【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス アラン 幸福論のレビュー

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Posted by ブクログ

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「喜びは、行動とともにある。
幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」

アランの『幸福論』は以前からいつか読みたいと思っていましたが、原著を読むのは敷居が高いので、このシリーズでとりあえず読んでみようと思いました。
どんな本かというと「寒い夜に湯気を立てている一杯の温かいスープのような書物」であり、さまざまな生活の場面における幸福についての断章(フランス語でプロポ)全部で93編から成っているそうです。
アランに師事した小説家アンドレ・モーロワが遺した言葉に、「私の判断では、世界中でもっとも美しい本の一つである」という言葉があるそうです。

プロポの中で心に残ったものを挙げてみます。
〇私たちは他人の幸福を考えねばならない。というのはまさにその通りだ。しかし、私たちが自分を愛する人たちのためになすことができる最善のことは、自分が幸福になることである、ということは十分に語られていない。
〇不幸になったり不満を覚えたりするのはたやすい。ただじっと座っていればいいのだ。人が自分を楽しませてくれるのを待っている王子のように。
〇自分からは動かない。だからこそ不幸になるのです。気分にまかせて生きている人は皆、悲しみにとらわれる。否、それだけではすまない。やがていらだち怒りだす。
〇人間にとっての最大の敵は自分自身である。
ただ待つだけだったら、不幸しかない。

アランが言いたかったのは、「困難も不幸も本当の原因さえ分かれば、多くの場合、対処法はさほど難しいことではない」ということです。

面白かったです。
読んでいて、目からうろこというのはこういうことではないかと、何度も思いました。
読む前は、こんなまぶしいタイトルの本を、自分が読んでもいいのかと思ったりしたのが、嘘のように軽くなりました。

〇「幸福は行動の中にしかない」
「意志」とともに「行動」を起こすこと。

アランの原著と世界三大幸福論のもうひとつの、ラッセルの『幸福論』も、読みたかったのでこのシリーズで購入しました。

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2018年11月07日

Posted by ブクログ

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「世界三大幸福論」の1つであるアランの幸福論の内容を知りたくて読んだ本。読んで参考になった。「幸福論」が読みたくなった。この本の中で紹介されていた「幸福論」の言葉の中でP52の「悲観主義は感情で、楽観主義は意志の力による。」と、P98の「幸福とは報酬など求めなかった者たちのところに突然やってくる報酬である。」、「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。」という言葉が好き。

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2019年04月27日

Posted by ブクログ

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おすすめ度:75点

「幸福は義務である。」
アランは視点を変えて楽観的にものごとをみることの大切さを説いた。意志する楽観主義である。
アランは「幸福論」最終章で次のように述べている。
「楽観主義は意志のものである。楽観主義が誓いを要求することがよくわかる。はじめはどんなに奇妙に見えようとも、幸福になることを誓わねばならぬ。」
邦題では「幸福論」と訳されてはいるが、フランス語で「プロポ」といういわば、「幸福小咄」「幸福のコラム」といった軽い読み物を意味していて、決して難解な哲学書ではないという。
心と体の結びつきを重視していて、心のこわばりを解きほぐす「身体的な運動」が、実は思わぬ処方箋になると考えていた。「体操」や「あくび」「笑い」、特に「微笑み」の重要性については何度も指摘されている。体が正しい方向に動き、能動的・活動的になっていくと、精神のほうもプラスのほうに傾いて、能動的・活動的になっていくと考えた。
「意志」「努力」「行動」の3つのキーワードのなかで最も重要なのが、「行動」である。アランは様々な事例を挙げたうえで、「幸福は行動のなかにしかない」とさえ言っている。
アラン自身も行動を起こした人であった。第1次世界大戦での従軍志願しかりである。
アランは職業は一生涯高校教師であった。また、生涯独身を貫いていたが、晩年の77歳で、かつての恋人と再会して結婚したという。

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2013年11月16日

Posted by ブクログ

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カント、デカルトなども引用されており思想史の勉強にもなる。
不幸に陥りがちな人間の思考を、幸福に導く考えには惹かれる。

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2012年12月30日

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