浜野アキオのレビュー一覧
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『本格ミステリ・ベスト10』で高評価だったので読んでみた。男に手紙が届く。その中には脅迫めいた文章と「1000までの中で数字を一つ思い浮かべろ」の文字。男が三桁の数字を思い浮かべて同封の紙を広げたら、正にその数字が書いてあった。後日、同じように数字を当てられ、その男は不可能状況の中で殺される・・・というミステリ。
黄金時代の本格ミステリが現代に甦った、との宣伝文句だが、確かに重厚で良く構成された作品だった。
何とも不思議な現象の割に、解明されたトリックは驚くほどの事では無かったし、もう少し簡潔(半分位のページ数)に書かれていたら尚更良かったが、傑作である事は間違い無い。 -
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ネタバレマックス・ブルックスによるゾンビ小説下巻。
いよいよ人類による反撃が始まる。よくあるゾンビものと同様、頭を潰すか吹き飛ばせば倒せるが、核は効かないとか、海の底でも問題なく動けるとか、でも寒いところでは動きが止まるとか、街が壊滅的な被害を受けているのに武器弾薬はどうやって製造しているのかとか、いろいろ微妙にツッコミどころは多々あるが、それでも非常によく考えられ、ある程度は納得のいく説明もなされている。下巻では日本人もようやくといった感じて登場するが、アメリカ人から見た日本人のイメージってこんな感じなのかなという、日本人から見るとやや違和感のある設定となっている。が、非常によく調べており、その点では評価できる。
最後まできちんとインタビュー形式を貫いている点もすごいと思うが、やはり細部は登場人物の主観にとらわれる結果、やや曖昧にならざるを得ない感があった。だからこそ、いわゆる通常の小説の体裁をとった物語としても読んでみたいと思った。 -
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ネタバレマックス・ブルックスによるゾンビ小説。
世界ゾンビ大戦の終結から10年、その戦争を生き抜いた人々にインタビューした証言録という体裁で物語が進む。上巻は感染の発生から大規模な戦争へと移行し、人類がどんどん追い詰められていく様子がリアルに描かれている。
戦争を生き抜いたということで軍人中心で物語が進んでいくが、世界中の様々な立場の登場人物により、重層的に物語が紡がれていく。ある地域で重要な出来事や発見があり、それを受けて別の地域では、というかたちの展開はややもすれば単調になるきらいはあるが、設定が程よく練られ、飽きることなく読み進めることができる。
人類が戦争に勝ち、復興に向けて着実に歩んでいる時点でのインタビューということで、先の展開はある程度読めるが、それでもなかなかハラハラする展開が用意されていて、下巻での戦争終結に至る流れに興味をそそられる。 -
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ブラッド・ピット主演映画の原作。但し、映画とは瑞分趣は違います。主人公が国連の関係者という部分は同じだけど、こちらは既にゾンビと人類の長い戦争はほぼ終息しており、国連の調査活動の一環として、その発生から終焉までについて世界中の人々に取材して回った記録という体。
よって定まった主人公はおらず、世界中でのあらゆる人々のゾンビとの戦いが次々に語られる中で、ゾンビ大戦がどう遷移して行ったかがわかるという仕組み。
というわけで映画とこちらはある意味別物。映画の中でゾンビ戦攻略のポイントとされているネタも小説側には無い。(小説側はオーソドックスにゾンビの頭を破壊することが唯一の攻略法)
ただ映画にも言えたことだが、小説もーインタビュー形式ということもあるがーホラー映画としての怖さはない。小説は例えば第二次大戦のナチスと戦ったパルチザンの戦記や、南太平洋の孤島や硫黄島での日米の戦記に近い印象を受ける。抜群に面白いが、この形自体は映画向きではないから、映画化するにあたっては、小説はあくまでも世界観のベースであり、世界各地で戦いが繰り広げられるという部分だけを残して、ああいう話にしたのは良かったと思う。 -
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引き込まれる謎。それがミステリーにおいて一番の魅力ではないだろうか。
数字を一つ思い浮かべろ。
スピリチュアル団体を運営するマーク・メレリーの元へ
そう記された奇妙な封書が届く。
658という数字を思い浮かべたメレリーが同封されていた封筒を開くと、
そこにあったのは先ほど思い浮かべた658と印字された数字が。
数々の難事件を解決してきた退職刑事のデイヴ・ガーニーに
持ち込まれたその怪事は、手品めいた謎と
奇怪な暗示に彩られた連続殺人へと発展する。
あらすじを読む限り、こんなに魅力的な謎は早々ないと胸が躍った。
頭で思い浮かべた数字を言い当てる。そんな芸当どうやるんだ?と。
そうワクワクしながら読んでみたが、正直肩透かしな印象ではあった。
テンポの悪さがどうにも目立ち、それも悪影響したのかもしれない。
冒頭、謎が我々に提示されるまでの展開は文句なしだったが、
その後の失速感がどうにも残念でならなかった。
非常に惜しい一作。 -
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ネタバレこのミスのランキングに入っているのを見て知りました。大作で読み応えありそうとわくわくしながら本棚に飾っておき、年明けから読み始めました。
読み終えて、ミステリーの枠組みで期待しすぎたことを反省。
登場人物の違和感を感じる言動から伏線かもしれないと深読みしていた複数の事柄が、ただそういうパーソナリティの人物だったということでした。。勝手に期待外れな気持ちになってしまいました。
あとがきにもあったように、ジャンルの枠に嵌めず読むと楽しめたと思います。
「多重人格を持ちながら生きることを模索する」というテーマを縦横無尽に描ききった物語だったと感じました。邦題が物語の根幹を的確に表していて、秀逸。
文章量は多いけれど登場人物が少なく、訳も難しい表現は使われずに読み易く(「クソ」の多さにやや辟易するけど慣れます)するすると読み進められ、気楽に楽しめるエンタメ作品でした。 -
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退職刑事のガーニーは大学の同級生から
奇妙な相談を受ける。
スピリチュアル系の団体を運営している彼に
まず一通の封書が届き、そこに
「数字を一つ思い浮かべろ」とあったという。
同封されたもう一通には、まさに今
思い浮かべた数字が書かれていた!
という導入部から始まるのですが
正直、第一部はこの主役のガーニーが
退職後にヘンなアート制作にはまったり
過去のなんらかの事故で失った息子のせいで
奥さんとギクシャクしていたりと
やたら内向きなので
まさかイヤミスな結末じゃ…と思ったよ。
しかし、その同級生が殺されて
(雪中に消える犯人の足跡!)
同じように手紙を送りつけられ
殺される人が出てきたあたりから
俄然、謎解きメインになり
ガーニーも飛び回るようになったので
読むスピードもアップ。
数字の謎も足跡の謎もきっちり解けてすっきり。