塩見鮮一郎のレビュー一覧

  • 差別語とはなにか

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    面白い!
    単純に差別語の定義とか、どれが放送禁止用語とかが載ってるのかと思ってたら,もっと奥の深い内容だった。
    他の本も読んでみたい!!

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    2011年02月13日
  • 乞胸 江戸の辻芸人

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    穢多非人からもこぼれた人たちの救済装置としての乞胸集団。
    懐の深さはさしずめ現代の刑務所のようだ。
    一緒くたにしてしまいがちな賤民の、集団ごとの違い――成り立ち、プライド、政治、立ち居地などが興味深い。
    いずれにせよ弱者はわりを食うわけだけど。

    この人の物の見方が好きだ。

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    2012年08月11日
  • 異形にされた人たち

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    乞食、売春婦、ハンセン病患者、辻芸人、サンカ、アイヌ、俘囚、障害者。江戸よりはるか昔から存在し、社会システムの下層を支えていた人々は、維新後の西欧化社会の中で「近代の目」により「異形の人」として再発見された。じゃあ彼らの歴史や社会はどういうものであったのか、彼らはどの様な存在だったのかを紐解き考察する秀作。

    「近代の目」の例えとして出てくる徳冨蘆花、夏目漱石のエピソードは面白かった。漱石に至っては今感覚では差別主義者全開だろうが、それが明治期一流の知識人である事も感慨深い。

    三角寛は置いといて、鷹野弥三郎、石角春之助、菊池山哉と行った在野の研究者を知れたのは良い経験だった。

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    2021年07月14日
  • 弾左衛門とその時代

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    小説「浅草弾左衛門」の副読本として。
    教科書ではほぼ触れられない日本史の裏側。士農工商から漏れた被差別民である穢多・非人という存在と彼らを統率した浅草弾左衛門の歴史を詳細かつ丁寧に記録している貴重な一作。

    江戸時代の被差別民の制度や仕事内容、権力者との結びつき、「解放令」後の彼らの消息… 差別故に特権を享受できた江戸期、権利だけ奪われ差別心だけ残された明治期。近代日本の差別の遍歴を垣間見る一作としても良かった。

    作者も強調していた一文をひとつ。

    “清めが汚れに反転する”このパラドックスが日本の差別意識の最深部にある。

    幕末の混乱期、行き倒れの死体や浮浪者の世話をし、荒れた市内を清掃した

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    2021年07月12日
  • 差別の近現代史 人権を考えなおす

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    差別の近現代史を知りたい、と思ってこの本を読み始めると肩透かしを食らう。差別について体系だった解説がされている訳ではないのだから。「はじめに」に「なにかを知ることが大事なのではない。それについて考えることが大切なのだ。」とはぐらかされているが、正にその通り。

    身分から差別に変わって行った、とあった所には何か得心が行った。

    差別の専門作家である著者のエッセイ、だと割り切ればそれなりに読み進められると思う。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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    2020年09月22日
  • 部落史入門

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    「部落解放史」ではなく「部落史」であるところに注目。
    部落解放史と言えば水平社運動を嚆矢とするものを想像するが、本書ではそれに先駆けて著わされた部落史の研究書から始めて、唯物史観から見た部落史、皇国史観から見た部落史と順を追って「部落がどのように見られていたのか」をその起源の考察を含めて明治(以前)から終戦までの部落史を解説したもの。
    大学の講義に使えそうなくらいよく出来た解説書。

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    2016年02月29日
  • 戦後の貧民

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    面白かったのだが、あまりに著者の反アメリカ視点が濃く出てしまっているようにも感じた。
    ただ、今では貴重になってしまった戦後を生き抜いた人の声を聞ける本だと思うと非常に価値がある。

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    2015年11月15日
  • 江戸の貧民

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    日本史や時代劇、時代小説では表立ってこない人々の姿。身分外の。そこにも秩序、または統制があるのだな、と知る。

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    2015年06月12日
  • 江戸の貧民

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    江戸時代の貧民の生業は、身分に応じてある程度うまく棲み分けられていた。武士は処刑の実行者を武士の身分から切り離し、自分たちの外に穢れた者を作り出して、武士は穢れていないという詐術を行ったのである。そのようにして、穢多や非人が生まれたのである。また、農民が死んだ牛馬を定められた場所に運び、それを解体し皮革に精製することを穢多身分に依頼した。そのため、あらゆる農村に穢多村が作られたのである。穢れを忌み嫌う意識は、今の我々にも引き継がれているようだ。

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    2014年10月13日
  • 弾左衛門とその時代

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    歴史のなかで生まれ、否応なしに差別化された人々。弾左衛門という、個人名であり、役職名であるこの名前を代々受けついだ人たちの 歴史を、今一度学び直すとき、其処には、幕府の利己的な傲慢さと、矛盾が浮かびあがる。囲内という、決められた土地にしか住むことができない人々の身分解放を、弾差衛門がいかに成し遂げたか。考えさせられる内容だった。

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    2017年02月07日
  • 弾左衛門とその時代

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    現代の社会にも残る差別問題のルーツを学ぶ。
    弾左衛門達は明治維新によって、ある意味では最も影響を受けた人々かもしれない。
    封建社会は身分と職業が紐付いていた社会だが、必ずしも人々の幸福度を損なってはいないところに、現代社会の我々の理解が及ばないところがある。

    「解放令」は土地の商品化のためだとする説(大久保利通の頭に描かれたプログラム)がある。
    ①無税の土地をなくす。賤民の名の下に無税の土地を与えられているのをなくすためには、まず「解放令」を発布し、被差別の身分をなくす。彼らが特典を持てなくする。
    ②土地永代売買禁止令を廃止する。
    ③地券を交付し、地価の3%の税をかける。


    以下引用~

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    2013年04月07日
  • 江戸の非人頭 車善七

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    弾左衛門とか車善七がどの様な人かを知っていることが前提の本なので、繋がりが分かりにくい。しかも、当時の住居場所を調べる過程に随分ページを割いているので、ちと退屈。江戸社会の中の位置づけ、本当に今私達が想像している様な蔑みが実際あったのかが分かる様な本ではなかった。

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    2012年02月07日
  • 異形にされた人たち

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    なんとも不思議な内容だった。
    身分の無い人々に関する内容。
    本書を読むまで全く、認識もしていなかった存在ではあったが、確かにそういう人たちもいたのだと想像出来る。
    もし、自分がその時代に生きていたとするならば、どのように異形の人たちをどう感じるだろうか?

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    2011年03月21日