【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論のレビュー

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「幸福」はそれ自身が徳である。我々は高邁と礼節を用いて自身から不可分である情念を制御し、意思・努力・行動で自分のみならず他者・自らを取り巻く環境を形成していく。この他人とともに自己を形成する過程に「幸福」は内包されている。心や意識が硬化し、ただ「待っている」だけでは「不幸しかない」。巻末にあるように、ニーチェの「力への意志」に近いものがあり、道徳の系譜や善悪の彼岸と合わせて読みたいと感じた。

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2022年11月20日

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ネタバレ

「喜びは、行動とともにある。
幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」

アランの『幸福論』は以前からいつか読みたいと思っていましたが、原著を読むのは敷居が高いので、このシリーズでとりあえず読んでみようと思いました。
どんな本かというと「寒い夜に湯気を立てている一杯の温かいスープのような書物」であり、さまざまな生活の場面における幸福についての断章(フランス語でプロポ)全部で93編から成っているそうです。
アランに師事した小説家アンドレ・モーロワが遺した言葉に、「私の判断では、世界中でもっとも美しい本の一つである」という言葉があるそうです。

プロポの中で心に残ったものを挙げてみます。
〇私たちは他人の幸福を考えねばならない。というのはまさにその通りだ。しかし、私たちが自分を愛する人たちのためになすことができる最善のことは、自分が幸福になることである、ということは十分に語られていない。
〇不幸になったり不満を覚えたりするのはたやすい。ただじっと座っていればいいのだ。人が自分を楽しませてくれるのを待っている王子のように。
〇自分からは動かない。だからこそ不幸になるのです。気分にまかせて生きている人は皆、悲しみにとらわれる。否、それだけではすまない。やがていらだち怒りだす。
〇人間にとっての最大の敵は自分自身である。
ただ待つだけだったら、不幸しかない。

アランが言いたかったのは、「困難も不幸も本当の原因さえ分かれば、多くの場合、対処法はさほど難しいことではない」ということです。

面白かったです。
読んでいて、目からうろこというのはこういうことではないかと、何度も思いました。
読む前は、こんなまぶしいタイトルの本を、自分が読んでもいいのかと思ったりしたのが、嘘のように軽くなりました。

〇「幸福は行動の中にしかない」
「意志」とともに「行動」を起こすこと。

アランの原著と世界三大幸福論のもうひとつの、ラッセルの『幸福論』も、読みたかったのでこのシリーズで購入しました。

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2018年11月07日

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アランの「幸福論」を丁寧に解説してある良書でした。
邦訳も読みたくなりました。
「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」なんてグッと来ました。
他人を幸せにしたいならますば自分から。
もっともっとスマイルで日々を謳歌します。

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2022年01月25日

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ネタバレ

「世界三大幸福論」の1つであるアランの幸福論の内容を知りたくて読んだ本。読んで参考になった。「幸福論」が読みたくなった。この本の中で紹介されていた「幸福論」の言葉の中でP52の「悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による。」と、P98の「幸福とは報酬など求めなかった者たちのところに突然やってくる報酬である。」、「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。」という言葉が好き。

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2019年04月27日

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世界三代幸福論
スイスのカールヒルティ、イギリスのハートランドラッセル、アラン
寒い夜に湯気を立てているいっぱいの温かいスープのような書物。

よりよい天気を作り出すのも、悪い天気を作り出すのも私自身なのだ。

幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。

あらゆる不運や、とりわけつまらぬ事柄に対して、上機嫌に振舞うことである。そうすると、坂道があなた方の足を鍛えるように、こういう些細な心配事が、かえってとても役立つようになる。

幸福には意志と行動が必要だ

幸福は義務である

悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による

山も動いている。一つ一つの小石や砂が移動し。その場にとどまることはほとんどない。固体は私たちを騙している。こうした万物の変化を必然性と。幸福もまさにその通りで、偶然的と言えるような行動と出会いによるもの。



アランー1868年フランス生まれ 1951年83歳
産業革命ら帝国主義、ロシア革命、ウォール街の金融危機

深刻な理由もないのに不幸だと思う人々こそ問題

1. 人は誰でも幸福になれる
自分が不幸だと思い込み、そこに安住してしまう。彼らは感情まかせで生きている。楽観主義者は意志の力で生きている。
自分の不機嫌に対して無関心でいること。相手にしないでいれば、不機嫌などというものは、犬が犬小屋に戻っていくように、動物的な生へと舞い戻っていく。

2. 人生の主役になれ
情念こそポイント。情念による想像力。悲観的思考へと繋がることがしばしば。これには行動こそがキーワードである。
幸福は自分の手作りである。自分の意思で行動する。
幸福とは、本質的な意味において詩であり、行動を意味する。

幸福はいつでも私たちを避ける。と言われる。人からもらった幸福についてなら、それは本当である。人からもらった幸福などというものはおよそ存在しないのだからである。しかし、自分で作る幸福は、決して裏切らない。

3. ダンスのように人と付き合う
情念は伝染する。だからこそ、他人を悲しみのステ場所にするな。
礼節を重んじるということ。情念に操られた無作法な振る舞いを止めること
礼節については習慣によって習得される。
習慣は第二の自然、本性であるーパスカル
上機嫌でいること。その波が周囲をなによりもあなた自身を軽くする

4.幸福になることは義務である
人間であることー幸福であることー意志と統御で行うということ。
結局のところ、上機嫌など存在しないのだ。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とは全て、意志と統御によるものなのである。

そして。他人に対しても義務であること。

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2018年11月17日

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アランの「幸福論」を解説した本。
自分のことを不幸だと思ってしまうこと(情念)がいけないとか、発生してもいない心配事を考えて不幸と思ってはいけないとかは考えさせられた。
貧者とも平等であるという考え方で、与えたり施しにも否定的のようなのでメンタルヘルスが弱っているときに読んだらどう思うかなぁ・・。「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ(プロポ77)」

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2023年12月24日

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アランの幸福論の概要がわかります。

さまざまな生活の場面における幸福についての断章(プロポ)で構成されているそうです。
この本自体はさらっと読めましたが、本編は味わって読まなければ得るものは半減すると思います。

・礼儀を知らない人はよい人間関係を築けない。
・悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による
・幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。

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2018年12月30日

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ネタバレ

おすすめ度:75点

「幸福は義務である。」
アランは視点を変えて楽観的にものごとをみることの大切さを説いた。意志する楽観主義である。
アランは「幸福論」最終章で次のように述べている。
「楽観主義は意志のものである。楽観主義が誓いを要求することがよくわかる。はじめはどんなに奇妙に見えようとも、幸福になることを誓わねばならぬ。」
邦題では「幸福論」と訳されてはいるが、フランス語で「プロポ」といういわば、「幸福小咄」「幸福のコラム」といった軽い読み物を意味していて、決して難解な哲学書ではないという。
心と体の結びつきを重視していて、心のこわばりを解きほぐす「身体的な運動」が、実は思わぬ処方箋になると考えていた。「体操」や「あくび」「笑い」、特に「微笑み」の重要性については何度も指摘されている。体が正しい方向に動き、能動的・活動的になっていくと、精神のほうもプラスのほうに傾いて、能動的・活動的になっていくと考えた。
「意志」「努力」「行動」の3つのキーワードのなかで最も重要なのが、「行動」である。アランは様々な事例を挙げたうえで、「幸福は行動のなかにしかない」とさえ言っている。
アラン自身も行動を起こした人であった。第1次世界大戦での従軍志願しかりである。
アランは職業は一生涯高校教師であった。また、生涯独身を貫いていたが、晩年の77歳で、かつての恋人と再会して結婚したという。

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2013年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カント、デカルトなども引用されており思想史の勉強にもなる。
不幸に陥りがちな人間の思考を、幸福に導く考えには惹かれる。

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2012年12月30日

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