Posted by ブクログ
2010年11月24日
第42回江戸川乱歩賞受賞作。 本屋に平置きされていたのを見て手を伸ばした。
主人公はスーパーで保安士を務める女性。 3年前に別れた不倫相手の妻が殺害されるという事件に巻き込まれる。 「みぎ手」という不可解なダイニングメッセージ。 自ら事件を調査するなかでたどり着いた犯人とは・・・
人物描写が...続きを読むきちっとなされており、主人公をはじめ登場人物が個性を持った人間として浮かび上がってくる。 細かい情景描写や心情の変化までも丁寧に書き込んでいるからであろう。 推理小説としてのプロットはそれほど意外性のあるものではないが、こうした細かい描写の積み重ねが、否が応でも物語を盛り上げ、読者を引っ張る牽引力になっていると感じた。
また、タイトルのつけ方が秀逸。
著者である渡辺洋子女史の小説はこれが初めてだが、その他の小説のタイトルを見ると、タイトルだけで読みたくなるものばかり。