あらすじ
弾左衛門、車善七、乞胸、虚無僧、香具師など「身分外」に生きた実力者たち……。彼らの足跡を求めて、上野・浅草・吉原を歩く、「帝都」「中世」に続く「貧民」シリーズ第3弾! 都市機能が充実し、独自の文化を醸成した江戸に暮らした数々の「貧民」たち。差別にあいながらも、直向きに生きた人々の生態を克明に描き出す!
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Posted by ブクログ
紹介文にこう書いてあります。
<「世界のどこにもない社会」の日常を、寸描してみたい>。都市機能が充実し、独自の文化を醸成した江戸に暮らした数々の「貧民」たち。
差別にあいながらも、直向きに生きた弾左衛門や車善七、香具師たちの生態を克明に描き出す!
読んでみて、「貧民」に対する著者の温かいまなざしを感じます。
また、江戸幕藩体制において、町奉行、寺社奉行などの公権力も真摯な対応をしていたように感じました。
今、アメリカを毒している「ポリティカル・コレクト」とは違って、日本特有の「ホンネとタテマエ」がうまく機能していた時代だとも感じました。
それに比して、明治維新政府のとった、非常な措置、西欧発の文明文化の名のもとに、非常な平等主義に翻弄された「江戸時代の貧民たち」、幕末、弾左衛門の取った態度は立派だったと思いました。
Posted by ブクログ
何故貧困が生まれるのかということに興味がある。何故なら、およそ世界の争いの原因は貧困と差別によるものとおもわれるからだ。
日本における貧困の発生は江戸以前からあったと思われるが、江戸時代は統治の必要性から貧困層として差別される階層が生まれたと本書では延べられている。のちにフーコーが語っている「暴力によらぬ支配」の台頭と同じ現象っではないだろうか。