合田正人のレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    「幸福」はそれ自身が徳である。我々は高邁と礼節を用いて自身から不可分である情念を制御し、意思・努力・行動で自分のみならず他者・自らを取り巻く環境を形成していく。この他人とともに自己を形成する過程に「幸福」は内包されている。心や意識が硬化し、ただ「待っている」だけでは「不幸しかない」。巻末にあるように、ニーチェの「力への意志」に近いものがあり、道徳の系譜や善悪の彼岸と合わせて読みたいと感じた。

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    2022年11月20日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    ネタバレ

    「喜びは、行動とともにある。
    幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」

    アランの『幸福論』は以前からいつか読みたいと思っていましたが、原著を読むのは敷居が高いので、このシリーズでとりあえず読んでみようと思いました。
    どんな本かというと「寒い夜に湯気を立てている一杯の温かいスープのような書物」であり、さまざまな生活の場面における幸福についての断章(フランス語でプロポ)全部で93編から成っているそうです。
    アランに師事した小説家アンドレ・モーロワが遺した言葉に、「私の判断では、世界中でもっとも美しい本の一つである」という言葉があるそうです。

    プロポの中で心に残ったものを挙げてみます。

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    2018年11月07日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    幸福になれなければならない。幸福とは今この時点の認識の話。何もしなければ悲しみや不幸が入ってきてしまうから、意思を持って楽天主義であること。意思を持って行動すること。自分/周りへの上機嫌の姿勢でどこへでも飛べてしまうこと。哲学を「する」こと。
    おもしろかった〜。良い本。

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    2025年11月08日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    そもそも本持ってるし読んでたけど、好きだから
    持ってるんだけど、100分de名著でまた復習して、やっぱすごく良い本だよな〜現実に即していて、すぐ出来る効果的です大事な事が、見栄を張って大きく見せる事なく、実直に書かれていて。
    福沢諭吉の後に読んだから余計に思ったわ…
    アランさん大好きです。良い事いっぱい教えてくれてマジありがとう。全部同意します。

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    2025年09月08日
  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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    哲学者ピエール・アドによる、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の読み解き。両者をヒントに自らの思考が深まる。張り合う訳ではないが、やはり哲学そのものが無意味な造語を弄ぶスノビッシュ、或いは文系学問の聖域化に流されている見方が拭えない。くだらない。故に、よりシンプルな現象論からこの世界を覗いてみた。

    以下は私自身の咀嚼した思考になるが。

    言語とは。
    「実存する事物の名称化」と「実存しない観念の名称化」、「それらを組み立てる文法」に分けられる。目が見えない人が事物を名称化するが如く、形の見えない観念を名称化する事も可能。

    思考の限界は言語の限界、というのは誤りだ。

    文語と口語に対し、思考

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    2024年01月06日
  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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     本書は2004年に出版された、フランス哲学者によるウィトゲンシュタイン(以下LW)評論の翻訳本。著者は既に鬼籍に入っているが、フランスにLWを紹介した最初の人物だという(ということは、それまでの現代フランス哲学はLWを何ら参照することがなかったのだろうか?)。専門である神学や古代ギリシア哲学、新プラトン主義の文脈からLWを論じているが、本文と解説で丁寧な解説がなされているためそれらの知識がなくとも読み進めることは可能。むしろ最近の哲学書のような重厚長大さがなく、本文も150頁程度とコンパクトであり読み易い。古田徹也氏による解説も充実しており理解を助けてくれる。

     内容に関しては古田氏も指摘

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    2022年09月19日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    アランの「幸福論」を丁寧に解説してある良書でした。
    邦訳も読みたくなりました。
    「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」なんてグッと来ました。
    他人を幸せにしたいならますば自分から。
    もっともっとスマイルで日々を謳歌します。

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    2022年01月25日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    ネタバレ

    「世界三大幸福論」の1つであるアランの幸福論の内容を知りたくて読んだ本。読んで参考になった。「幸福論」が読みたくなった。この本の中で紹介されていた「幸福論」の言葉の中でP52の「悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による。」と、P98の「幸福とは報酬など求めなかった者たちのところに突然やってくる報酬である。」、「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。」という言葉が好き。

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    2019年04月27日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    世界三代幸福論
    スイスのカールヒルティ、イギリスのハートランドラッセル、アラン
    寒い夜に湯気を立てているいっぱいの温かいスープのような書物。

    よりよい天気を作り出すのも、悪い天気を作り出すのも私自身なのだ。

    幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。

    あらゆる不運や、とりわけつまらぬ事柄に対して、上機嫌に振舞うことである。そうすると、坂道があなた方の足を鍛えるように、こういう些細な心配事が、かえってとても役立つようになる。

    幸福には意志と行動が必要だ

    幸福は義務である

    悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による

    山も動いている。一つ一つの小石や砂が移動し。その場にとどまること

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    2018年11月17日
  • 吉本隆明と柄谷行人

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    『吉本隆明と柄谷行人』というタイトルだけで購入。
    特に柄谷行人は、学生のときにこれを理解できないとダメなんだ、とほとんど強迫観念を持って読んでいた。吉本隆明も『共同幻想論』や『言語にとって美とは何か』の代表作は読んだが、時代的にも明らかに柄谷行人派であった。吉本が海外に依拠することをある種拒んだことに対して、柄谷が積極的に海外に出ていたことも影響していた。かなり柄谷の主観が入ったものであったが、彼の視点が自分にとっての海外思想取り込みのガイドラインにもなっていた。
    今でも新刊が出れば買うのだが、情熱を持ってもう読むことはできない。ある種の懐かしさを持って読んだ。

    著者は「個体」、「意味

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    2011年10月10日
  • 創造的進化

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    たいへん示唆的な哲学書である。しかも、訳文が読みやすい。「産業的」「優勝的」など意味不明な言葉が少しあるが、岩波版より論旨は追いやすい。結局、この著作のポイントは、すべてを生命の流れ、つまり「純粋持続」のもとにみるということだろう。また、進化の観点からみれば、知性は行動するために生命がつくったものなので、必然的に限界があるのである。ダーウィンやアイマー、ド・フリースやラマルクなどの進化論思想の読み解きも面白い。進化には結局、生命の意志があるのだ。思想の映画的メカニズムをもとに、科学思想を検討するところもみごとである。カルノーやクラウジウスなどの熱力学にも少しふれているが、アリストテレスの科学論

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    2011年04月30日
  • 創造的進化

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    前半は、生命について、個々の命はこの世に一度しかないものと捉えていて、進化の大きな流れの様な視点とは別にとてもロマンチックなものも感じました。壊しながら生成する命の捉え方も、福岡伸一さんの言う動的平衡みたいに思えました。
    後半は観念的過ぎて、なかなかついて行けず、正直言ってよく分かりませんでした。

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    2025年06月28日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    幸福論の主軸を抑えており、アランの思想が生まれた歴史背景や、影響を受けた哲学者の説明などを交えつつ、どう幸せになるか考えさせてくれる本。

    過去に岩波文庫で読んでいたが、やっぱり詳しい人のフィルターを通した解釈は参考になる。再読する際にはより楽しめる気がした。

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    2025年04月23日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    アランの「幸福論」を解説した本。
    自分のことを不幸だと思ってしまうこと(情念)がいけないとか、発生してもいない心配事を考えて不幸と思ってはいけないとかは考えさせられた。
    貧者とも平等であるという考え方で、与えたり施しにも否定的のようなのでメンタルヘルスが弱っているときに読んだらどう思うかなぁ・・。「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ(プロポ77)」

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    2023年12月24日
  • 吉本隆明と柄谷行人

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    個と意味について関係性に対する各人の考え方について書かれてある。もう少し文章が分かりやすいと読みやすい。

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    2023年01月11日
  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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    ヴィトゲンシュタインの標準的な理解を得るためになにか読もう、という人にまず勧めるようなものではないが、さすがにアドの書くものなだけあってふつうにおもしろい。というかアドがヴィトゲンシュタイン読んでたのを知らんかった。

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    2022年07月29日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    アランの幸福論の概要がわかります。

    さまざまな生活の場面における幸福についての断章(プロポ)で構成されているそうです。
    この本自体はさらっと読めましたが、本編は味わって読まなければ得るものは半減すると思います。

    ・礼儀を知らない人はよい人間関係を築けない。
    ・悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による
    ・幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。

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    2018年12月30日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    ネタバレ

    おすすめ度:75点

    「幸福は義務である。」
    アランは視点を変えて楽観的にものごとをみることの大切さを説いた。意志する楽観主義である。
    アランは「幸福論」最終章で次のように述べている。
    「楽観主義は意志のものである。楽観主義が誓いを要求することがよくわかる。はじめはどんなに奇妙に見えようとも、幸福になることを誓わねばならぬ。」
    邦題では「幸福論」と訳されてはいるが、フランス語で「プロポ」といういわば、「幸福小咄」「幸福のコラム」といった軽い読み物を意味していて、決して難解な哲学書ではないという。
    心と体の結びつきを重視していて、心のこわばりを解きほぐす「身体的な運動」が、実は思わぬ処方箋になる

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    2013年11月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論

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    カント、デカルトなども引用されており思想史の勉強にもなる。
    不幸に陥りがちな人間の思考を、幸福に導く考えには惹かれる。

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    2012年12月30日