後正武のレビュー一覧
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■分析の切り口
分析の基本は、「大きさを考える」、「分けて考える」、「比較して考える」、「時系列を考える」の四つである。そして、そのバリエーションとして 「バラツキを考える」、「プロセスを考える」、「ツリーで考える」という工夫が生まれる。
①大きさを考える
分析することやアイディアを出す前に、対象の大きさ(影響)を考えるべき。
「君が事実や数字をつかんで、物事の因果関係を分析・理解し、解決のアイデアを次々と出す能力があることはわかった。ところで、その一つひとつをすべて実行したら、いったいいくらの金額が儲かるのかね?」と言われてしまう。
大きさをグラフで表現したもの
②分けて考える
世の事象は諸要素が融合して混然一体となっており、これを正しく理解するためには総体としてとらえるだけでは不十分で、「分けて、個々の要素を吟味することによって、はじめて本質を正しくとらえることができる」。
非常に頭のよい人でも、同時に三つのことを考えることのできる人はまずいないが、普通の人でも同時に二つのことまでは考えられる。
・縦と横の2軸
③比較して考える
一つの事象を単独でいくら細かく分けて検討してもできなかったことが、二つ以上の事象を比較検討することにより、そのなかに含まれる法則性や諸要素間の相互作用や重要性の程度を判別することができる
④時系列を考える
繰り返しのパターンが現れるとき、その現象の背後にどのような法則・要因があるのかを注意深く検討してみなくてはならない。
はたして降雪二年周期説には、単なる過去のデータ以上に、気象学上、人を納得させるような何らかの根拠があるのか。「ある」と答える人はいないであろう。そうだとすれば、降雪二年周期説は、単なる偶然と見たほうがよいことになる。
⑤バラツキを考える
分布表にすることで、バラツキとその傾向を探すことができる。
⑥プロセスを考える
プロセスに分けることで、MECEに検討することができる。 -
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戦略系コンサルタントとしてマッキンゼー・アンド・カンパニー等で活躍し、その後独立したやり手の著者が、経営に資する「分析の技術」について、その整理・体系化を試みたもの。
戦略系コンサルタントが実践している「分析」の切り口や方法論、ノウハウについて知ることができ、勉強になった。特に、「大きさの程度」(オーダー・オブ・マグニチュード)の考え方、クリティカル・マスの考え方、MECEの考え方、マネジメント・インプリケーションを考えて分析の切り口を考えるということ、アップル・ツー・アップルの考え方、デルファイ法の考え方などは、これまでに聞いたことがあるものもあったが、改めて整理して認識することができ、参考になった。
本書は民間企業の経営に資する分析を主に取り上げているが、この「技術」はパブリックセクターにおける政策課題の分析などにも役立つものだと思われる。 -
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元マッキンゼーの後正武さんによる分析の技術。初版発行は1998年なので扱っている事例や図表はやや古いけれど、分析の手法自体は今でも古びていない。その意味で普遍性のある方法論を扱った著作と言えるだろう。
何より印象的なのは、まえがきのウフィツィ美術館で出会った画学生の話。彼によればルネサンス絵画は絵を描く技術に満ちているという。絵の細部を分割して筆使いや色の重ね方などを捉えていくことでその絵の豊穣さが理解できる。それ以来、著者は絵の見方が変わったという。
著者によれば経営者として必要になる分析の技法というのも同じであって、何となく事象を眺めるのではなく、方法論をもって分割して捉えることでより深く理解できるようになる。そのための主要な方法論を紹介したのが本書という位置付け。
大きさ、分ける、比較する、変化・時系列、バラツキ、過程・プロセス、ツリー、不確定・あやふや、人の行動・ソフトと、考えられる手法は概ね取り上げられていると思う。
一読したからといって使いこなせるようになるわけではないので、実践して慣れていくしかないのだが、実践後に立ち戻り、再確認するといった使い方がいいんじゃないだろうか。 -
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【選読理由】
内定先からの課題図書の一冊。
【感想】
この本が1998年発行の本ということもあり、もしかすると一部分では、見当違いなことが書かれているかもしれないということを念頭において読んだ。結論からいうと、全ての内容が現在でも変わらず有用であると思われたので、この本に関しては発行年を気にする必要はないと感じている。特に昨今のビジネス書等に関しては、1つの分野について狭く深く記述されている書籍が多いように感じているが、この書籍は「分析」という抽象度の高い事柄に関して、リッチな図表とともに非常に具体度の高い内容で記述されているため、分析という事柄の全体感を掴むにはもってこいの一冊だと言える。
本書では、「分析」は一つの技術であるという立場をとり、筆者は分析の基本を「大きさを考える」「分けて考える」「比較して考える」「時系列を考える」の4つであると捉えている。
中でも、私は「大きさを考える」ということがとても大切な概念であるにも関わらず、つい忘れてしまっている時(人)がある(居る)と思うので、興味深いパートであった。
また、先にも触れたが本書の1つの特徴は豊富な図表(質・量ともに)である。ある事柄について解説するごとに、それに対応する図表がミニケーススタディとして掲載されるため、抽象的な概念の具体的なイメージの想起に役立つ。これは、読むに時間がかかり時に疲れるかもしれないが、しっかり読むことで身になる感覚が持てた。
【印象に残った箇所】
P12; オーダー・オブ・マグニチュード=何事によらず、内部論理の緻密さや形式的な整合性を論ずる前に、全体としての大きさの程度、施策の利きの程度をおおまかに把握して、まず重要度の判定をし、そのうえで重要度の順に応じて、あるいは大きなところのみ手をつける、という考え方である。 -
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問題解決における「解読」→「創案」→「評価」→「選択」(別著「問題解決の全体観」より)の中の、「解読」について詳説した本。種々解析の具体的手法の列記ではなく、解析の全体像を捉え、提示している点で価値が高いと思う。
前半は比較的リジッドな数字として扱えるものを対象に、
・全体(=大きさ)を考える
・分けて考える
・比較して考える(変化・時系列、バラツキ、過程・プロセス)
といった考え方の基本を述べている(ツリーによる思考も一章使って概説)
後半では、より不確定・あやふやなもの(特に人の行動については別立てで一章あり)について、どう判断していくべきかについて述べている。
たまに引っかかる部分(新製品開発のスループット改善を課題とした事例において、プロセス複雑化を是正する方法論が示されていない、等)もあったが、9割方納得感が高い内容であり、折に触れて読み返したいと感じた。
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「分析」は、ともすると「数値の集計」や「グラフ作成のこと」と勘違いしてしまう誤解も多い。
しかし、分析は問題解決と意思決定のためにある。そして問題解決や意思決定に資する分析を行うため重要となるのが、分析の「切り口」を見出す力だ。
本書は、元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントが「分析のハウツー」はもちろん、分析を行う上で必要となる「切り口」の重要性を解説している名著だ。
本書の発刊は1998年に遡る。
変化の激しい時代を経て今なお読み継がれているのは、時代を越えて揺るがない本質が描かれているからだ。
分析の視点には、「大きさを考える」「比較して考える」「時系列で考える」「分解して考える」など、様々な切り口が存在する。
もし、分析が単なる「集計」や「グラフ作成」に留まっているのなら、目からウロコが落ちる一冊となるはずだ。 -
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ロジカル・シンキングとしてはバーバラ・ミント著『考える技術・書く技術』が有名だが、その次に是非読んで欲しい本。「客観的に意思決定する」ことに焦点を絞りそのための分析技術をここまで公開しているのは凄い。筆者自身「ロジカル・シンキングは一朝一夕には成らず、かつ磨けば磨くほど光る」と語っているのでその自信の表れかもしれない。「本当の経営戦略」を示し戦略コンサルタントの力量を日本に知らしめたのは大前研一著『企業参謀』であるが、それに通じる風格を感じさせる。
分析の技術はざっくりいえば「影響度合い」「比較」「分解」「ばらつき」「仮定」「構造」「不確定」「人」であるが、それらがつまりはどういうことかが述べられており非常に勉強になる。すぐに身に付くものではないが日々訓練したいスキルである。