渡辺容子のレビュー一覧
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大富豪の一人娘でエリート医師の妻でありながらアルコール依存症に苦しむ主人公の速水圓が奇妙な事件に巻き込まれていくミステリー。
女性達の生々しい会話や生態を描かせたらピカイチの渡辺容子の本領発揮といったところだろうか。また、ミステリーとしてもなかなか先が読めぬ展開に作品を最後まで楽しむ事が出来た。最後の『跋』は付け足しのようで、もう少しじっくり描いても良かったかも知れない。
個人的には渡辺容子の作品を面白かった順に挙げると、『無制限』『左手に告げるなかれ』『ターニング・ポイント』『魔性』『流さるる石のごとく』『斃れし者に水を』『薔薇恋』という感じであろうか。 -
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ネタバレ第42回江戸川乱歩賞受賞作
この賞の傾向として個人的感覚であるが、ある業界を描くことが主になっている気がする。今回は万引き犯を捕捉する保安士が主人公。
過去のトラウマ的出来事に立ち向かいながら自分に着せられた容疑を晴らすべく真相を突き止めようと奮闘する様子が文章の細部から読み取れる。
この物語の魅力は登場人物の人間らしい普通さ、ではないか。この世には完璧な人間などおらず過ちも犯すだろう。そんな人間が必死に過去の出来事に向き合ってその場の問題に立ち向かう。そんな姿だからこそ自分はこの作品に興味を持つのではないか。そんな事を考えさせられた作品であった。 -
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同一主人公のシリーズ3作目、らしいのですが、シリーズ中でこれが初見だったので、すんなりと入り込めて、楽しめました♪
万引きGメン(ウィメン?)の女性主人公が民間SPになるまでのエピソードが丁寧に描かれていく中で、キャラクターの魅力を充分に醸し出していることで、登場人物それぞれに共感し、憧れていける。
いわゆる“お仕事小説”の趣が強いので、恋愛要素は希薄。最近妙に増えてきたタフな女性主人公が活躍する作品の1つだけど、そういったものは大抵は「女刑事」になってしまうところを、いまだなじみが薄い警備業の世界、中でも「保安士 (万引き防止専門巡回要員)」や民間での「身辺警護 =ボディガード」としたところ -
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ネタバレ第42回江戸川乱歩賞受賞を取られてるそうです。
主人公、八木薔子(しょうこ)は保安士。いつも万引きを捕まえてる。。ある日、薔子の以前付き合ってた不倫相手の妻が殺された。疑惑は薔子へとかかる。。
その疑いを晴らすべく独自で捜査を開始する薔子。
手がかりは「ミギテ」と書かれたダイイングメッセージ。その言葉の意味は?不倫相手の妻は誰に?なぜ殺されたのか?
最後は意外な結末でした。全く犯人像が浮かばず、途中ヒントらしきものはあるのですが、あまりにもありふれててまさかそんな人が犯人とは。。。と。
さすが江戸川乱歩賞だ。ただ最後があまりにも。。。え?どうして?的な。。。。なんで?みたいな。。あー -
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虐待を受けている主婦と、まったく世界の違う男性と出会って恋をするという設定になぜか惹かれて読みたくなった。
イケメンエリートの夫によるDVの描写はすさまじく、実際にこういうことが起こっているんだろうなと思った。どんなに家柄が良くてもエリートであろうと家で何をしているかわかったものではない。
それにしても、私なら武器を使ってでも仕返ししてやる!と強く感じた。
杏子が惹かれたのは夫とは対照的な青年祐介。
一応年下ではあるが、決して魅力的な男というのではなく、どこにでもいるような人の良さそうなタイプだ。
特に身長も高いわけでもなく初めて出会ったときの至近距離の描写でも「虫歯があるような息の臭い」 -
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第42回江戸川乱歩賞受賞作。 本屋に平置きされていたのを見て手を伸ばした。
主人公はスーパーで保安士を務める女性。 3年前に別れた不倫相手の妻が殺害されるという事件に巻き込まれる。 「みぎ手」という不可解なダイニングメッセージ。 自ら事件を調査するなかでたどり着いた犯人とは・・・
人物描写がきちっとなされており、主人公をはじめ登場人物が個性を持った人間として浮かび上がってくる。 細かい情景描写や心情の変化までも丁寧に書き込んでいるからであろう。 推理小説としてのプロットはそれほど意外性のあるものではないが、こうした細かい描写の積み重ねが、否が応でも物語を盛り上げ、読者を引っ張る牽引力に -
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2002/4/30〜よみはじめました。
〜2002/5/13読み終わりました。
オットは面白くないよその本って言ったけど(まあそれもよくわかった)
ワタシ的にはドツボでした。キャア♪o(=^ω^=o)(o=^ω^=)o o(=^ω^=o)(o=^ω^=)oキャア♪
これってオトナの恋愛小説だったの。 ̄m ̄ ふふ
でもそれだけじゃなくて主人公が33歳の主婦でガーデニングに目覚めるのよん。
なんだか自分とかぶっちゃってさぁあ・・・・
でもってこのなかに出てくるグランベリーモールのマリポサというガーデニングショップに
行きたいぃぃ!!!!!!!!!!
もしもガーデニングをはじめてなかった -
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ネタバレ左手に告げるなかれ/渡辺容子:第42回大賞受賞。1996年
不倫相手の妻に、不倫を暴かれ、キャリアを捨て会社を去った凛子(変換できないのでこれで)。いまでは、スーパーの万引き保安官。この頃はハードボイルド系女性が主人公。男が絡みたがるから、絡む。仕事そっちのけで。
元不倫相手の妻が殺されたので、凛子に容疑がかかる。元不倫相手、突然出てきた探偵と捜査を始める。もちろん、刑事とも連絡はとっている。
スーパーやコンビニ業界を絡めているが、結局はオタクによる殺人。そういえば、この頃出てきたね、オタクって言葉。探偵=オタク。えー こうやって変装した、と綴られているが、でもでも声でわかるよね、って永遠に思