あらすじ
差別・被差別問題に関心を持つとき、避けて通れない考察をここにそろえる。サンカ、弾左衛門から、別所、俘囚、東光寺まで。近代の目はかつて差別された人々を「異形の人」として、「再発見」する。
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Posted by ブクログ
日本に暮らしていながら
知らないことが あまりにも多い
一つ知れば 知らないことがいくつも
生じてくる
歴史的な変遷の中で
文字を持つことを許されなかった
文字を持つことがなかった
被差別の立場に置かれた
人たちの存在を考える時、
「知らなかった」ことが
山ほどでてくる
塩見鮮一郎 さんの著作に
触れるたびに
「あぁ 知らなかった」
「へぇ そんなことも」
が増えていくことが
なににもまして刺激的である
何度も 読み返してしまう一冊です。
Posted by ブクログ
乞食、売春婦、ハンセン病患者、辻芸人、サンカ、アイヌ、俘囚、障害者。江戸よりはるか昔から存在し、社会システムの下層を支えていた人々は、維新後の西欧化社会の中で「近代の目」により「異形の人」として再発見された。じゃあ彼らの歴史や社会はどういうものであったのか、彼らはどの様な存在だったのかを紐解き考察する秀作。
「近代の目」の例えとして出てくる徳冨蘆花、夏目漱石のエピソードは面白かった。漱石に至っては今感覚では差別主義者全開だろうが、それが明治期一流の知識人である事も感慨深い。
三角寛は置いといて、鷹野弥三郎、石角春之助、菊池山哉と行った在野の研究者を知れたのは良い経験だった。