伊達洋駆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブリリアント・ジャークの言葉の意味を知り、始めは、「あ、自分の職場にもいる!嫌なあの人の事だ!」と自分が被害者だと安心したくて読み始めた。けれど「この本は嫌なあの人にブリリアント・ジャークと名前をつけて悪者に仕立て上げて責め立てる事を本意としない」と繰り返し記されており、読めば納得。ブリリアント・ジャークについて書かれているが、この本の一番の目的は「健全な組織への再構築」である。しかも、この再構築方法が広い意味で自分自身をよりよい状態にするためには?と自己の振り返りとしても応用ができそうなものばかり。
「職場の嫌なあいつの正体を知るぞ!」と読み始めたのに、最後は「自身を見つめ直して、よりよい人生を歩むための思考方法」へとよい意味で裏切られた一冊。
(それでも、やっぱりあいつは、嫌なやつだ!) -
Posted by ブクログ
まだ認知度が高いとは言えないブリリアント・ジャークという言葉。能力は高いが、協調性に欠け、周囲を疲弊させる人のことをあらわしています。何となく聞いたことがある言葉ではありましたが、有名にしたのはNetflixだとこの本を読んで知りました。
内容としては、このブリリアント・ジャークにより組織が崩壊した6つの事例が紹介されています。
口を開けばマウンティングをして相手を褒めることがない社員や、パワハラがひどいけど仕事ができるがゆえに黙認する組織など、読んでいると自分が以前在籍していた会社にも当てはまる部分がありました。転職を経験された方であれば、特に共感する部分が多いと思います。
解決策としては、社内公募や異動制度で社員の逃げ道を確保する、評価の基準を見直すなどの方法が紹介されています。しかし、こちらについては経営陣の決断と手腕による部分が大きいです。
ブリリアント・ジャークに関しては、会社側が真剣に取り組まないと、簡単に解決できる問題ではないと感じました。 -
Posted by ブクログ
自分がブリリアントジャーク側であるリスクというか懸念を持っているので気になっていたので、夏季休暇の時間ができたときに衝動買いした。
日本人が日本人の例で記述しているので読みやすい。もともとブリリアントジャークがシリコンバレー発であることからか、検索などで出てくる例は米国例であり、いまいち日本人的にしっくりこなかったので。
事例として挙げられているのは、害があることがわかりやすいところからこんな人なら割といなくはないなというところまで幅広く、マウンティング部長や仕事を自分に属人化させ人質に取ったベテランのパワハラ、実績のある現場に逃げ込む社長、長時間労働に酔う職場、優秀すぎて周りを見下す若手、実務に特化し長期視点の欠けた支店長、など、作為不作為に限らず、ある面の有能性ゆえに単純に扱えない人の毒性を挙げている。
それらを組織のバクととらえ、組織体制・対策を提示している。
ブリリアントジャークという単語で紋切り型でとらえるリスkにも警鐘を鳴らし、根本的には組織の人員に潜む毒性をどう気づきどう抑えていくかを具体的な行動まで提示した良著。 -
Posted by ブクログ
こういう本で星5を付けるのは珍しい。
星4と迷ったけれど、次作に期待を込めて。
ブリリアント・ジャーク(輝かしい成果を挙げる一方で、モラルの観点から職場を破壊してしまう人)。
まあ、あの人はあんな人だから、とか。
でも、仕事はできるんだよね、とか。
そういう言葉で見過ごされてきた人を抱えることの方が、会社にとっては損失が大きいと書かれている。
どんな人がブリリアント・ジャークと言われるのか、また、そういった人を抱える会社や同僚は何が出来るのか、ここが分かりやすく書かれていた。
名プレイヤーが、名マネジメントになるとは限らない。
なのに、素晴らしいプレイをしていると、まるで全てのスキルが高いかのように評価してしまう。
そうしたジャークを放っておくこと、また庇うことで、周囲は「あれで良いんだ」と理解し、または「伝えても変わらない」と諦め、環境の心理的安全性が下がっていく。
心理的安全性が下がった職場では、なぜあれが許されるんだという思いから、怠惰や杜撰さといった「反生産的職務行動」が取られたり、挨拶をしても返さない・冷笑といった「無礼の伝染・インシビリティ」が産まれていく。
諦めた人は静かに退職するか、病んでしまう。
そして、ジャークのような行動を規範として成長していくミニジャークが再生産されていく。
いやいや、それは考え過ぎだろ、とは思えないくらい、チームの一つの状態を示している気がした。
辞めないのであれば、時をやり過ごして、爪を研ぎ、嵐が去るのを待つ。
それほどまでに、職場に愛着があるのであれば。
という言葉が重い。
自分にもジャーク的要素はあるだろう。
個人にとっては、気付きが大きな意味を持つ。
では、この本にある対策を、個人だけでなく、職場が、つまり職場で決定権を持つ人たちが、どれほど真摯に向き合えるか。
そして、真摯に向き合わざるを得ない状況を、誰が生み出すか。
だから、レビューを残しておこうと思った。 -
購入済み
自分がそうなっていないか。。。
最近知った言葉&書籍になっていたので購入、腐ったリンゴの実験が関連でヒットするが『そういえばいたなぁ』という人物像が思い当たるのと合わせて、『自分は違うよな。。。』とちょっと考えてみたりもする内容で良書でした。
※全然別の本でThisコミュニケーションという集英社刊の漫画でも『暴言を吐く奴は、並の能力なら5人以上の集団ではいない方がマシ。倍の能力でも10人以上ならいない方がいい。』といったセリフがあったのを読んで思い出したりもしました、案外そこら中に当てはまる人間がいるのかもしれません -
Posted by ブクログ
ブリリアント・ジャーク(仕事ができるけど組織を破壊するやつら)について、大まかな傾向分析と対策。後半では組織としてどう彼ら彼女らを生み出さないように出来るかの仕組みづくりに焦点があたっている。
全体の感想としては、あたりにも例が具体的すぎて「そういう人いる〜笑」とかいう次元ではなくもはやグロい(本としてはとても良いこと)。
身の回りにいる人間の顔が浮かぶレベルに具体的だからこそ深刻に考えることができるから良い。
改めて思うのは、会社における「評価」というのはとてもとてもとても重要で、「わたしたちはこういう人になって欲しいと思っていますよ〜」を全社員に提示することになるのだ。
例えば作業した数が評価になるのならば、ひたすら自分が作業することにインセンティブが向き、時間のかかる割に評価されない後輩育成なんかには気が向かなくて当然なのだろう。それの小さな積み重ねによって組織は腐敗していきどんどん痩せ細っていく。
あまりにも勉強になりました。
ちなみに、帯かなんかで「Netflixでも言及された〜」みたいな言及がありかつ表紙がNetflixのNO RULESに似た赤と黒なもんだからNetflixの人が書いたのだと思っていたら全然そんなことはありませんでしたのでご留意を。だからといって内容のクオリティが低いとかは全く感じませんでした。
良本でした! -
Posted by ブクログ
サブタイトルが「組織を強くする冒険人材の育て方」である通り、あえて、異文化に飛び込むことで、「人材」を育てるための指南書。
正直なところ「なんでそんなことをあえてするの?」と思う自分は、3〜5年で異動したり転勤したりと仕事環境が変わるので、自然と「越境学習」する環境で育ったんだな、と思いながら読んだ。
特に気になったところを3つ述べてみる。
1つ目。P76付近の「述語主義」。本文から引用すると「述語主義とは、日常的にいつも同じ文脈で暮らしてる人が、だんだん守護を省略するようになること」とある。
越境して最初に感じる違和感はこれだなと思う。確かに、ずっとそこにいる人は主語を省略しても文脈から推測できるから問題ないだろう。ただし、越境者からすると、最初に困るんはこの主語の省略であり、仕事を進める上で、毎回確認が必要になる。
これは、越境者のみならず、新卒採用者に対しても仕事を教える上でボトルネックになるし、日々のやり取りの中で、いわゆる「現地にいる人」ですら主語を取り違えて仕事上のミスを起こしていることがある。特に、ビジネスがグローバル化している現代では、電話やメールで「越境」して連絡をすることもあるわけで、「通じるだろう」という楽観的な推測は必ずあてはまるとは限らない。原点に帰って5W1Hを必ず確認することは必要だろう。
2つ目。P186付近の「迫害をどう防ぐか」。越境者は必ず迫害される。
迫害というと大げさだが、そういうものである。
1つ目でも述べたように、述語主義で通じる集団に異物が入ってきて、毎回確認したり、いわゆる「現地にいる人」の「常識」が通用しないからこそ、「あの人なにしてんの?」と白い視線を感じる。「越境者は2度死ぬ」の項でも述べられているが、異質な文化に混ざるということは、実は大変な労力を要するし、元の組織に戻っても「かぶれてる」と冷ややかな態度をとられがちである。
越境に対して、セルフケアが可能な人材なら問題はないが、そうでない人には組織的なケアが必要となるであろう。
さらに、「迫害」とまで行かなくても、「異分子に対しての態度」は、気をつけないとグローバルなビジネス交流についていけずに、自社が滅びる結果になりかねないと思う。
組織の「対外的な対応」にも通じる部分と思えた。
3つ目。P204付近の「発信スタイルの変更」。
越境者が「こうあるべき、こうやるべき」と自分の意見を述べたところで冷ややかな目でしか見られないのはごく当然のことだ。であれば、「自分はこんなことやりたい!こんなことが好き!」とポジティブに楽しく仕事して人を巻き込むしかないと思う。
これについては、越境に限らず、日々、そういう態度でありたいと思う。
日々の「当たり前」と思っていることが、実は、他の文化圏に行けば当たり前ではなくなる。「視野を広げる」とは「越境したことも想定して相手の気持を慮ること」だと思う。
そんな当たり前のことを改めて気が付かせてくれる、そんな1冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ近くの異業種、離れた同業種での学びを実践しているが、この本の以下の点に納得。
越境=個人にとってのホームとアウェイの間の境界を越えること
アウェイ=見知らぬ人ばかりの、普段の言葉が通じない慣れない場で、ちょっとした違和感や居心地の悪さを味わう。
上下関係のなさ×異質性×抽象性。自分が何ができるかを見つめ直す機会になる。やりたいことにも気づく。
越境学習=ホームとアウェイを行き来することによる学び
アウェイで、違和感や葛藤を抱えながらも、なんとかやろうとする中で、新たな自分に気づき、力の発揮方法を学ぶ。
ホームに戻って今までと違う見方をする自分に気づき、ホームに違和感を感じる(二度目の葛藤大)。俯瞰ができる。
越境学習の効果→分かったつもりを打破し、組織内にイノベーションを起こす人材を育成する
不安定に持続的に耐えられる、不確実性の中で探求し続ける、異なる世界に飛び込める(冒険力)
アイデア発見に必要な力=関連づける力、質問力、観察力、実験力、ネットワーク力
混乱するジレンマ→自己検討→これまでの前提の批判的検討→前提越えの気づき→行動計画・試行→自己の再統合
越境学習7つの特徴
学習プロセスが非直線的、葛藤が原動力、もがくことが重要、ホームアウェイを俯瞰、戻っても葛藤、よい組織でも葛藤、必要資源を動員できる
人事の役割は調整
越境学習者の交流コミュニティ
"越境して恥ずかしい思いをしたり、苦しい思いをしたりする「混乱するジレンマ」に、直面するとリフレクション(内省)が起こります。" -
Posted by ブクログ
「あの人は仕事ができるから仕方がない」。この言葉に、飲み込めない思いを抱えたことがある人へ。
『ブリリアント・ジャーク』は、高い成果を出しながら周囲を疲弊させる人と、その行動を許してしまう組織を描く一冊です。
保守業務を抱え込み、後任が育たないベテラン。高圧的な言い方で、周囲を黙らせる上司。私にも心当たりがありました。性格や相性の問題として見過ごしていた違和感が、組織の課題として言葉になった。その鮮やかさに震えました。
さらに胸を突かれたのは、悪意だけでなく、善意や熱意からも生まれ得るという視点。「品質を守りたい」から手放せない。「成果を出したい」から無理を求める。その思いが周囲を傷つける。天使の顔をした悪魔のようだと感じました。
異論が届かず、内輪の常識だけが通じる閉鎖的な環境では、自分の正しさを疑う機会も失われていく。私自身も、気づかないうちに「闇堕ち」する可能性がある。他人事では済ませられない怖さがありました。
評価や育成、権限の分散など、対策が具体的なのも心強い。誰を評価し、何を許すかが職場をつくる。人事の大切さを、これほど自分の問題として感じた本は久しぶりです。職場に悩む人にも、人を評価する立場の人にも届けたい一冊です。