト」が発生する
現場で把握した情報を、社内報告、資料、会議へ載せるには、加工が必要です。
例えば、
* 文書にまとめる
* 上司向けに要約する
* 数字を集計する
* 表現を調整する
* 会議で説明する
* 別の階層へ再伝達する
といった作業が発生します。
これには多くの時間がかかります。さらに、情報が上位階層へ届くまでに、複数回の要約・加工・伝達が繰り返されます。
その過程で、情報量は減り、背景や文脈も失われていきます。現場では重要だったニュアンスが、経営層に届く頃には単純な数値や短い結論だけになっている可能性があります。
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4. 二次情報への依存は、判断機能をトップへ集中させる
各階層が限られた二次情報だけで判断すると、担当者や中間管理職は、自分の狭い職務範囲でしか意思決定できなくなります。
すると、
* 全体最適の判断ができない
* 部門間の調整を上位層に依存する
* 現場で意思決定できない
* すべての判断が上へ上がる
という状態になります。
最終的には、判断、調整、伝達の機能がトップへ集中します。
しかし、トップの時間と認知能力には限界があります。そのため、トップがボトルネックとなり、意思決定が遅れます。
著者は、組織への入力情報が減少すると、狭い情報の範囲内で判断と伝達を繰り返すだけになり、組織全体としてのセンシング能力が弱まると指摘しています。
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5. 長期的には、一次情報への感度そのものが失われる
より深刻なのは、この状態が長期化した場合です。
二次情報だけで判断する状態を長く続けると、管理職は次第に、
* 現場の変化を感じ取る感受性
* 顧客や社員の要求を読む能力
* 一次情報を経営判断へ変換する力
* 自ら情報を取りに行く習慣
を失っていきます。
その結果、部下を組織の総合目的に沿って導く判断力と実行力も低下します。
つまり、一次情報不足は単なる情報不足ではありません。
一次情報を使わない期間が長くなるほど、経営者・管理職の能力そのものが劣化する。
という警告です。
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6. 「つりがね形」の組織が生まれる
著者は、管理職が部下を細かく監督する一方で、現場を理解せず、判断を上位層に集中させる組織を「つりがね形」と表現しています。
この組織では、
* 中間管理層が膨らむ
* 情報が上へ集約される
* 意思決定がトップへ集中する
* 現場の裁量が小さくなる
* 調整や伝達の負荷が増える
という現象が起こります。
組織が管理のために肥大化し、環境変化に対して鈍くなる構造です。
著者はこれを、特定の成長環境にのみ適応して巨大化した恐竜になぞらえています。環境が安定している間は機能しますが、変化が激しくなると対応できません。
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本章の構造的メッセージ
追加箇所の因果関係を整理すると、次のようになります。
組織の分業・階層化
↓
現場情報が報告書・会議によって加工される
↓
経営層へ届く情報が二次・三次情報になる
↓
各層の判断範囲が狭くなる
↓
調整・意思決定がトップへ集中する
↓
組織の判断速度が低下する
↓
管理職の一次情報への感度も衰える
↓
環境変化に対応できない組織になる
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実務への示唆
1. 経営者・参謀は「報告を受ける人」ではなく「一次情報へ接続する人」である
経営参謀に必要なのは、資料を読んで整理する能力だけではありません。顧客、現場担当者、取引先、営業、開発などに直接接触し、自ら事実を確かめる必要があります。
経営会議資料だけを見て判断していると、情報はすでに複数回加工されています。重要案件では、少なくとも一部を自分でヒアリングし、元データや生の発言へ戻るべきです。
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2. 「誰から聞いた情報か」を明確にする
戦略検討では、情報を次のように区別すると有効です。
* 一次情報:本人から直接聞いた、現場で確認した、元データを見た
* 二次情報:担当者が整理した報告
* 三次情報:会議資料や要約を通じた伝聞
* 仮説:事実をもとにした解釈や推測
この区別がないと、何度も加工された情報が、あたかも確認済みの事実として扱われます。
ユーザーが資料で用いている【F】【Q】【H】【R】などの凡例は、この問題への有効な対処になっています。さらに【P:Primary Information/一次情報】を加える余地もあります。
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3. 報告資料は増やすより、情報経路を短くする
情報不足が起きると、組織は報告書や会議を増やしがちです。しかし、それによって加工・伝達時間が増え、一次情報からさらに遠ざかる可能性があります。
改善策は、資料を増やすことではなく、
* 経営者と現場の直接対話
* 顧客インタビューへの経営層参加
* 元データへのアクセス
* 階層を越えたレビュー
* 短時間の現場観察
などにより、情報経路を短くすることです。
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4. 現場への権限移譲には、一次情報と目的共有が必要
現場へ権限を渡すだけでは、全体最適にはなりません。
現場が適切に判断するには、
* 組織の目的
* 戦略上の優先順位
* 判断基準
* 許容可能なリスク
* 必要な一次情報
が共有されている必要があります。
これらがなければ、権限移譲は単なる放任になります。逆に、目的と判断基準を共有すれば、現場はすべてを上司へ確認せずに意思決定できます。
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5. AI時代ほど「一次情報の価値」が高まる
生成AIは、大量の二次情報を整理・要約することに優れています。しかし、入力される情報が加工済みであれば、AIもその範囲内でしか判断できません。
AI活用によって資料作成や要約が高速化すると、二次情報の生産量はさらに増えます。そのため、今後はむしろ、
* 誰が直接見たのか
* 顧客本人が何と言ったのか
* 実際の行動データはどうか
* 元データにどのような偏りがあるか
を確認する能力が重要になります。
AIは一次情報を代替するものではなく、一次情報を構造化し、解釈を補助する道具として使うべきです。
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前回内容との統合的な示唆
前回の「戦略立案の5ステップ」と今回の「一次情報」の議論を組み合わせると、戦略立案の品質は、次の式で表せます。
戦略の質
=課題設定の質 × 一次情報の質 × 診断の質 × 選択の質 × 実行設計の質
どれほど洗練されたフレームワークを用いても、現状分析の材料が加工された二次情報だけであれば、診断も解決策も誤ります。
したがって、5ステップの前提には、実質的に次の「STEP0」が存在します。
STEP0|一次情報へ接続する
* 誰に直接聞くか
* 何を現場で見るか
* どの元データを確認するか
* 報告と事実をどう分けるか
* 情報が何段階加工されているか
を設計してから、課題設定と分析へ進む必要があります。
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総括
追加箇所が伝えている本質は、次の一文に集約できます。
経営者や管理職が一次情報から離れると、情報量が減るだけでなく、自ら判断する能力そのものが衰える。
組織が大きくなるほど、報告、会議、中間管理層、資料は増えます。しかし、それが経営の質を高めるとは限りません。重要なのは、情報を大量に集めることではなく、経営判断に必要な生の事実へ、組織の各層が直接接続できる状態を保つことです。
経営参謀の役割も、情報を上手に加工してトップへ渡すことだけではありません。一次情報の流れを設計し、現場と経営を短い経路で接続し、各階層が自律的に判断できる組織をつくることにあります。 -
Posted by ブクログ
論理思考と発想の技術
経営参謀が明かす
著:後 正武
紙版
PHP文庫 う 13 2
執筆当時、論理的な思考に関する書籍が少ないことから、後氏がみずから書き記したものとあります。
前段は、論理的思考と、問題解決方法を、後段は、どうやったら柔軟な発想ができるかを考察します。
気になったのは、以下です
■論理的思考
文章を構造的に分解し、論理的かどうかを問います。
・日本人にとってのことばとは、必ずしも、論理的思考をともなっていない
大坂本町糸都屋の娘
姉は十六、妹は十四
諸国諸大名は弓矢で殺す
糸都屋の娘は眼で殺す
論理的というより、起承転結とメリハリを重んずる
・修辞の世界は、表現の技術であるが、論理的にものごとを無駄なく矛盾なく説明する、正しさを保証する技術ではない
・日本では、古来、ことばには、不思議な霊力があると信じられてきた
日本人は、ことばのもつ、感覚的な要素、をより重視しているのではないか
・正しさの5つの根拠
①力による正しさ
②制度的正しさ
③数理的正しさ
④事実の正しさ
⑤論理的正しさ
・論理には原則がある
①基本はピラミッド構造
②メッセージは一度に一つだけ
③抜けや歪みがないこと
④中小のレベルがそろっている
⑤最下部は、事実か、事実に代わる蓋然性の高い仮説
・メッセージの書き方
①単語ではなく、命題であること
②一つの枠には、必ずひとつしかメッセージを入れないこと
・抜けや歪みがない MECE
重複がないこと、そして、洩れがないこと
・頭括式 まとめ、結論を先にのべる、それから文に入るもの
・尾括式 まとめ、結論が最後にくるもの
・双括式 最初と最後にまとめ・結論を念を押して繰り返すもの
・モジュール
キーメッセージを支える
全体の一部分であるけれども、それ自体がひとつの独立した機能をもつ有用な一部のセットのこと
⇒文の構造からは段落になるけれども、論理的な意味でモジュールといっている
・文を理解する手順
①全体を代表するメッセージを考える
②その下のモジュールを考え、しっかりしたものと、ぐらついて、しっかりしていないものをえり分ける
③モジュール間の上下を判断したうえで、最終的にモジュール間の構造、組み合わせと、それがどのように全体のメッセージに繋がっているかを考える
・論理の欠陥を見つける
①仮説の弱点、構造自体に欠陥、矛盾はないかどうか
②事実、観察
③挙証責任の転換
④隠れた前提
⑤論理の飛躍、洩れ、矛盾
・非論理的な議論の排除
・勘による判断、水掛け論、力と取引による決着ではなく、課題を正しく解決する
・そのためには、問題を正しく認識し、筋道を立てて、正しい解決に導く
■問題解決
・イッシュとは、解決すべき課題のこと
・イッシュを解決するために、複数の要素、サブイッシュに分解する
・イッシュであるか、ないか、重要なのかそうでないかを判断することが最初のイッシュである
・ロジカルツリーと同様、イッシュも、ツリー構造に展開する
・イッシュツリーを分解していくと、最後に事実につきあたる
・プロジェクトを開始するにあたっては、全員で共有するイッシュを作成することが不可欠である
■発想法
・三上 枕上、鞍上、厠上 つまり、ベッドで、移動中に、そして、トイレの中でヒラメキが得られる
・アリストテレスの3つの思考法
Intuction 帰納法
Deduction 演繹法
Abduction 仮説検証法
・ポアンカレ 人間の精神活動を行う主体
意識的自我
潜在的自我
・要素を拾い集める
カード
発見の手帳
KJ法
ブレーンストーミング
・人間の4つの精神活動
①数理・論理・科学
②思想・宗教
③詩・物語
④経営・組織運営
・インファレンス(推論)
インファレンスとは、与えられた条件から、ここまでなら、確実に言えそうだという範囲を正しく推論する能力のこと
与えられた情報から、何と何は確実に言えるが、何は言えないか、を確実に見抜く推論の能力のこと
本書が勧める4冊
①バーバラ・ミント 考える技術・書く技術
②梅棹忠夫 知的生産の技術
③川喜田二郎 発想法
④川喜田二郎 続発想法
目次
文庫版のためのはしがき
はしがき
第1章 論理とは何か?
第2章 論理の原則
第3章 論理の演習
第4章 イッシュー(争点)を考える
第5章 ゆたかな発想を求めて
第6章 論理と発想についての断章
索引
ISBN:9784569666198
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:648円(本体)
2006年03月17日第1版第1刷 -
Posted by ブクログ
ビジネスの場面で用いる分析手法に関して詳細に説明されている。
普段行っている仕事と照らしながら読み進めた。
一般に行われる分析を分類し、それぞれの類型に関して説明を加える構成は明快だった。
└ 分析の類型:大きいものを考える、分けて考える、比較して考える、変化/時系列を考える、バラツキを考える、過程/プロセスを考える、ツリーで考える、不確定/あやふやなものを考える、人の行動/ソフトの要素を考える
それぞれの分析の具体例・グラフを参照しながら、「どのような背景でこの分析が行われているのか?」を考えながら読み進めることで、抽象的な分析手法の概念と具体的な事例を行き来しながら読み進められた。
一方、実業務でこの引き出しを瞬時に出せるレベルにはないため、定期的に本書を振り返るとともに、分析手法をさらにマスターしていきたい。 -
Posted by ブクログ
・分析は、物事を分類・比較して、類似や差異を考え推論すること。
・ただ分ければ良いわけではない。有効なセグメンテーションは施策に効果的に反映できるよう工夫されたもの。
・比較も同様に、ただ比べるのではなく、目的に応じてアップル・ツー・アップルで比較する。
・戦略は資源の適切な配分。
・過去の経験やパターンを考える際は、その現象そのものはヒントにすぎず、そのヒントの背後にどのような理由、根拠があるか、そのパターンが今回も繰り返しされるのが妥当かよく考えて検討することが大切。
・PPMで会社内の事業や商品の整理して、ビジネス・システムで各々の事業・商品のアウトプットまでの流れを見て配分を最適化する。
・ビジネス・システムを戦略的に扱う上で、KFSやレバレッジを追求する考え方と異なるアプローチは3つ。
①フィックス(各工程の最適化
②バランス(工程間の整合性を取って調整
③リデザイン(既存のビジネス・システムを前提とせず、最終のアウトプットのみ着目して、新しい視点で設計
※各工程を全く新しいものに差し替え、やり方を新しくするなども該当する
・デシジョン・ツリーで未来の選択をするときの確率評価をする。確率の置き方や各数字の変化量の設定次第で全く異なる結果になるから注意。
※売上が20%上がるのか10%上がるのかの設定とか。50%の確率か30%の確率か、とか。 -
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※再読
プロジェクトでなんか上手くいかないと感じるときは、①答えるべき問いがそもそも違う、②(問いに対する)メッセージが研ぎ澄まされていない、③メッセージの伝え方が良くない、の3点だと思います
この「意思決定のための分析の技術」は①・②の処方箋として、事あるごとに読み直しています
・全体としての意味付けを忘れない為に、全体像と個別に論じるべきことの重要度を判定する
– 重要なものから順に検討する
・分析からのメッセージは、「経営上の判断を助け、効果的な打ち手」に繋がるか
– マネジメント・インプリケーションになっているか
– 経営への効果や経営上の意味合いは何か -
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遠い昔、新人コンサルタント時代に、ロジカルシンキング講師にオススメされて購入した本。久々に読み返しましたが、やはり面白いな。この本は、ある程度ロジカルシンキングを学んでから読む方が面白さが分かると思う。
本書の特徴は、帰納と演繹という「論理の基本」に重きを置いたうえで、ほぼそれだけで様々な事象や例を解説している点である。物理学に近いものを感じる。
全体にケースが秀逸。
・あなたは私を愛しているか
・ソクラテスは死ぬか
・ソクラテスは人間か
・自然は貴重である
・日本の地価は上がり続けるか 等
一方で、他のロジシン系書籍にありがちな「論理最強」で終わらず、「論理には限界がある」と説明されているのが興味深い。やや哲学的な側面ものぞかせるが(著者の教養・趣味だろう)、それも含めて楽しめる。「言葉の内包」とか面白かった。コラムも非常に秀逸。
対話形式など、やや時代を感じる編集におそらく賛否両論あると思うけど、私は読む価値ありと推します。この本を「内容が薄い」とかで片付ける人はきちんと理解できてないんじゃないかな。。全くそう感じないけど。
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Deduction(演繹)は一般論から個別論へ
Induction(帰納)は個別論から一般論へ
AはBであるというとき、A=B と AはBに含まれる と2つの場合がある。前者は逆や裏も正しくなるが、後者はそうでは無い
1つだけの前提から1つの結論を導く構造となっている論理は風鈴ロジック。正しい主張になり得ない
前提3種類
いつでも常に正しいと主張できる真理
人間社会が決めた取り決め
その他の一般に用いられる前提
文化とは、取り決めや価値観、その結果としての人々に共通な行動様式の総合体
人間は上下については絶対方向を基準にし、左右については相対方向を基準に考える習慣を持っている
帰納の仕方3つ
主語を変える
述語を変える
言葉の持つ曖昧さを使う
異質のメッセージを使って直観的・総合的な判断をすることは我々は日常、自然に行なっている
「自然」や「愛する」など、曖昧な言葉を大前提に使うと、とんでもない議論に発展する
世の中には、
数理で検討できるもの
論理で考えて判断するもの
感性の世界で対応しなければいけないものがある -
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論理思考、ロジックといった類いの書籍は世に溢れている。
この「論理思考と発想の技術」も その内の一冊ではあるが、私にとってはとても貴重な一冊だ。
ひとつは、演繹と帰納をすっきり説明していること。
なんとなくは理解していたが、この本のおかげでとても理解が進んだ。
もうひとつはアブダクション、発想法であるが、こちらもとても理解が進んだ。
「広げて、収斂し、発想につなげ、現実的に具体化する」といった内容であるが、それぞれのステップにおいて、とても具体的な説明があり、考え方としてなるほどといえる内容となっている。
また、『アイデアのつくり方』とまったく同じアプローチであることにも気がつき、これら発見もあってとても楽しく読むことができた。
KJ法はじめ、カード形式で整理する方法は、連関図、CRT、親和図など、さまざまな方法があるが、個々の方法ではなく、発想のアプローチの本質が、この本にはある。
この本質を理解した上で、目的に応じ、方法を選択することが望ましいと思うし、どのような視点でまとめるかという論点が重要なのであろう。
この本にもあるが、「一次情報が大切である」ということを意識し、現場に足を運ぶなど、発想を刺激するナマを大切に、精進せねば。。。
読み終えはしたが、いまだ時折 読み返している。長い間ほおっておいた本なのに、今年いちばんインパクトをくれた本になった。
本当にありがとう。 -
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ネタバレ<要点>
■一般的な正しさへのよりどころ
①力による正しさ
②制度的正しさ
③数理的正しさ
④事実の正しさ
⑤論理的正しさ
■論理の5原則
①基本はピラミッド構造(帰納と演繹で積み上げる)
②メッセージは一度に一つだけ(一文一義)
③抜けや歪みのないこと(MECE)
④抽象のレベルが揃っていること
⑤最下部は、事実かまたは事実に代わる蓋然性(がいぜんせい)の高い仮説
演繹:一般論から個別論を導く過程
帰納:個別論から一般論を導く過程
■MECEに分けることを心がける際には「世の中にはAとBとCがある」という「拾い出す」形の叙述よりも、「世の中にあるもっ質を分解すると、AとBとCに分けることができる」という言い方のほうが都合がよい
■原因(要因・要素)が下で、総合・結果が上ということを強く意識しないとまとめたつもりでも混乱を招くことが多い
■文書構造を見る際には、まず全体を代表するメッセージを考える。次に、その下のモジュールを考え、しっかりしたものとぐらついてしっかりしていないものを選り分ける。そして、モジュール間の上下を判断したうえで、最終的にモジュール間の構造、組み合わせと、それがどのように全体のメッセージにつながるかを考えればよいのである。
■イッシュー:互いに問題だと思いつつ、判断が分かれ決着がつかない課題
■「イッシューか否か」の争いは、まったく非生産的なものなので、早くからそこから脱出して、知的生産活動のレベルでの問題解決に進まなければならない。
■プロジェクトチームミーティングを人の調べたものの発表の場にしてはいけない。まず、イッシュー・ツリーを作る作業から出発すると、各人が、何の作業を分担するかが分かるため、ミーティングは「作業のための打ち合わせ」の場になる。
■組み合わせの数が無限に近付くと始末に負えないから、企画化を進めて、ある程度数を絞り、実用と経済効果の両立を目指すようになる。しかし、我々は規格化によっていつの間にか原点である組み合わせの自由度を忘れ、可能性を見失ってしまうことがしばしばあることを詰めに銘記しておかなければならない。
■人は不思議な現象を見るとそれを受け入れるために大きく二つの方向をとる。
①不思議を説明するために空想物語を作り、人にも語り、人の話も聞いて心に納め安心する方法。この心は詩や神話を生む。ロマンの世界である。
②不思議な事実を追求し、その中に関係や法則を見出して、現象を説明し、不変性の中で不思議を解消することである。これは科学を生む、道具を作り、文明を発展させた。 -
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文句なしのロジシン本!この値段でこの内容はスゴい!1年生の時から、ほったらかしにしてしまった事を後悔…。
さてさて内容についてだが、第1章〜第3章は、『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)をもう少し噛み砕いた感じか。演習問題(第3章)がしっかりと入っている点も評価できる。第4章では、問題をかみ砕いて行く方法を記載している。そして第5章では、それから解決法を導き出す方法(例:KJ法)を書いている。最後の第6章では、発想、というものに焦点を当てている。
特に5、6章の読む価値は非常に高い!これだけでも、これ1冊の値段払ってもいいかも…。ロジシンとか学びたいけど、『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)読むのが面倒だとか、難しい人はこっちから入るのがいいかも。何よりも安いし(笑) -
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著者は、後氏である。東大ーハーバード(MBA)ーMck(パートナー)ーベイン副社長
というコンサル街道のど真ん中を歩いてきたような人である。ちなみに、本書は、
国内に置いては「ロジカルシンキングのはしり」と言われている名書である。
内容は、ロジックとは何か?から始まり、ピラミッド、MECE、イシューツリー、
論理の演習という感じで、まぁ普通?ただ、その後に、アブダクションまで言及して
いる事に少なからず驚いた。ここまで書いてある本はなかなかない。
ちなみに、遡ることアリストテレス、論理学の方法は以下の3つあると考えられていた。
1.induction
2.deduction
3.abduction
ちなみに、1と2は帰納と演繹である。最後のアブダクション、意外と知られてない。
(自分も知ったのは、ごくごく最近。何かの書籍で知った・・・気がする(笑))
しかし、これがなかなか秀逸である。私の記憶が正しければ、ソフトバンクの孫正義氏が
音声発音機能付き電子辞書を開発した方法論が、アブダクションである。
つまり、個々の要素を組み合わせて、新しい発想をしていく事。
なぜ、この論理的方法が本書以降、あまり目に見えないのか結構不思議である。
また、後氏は最後の方で「論理はあくまで方法論であり、絶対に正しい事ではない」と
言い切っているのがすがすがしく、そして新しい個人的知識にもなりえた。
この部分は、多くの人に読んで欲しいとも思う。
(まぁ、当たり前と言えば、当たり前なんだけど)
文庫で、安い。しかし、内容は素晴らしく濃いのでお薦めできる。