渡辺容子のレビュー一覧

  • ターニング・ポイント ボディガード八木薔子

    Posted by ブクログ

    渡辺容子久しぶり、というレビューが何編かあったが、遊民子もその一人。こんな傑作を見逃していたとは。
    渡辺作品は10年ぶり、八木薔子に再会も15年ぶり。
    保安士のヒロインもよかったが、警護員はより凛々しく魅力的。
    この5編のなかでも、「バックステージ」が、ヒロインの胸のすく活躍と同時に、”犯人は誰か”、というミステリー的興味もあり、一押しかな。
    この作品では、いきなり警護員に転身しているので戸惑ったが、そのいきさつは、「エグゼクティブ・プロテクション」に描かれているらしいので、さっそく読んでみよう。

    0
    2014年05月13日
  • 流さるる石のごとく

    Posted by ブクログ

    大富豪の一人娘でエリート医師の妻でありながらアルコール依存症に苦しむ主人公の速水圓が奇妙な事件に巻き込まれていくミステリー。

    女性達の生々しい会話や生態を描かせたらピカイチの渡辺容子の本領発揮といったところだろうか。また、ミステリーとしてもなかなか先が読めぬ展開に作品を最後まで楽しむ事が出来た。最後の『跋』は付け足しのようで、もう少しじっくり描いても良かったかも知れない。

    個人的には渡辺容子の作品を面白かった順に挙げると、『無制限』『左手に告げるなかれ』『ターニング・ポイント』『魔性』『流さるる石のごとく』『斃れし者に水を』『薔薇恋』という感じであろうか。

    0
    2014年01月04日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第42回江戸川乱歩賞受賞作
    この賞の傾向として個人的感覚であるが、ある業界を描くことが主になっている気がする。今回は万引き犯を捕捉する保安士が主人公。
    過去のトラウマ的出来事に立ち向かいながら自分に着せられた容疑を晴らすべく真相を突き止めようと奮闘する様子が文章の細部から読み取れる。
    この物語の魅力は登場人物の人間らしい普通さ、ではないか。この世には完璧な人間などおらず過ちも犯すだろう。そんな人間が必死に過去の出来事に向き合ってその場の問題に立ち向かう。そんな姿だからこそ自分はこの作品に興味を持つのではないか。そんな事を考えさせられた作品であった。

    0
    2014年08月09日
  • ターニング・ポイント ボディガード八木薔子

    Posted by ブクログ

    「エグゼクティブプロテクション」の前章。
    ボディガード 八木薔子誕生前の保安士としての活躍を描く。
    万引きを摘発する保安士「八木」もいいけど、やはり
    エグゼクティブを警護するボディガード「八木」が格好良い。

    0
    2012年08月04日
  • ターニング・ポイント ボディガード八木薔子

    Posted by ブクログ

    同一主人公のシリーズ3作目、らしいのですが、シリーズ中でこれが初見だったので、すんなりと入り込めて、楽しめました♪
    万引きGメン(ウィメン?)の女性主人公が民間SPになるまでのエピソードが丁寧に描かれていく中で、キャラクターの魅力を充分に醸し出していることで、登場人物それぞれに共感し、憧れていける。
    いわゆる“お仕事小説”の趣が強いので、恋愛要素は希薄。最近妙に増えてきたタフな女性主人公が活躍する作品の1つだけど、そういったものは大抵は「女刑事」になってしまうところを、いまだなじみが薄い警備業の世界、中でも「保安士 (万引き防止専門巡回要員)」や民間での「身辺警護 =ボディガード」としたところ

    0
    2012年07月22日
  • 流さるる石のごとく

    Posted by ブクログ

    すごいよ。金持ちの奥さんがアル中でその旦那さんが誘拐される?それがほんとに面白い、どんどん話が進んでいってどんどん登場人物が面白くなっていく。最初から最後までの話の作りもうまい!

    0
    2012年07月19日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    万引きGメンの八木薔子。
    かつての不倫相手の妻が殺害され、容疑者とされてしまう。
    自分の手で謎を解くために、動き出す。。


    この前「エグゼクティブ・プロテクション」を読んで
    あれ?この八木薔子って・・・って思ったので
    コレを読み返してみました。
    やっぱ同一人物だよね?

    そっか~、この八木ちゃんが、数年後には
    クール&ビューティで、スーパーサイア人みたいに強いボディーガードになるわけね。
    いったい彼女に何があったんだろう(笑)

    この小説は、よくできてるんじゃないかな~
    犯人も「え?」って感じだったし。

    0
    2012年02月16日
  • 薔薇恋

    Posted by ブクログ

    表現の仕方が好き。夫からのDVに耐え、1人の男性に勇気づけられながら自立への決心を固める様子を、園芸を通して語られる物語。清々しいラストで良かった。

    0
    2012年01月01日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第42回江戸川乱歩賞受賞を取られてるそうです。

    主人公、八木薔子(しょうこ)は保安士。いつも万引きを捕まえてる。。ある日、薔子の以前付き合ってた不倫相手の妻が殺された。疑惑は薔子へとかかる。。

    その疑いを晴らすべく独自で捜査を開始する薔子。

    手がかりは「ミギテ」と書かれたダイイングメッセージ。その言葉の意味は?不倫相手の妻は誰に?なぜ殺されたのか?

    最後は意外な結末でした。全く犯人像が浮かばず、途中ヒントらしきものはあるのですが、あまりにもありふれててまさかそんな人が犯人とは。。。と。

    さすが江戸川乱歩賞だ。ただ最後があまりにも。。。え?どうして?的な。。。。なんで?みたいな。。あー

    0
    2011年11月26日
  • 薔薇恋

    Posted by ブクログ

    虐待を受けている主婦と、まったく世界の違う男性と出会って恋をするという設定になぜか惹かれて読みたくなった。

    イケメンエリートの夫によるDVの描写はすさまじく、実際にこういうことが起こっているんだろうなと思った。どんなに家柄が良くてもエリートであろうと家で何をしているかわかったものではない。
    それにしても、私なら武器を使ってでも仕返ししてやる!と強く感じた。

    杏子が惹かれたのは夫とは対照的な青年祐介。
    一応年下ではあるが、決して魅力的な男というのではなく、どこにでもいるような人の良さそうなタイプだ。
    特に身長も高いわけでもなく初めて出会ったときの至近距離の描写でも「虫歯があるような息の臭い」

    0
    2011年02月19日
  • 斃れし者に水を

    Posted by ブクログ

    割と厚めの文庫ですが、一気に読めました。
    次々に出てくる推理が面白い。
    主人公は既婚者を恋人に持ち、その恋人を殺人者ではないかと疑い、でも自分は必ず彼を守る、と思っている女性。
    私自身は不倫に対して可も無く不可も無く、既婚者との恋愛経験も有りませんが、
    この結末はやっぱりちょっとかなしいな…。

    0
    2009年10月04日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    第42回江戸川乱歩賞受賞作。 本屋に平置きされていたのを見て手を伸ばした。

    主人公はスーパーで保安士を務める女性。 3年前に別れた不倫相手の妻が殺害されるという事件に巻き込まれる。 「みぎ手」という不可解なダイニングメッセージ。 自ら事件を調査するなかでたどり着いた犯人とは・・・

    人物描写がきちっとなされており、主人公をはじめ登場人物が個性を持った人間として浮かび上がってくる。 細かい情景描写や心情の変化までも丁寧に書き込んでいるからであろう。 推理小説としてのプロットはそれほど意外性のあるものではないが、こうした細かい描写の積み重ねが、否が応でも物語を盛り上げ、読者を引っ張る牽引力に

    0
    2010年11月24日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    使い回された感じがするダイイングメッセージ、突飛すぎて理解しにくい犯人の動機、上手く収拾しきれなかったラスト、もっと練れるんじゃないかと感じた。魅力のあるキャラ(主人公の上司とか)もおるし、全体のストーリー展開は好きやけどね。

    0
    2009年10月04日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    2007/9/17~10/3。長い間積読状態であったが、ようやく読み終わった。第42回江戸川乱歩賞受賞作。不倫が原因で証券会社を辞めて、保安士として働く薔子。不倫相手の妻が殺されて警察の尋問を受ける。真犯人を突き止めるべく、調査を始めると関係する連続殺人が浮かび上がる...というストーリー。どんでん返しも利いていて、なかなか楽しめた。が、前半結構重きをおかれていた登場人物がフェードアウトしてしまって扱いが?なのと、薔子が勤務時間中にかなり自由に動き回れる(ありえない?)のが減点か。

    0
    2009年10月07日
  • 薔薇恋

    Posted by ブクログ

    2002/4/30〜よみはじめました。

    〜2002/5/13読み終わりました。

    オットは面白くないよその本って言ったけど(まあそれもよくわかった)
    ワタシ的にはドツボでした。キャア♪o(=^ω^=o)(o=^ω^=)o o(=^ω^=o)(o=^ω^=)oキャア♪

    これってオトナの恋愛小説だったの。 ̄m ̄ ふふ
    でもそれだけじゃなくて主人公が33歳の主婦でガーデニングに目覚めるのよん。

    なんだか自分とかぶっちゃってさぁあ・・・・

    でもってこのなかに出てくるグランベリーモールのマリポサというガーデニングショップに
    行きたいぃぃ!!!!!!!!!!

    もしもガーデニングをはじめてなかった

    0
    2009年10月04日
  • 無制限

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長い割にストーリー自体は大したことはなかった。ただ、パチンコの詳細な描写に目眩がしてしまう。こうも詳しく書かれると、なんだかまた打ちに行きたくなってしまう。昔、スロットに関わる小説読んだけど、その何倍も詳しく書かれていた。機種が古いタイプばかりだったので、もう少し新しい機種だったらなおよかったなあ。というか、久しぶりに打ちに行こうかな。あの喧騒にたまに無償に包まれたくなる気持ちは、分かる。

    0
    2021年07月05日
  • 劇薬

    Posted by ブクログ

    電車に飛び込み自殺したパチンコ屋の常連仲間。
    個人的な事情に立ち入らず、表面的な関係でパチンコも家庭も楽しくやっていたはずが、自殺の真相を調べるうちにどんどん裏が見えてくる怖さが不気味です。
    パチンコをやめて数年になりますが、パチンコ店内の雰囲気や熱中している時の心境の描写はリアリティがありました。

    0
    2020年08月09日
  • 当選請負人 千堂タマキ

    Posted by ブクログ

    選挙にまつわるお仕事小説。
    面白くなくはないけれど、もう少し当選請負人のノウハウを見せて欲しかったな。

    0
    2019年05月02日
  • 左手に告げるなかれ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    左手に告げるなかれ/渡辺容子:第42回大賞受賞。1996年
    不倫相手の妻に、不倫を暴かれ、キャリアを捨て会社を去った凛子(変換できないのでこれで)。いまでは、スーパーの万引き保安官。この頃はハードボイルド系女性が主人公。男が絡みたがるから、絡む。仕事そっちのけで。
    元不倫相手の妻が殺されたので、凛子に容疑がかかる。元不倫相手、突然出てきた探偵と捜査を始める。もちろん、刑事とも連絡はとっている。
    スーパーやコンビニ業界を絡めているが、結局はオタクによる殺人。そういえば、この頃出てきたね、オタクって言葉。探偵=オタク。えー こうやって変装した、と綴られているが、でもでも声でわかるよね、って永遠に思

    0
    2018年10月27日
  • 当選請負人 千堂タマキ

    Posted by ブクログ

    就職が決まらず落ち込んでいた阿部まりあは、千堂タマキに誘われ里和市で実施される市長選のボランティアをすることになった。タマキは選挙プランナーで、今回の選挙では、無所属で二度目の挑戦となる鈴木まこと候補からの依頼を受けていた。争点となる財政問題について、タマキは、政策を具体的に指示したり、めざましい働きを見せたが、ここでさまざまな問題が。経理担当の女性が事務所に突如来なくなったり、キャバクラ嬢が立候補して、三つ巴の戦いに。しかも、名前が「鈴木マコト」!?さらには、人気の元総理が対立候補の応援に来る!どうする、タマキ!

    0
    2018年05月28日