島崎晋のレビュー一覧
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歴史には昔から興味がありますが、最近では世界史、それも通史に興味があります。なぜ王朝や文明は栄枯盛衰を繰り返すのかという視点で見てきますが、切り口をパンデミックにしてみると、面白い見方ができるのかもしれないと最近思いました。
すると現在世界中にコロナが蔓延していますが、この数百年間西洋文明が栄えてきましたが、そろそろ東洋文明との抗体の時期に来ているのかもしれません。本当かどうかは不明ですが、コロナが蔓延して大変な思いをしている、米国や欧州諸国、コロナを抑え込んだとされる中国等、これから数十年後の人たちは、2020年頃を転換期だと思うのかもしれません。
この本では今までに起きた感染症を取り上 -
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歴代の覇権国家のあり方とその成功・失敗から学びたい人におすすめ。
【概要】
●覇権国家は必ず衰退する、その理由はイノベーションの妨げになる既得権益層の抵抗
●資本主義の欠陥が目立つ世の中、日本の選挙投票率の低さもその一つ
●植民地問題と移民問題
●宗教観、文化・文明、それぞれと覇権の関係
●生存圏を確保するための、先進国の廃棄食糧活用、富の再分配など
【感想】
●世界史から見える教訓と日本の問題点について理解できた。
●「過去の成功にも失敗にも学ぶ点はたくさんある。問題はその見極めと、現代社会にどう活用するかである」と書かれているが、見極めと活用に関し、著者の考えがあまり書かれていないのは -
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島崎晋(1963年~)は、歴史関連の一般書を多数書いている歴史作家。
本書は、700万年前にアフリカで誕生した人類(猿人)が、現生人類(ホモ・サピエンス)となり、日本列島に定住して日本人になるまでを概説したものである。
人類進化の700万年の歴史について書かれた本は決して少なくないし、(私もこれまでいくつかの本を読んできて)本書の内容に特段新しい材料があったわけではないが、ある程度の推測を含みつつも、アフリカの猿人は大きな「5つの選択」を経て日本人になった、と思い切って整理し、説明したところに本書の面白みがある。
本書で示されている5つの選択は、①氷河期の時代に、アフリカから「今、出る」か「ま -
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日本史の授業では、淡々とその事実(あくまで仮説であったとしても)が語られ、伝記、伝承では人物は偉大なるヒーローとして描かれる。
どちらも歴史を学ぶという目的だけなら良いが、退屈すぎたり、風呂敷を広げすぎて眉唾であったり。
本書はその中間をうまく取った。
面白く、興味を持って歴史を楽しめる。
「鉄砲傷は馬糞汁を飲めば治ると信じられていた」(72頁)
果たして効果のほどは。
別のところを悪くしそうだが、どんな地域、時代でも怪しげな「効果」はあるものだ。
「鬼平はインサイダー取引に手を染めた」(133頁)
白川の清きに魚の耐えかねて、元の濁りの田沼恋しき なんて歌を思い出す。
正しいことをしたけ -
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以前はテレビなどで放送される戦国時代の映画・ドラマ等を見て、昔の武将は勇気があって素晴らしいなと感動していたのと同時に、親から私達の祖先は武士であると言われたときに、私なら敵陣に向かって顔をさらけ出して、馬に乗って切り込むことは到底できない、先祖に対して申し訳ない気持ちになったことを記憶しています。
しかし近年になって、武士の実態はこうであった、という本が何冊か出版され、その中には実に人間らしい武士の姿が書かれていました。それを読んで、戦国時代の武将も私達とあまり考え方が変わらない人達であったとわかり、親近感を覚えたています。
従って、タイトルにある「残念な日本史」は、私にとっては残念では