曽和利光の作品一覧
「曽和利光」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします!
-
作者をフォローする
- フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
ユーザーレビュー
-
平易な表現でわかりやすかった。
労務規程や、法令への言及ではなく、人事というものはどういうもので、人材をどう活用するかを知る上での概説書としてお考えいただければと思います。
ボリュームも240頁弱でさくさく読みすすめられました。
気になった言葉は以下です。
・(採用面接で経験が浅い時期には)質問
...続きを読むに加えて、話を聞くということは実に難しいことでした。
・「人事」=「人事部」ではない。人事部以外にも、経営者はもちろん、各事業の責任者やチームリーダも「人事」の仕事に携わっています。
・組織内のすべての人の要求に応えることは難しい、というより不可能です。
・人事は、「面の皮を厚く」もっていなければなりません。
・実は、いい人材を採ろうと思えば、「条件はひとつでも少ないほうがいい」。現場からは、「本当に必要な、最小の条件」を聞き出す。
・坂本竜馬の言、「世の人は我を何とも言わば言え、我が成すことは我のみぞ知る」世間がなんといおうとも構わない。自分はなすべきことがわかっているのだ。
・経営陣と現場に挟まれがちな人事は、人事としての自分の「軸」をもっていないと、あっちの意見を聞いてはこっちに伝えといった、ガキの使いに陥りがちです。
・前漢の「説苑」という故事集に、「逆命利君」という言葉があります。一時的に主君の命令に逆らっても、結局は主君の利益になるように考えて行動する。という意です。
・ちゃんと人を見る眼があることを、「見る眼の解像度が高い」という。ルーチンワークに退屈してしまう人は、人事として人や組織を見る眼の解像度を高めることが必要です。
・ようは、単純作業を単純作業と思わない。多様性があるから面白いと思うことです。人や仕事についての語彙を増やすこと、それは、細かい差異を察知・認識し、多様性を楽しめるようになることです。
・人事にとってもっとも必要なスキル、それは、人や組織を見立てる力です。
①組織・個人がどういう状況にあるのかを、正しく把握すること
②その状況がいいのか悪いのか、変えるべきなのか、そのままにしておくべきなのかを判断すること
・見立ては、過去と現在ではなく、現在と未来を見ています。
・外発的動機付けは、内発的動機付けを阻害する。インセンティブを出すと、以後そのインセンティブが目的化するということです。
・ピグマリオン効果(ほめると期待に応えたいという動機付けがはたらき結果がよくなること)、ゴーレム効果(叱ると成績がさがること)、先人たちの築いた心理学などの成果を適用する。
・人事の計数化、面接評価よりも、数値化された適正検査評価のほうが、効果がある。組織を動かすためには、数字という共通言語が必要である。
・人材の相場感を得るために、多くの人に会って面接を行う。
・優秀な人材を得るためには、採用基準を厳しくすべきである というのは、誤解である。採用のマスト条件が多ければ多いほど、優秀な人材が採れる確率は低くなる。
・職歴にブランクがある場合、すぐはじいてしまうのではなく、まずはその理由を確かめてから判断をする。
・仕事の能力に関係のない、年齢、性別、容姿を採用基準とするのは、特定業種を除けば、時代錯誤甚だしい。
・大切なもの、掘り下げて聞くべきものは、事実に基づいたその人の過去の行動、具体的にどんな場面で何をしてきたか、その結果状況はどうなったかです。
・面接時の「熱意」を採用の判断材料にすべきではない。志望動機で熱意を測って合否を判断することは何の意味もない。
・第一印象はあくまでも仮説でしかない。自分の偏見によるものかもしれないという事を常に自覚する。
・本当は知っているけれど、あえて、相手に話させてみる。相手の説明能力を判定する。もう一つは、実際の経験、過去の実績を見立てること
・面接の意義は、ある場面でその人がどう考え、判断し、どういう行動をとったか、その結果どんな効果があったかを整理すること
・相手の心を開いてもらうために、自分自身の経験などを話して、相手に共感してもらい信頼関係を築くこと
・採用も恋愛と同じように、「追えば逃げる、逃げればくる」ということ。「興味加減の法則」という鉄板の法則にしたがっている。
・「乞われて入社した」という人材と、「自分の意思でこの会社を選んだ」という人材では、入社後のパフォーマンスに大きな違いがある。自分が選んだというのが大切。
・ダメな人事というものは、「チームワーク」という発想が欠けているときです。
・組織にいる様々な人間を「どう組み合わせて」「どういうチームを作って」「どういう仕事をさせるか」という采配こそが、人事の腕の見せ所である。
・守破離、最初は、まず型を知り、型を教える指導が必要
・研修とはパワーポイントで一方的に知識を与えるものではなく、相互コミュニケーションに巻き込むことによって、何らかのモチベートの種火を与えること。
・仕事は、「利益を追求するための場」でなく、「育成しながら、利益を追求する場」である。つまり、その仕事が一番できる人を配置するのではなく、その仕事によって一番伸びそうな人を配置する
・①同質チームは、スタートアップは早いがマンネリのデメリットが半年後にやってくる。新しいものの見方や新しい発見をするのが苦手
②異質チームは、お互いに補完関係になる人事で、初期に説明コストや時間がかかったりはするが、いろいろな知識やものの見方、新しい発見、「創造性」が見込める。
・WILL、CAN、MUST
①WILL その人がしたいこと
②CAN その人ができること
③MUST その人がしなければならないこと(仕事) 人事の発想は、②CAN⇒①WILL⇒③MUST です。
・現代のキャリア形成は、明確にさだめられた、キャリアデザインよりも、より範囲がひろい、ダメならダメでもいいやのキャリアドリフトにかわっていっています。変化の激しい業界は、今の仕事を意味付ける力とつける、キャリアドラフトを取り入れた研修・育成を行っています。
・やめてほしくない人から辞めていくので、やめてほしい人と膝を突き合わせてリストラをすすめるのが常識
・企業文化として、退職者を大切にし、いつまでも仲間意識を持っていられることが重要
・人材の損益分岐点を考える。分岐点を超えた人は、いつ辞めてくれても損にはならない人材としてみる。
・人が辞めることは悪いことではない。適切な退職率を超えて人がやめること、逆に、適切な退職率以下で全然人がやめないことが悪いこと。リクルートは適切な退職率を8%と算定している
・「川は淀むと濁る。組織は停滞すると歪みを生む」
・新卒の3割は3年以内にやめる。入社前から適切な情報を与える、内定時に、実際の社内業務を体験させるなどの防止策。もっともすぐにやめたそうな人材はそもそも採らない。
・退職の原因の9割は、社内の人間関係。退職になるまで放置していたことがわるい。
・組織文化は一度壊したら、もう二度ともとにもどらない。
・制度設計はできるだけ回避する。①働く人の行動を制約するルールなので組織が変革するときに足かせになる。②一度制度化してしまえば、容易に変えることができなくなる。
・制度をかねなくても解決できる問題が多い。⇒制度設計を変更しない。
・優秀な人材を選別するときは、「成果」ではなく「プロセス」を重視する。将来においても再現性の高い習慣・能力をもっているかを確かめる。
・給与とは、報酬だけでなく、自分への評価をもあらわす。
・給与は、他人との差、だけでなく、過去との自分との差をもあらわす
・人事として扱うものは、「客観的事実」よりも、「心理的事実」が大きく作用します。主観、思い込み、妄想、偏見などをも考慮しなければなりません。
・全部を受け止めること。それはただ聞くこと。気持ちが収まるかどうか、相手の気持ちを受け止める
・人間とは急激に変わることを嫌うもの。そのためには組織全体に、危機意識をもってもらうことが始まりです。組織改革とは全従業員に変わってもらうこと。
・自分が悪者になっても、このままではダメだと冷や水を浴びせるようなことをすることが必要。
・人材のマネジメントとは、「人を動かすこと」、部門を変えるのであれば、管理職を再教育するより、適切な部下をつけるほうが効果が大きい。
・人材のマネジメントは、①行動のマネジメント、②結果のマネジメント、③文化によるマネジメント がある。
・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
もくじは次の通りです。
はじめに
第1章 人事の心得編
第2章 採用・面接編
第3章 育成・キャリア編
第4章 退職対応編
第5章 評価・報酬編
第6章 組織改革編
第7章 ライフスタイル編
おわりに
Posted by ブクログ
-
体系的に論理的に書かれておりとても勉強になりました。特に自己開示の事例は個人的にぜひライティングしようと思います
Posted by ブクログ
-
【採用パート】
採用についてロジカルに説明されている。
実例を交えての説明がかなり実務的でわかりやすい。
人事採用担当のみならず、
人材業界に関わる方や他にもいろんな人が読むべき一冊。
Posted by ブクログ
-
採用人事の仕事を理解したくて読んだのですがかなり良書でした。採用〜退職までについて今までいろんな人を見てきて感じていたことや考えていたことに対するアンサーやヒントに富んでいました。改めて人事の仕事の難しさを知ったと共に人事の可能性も感じました。良書。
Posted by ブクログ
-
HRの本質が凝縮されている本。
HR機能を採用、育成、配置、評価、報酬、代謝によって説明しているが、HRの本質は、経営におけるヒトの資源をどう最適化するかということでしかない。ヒトをコストを抑えながらどう採用して配置してパフォーマンスを上げてもらうかがHRの目的。つまりHRとは限りなく経営の上流その
...続きを読むもの。特に昨今では、人が競合との差別化になる時代だからこそ、HR機能が重要性を増している。前半部分では、これらの機能のそれぞれが果たす役割や抑えておくべきポイントが丁寧に解説されている。後半部分では、HRの中でも最も重要な採用を実務ベースでかなり細かく書かれている。主に新卒採用の話が中心。新卒採用は中途採用よりも歩留まり、ステップ、コンテンツという仕立ての部分がかなり重要でそこもかなり細かく書かれている。
HRをやっている人は必読書な気がする。
Posted by ブクログ
曽和利光のレビューをもっと見る