あらすじ
小田切可憐は毎日家事を終えると「デル・エア」へ向かう。かつて婚約者を亡くした喪失感を埋めてくれるのが、このパチンコホールでの本名すら知らない女性達との人間関係と大当たりの時の高揚感だった。しかし、その仲間の一人が自殺を遂げる。その後、元婚約者にそっくりな男が現れ――。次々と明らかになる、嘘と虚飾に満ちた人間関係の真実と絡み合った欲望。「楽園」を追い求め、彷徨う女性達を息詰まる筆致で描いた傑作長編。
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Posted by ブクログ
金儲けのセミナーを主催する恩田。もしかして、あの人がモデル? なんちゃってエルメスも、良かった。小説全体も目下話題の〇〇業に通じる捩れた自己愛の持ち主っぷりが描かれていて面白かった。
前に読んだSPの小説の時にも感じたが、この人、怪しげな人脈に詳しい印象。特に六本木周辺の。調べているなら大したものだ。次も期待してますよ。
Posted by ブクログ
電車に飛び込み自殺したパチンコ屋の常連仲間。
個人的な事情に立ち入らず、表面的な関係でパチンコも家庭も楽しくやっていたはずが、自殺の真相を調べるうちにどんどん裏が見えてくる怖さが不気味です。
パチンコをやめて数年になりますが、パチンコ店内の雰囲気や熱中している時の心境の描写はリアリティがありました。
Posted by ブクログ
『劇薬』という本のタイトルがいまいちしっくりこない、パチンコ店で出会う軽い人間関係を劇薬(作用が激しく、使い方を誤ると生命にかかわる非常に危険な薬品)と称しているのなら、この本の内容に限って分からなくもないが(なんか薄ぼんやりしてる) ただ、文章は驚くほど読みやすい、☆3.5の面白さ、著者の2冊目は決めている『無制限』かな(ことぶきジローさんのレビューを参考にして)
Posted by ブクログ
パチンコ業界を舞台にしたミステリー『無制限』の著者ならではの、作品。
「ホール」に興味のない身としては、なかなかなじめない発端ではあったが、物語の進展とともに、登場人物の正体をめぐる謎にひきつけられ、読み通してしまった。
しかし、ミステリーとしては、ちょっと長きに過ぎたかも。