若田部昌澄のレビュー一覧
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副題にあるとおりレジームチェンジの貫徹で日本経済は復活するという主張。コンパクトな新書ながら、アベノミクスにおける消費税増税の失敗からいかに脱却し、新しいアベノミクス(ネオアベノミクス)を実現していくかについて、池田勇人の時代に実現した「オープンレジーム」(詳細は、117ページの表3−1を参照)を基本的な政治経済体制(レジーム)としつつ、3つのR、すなわちリフレーション、リフォーム、リディストリビューションを実行すべしと論じられている。
高度成長期の歴史を論じた4章では、笠信太郎と石橋湛山の思想の相違が「花見酒の経済」を例にしつつ明確にされ、続く部分でも都留重人対下村治の話が読者を惹きつける -
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勝間さんは表紙の角度が一番美しいと思います。 それは置いといて。
イェール大学名誉教授の浜田先生が今回の増税に対するコメントを時事ドットコムに曲解された、という勝間氏のブログからリファレンス。浜田先生が、かつての教え子にあたる前日銀総裁 白川氏にあてた書簡で幕を開け、高橋是清にはじまる日本の近代経済政策史もサラッと学べる非常にお得な一冊。
国内の経済学者は、日本銀行に対する批判になった途端口を閉ざし、日銀内での「失敗を許されない」エリートの構造的問題をして、異学の禁と断じ、ハイパーインフレを盾に政策の硬直を唱える保守的で無責任なコメンテーターを、柿の種で国民からオニギリを取り上げるサルかに -
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デフレの原因は何か?解消するためには何が必要か?がわかりやすく書いてあった。
印象的なこと
①「名目金利」と「実質金利」の違いはなるほどと思う。名目はただ単純に金額の上下に対して、実質はインフレだと金利が低くなり、デフレだと高くなる。今日の100万円と1年後の100万円は価値が違うってこと。
②「ミクロ」(家計)と「マクロ」(社会一般)の違い。ごっちゃに考えるのはNG。
③デフレで得するのは、富裕層や公務員(給料一定)。損するのは弱者(若者や女性)。
④日銀は国民のためでなく、短資会社(OBが多い)のために金融政策をやっている。昭和恐慌の経験から、インフレを恐れていて、デフレは容認?
・・な -
Posted by ブクログ
経済学とは何か?
私ははっきり言って全くのド素人なのですが、この本は発売後すぐに手に入れて読みました。
最近経済学、特に政治の世界において財政政策と金融政策について語られていると思いますが、金融とはなにかが良くわからずいつも頭の中には”?”がいっぱいでした。
勝間さんや経済評論家の森永さんが金融政策で「日銀がお金をいっぱい刷って市場に出せばデフレは止まる」といった類の意見をテレビ等でおっしゃっているのを聞き、「なんでお金を刷ればデフレが止まるのか?」がいまいちよく理解できませんでした。
しかし、この本の中で貨幣と物、資産(サービス)についてそれぞれ需要と供給があり、どれかの需要が高くなる -
Posted by ブクログ
リフレ政策支持の経済学者が、2014年の消費税増税後のアベノミクスの指針について意見を述べた本。アベノミクスとは何かを知るには悪くないけど、引っかかる点も多かったので、良かった点と読んでいて引っかかった点を箇条書きにまとめる。
良かった点
① 第一章の「第一次アベノミクス」が何だったのか、第二章の金融緩和に対する俗な批判についての反論が、手際良く整理されている。特に「円安なのに輸出が伸びない」という批判について「Jカーブ効果」で反論している箇所は勉強になった。
② 経済学の新しい知見を教えるのがうまい。例えばP.27でピケティの主張、P.129で名目GDP水準目標について端的に説明してい