関美穂子のレビュー一覧
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ゆっくり読もうと思っていたのに、ついつい気持ちが昂ってあっという間に読み終わってしまった。笑
『地の星 なでし子物語』
18歳で龍治と結婚した耀子は28歳になり、常夏荘の女主人「おあんさん」となっていた。
娘の瀬里と、照子、身の回りの世話役である鶴子と共に、対の屋で暮らす耀子だが、遠藤家の繁栄は時代と共に風前の灯火。
夫の龍治は東京で本家存続の為に奔走しており、耀子は自ら峰前のスーパーのパート働きを始める。
そんな折、常夏荘売却の話が持ち上がる・・・
時系列で読んだので、前作『天の花』から10年・・・
時の流れを感じさせる描写が多く、物悲しく寂しい気持ちになる一方で、耀子の父の在りし日の人 -
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前作『なでし子物語』で
すっかりその魅力にはまってしまった私。
さてさて、お楽しみの続編〜♪
っと、ここでどうやら読む順番について要注意。
勿論ラストは『常夏荘物語』で完結するとして・・・
前作の後、刊行順に読むと
『地の星』→『天の花』となる。
ただ物語の時系列順だと
『天の花』→ 『地の星』になる。
刊行順に読むと、時代が随分先に飛ぶようで、
沢山の?が出てくるのだとか・・・
どの順で読むかは好みによるのかな。
私はシンプルに時系列に読み進めることにした。
前置きが長くなったけれど、
『天の花』期待どおりでした!
やっぱり『なでし子シリーズ』好きだなぁ。
前作から少し成長した立 -
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ネタバレ伊吹有喜さんの本にシリーズ物があると知って手に取った1冊。
大人達の事情に翻弄される子供達。
それでも常夏荘で過ごす日々は宝物のようにキラキラ輝いて見えた。
常夏荘の優しい大人達に見守られて、少しずつ健全な心になっていく。
子供がいるせいか、間宮のお爺さんや照子の気持ちが痛いほど伝わってくる。
子どもたちはいつか全て忘れてしまう。こちらは全て覚えているのに。けれど
「そうでなけれはきっとーー子どもたちは母のもとから巣立てない。」
この言葉が私にはとても沁みた。
彼らが大きくなるにつれてどう成長していくのか楽しみ。続巻も読もうと思う。 -
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どんぐりさんの投稿を見て読みたくなった作品。
なでしこシリーズの第1弾♪
好きな予感がする!と思って手にしたけれど、やっぱり予感的中、どっぷりハマってしまった。
あ〜これしみじみ良かったな〜(´ー`*)
父を亡くし、母にも捨てられ、いつもいじめられてばかりだった小4の耀子。
遠藤家の御曹司という重圧に苦しむ、とても病弱な小1の立海。
そんな2人が、静岡県の天竜川上流にある、遠藤家の別邸「常夏荘」で巡り合う。
勝手に昭和初期のイメージを持って読んでたけど、どうやらもっと最近で50年くらい前の設定のお話だったみたい。
山奥の自然豊かな場所、ちょっぴり厳しくもあたたかい周りの人達、そして -
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あー読み終わってしまった。
耀子と立海がいる
あの世界は、本当に心地よく
温かく生き生きとしていて
すっかり私も常夏荘の一員になったような気持ちでいたのですごく寂しいです。
シリーズ3冊あっという間に
読んでしまいました。
今回は、耀子の自立と自律にむけての奮闘記がメインで
立海との絡みが少なく少しさみしい感じはしましたが、
大人になった耀子と立海の微妙な
距離感に切なくなってしまいました。
それより何より子供の頃
あまりいい印象ではなかった
由香里とのタッグがカッコよく
二人の
夢に向かって一生懸命進む姿も
すごく清々しく素敵でした。
最後の常夏荘物語
是非読んでみたいです。
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なでし子物語の続きということでまたあの素敵な世界に入りこめることをとても楽しみにしておりました。
読み始めると時代はだいぶ進み
耀子が高三になっていて
常夏荘を出ていくところから
なのですが、話の大半は
耀子が中2で
立海くんが小5のひと夏が
メインで入ってきます。
まだ大人でも幼い子供でもない
微妙な心模様も可愛らしく
今回は、照子の息子である龍治がメインに新たに加わり
そのスパイスがなんともいえず甘酸っぱくきゅんとしてしまいました。
少しクールな龍二が立海にかかれば、面倒見の良い兄のような存在になり、母に対する暗い影の気持ちが少し和らぐ
立海パワーは健在で、みんなを巻き込みながら、でも耀子 -
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伊吹有喜さんの作品はどれも大好きだけど、なでし子物語は
その中でもだんとつ、大好きな本になりました。
ストーリーはいじめられっこの耀子と生い立ちゆえの重圧といじめに苦しむ立海それに、過去の思い出の中に生きている照子、三人が出会って少しずつ強く前向きになっていくお話です。
魅力は、なんといっても
本当にみんな可愛いくて愛らしく
周りの人達も温かで、素敵な人ばかりだということです。優しい気持ちになれます。
後半は、その暖かさで、優しさで
何度も涙が出ました。
それから
家庭教師の青井先生の言葉も素敵でした。
耀子ちゃんに託した言葉で
自立 顔をあげて生きること
自律 美しく生きること
というの -
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今回は燿子がお仕事を始めてからの成長物語。昔嫌なヤツだった由香里がかっこいいバリキャリになっていて、燿子のいい相棒となっていくのがすごく良かった。好きだなぁ。こういうはっきりした女性。オドオドして自分に自信のない燿子が、由香里や千恵や照子たちの影響で少しずつ変わっていく。そして燿子の心にいつもある青井先生の言葉、
・「どうして」ではなく「どうしたら」と考える。
・自立(顔を上げて生きること)と自律(美しく生きること)
この2つは本当に前向きになれる素敵な言葉だと思う。
立海との関係は相変わらず切ない。この後どうなっていくのか。続きが早く読みたい。 -
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お母さんになり、常夏荘で“おあんさん”となった28歳の耀子に会えて感慨深かった。
時代の移り変わりとともに環境も変われば、耀子自身の心境にも変化が起きていく…。
目まぐるしく、思わぬ展開でした。
ここが耀子にとっての人生の分岐点、今が大事な時だと思うと読みながらつい力が入ってしまう。
亡き父が叶えようとした未来に思いを馳せる耀子。
人生いろいろ。ちょっと切ない場面も。
深く心に染み入るストーリーで、温かく清々しい読後感でした。
『“私たちは小さな撫子”。星の形に似たこの花は、風に揺れても折れない、うつむかない。つつましくとも凛と咲き、地の星のごとく光を放つ。』