浜野アキオのレビュー一覧

  • 魂に秩序を(新潮文庫)

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    2025年1冊目。
    テーマが多重人格と初めて触れるジャンルで興味深く読めた。
    昔何かで読んだ、文字や音に色がついて見える人の話を読んだ時みたいな、自分にはない感覚(感覚だけどその人にとっての現実)を覗いてる見たいで、引き込まれた。
    後味も良く、長いけど面白かった。

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    2025年01月05日
  • 魂に秩序を(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文庫本1冊で1077ページ(解説含む)。
    京極夏彦にも引けを取らないページ数の長大な物語。
    でも、紙質によるものなのかいわゆる「レンガ」まではいかず、厚揚げ程度の厚み。

    始まりが良かった。
    「父はぼくを呼び出した。
    初めて湖から出てきたとき、ぼくは二十六歳だった。」

    何言ってる?
    となるのだが、次第に物語の設定が分かってくる。
    「ぼく」の名前はアンドルー・ゲージ。
    アンディ・ゲージを身体とする多重人格者の1人格。そして1魂。
    そう、魂とは多重人格者における、人格達のこと。
    この設定を明らかにしていく序盤の語りが多重人格者を題材にした小説にして、これまでにない引き込みだった。

    『魂に秩序

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    2024年12月14日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    3.6

    冒頭からタイトルにもなっている出来事が起こり、一気にストーリーに引き込まれます!
    黒幕は、しっかりと読めば納得の黒幕…なのだろうけど、特に驚きはしなかったな。

    主人公の、奥さんとの関係や子供たちのことなど、事件と直接関係ない?事も味わいがあって良い!

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    2024年10月24日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    本書は、深い問題を抱えた登場人物たちに驚くべき自己開示の瞬間を迫るという、絶妙なプロットのサスペンス小説である。

    ニューヨーク市警のトップ殺人捜査官を退職し、現在はニューヨーク州北部で妻のマドレーヌと新しい生活を始めたデイブ・ガーニー。

    「数字を一つ思い浮かべて見ろ!」

    そんな彼の元にこのような文面の手紙が何週間にも渡って届き続けたのだ。この手紙は、ガーニーにとって退職後のマンネリ化した日々に刺激を与えるものであった。しかし、ほどなくして大規模な連続殺人事件が発生し、ガーニーは捜査に巻き込まれることになる。手紙の主は、脅しと警告に満ちた韻を踏むのが好きで、証拠を残さず捜査陣をいつも煙に巻

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    2024年01月22日
  • WORLD WAR Z(上)

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    なんで読もうと思ったのか忘れたんだけど、全編インタビュー仕立てのゾンビものという異色な小説。色んな人物の視点を組み上げてだんだん全体像が見えてくるような、ボヤけてるような展開は「悪女について」みたいで面白いな。ちょうど「ゾン100」読んでたのもタイミング的に面白い。しかし訳書はなんでこんなにページ全体をびっしり字で埋めるかね読みづらいよな。

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    2023年07月10日
  • モンスター・パニック!

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    ネタバレ

    面白かった。
    著者の『World War Z』も面白かったがこちらも面白かった。主人公設定としては一人だが、いろいろな媒体から取り寄せて実像を浮かばせるやり方はここでもあった。

    サバイバルモノとしては変化球であり、現代的。ネットインフラが遮断し、食料に心許なさを覚えるが、電気や水の心配がひとまずないのが面白い。
    また、集まったコミュニティのキャラが風刺的。悪く言えば意識高い系。だからこそ、発案者が崩れるのが象徴的。

    主人公のケイトの性格はわからないが、空気が読めて理論的で穏やかな人なんだろうなとうかがえる。ニュートラル。
    ダンの変化もトニーやイヴェットの変化も面白い。
    哲学者のラインハート

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    2023年06月27日
  • WORLD WAR Z(下)

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    上巻に引き続き、誰も彼もがアメリカンな喋り方をするのが鼻につく。

    良かったところは、ゾンビ大戦の始まりから終わり、そして終戦後までを書ききったところ。特に終戦後、各人の価値観が経験や所属国家によって様々に変化した点が良かった。
    上巻の後半から下巻の前半にかけては「ゾンビが発生してどうしたか?」が展開されるが、これは多くのフィクション作品でも見られるため、食傷気味に感じながら読んでいた。しかし、終戦後を描いた作品はとんと見ない。「CURE」か「学校ぐらし!」のエピローグくらいだろうか。それを、この作品はきちんと描いたのである。ツッコミどころはあれど、描いた点を評価したい。

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    2023年04月20日
  • WORLD WAR Z(下)

    匿名

    購入済み

    面白かった

    各国が抱える問題とか国ごとの性質とか、そういう部分がリアルに描写されててすごいと思ったけど、日本人視点の話が出てくるとやっぱり理解がしやすいので読むのがより楽しい。

    #ダーク #ドロドロ #怖い

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    2022年11月04日
  • WORLD WAR Z(上)

    匿名

    購入済み

    映画から入った

    レビュータイトル通り。映画版が面白く、WORLD WAR Zに原作があると知って、ずっと気になっていたので購入しました。

    映画はかなり端折られていたんだな、つーか別物なんだなって感じ。でも映画版も原作もどっちも面白い。むしろ別物だから面白さを映画と原作で二回味わえる良作だと感じた。

    #ダーク #怖い #ドロドロ

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    2022年10月29日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    ネタバレ

    『硝子の塔の殺人』で内で触れられていて気になったので購入しました。久しぶりの海外ミステリ。
    トリックそのものはわりと素直な印象ですが、冒頭からのTHE本格読んでるときのドキドキ感が味わえたのが良かったです。続きが気になって一気に読んでしまいました。主人公の元刑事と奥さんの哀愁漂う倦怠期描写にも緊張していたので、再生に向かうラストも心地よかったです。
    ところで「1-1000の間の数字をひとつ思い浮かべろ」と聞かれたら、皆様なら何が浮かびますか?本編とは関係ないものの、このテストを現実で実際にやってみたらどういう分布になるか、それも興味が湧きました。

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    2022年05月15日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    ネタバレ

    ある日、被害者のものとに一通の手紙が届き、そこには被害者が思い浮かべた数字が書かれていた。
    このトリックの発想は実現がどれだけ可能かは別として面白かった。
    主人公もなかなか魅力的。
    ただ、最後行きつくところは予想通りで、なぜこの主人公が思いつかなかったのだろうというのがちょっと残念。
    続編があるようなので次作翻訳を待つ。

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    2020年02月03日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    ネタバレ

    あくのある登場人物が織り成すアメリカ的な骨太警察物と怪事件のトリックの解明が主である本格ミステリとの見事な融合。

    序盤は、”お前のことは全てお見通しだ”的な脅迫文とその後に続く全くわけのわからない殺害現場、何か個人的な恨みを買うようなことがありそうな被害者にまつわる誰が何のためにという謎でぐいぐい引っ張られる。
    そうかと思うと別の場所で類似の手口の事件が発生し「え!?」と全く予期せぬ展開に。

    ときおりある主人公で元警察感のガーニーと妻のメデリンの意味深な、かつぎすぎすした会話が適度な緊張感を生むと共に事件解決への糸口となっていることも、何か根底で通じ合う愛がある故の賜物という気がして、夫婦

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    2019年08月23日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    1から1000までのうちから、数字をひとつ思い浮かべろ。お前が思い浮かべる数字はわかっていた。658だ。
    本格ミステリとしての成功は、魅力的な謎を提示できるかにかかっていると思います。難解なだけでも、論理的なだけでもだめで、魅力的な謎。その点、本書の謎はワクワクします。解答は少しやっぱり感がありましたが、こちらが謎に引き込まれた時点で作者の勝ちです。哀愁漂うおじさん刑事(元)ものには名作が多い。よい読書の時間でした。

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    2019年02月28日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    魅力的な謎と、切ない家族の物語。ひきつけられて読んだ。難を言えば、ちょっと冗長な感じのところがあると思うが、丁寧な描写であるとも言える。ここらへんは好みかな。

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    2019年02月27日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    『数字を一つ思い浮かべろ』という手紙から始まる惨劇と、元警察官の捜査。
    沢山のトリック、推理。
    エキサイティングな中にも家族の切なさを感じずにはいられない。

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    2019年02月25日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    途中まではかなりしんどかったが、後半は加速して一気に読ませてくれた。数字の謎解きと猟奇殺人を組み合わせた、本格ミステリ。

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    2019年02月17日
  • 数字を一つ思い浮かべろ

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    『本格ミステリ・ベスト10』で高評価だったので読んでみた。男に手紙が届く。その中には脅迫めいた文章と「1000までの中で数字を一つ思い浮かべろ」の文字。男が三桁の数字を思い浮かべて同封の紙を広げたら、正にその数字が書いてあった。後日、同じように数字を当てられ、その男は不可能状況の中で殺される・・・というミステリ。
    黄金時代の本格ミステリが現代に甦った、との宣伝文句だが、確かに重厚で良く構成された作品だった。
    何とも不思議な現象の割に、解明されたトリックは驚くほどの事では無かったし、もう少し簡潔(半分位のページ数)に書かれていたら尚更良かったが、傑作である事は間違い無い。

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    2018年12月23日
  • WORLD WAR Z(上)

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    「ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える」で出てきた「参考書籍」翻訳されてた!(映画化はどうでもイイ)完全にインタビューの積み重ねで状況を説明している主砲は、個々の人物の認識としてなので矛盾があってもOKというずるい手法だが、それはそれで有りだなと。むしろこのゾンビにより人類が滅亡寸前にまで追い込まれたというテーマには良く合致しているかも。下巻も買おう

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    2018年10月14日
  • WORLD WAR Z(下)

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    上巻が良かったので、下巻も購入。ツッコミどころもあるけど、色々楽しめた。ゾンビが水中でも何年も朽ち果てずに活動し続けるってのは新しいな!あとインドとパキスタンではなく、イランとパキスタンの核戦争というのは初めて見たなあ。戦後、中国が民主化されてロシアが宗教専制体制にってのはアメリカ人だなあと。日本人だと逆の発想になりそうだw指揮管制飛行船がでてきたが、ヘリウムが採掘できるような情勢ではないように見受けられるので、ちと無理があるのでは?とか。最後に、盾の会はやめい(苦笑

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    2018年10月14日
  • WORLD WAR Z(下)

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    ネタバレ

    マックス・ブルックスによるゾンビ小説下巻。
    いよいよ人類による反撃が始まる。よくあるゾンビものと同様、頭を潰すか吹き飛ばせば倒せるが、核は効かないとか、海の底でも問題なく動けるとか、でも寒いところでは動きが止まるとか、街が壊滅的な被害を受けているのに武器弾薬はどうやって製造しているのかとか、いろいろ微妙にツッコミどころは多々あるが、それでも非常によく考えられ、ある程度は納得のいく説明もなされている。下巻では日本人もようやくといった感じて登場するが、アメリカ人から見た日本人のイメージってこんな感じなのかなという、日本人から見るとやや違和感のある設定となっている。が、非常によく調べており、その点で

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    2015年08月22日