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Posted by ブクログ
なんで浅草には革製品を扱う業者が多いのか、って話から弾左衛門の事を知って気になって読んでみた。内容としては革製品に関する部分は後半の製革工場の行くらいしかなくてなぜ浅草に革製品がの直接的な答えは書いてなかったんだけど、まあ浅草新町(シンチョウ)の囲内(カコイウチ)が穢多頭である弾左衛門に支配されてたことに繋がるんだろう。そもそも穢多と非人の違いもわかっていなかった(穢多は皮革加工や死体処理などの職業に従事し、非人は物乞いや遊芸などに従事していたという違いがある。また非人には元の身分に復帰できる可能性があったのに対し、穢多はその身分が固定されていた)。穢多(長吏)は被差別民だけど穢多頭の弾左衛門は特別な支配階級で地方の大名に近いような特権を与えられていた。いやあ知らない事が世の中には沢山あるね。髷も裃の着用も許されていたし裁判権すら持っていた。そんな世襲の職名として弾左衛門というものがあり江戸時代に13代も続いていた。江戸末期には平人に引き上げられもし、維新においては新勢力に素早く恭順を示し解放令までは特権を維持していた。この本を読んでわかったのは知らなかった弾左衛門という制度もそうだけど、支配者達が穢れを取り扱う上で被差別民を必要としてそれを維持してきたという歴史かな。とてつもなくリーダビリティが低くて読みづらかったけど内容は面白かった。
Posted by ブクログ
古本で購入。
江戸時代、穢多頭として関八州の非差別民を支配した弾左衛門。
職名であり人名として代々受け継がれた「弾左衛門」というシステムとは何であったかを解説するのが本書。
弾左衛門は役所を持ち、町奉行の下部組織としてお仕置御用やお尋ね者の探索など、警察の下級機関のような職掌を務めていた。
筆者はそれら警察・司法の下級の仕事こそが「弾左衛門」の本来の任務であり、そこに皮革を取り扱う穢多がくっ付いた、と仮定している。
つまり、「弾左衛門」という職掌があり、それは武士階級と強く結びついている。
そこへ武具・馬具の材料(皮革)の生産者として武士階級に必要とされた穢多身分の人々が呼ばれ、いつの間にか弾左衛門と一緒にされた―
これが筆者の想像であり、
「どうも『弾左衛門』という存在は穢多身分一般と、その本質ですこしずれている」
のだとする。
これら筆者の仮説の当否は別として、「制度としての差別」という、時代のひとつの様相を体現した「弾左衛門」という存在は実におもしろい。
「頼朝以来の穢多」を称する弾左衛門の歴史的意義とは何だったのか、興味深いところ。
また、最後の「浅草弾左衛門」弾直樹の伝記も、多くのページを割いて描かれている。
幕末~明治に生きた弾左衛門の生涯を追うことで、明治維新の新たな側面が見えてくる。
Posted by ブクログ
小説「浅草弾左衛門」の副読本として。
教科書ではほぼ触れられない日本史の裏側。士農工商から漏れた被差別民である穢多・非人という存在と彼らを統率した浅草弾左衛門の歴史を詳細かつ丁寧に記録している貴重な一作。
江戸時代の被差別民の制度や仕事内容、権力者との結びつき、「解放令」後の彼らの消息… 差別故に特権を享受できた江戸期、権利だけ奪われ差別心だけ残された明治期。近代日本の差別の遍歴を垣間見る一作としても良かった。
作者も強調していた一文をひとつ。
“清めが汚れに反転する”このパラドックスが日本の差別意識の最深部にある。
幕末の混乱期、行き倒れの死体や浮浪者の世話をし、荒れた市内を清掃したのが穢多・非人であった。そんな事もつゆ知らず、彼らを差別した人々。
絶賛コロナ禍の2021年、医療(清め)の最前線で踏み止まる医療従事者やその家族に向けられた差別、偏見の眼差しはこの頃と変わってない。
Posted by ブクログ
現代の社会にも残る差別問題のルーツを学ぶ。
弾左衛門達は明治維新によって、ある意味では最も影響を受けた人々かもしれない。
封建社会は身分と職業が紐付いていた社会だが、必ずしも人々の幸福度を損なってはいないところに、現代社会の我々の理解が及ばないところがある。
「解放令」は土地の商品化のためだとする説(大久保利通の頭に描かれたプログラム)がある。
①無税の土地をなくす。賤民の名の下に無税の土地を与えられているのをなくすためには、まず「解放令」を発布し、被差別の身分をなくす。彼らが特典を持てなくする。
②土地永代売買禁止令を廃止する。
③地券を交付し、地価の3%の税をかける。
以下引用~
・松本良順は小太郎弾左衛門に、薩長の誘いに乗らないようにといい、願いを出せば自分の力で士分にも取り上げてやろうとつづけた。
・松本良順は日本で最初の「水泳」をやってみせた人である。神奈川県の大磯で歌舞伎役者を使って水泳のデモンストレーションをした。
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