あらすじ
「リクルート→ライフネット生命→オープンハウス」で人事・採用責任者を歴任した著者が明かす、人を動かし、組織を伸ばす人材マネジメント
【本書の推薦文】
★「リクルート躍進の原動力は人事と採用だ。本書にはその真髄が書かれている。」Jリーグチェアマン/元リクルートエージェント社長 村井 満
★「大きく変わりつつある人事と採用の世界。本書は、確かな理論と新たな視点を提供する。」神戸大学大学院准教授/『採用学』著者 服部 泰宏
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Posted by ブクログ
【採用パート】
採用についてロジカルに説明されている。
実例を交えての説明がかなり実務的でわかりやすい。
人事採用担当のみならず、
人材業界に関わる方や他にもいろんな人が読むべき一冊。
Posted by ブクログ
採用人事の仕事を理解したくて読んだのですがかなり良書でした。採用〜退職までについて今までいろんな人を見てきて感じていたことや考えていたことに対するアンサーやヒントに富んでいました。改めて人事の仕事の難しさを知ったと共に人事の可能性も感じました。良書。
Posted by ブクログ
HRの本質が凝縮されている本。
HR機能を採用、育成、配置、評価、報酬、代謝によって説明しているが、HRの本質は、経営におけるヒトの資源をどう最適化するかということでしかない。ヒトをコストを抑えながらどう採用して配置してパフォーマンスを上げてもらうかがHRの目的。つまりHRとは限りなく経営の上流そのもの。特に昨今では、人が競合との差別化になる時代だからこそ、HR機能が重要性を増している。前半部分では、これらの機能のそれぞれが果たす役割や抑えておくべきポイントが丁寧に解説されている。後半部分では、HRの中でも最も重要な採用を実務ベースでかなり細かく書かれている。主に新卒採用の話が中心。新卒採用は中途採用よりも歩留まり、ステップ、コンテンツという仕立ての部分がかなり重要でそこもかなり細かく書かれている。
HRをやっている人は必読書な気がする。
Posted by ブクログ
非常に良い本だと思う。自分はHR領域に関する前提知識と実務経験があるので本の内容は納得出来るものばかりだと感じ、知識の再確認と新発見をどちらも高いレベルで行えた。
人事をやる人はまずはじめに読んで欲しい。何を言っているか初めは分からないまま読破すると思うが、実務をこなすことで後から理解がついてくる。そしてそうやって人事の仕事の流れを一年経験して全体像を掴んでからもう一度読み直して欲しいと思える。
HR領域に携わってない人も、転職や自身のキャリアアップを考えることが多分にあるなら読んでいい。
Posted by ブクログ
昨年から新卒採用の担当になって様々な本を読んでいるのですが、本書は目新しいものはありませんでした。
しかし、ここに書かれていることが採用活動での原理原則であることもわかりました。
採用は評価がしずらく、目立ちにくい活動です。ただ、本書の中では、企業活動の中で最も大切な活動と言っております。そう考えると、採用できる学生次第で企業の存続、未来の方向性は大きく変わるのではないかと思いました。採用は即戦力ではなく、最低でも3年後に採った人材が育つかどうかを見極めるということをします。売上を上げるということよりも不確定要素が大きく、一種のギャンブルになります。そうならなくするために本書では、様々なフレームワークを紹介するとともに、人事担当者がどのような気持ちを持って取り組むべきなのか、どうやって活動を日ごろから進めていかなければならないのかを示しています。
Posted by ブクログ
『人事と採用のセオリー』は、現代の組織運営や人材マネジメントの重要な要素を網羅的に解説した一冊です。著者である曽和利光氏は、豊富な経験をもとに、採用の実践的なアプローチと理論を巧みに結びつけ、組織が直面する課題に対する洞察を提供しています。本書の中でも特に印象的なポイントを中心にレビューをまとめます。
まず、「組織における人口ピラミッドを予測し、退職率をコントロールする」という考え方は、長期的な人材戦略の必要性を強調しています。組織が持続的に成長するためには、年齢構成や退職率などのデータを基に、計画的に人材を確保し、流動性を高めることが求められます。特に「組織が濁る 人材フローが停滞する。内部流動性を高める」という言葉が示すように、固定化した組織は新陳代謝が滞り、結果としてイノベーションを阻害するリスクが高まるという指摘が印象的です。
また、「求心力と遠心力」という二つの力のバランスを意識した組織運営についても触れられています。組織内の連帯感や結束力を高めること(求心力)と同時に、個々人の自主性や創造性を引き出すための自由度を確保すること(遠心力)を両立させることが、今後の組織マネジメントの重要なテーマです。このバランスが取れていないと、モチベーションの維持や人材の定着が難しくなることを、本書は示唆しています。
「人が転職するのはキャリア感よりも人間関係」という点も、人材マネジメントにおいて極めて重要な洞察です。多くの人がキャリアアップよりも、職場での人間関係の問題が理由で転職を考えることは、従来の「キャリア志向」の採用方針に再考を迫るものであり、パーソナリティの可視化や人間関係の構築が、企業の成長に不可欠であると説いています。
採用のプロセスに関しては、PULL公募とPUSHスカウトという二つのアプローチを組み合わせる重要性も強調されています。PULL型の公募は、多くの候補者を集め、企業文化に適合する人材を選ぶ手法であり、PUSH型は優れた人材を外部から積極的に引き抜く方法です。両者を組み合わせることで、採用の精度と効率を高める戦略が有効だとしています。
本書で特に興味深かったのは、選考プロセスにおける具体的なステップと評価基準の解説です。例えば、初期選考では基礎能力、中期選考ではパーソナリティ、最終選考では優先順位付けを行うといった多段階のアプローチは、企業にとって非常に実用的です。また、選考過程での「過去のエピソードを聴く」方法は、候補者の具体的な行動や経験を掘り下げることで、より正確な評価を行う手法として有効だと感じました。
総じて、『人事と採用のセオリー』は、採用・人事に携わるすべてのプロフェッショナルにとって実用的かつ洞察に満ちたガイドブックです。曽和氏が提唱する理論は、現代の多様で変化の激しいビジネス環境において、組織が持続的に成長し、競争力を維持するための重要なヒントを提供してくれます。この本を通じて、組織運営や採用戦略に対する新たな視点が得られることは間違いありません。
by ChatGPT
Posted by ブクログ
タイトル通り、人事と採用の大枠の流れは掴むことができた。
実践的な一冊。
組織のライフルサイクルのためには循環が必要で意図的に退職率をコントロール必要というところが確かにそうだなと思いつつもこれまでの自分の考え方と違って改める必要を感じた。
採用のところは特に面接の観点深掘り方が具体的に書いてあって非常に参考になった。
Posted by ブクログ
タイトル通り、人事と採用のセオリーを体系的に整理してくれている本。人事の機能を6つに定義したうえで、人材ポートフォリオに基づく人材フローの考え方や組織成長に沿ったマネジメント変化、モチベーションスタイルの4タイプなどを始めとしたフレームワーク的な考え方が説明されており、知識のない自分にとっては勉強になった。
Posted by ブクログ
入門書として最適
ただ、リクルートの人事部の半数が
採用を担当していたと聞いて
ちょっとクラッとした。
人事の6機能とか7機能で
最初に挙げられるけど
後回しにされがち
Posted by ブクログ
人事と採用の定石について、筆者の経験をもとに整理された本。
採用計画の考え方や、世の中でいう地頭という言葉が、
具体的にどんな力を指しているか、についての解説が、
個人的には学びになった。
Posted by ブクログ
今年初のビジネス書は上司におすすめしてもらった一冊。
まさに人事と採用の教科書のような内容で、4月から採用部に異動する私にはピッタリだった。
採用の知識も経験もゼロで、右も左も分からなかったが、他社がどのように採用計画を立てているのか、選考フローや面談の評価基準をどのように設定しているのか、その後の内定者フォローはどのような形で進めるのか、ざっくりとした全体像を頭の中に入れることができてよかった。
このタイミングで、この本に出会えてよかった。
Posted by ブクログ
#人事と採用のセオリー
人事になり、採用専門で仕事をしているけど、
そもそも人事とは何のために存在するのかを学ぼうと思って購入。
感想を一言で言うと、
人事の仕事の全体感が見えたという感覚です。
今は採用専門でいっていることもあり、
視座が目の前だなーと気付けました。
「組織は戦略に従う」という言葉が印象的で、
この点は、自分が所属するチームの中で、どんな戦略を描いていて、そのために組織をどうすべきか考えるきっかけにもなりました。
・採用と代謝(退職)をセットに考える
体と同じで、たくさん取り入れても適切に排出ができないと不具合が生じるように、
組織にも適切な代謝が必要と学んだ。
誤解ないようにしたいのは、リストラをして退社する意味ではなく、社員自ら自然と次のステップを考え転職する人がいてもokという意味です。
この点、リクルートが最も採用と代謝を考えてマネジメントしている組織と書かれていて、確かに!!!と思った。
Posted by ブクログ
社内で話題が出たので読んだ。
新卒採用の全体感を知る意味では良い本。
採用要件や、スケジュールなど、この通りに丁寧にやりきるだけでもかなりの効果がある気がする。
(逆に言えば新規で得た知識はそんなになく、どっちかと言うと忙しい人事がどこまで取捨選択してやれるかがポイントなんだろうなと感じた)
加えて、そもそも面接で人を判断できるのか?とかって問は、頭の片隅において業務を進めるようにしたいよね。
Posted by ブクログ
では、組織におけるマネジメントの認知限界とは何人でしょうか。
世の中には様々な研究がありますが、イギリスの経営学者アーウィックによれば、一般的な事務職では1人の上司が直接管理できる人数は5~7人程度と言われています。これは、短期記憶が可能な範囲として知られる、マジカルナンバー「7±2」と似ています(電話番号が区切られている理由です)。最も合理的なチームである軍隊の最小単位もおおよそ、その人数です。他の様々な研究でも、5~7名が最も効率的なチームであると結論付けています。つまり、一般的な人がマネジメントできる人数は6人前後と言ってよいでしょう。
階層化は、マネジメントの質を変化させる
組織の人数が6人を超えたら、1人の管理者ではマネジメントできないため、もう1人別の管理者を置いて、チームを分けなければなりません。そしてチームを分ければ、分けたチームの管理者の上に、別の管理者を置く必要があります。つまり、組織の人数が認知限界を超えると、組織が「階層化」するわけです。
階層化には多かれ少なかれ、「権限移譲」が伴います。1人で管理できなければ、誰かに業務の一部を任せなくてはなりません。しかし、任せると言っても、何でも自由にさせるわけにもいきません。何らかのルールを作って「方向付け」する必要があります。権限範囲や実行の方針、報告の基準など、「制度」に伴うルールです。
Step1:背中でマネジメント
・創業者のリーダーシップ
・直接のリアルタイムの指導
・インフォーマル
・柔軟な対応
統制の危機⇒統制
Step2:行動でマネジメント
・管理職の出現
・1から10まで行動レベルでの指示
・マニュアル化
自律の危機⇒自由化
Step3:結果でマネジメント
・市場原理による競争
・自由と自己責任
・インセンティブ
・部分最適
統制の危機⇒統制
Step4:計画でマネジメント
・官僚制
・横断的資源管理、再配分
・全体最適
自律の危機⇒自由化
Step5:文化でマネジメント
・OBラインの設定
・トラブルシューティング、例外処理
・社員の創造性の発現を期待
[Step2]を飛ばそうと経営者が考えるのは、第一に経営者自身、「自由が大好き」だからです。経営者の多くは、上司にあれこれ言われるのが嫌で、自由にやりたいから独立しています。そういう人は、会社が成長して自分ですべてを見られなくなると、組織に自由な気風を持ち込もうと、「自由と自己責任」などと言い始めます。しかしこれは、多くの人にとってありがた迷惑です。職場で働く人の大半は、むしろ「細々と指示して教えてほしい」と考えます。こうした人が自由を享受し、自律して動くには、いきなり自由を与えるのではなく、最初は型にはめることが必要なのです。
こうした人の行動は、「熟達化(人はどうやってエキスパートになっていくか)」と呼ばれる心理学の分「野でも研究されています。同研究によれば、人は熟達するために、最初はまず型通りにやってみて、型通りにできるようになったら、自分らしいやり方を徐々に模索するのが良いとされます。つまり、組織が成長する上で、[Step2]は飛ばせないのです。
採用を最も重視するべき理由
人は大人になるほどに、変われない
「採用」「配置」「育成」「評価」「報酬」「代謝」という人事の6つの役割のなかで、人事担当者が最も重視すべきは採用です。これは、採用の重視が、経営層、従業員、顧客などにとって最も望ましい結果につながるからです。
具体的には、人事業務全体の重要度を100%としたとき、採用の比率は50%、もしくはそれ以上です。それに続くのが「組織内での採用活動」とも言える配置で25%、残り25%が育成、評価、報酬、代謝などとなります。
採用を重視する理由を端的に言えば、「人は大人なるほどに変われない」からです。多くの能力には、「臨界期(その年齢を超えてしまうと容易に獲得できなくなる時期)」が存在します。優秀な人材を採用できなければ、配置を工夫したり、育成したり、評価や報酬でモチベートしたりしたところで、多くが徒労に終わります。逆に、良い人を採れば、能力を発揮する適切な場を与えるだけで勝手に成果を出します。
「風土」は人の志向の集合体
制度を活かす人材、そして人材が作り出す風土がなければ、制度は機能しません。また、制度で行動を強要すれば、多少なりとも残っていた社員のモチベーションを殺してしまいます。「制度によって人が変わる」ことはなく、「人が持っていた潜在的な志向や能力を、制度によって発揮させる」ことしかできないのです。
本来、最初に醸成すべきはそうした制度を「渇望する」風土であり、それには人材が必要です。人材は理屈上、育成できますが、先に述べたように人は容易に変わりません。そのため、風土醸成で最も有効な手段は採用となります。採用によって、企業の求める風土を志向する人材を集め、そうした人材が自然と風土を醸成し、風土を加速させる「触媒」として制度を作るのが正しい順番なのです。
リクルートは、私の在籍当時から現在まで、画期的な人事制度によって組織を活性化している事例として、ビジネス誌に取り上げられています。しかし社内では、「組織活性化の秘訣は人事制度でない」とよく言われていました。当時のリクルートには、評価や報酬制度によってパフォーマンスが左右される人などいませんでした。新規事業提案制度も、「制度がなくても事業のアイデアを出し続ける人がうまく活用している」だけだったのです。
PULL型
メリット:効率的に多くの人数にリーチできる、志望度は高く、辞退率は比較的低い
デメリット:自社のファン以外にリーチしにくい、大量応募に対する時間的・労力的コストがかかる
PUSH型
メリット:自社の採用ブランド以上の人材を採用できる可能性がある、自社のファン以外にもリーチできる
デメリット:志望度は低く、辞退率は比較的高い、きめ細かいフォローによる動機付けや引き留めが必要
PUSH型と言っても、OB・OG訪問の受け入れのような大掛かりなものばかりではありません。私がリクルート時代にやっていたPUSH型のうち、効果があったものを紹介しましょう。「内定辞退者との継続連絡」「電話での「ちなみに作戦」」「直接訪問」の3つです。
まず、「自社を蹴った人材のほうが優秀である」と考えていた私は(実際に自社内で調査したところ、明確にそのような結論が出ました)、一度断られた相手とも細く長く連絡を取っていました。と言っても、たまに電話で「最近どう?」と聞いてみる程度です。もし就活についての悩みがあれば相談に乗ったり、周囲の人間を紹介してもらったりなど、ゆるい感じのコミュニケーションを取ります。その上で、もし自社に入社してもらえそうな雰囲気が出てくれば、自社への再受験を勧めるのです。なお再受験を勧めると、多くの候補者は「え?一度断ったのに、また受けさせてもらえるの?」と驚きます。
「ちなみに作戦」は、本当に小さなTIPSなのですが、意外と効果的です。誰かに紹介してもらった、関係が弱い相手にメールやLINEではなく電話をかけ、「ちなみに今、就活はどんな感じ?」「ちなみにどんな業界を志望しているの?」「ちなみにサークルは何をやっていたの?」と世間話の延長で「ちなみに」と話をつないでいくのです。面接と同様の情報が手に入る上、面接という改まった場ではないので、相手も気軽に色々と答えてくれます。この過程で親近感を持ってもらえたら、こっちのものです。実際の面接へとつなげます。
「直接会ってみる」は、もっと単純です。体育会系の学生に会いたければ体育会の部室に、理系の学生がほしければ大学の研究室に自ら出向き、ドアをノックするのです。優秀な学生の中には、サークルの活動や研究に熱中するあまり、就活にあまり力を入れていない人も珍しくありません。こちらから出向き、接点をつくり、相手が興味を持ってくれれば、喫茶店でも居酒屋でも、もう少しゆっくり話せる場に誘ってみる。これも地道なようですが、非常に効果的なアプローチです。
フォロー体制の強化方法
・最終面接の前段階でフォロー担当者を候補者に付けて、一緒に内定を得る「同志」的な関係を構築する
・候補者をフォローする担当には、相性の良い「同質タイプ」をあてがう(「同質タイプ」でない「補完関係」は、リレーション構築にやや時間がかかる)。ドラフト会議的なもので担当者を決めてもよい
・適性検査などを用いて、候補者と面接官のタイプも合わせる(この場合、同タイプの人はジャッジが甘くなってしまうことに注意)
・自社の採用上のアピールポイントを把握の上、タイプ別の訴求ポイントに基づくトークパターンを事前に作成する(採用競合との差別化ポイントについても事前に検討し、採用担当者がきちんと話せるように訓練する)
・できるだけ高頻度で候補者と接触し、担当者と候補者の間に深い人間関係を構築する(接触回数が多いと相手に好意を抱く)
・自社に関する新聞や雑誌の記事、書籍など、社会的な認知の証拠となるパブリシティを集めて、適宜候補者に渡す(親、配偶者といった、候補者に強い影響を及ぼす人物の手に渡り、その人からも自社を推薦してもらえる効果を見込む)
歩留の目安
内定率の目安
・採用広告メディアや大規模イベントなどのマス広報による候補者集団の場合……………約1%~数%
・リクルーター、OB紹介などのネットワークによる候補者集団の場合………………約10%前後
受験率の目安
・通常の場合……20%~30%
・人気企業の場合……40%程度。特殊な人気企業を除いて50%は難しい
書類通過率の目安
・一般的な選考の場合……80%程度(下位2割を落とす)
・厳し目な選考の場合……20%程度(上位2割を通す)
筆記通過率の目安
・筆記試験の選考が厳しい企業の場合……10%程度
・できるだけ会う方針の企業の場合……50%程度
面接通過率の目安
・通常面接の場合……30%~40%程度
・グループ面接の場合……50%程度(1回に会う最大人数は4~5人程度)
途中辞退率の目安
・一般的な企業の場合……20~30%程度
・積極的な企業の場合……10%程度(途中辞退者に再考するように電話するなど)
内定辞退率の目安
・厳しい企業の場合……10%程度(第一志望にしか内定を出さない)
・厳しくない企業の場合……50%程度(基準を満たせば志望度によらず内定を出す)
候補者のポテンシャルを見抜く
抽象的な主観ではなく、過去のエピソードを聞く
ポテンシャルを見抜くインタビューには、方法論が存在します。その基本的なポイントは、「過去のエピソードを聞く」「わかりやすいエピソードを選ぶ」「ディテールを深掘りする」の3つです。これにより、候補者の思考特性・行動特性を探るのです。
候補者、特に新卒学生は面接に臨む際、事前に「自己PR(私はこのような人です)」と「志望動機(御社をこういう理由で志望しています)」を準備してくることがほとんどです。そのため、自由に話してもらうと、話題の中心はこの2つになってしまいがちです。
しかし、「自己PR」で語る自らの「強み/弱み」や「志望動機」は、多くの場合、主観的で抽象的です。これは、仕事経験の少ない新卒学生はプロフィール上、訴えるべき実績を持っていないためです。そして、抽象的な強みや弱み、志望動機をいくら聞いても、候補者の特性はわかりません。
ですから、面接でまず聞くべきは、より客観的でより具体的な応募者の「過去のエピソード」です。先の自己PRも志望動機も、背景には何らかのエピソードがあるはずです。インタビューでは、エピソードに対する彼らの解釈ではなく、その事実そのものを丁寧にヒアリングしましょう。この過程で、「コミュニケーション力」や「論理的思考力」などの基礎能力がわかるのです。
書類選考の合格率を上げる
書類選考の合格率を高めて、エージェントが紹介してくれた人材にできるだけ多く会うのも、実はエージェントの意欲を高める上で有効です。圧倒的な売り手市場の昨今、人材紹介エージェントは「採用側の希望に応える」ことよりも「候補者(キャンディデイト)側の希望に応える」ことを格段に重視しています。そのため、門前払いして候補者のプライドを損ねるクライアントへの紹介は敬遠しがちです。エージェントは、企業側に候補者を大切に扱ってほしいのです。
そのため可能な限り、書類で落とすことなく、実際に相手(候補者)に会い、相手を尊重している態度を見せましょう。こうした態度の累積が、エージェントのモチベーションにつながるからです。エージェントは、多くの求職者に接触し、手間ひまをかけて口説いています。やっとその気になった候補者が書類選考で落とされれば、エージェントのやる気を削ぎ、さらには恨みを買います。 いっそのこと「全員に会う」、つまり書類選考をなくしてもいいかもしれません。エージェントの士気は高まり、うまくすれば応募者数は2倍、3倍にもなります。面接した上で落とせば、エージェントにも恨まれません。
確かに面接の回数が増えると手間は増えます。しかし、「エージェントの面目を潰して、エージェント・マネジメントが難しくなる」ことと比べれば、はるかに小さなコストです。時間がなければ、面接を採用代行(RPO)会社に外注してもいいでしょう。有望な人材は最初から自社で面接し、そうでもない人材はアウトソーサーに投げれば、形式上「全員と面接」できます。なお、「全員に会う」場合でも、自社の合格基準を下げる必要はまったくありません。従来通りの基準で選考すればいいのです。
エージェント・キャラバンを実施する
「エージェント・キャラバン」とは、自社の求人案件を単にメールで送るだけでなく、自らエージェントの事務所に出向き、担当者に自社の求める人材像と特徴を説明して回る行脚のことです。キャラバン実施にあたっては、可能な限り担当者全員と会いましょう。一人の担当者に説明して、他の担当者にも情報を伝えるように依頼すると、採用の論点がぼやけがちで熱意も伝わりません。
なお、エージェント・キャラバンと「エージェント説明会」とはまったく別物なので、混同しないでください。何十社ものエージェントの担当者を一堂に集めて開く「エージェント説明会」は、実はまったく効果がありません。それどころか、多くの場合、逆効果です。居並ぶ同業他社の顔ぶれを見て、「こんなにたくさんライバルがいるのか」と、エージェントのやる気を削ぐからです。多少手間はかかりますが、自ら出向く方がエージェントとの信頼関係を構築できます。
Posted by ブクログ
【この本を読んだきっかけ】
採用担当に異動するにあたり大切なことを体系的に学びたいと感じたから。その中で先輩社員に対しておすすめの図書を聞き、この本に出会った。
【この本を読んで特に覚えていること】
代謝のマネジメントに関して。HRMの中で、採用が最も重要だということはなんとなく認識をしていた。その上で代謝(社員の退職)に関しても理想の組織に関してマネジメントする必要がある。ポータブルスキルを身につけられる研修をすることや、給与が上がらない仕組みを作ることで、退職率を上げるなどの施策がある。実際に自社では現在どんな取り組みがあるのかは少し気になった。
【この本で感じたこと】
改めて自社の採用力の高さを感じた。特に採用のセオリーに関しては、自社で当たり前に取り組めていることが多く、新たな学びというよりはこの組織で採用担当として働くことができているありがたみを感じた。
一方で、抽象度の高い採用の言葉を全員で共通認識を持つことはまだまだできると感じた。面接官の言う「地頭がいい」とは、何で感じることなのか、面接のすり合わせでより確認する必要はある。
まだ人材紹介のエージェントとして働いていた過去があるので10章に関しては共感できるところが多いと感じた。エージェントとして、採用担当と関係性を築くことが重要であるのと同様に採用担当としてエージェントと良好な関係を気づくことが重要だと感じた。
Posted by ブクログ
初めて人事で採用を担当することになった人向けの入門的な書物。
人事がどういった機能を有しているのか?採用において押さえるべき点は何であるのか?
図表を多用して大変分かりやすく、理解の進む内容。評価制度や採用面接など内容もかなり具体的。
中でも採用面接で押さえるべきポイントについては、直近の業務にも活かせるものであると感じた。
すぐに改善できる内容であるし、部内でも共有を図り、今進めている新卒採用もより良いものにしたい。
また、退職もマネジメントするべき指標である点は、これまで考えたこともなかったが、
会社の目指す姿を戦略的に実現していくためにも重要な指標であることも理解できた。