西田亮介のレビュー一覧
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民主主義 西田亮介編 幻冬舎
高橋源一郎さんの推薦もあって読み始めたが
期待に反して腰砕けで現状に甘んじた堂々巡りの内容であった
まず国家だの政党だの主義だのという縄張りに
執着しながらの民主環境などありえないし
成長し続けるもので最終的な答えなど無いと伝えるべきである
民主主義の理念を語っている前半と後半は
かなり筋も通っているように見えたが
それでも対立した主義という狭い視野にサエギラれ
縦社会の依存による縄張りと
個々の自律を目指す対等な集いを混同しているし
自由勝手と自由自在や平等と対等などの違いを
あるいは愛や美という理念についてあやふやであり
平和という無気力な言葉にごまかされ -
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☆政治とメディアの在り方について示唆深い内容の本。
メディアの政治にあり方について、単に批判するだけでなく、なぜそのような状態になったのかが書いてある。
・自民党だけがメディアとの継続的な関係を築いてきた。
小選挙区制導入以後の日本政治では、政治家に対する政党の影響力が高まり、その中で自民党はいち早く様々な改革に着手し、特に広報戦略については10年近い歳月をかけてその成果を結実させている。
・現代政治のメディア戦略は、ねつ造ではなく、「事実」を「効果的な」角度や順番等で提供、発信することで、特定の政治的主題について有権者の関心を自発的な政治活動の選択を動機付けている。問題となるのは有権者にとっ -
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「制度だけでなく、これは思想の問題だ!」気鋭の社会学者が説く『ネット選挙』という事象。僕自身は今までさして興味は正直無かったのですが、これを読んで一体どういう事が起こっているかを改めて知りました。
2013年の参議院選挙から解禁となった『ネット選挙』新聞などを見ていると「親子で学ぶネット選挙」というような特集が組まれているのを散見することがありますが、僕は正直、あまり関心が無かったのかもしれません。
ここでいう『ネット選挙』とは選挙活動にネットようのコンテンツ。具体的にはツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアということになるのでしょうが、先日テレビのニュース番組を見ていて -
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ネット選挙の実態を示し、数々の誤解をコンパクトに説いている点がよい。ネット選挙を導入することは、均質な公平性から、インターネットの根源的思想である漸進的改良主義に政治の価値観を移すことになるが、そうした理念に踏み込まないままのネット選挙解禁を筆者は批判的に描く。感想としては、確かに理念が先立つネット選挙解禁は「規範的な問い」としては成り立つが、マルチプレイヤーの複雑な現実の政治過程の中で解決可能な問いなのかが気になった。現実的に解決出来ない問い(例えば「世界平和の実現方法」)は、規範的なイシューであり得ても、実務的なイシューには成りえない。
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誰かが言っていた。自分が書いたものを誰かが読んで正確に理解して貰っているという事を前提に議論をするなんて傲慢だと。一億総表現者の時代に140文字しか読めない人が多いと揶揄したり、読み方に注文をつけたりするのはお門違いであり、私も常々、自らの駄文に対しそれが世に響くというような幻想は抱かないようにしており、あくまで自己満足だと言い聞かせている。
「私はさっき言いましたよね」、「事前に読んでこなかったのですか」みたいな反応は、記者相手ならそれはプロの仕事として期待される事ではあるが、しかし、やはりそれで凄むのは傲慢かも知れない。既得権との闘いにおいて、泡沫候補を丁寧に取り上げないのは想定内であっ -
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ネタバレ偏らないこと、も一種の偏り。
大学の進学率は50%程度。OECDの中位以下。
新事業促進と消費者保護では、後者に重きを置かれている。
表現と権力や暴力の分離は基本的土台。
隠ぺいや改ざんに妙に寛容。
投票もコスト=見返りとの見合い。投票に行くのが普通で例外的に投票に行かない人がいる、が逆転しつつある。棄権に対するペナルティが乏しい。
民主主義は議論して定めることに価値がある。合理的に正しい決定ができるとは限らない。AIに任せることは人間的なことを手放そうとしてる。
白票は意味はない。多くても何も起こらない。
コロナ禍ですら生活保護の利用率は横ばい。
若者の投票率が低い。高齢者が高い。
天気が悪 -
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投票行動に対するコスト。それだけではなく、全編を通してコストと言う話が出てくる。巻末に描かれるように、著者の師匠の一人だという宮台真司が「損得勘定にとらわれるな」と言う発言をしているが、それに対してオマージュ風に「損得感情をきちんと働かせよう」と言うメッセージが本書の狙いだそうだ。
だからだろうか、バランス感覚と慎重な目線で綴られる。著者が成田悠輔の研究をオーソドックスと評価して一部炎上していたが、本著の内容は余程オーソドックスだ。学生に向けた教科書的内容、と思えばそれも無理はないか。
個人的には、ひろゆきとの確執?を匂わせる最近の論破風潮を名指しで否定している事に、下世話ながら面白さを感