あらすじ
あなたのその転職、本当に大丈夫ですか?
元リクルートの採用責任者が、1000社・2万人を見てきてわかった、本当に欲しいキャリアをつかみとった人が20代・30代でやってきたことを解説します。
いま、以下のような不安や疑問を持っていませんか?
・この会社にこのままいて大丈夫?
・上司や先輩を見て「こうなりたくない」って思う
・35歳リミット説は本当?
・せっかく内定を勝ち取った会社が期待外れ……
・このまま年を重ねたら転職できなくなる?
・職場がゆるすぎて不安!
・市場価値が高い人材になるには?
・転職したいけれど、職務経歴書に書けることがない!
本書は、社会人になってキャリアを歩み始めたばかりのあなたに伝えたい、まだ何者でなくても、今からすぐできる、ステップアップのアクションを導きます。入社10年目までに知っておいたら、きっと人生が変わる1冊です。
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Posted by ブクログ
人事を担当したり経営に携わったことがある身として、この本に記載されている内容は非常に納得するし、自分もそのように思う。
ごく当たり前のことが書かれてはいるがきちんと整理され、事例や理由と共に説明されているのでわかりやすい。1時間ぐらいで読める本なので効率よく知識を入れられる。
当たり前ではあるが実践できない人が多いと感じる。普遍的な能力を身につけたいと思う人は一読されると良い。
Posted by ブクログ
「はしがき」において、著者は『「どこへ行っても通用する人」と「特定の環境でしか活躍できない人」には、決定的な違いがある』と書いています。
そのことについて、わたし(みのり)が注目したのは、まず「第1章 「どこに行っても通用する人」の条件」中の「■ 専門スキルの背景には必ずポータブルスキルがある」という節でした。
筆者は、こう説明します。
・「専門スキルとは、特定の領域で必要とされる高度な知識や技術のことを指します。具体的に挙げると、エンジニアにとってのプログラミングスキルや(以下略)。」
・「「どこに行っても通用する人」になるために重要なのは、その専門スキル自体よりも、その専門スキルの背景にある「思考力」「分析力」「問題解決能力」などのポータブルスキルです。」
・「専門スキルを別の領域で活かすためには、スキルを分解し、その構成要素となるポータブルスキルを理解することが肝要です。」
・「このプロセスは、心理学の「転移学習(Transfer learning)にも似ています。」
・「専門スキルも、その要素を分解し、新しい状況に適応させることで応用可能となります。」
・「異なる分野での成功を支えるのは、観察力、好奇心、そして学び続ける姿勢といった普遍的な能力、すなわちポータブルスキルです。」
その前の節「■ 仕事には2種類のスキルがある」では、ポータブルスキルを「仕事の仕方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」に分け、厚生労働省が提示する以下の9つの要素を挙げています。
〔仕事の仕方〕
・現状の把握
・課題の設定
・計画の立案
・課題の遂行
・状況への対応
〔人との関わり方〕
・社内対応
・社外対応
・上司対応
・部下マネジメント
そして、第1章最後の「■ 「どの領域に身を置くか」で成長確度も変動する」という節では、こう書いています。
・「市場価値は、需要と供給のバランスによって決まります。」
・いくら能力(=実体価値)が高くても、実体とは関係なく、需要と供給のバランスによって価値が決まってしまいます。」
・「「どのような能力を持っているか」だけでなく、「その能力が求められている場所に自分を置けているか」がキャリアの価値を大きく左右します。」
上記のことを踏まえると、「今いる事業所でのプロパーなスキルを向上させるだけでなく、他事業所や他分野でも応用できる普遍的なスキルも磨く意識が大切」なのかな、と思いました。
第2章から第4章までは、「どこへ行っても通用する人」の条件について具体的に説明されています。
第2章 条件1 仕事ができる人に共通する「7つの能力」
第3章 条件2 仕事を任されるために必要なのは「信頼」されること
第4章 条件3 自分の価値を高められる「勝てる領域」の選び方
「第2章 「ハイパフォーマー」に共通する力を身につける」では、「「どこに行っても通用する人」には、共通する「7つの能力」がある」として、以下の能力を挙げ、各節で説明しています。
①自己認知力
②高い「あたりまえ」水準
③意味づけ力
④自己効力感
⑤洞察力
⑥対人影響力
⑦学習能力
わたしは、「⑤洞察力」の節で、「洞察力を磨くには、「思い込み(心理的バイアス)を取り除く」「知識を収集する」「それをもとに論理的思考を行う」の3つをセットで意識すると良いでしょう。」と書かれていたのが印象的でした。
本書全体として、転職を考えていない方でも、社内で「どの部署に行っても通用する人」や「いくつになっても通用する人」、または「定年してからでも通用する人」などと読み替えて参考にしてみるのも良いかな、と思いました♡
ワークライフバランスが推奨され、時短が進む中、職場に特化した専門スキルを使って効率的に仕事を遂行することに目が行きやすいかもしれませんが、少し巨視的にポータブルスキルを探すという視点から現在の業務を見てみるのも良いかもしれません。
でも、専門スキルに集中している過程で、自然にポータブルスキルも身に付いていくような気もします。とりあえずは、日々のお仕事を、現状の環境で、どうやったら上手く・速くできるか、など考えながら、経験値を増やすのが基本なのかな、とも思うのでした♡
〔本書の紹介文〕
転職orそのまま?本当に欲しいキャリアをつかみとった人は20代・30代で何をやってきたのか?1000社・2万人を見てきた人事コンサルタントが教える。
目次
第1章 「どこに行っても通用する人」の条件(自分のキャリアはこのままで大丈夫?)
第2章 「ハイパフォーマー」に共通する力を身につける 条件1 仕事ができる人に共通する「7つの能力」(自己認知力;あたりまえ水準が高い ほか)
第3章 「周囲からの信頼」を獲得する 条件2 仕事を任されるために必要なのは「信頼」されること(「信頼」はチャンスの宝庫;信頼される人の「5つの条件」 ほか)
第4章 「自分が勝てる領域」に身を置く 条件3 自分の価値を高められる「勝てる領域」の選び方(「勝てる領域」で市場価値を高める;「勝てる領域」を選ぶための3つの選択肢)
第5章 転職すべきか、今の会社に残るべきか(キャリアチェンジを成功させるには?ポイントと注意点;転職時の6つの落とし穴 ほか)
〔著者等紹介〕
曽和利光[ソワトシミツ]
株式会社人材研究所代表取締役社長、日本ビジネス心理学会理事、日本採用力検定協会理事、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。1971年、愛知県豊田市生まれ、関西育ち。灘高等学校、京都大学教育学部教育心理学科卒業。大学在学中は関西大手進学塾にて数学科統括講師。卒業後、リクルート、ライフネット生命などで採用・人事の責任者を務める。その後、2011年に人事コンサルティング会社、株式会社人材研究所を設立。日系大手企業、外資系企業、メガベンチャー、老舗企業、中小企業、スタートアップ、官公庁、大学、病院など、多くの組織に人事や採用のコンサルティング、研修を行なうとともに、執筆活動を行なう。