ダイヤモンド社のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著作『ザ・ゴール』に記したTOC(制約条件の理論)で、生産管理の分野に大きな貢献を残した、エリヤフ・ゴールドラット博士。
その後の著作でも、プロジェクト管理や問題解決等々幅広い分野に、影響を与えました。
残念ながら2011年に亡くなられてしまいました。
そのゴールドラット博士の残した著作、インタビューから、彼の考えを抽出したのが、この『何が、会社の目的を妨げるのか』です。
日本向けの編集ということで、日本社会・日本企業の特徴である「調和を大事にする」ことや、トヨタ生産方式を生み出した大野耐一氏への、ゴールドラット博士のリスペクトが、繰り返しかかれています。
リーマンショックの産業界への影響に対して、「小売業が在庫レベルを下げたことによる負の連鎖だ」と語ったくだりなど、物理学者出身の博士らしい、鋭い洞察力が伺えました。
トヨタ生産方式の適用対象の限界など、生産に携わる人間としては、勉強になる部分の多い内容でした。
ニュートンの「巨人の肩」という言葉を引き合いに出すなど、学者・コンサルタントとしての謙虚な姿勢も伺えて、改めてゴールドラット博士という存在の大きさを、感じた一冊でした。
多くの企業はTOCという考えを「知ったつもり」になっていながらも実践できていない状況だと思いますので、本書を読んであらためて、どのようにアプローチするか、考えたいと思います。 -
Posted by ブクログ
【借り入れ】
■カード会社の収入の半分以上はキャッシング。加盟店手数料はたった4分の1。
カード会社の収入は、利用者の金利と銀行からの借り入れ金利の差額。
■ノンバンク=カード会社
【ポイント制度】
■家電量販店などのポイント制度は、店側が消費者側から無利子で借り入れをするためのシステム。一人1000ポイントためこんでいたとして、会員が10万人いれば、一億円を無利子で借りられることになる。
【銀行】
■銀行はコール市場で一日単位の貸し借りを毎日行っている。コールレートは金融機関同士の貸借金利。
無担保コールレート・オーバーナイト=政策金利が下がることで、銀行の調達金利が下がり、貸出し金利も下がる。
■日本株の3割が外国人が保有し、毎日の取引の6割以上が外国人によるもの。
■国の具体的な政策・公開市場操作で買いオペをすることで国債を銀行から買って銀行にお金を払うことで、短期市場金利がダウンしてマネーサプライがアップ、景気刺激。
■基軸通過であるドルは今はもう金と交換することはできなくなり、ドルの信用を保つことが重要となる。そのため、各国は外貨準備でドルを大量に保有し万一にそなえている。日本の場合はほとんど米国債。
■グローバルな還流システム
ドル高になるとアメリカは輸出でお金がなくなる。そうなると輸出がしたい日本やEUは困るので、為替介入でドルを買い、それを米国債を買うことでアメリカにドルを還流している。
■アメリカにお金が回る理由のひとつに、圧倒的な金融技術の差。日本だと金融商品未発達で、日本国債
くらいしかなかった。冷戦後のNASA→ウォール街への人材の移動。
■オイルショックを境に、サッチャー、レーガン、ゴルバチョフ、鄧小平の、ケインズ→新古典派経済学(金融自由化)、国営→民営へのシフト。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は、ゴールドラット博士の死後に論文やインタビュー、ザ・ゴール等の著作で述べていた言葉をまとめたもの。TOC(制約理論)等のビジネスの常識となった理論だけでなく、仕事だけでなく生き方に関する博士の思いが書かれていて、とても共感できた。2つの大切な言葉が書かれている。
・ものごとはそもそもシンプル
・人はもともも善良
今の僕にとって実践すべきと思ったことばがいくつかある。2つ挙げると、1つ目は順序が大切だということ。例としてわかりやすかったのは、あまりよい例ではないが、「2Fから落ちるときには、ドスン、あーいたた。10Fから落ちるときには、あードスン・・・」。じっくりと準備することがよいといこと。もう1つ目は対立は現実には存在せず、ただ認識に存在するのみ。一見、対立しているようでも、それは手段が異なるだけで、根本の目的は同じはずだという。
5章の「博士の20の教え」はまた読み返したいと思う。 -
Posted by ブクログ
2001年にゴールドラット氏が、ついに日本語への翻訳を許可したというニュースがあり、中小企業診断士の資格を取得して間もない私は、第1作目である「ゴール」を貪るように読んだ記憶があります。
工場において各工程の生産効率を上げようとしても、生産性には寄与しないという考え方には、目からウロコでした。それに対する解決策(ドラムバッファー理論)が生まれた背景についても、この本では詳しく解説されています。
2年程前に亡くなられたと聞いていましたが、この本は、その息子さんによって書かれたもので、主として第1作の「ゴール」からの抽出が多いように思いましたが、ゴールドラット氏の著作やインタビュー等を引用とそれに解説を加えた形で本が構成されています。
彼の本を殆ど読んだ私にとっては、改めて彼が強調しようとしたポイントが短時間に再確認できて良かったです。
以下は気になったポイントです。
・日本企業への恐怖心が無くなったのは、JITやTQMといった日本的経営手法が、欧米の企業で導入されてギャップがなくなった1995年前後であった(p5)
・トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏への尊敬の念が揺らぐことはない、物理学など自然科学の手法を人間組織に適用しようと閃いたことがポイント(p7)
・TOCが生産分野のみに導入されたら、工場労働者を中心にリストラが横行する可能性がある、これは著者の願いと正反対のこと(p13)
・TPS(トヨタ生産方式)は、安定した環境が大前提、1)製品寿命の安定性、2)需要の安定性、3)受注の安定性、が必要(p44)
・最も重要な著作は、「ザ・チョイス」、ものごとはシンプル・人は善良である、という二つの新年からTOC理論が成り立っている(p51)
・ほとんどの問題の原因は、人々が持っている誤った仮定、つまり思い込みのせいである、思ったような成果が出なかった時、人のせいにするのではなく「人はもともと善良である」という前提で思い込みを探してみる(p53、55)
・TOCの真髄を一言で言うなら、集中である、やらないことを決めるのがTOCでいうところの集中(p57)
・一般の人が失敗と考えることを、むしろ学びを得られる絶好の機会ととらえ、ものごとを改善していくのが科学者の姿勢、愚か者は自分の失敗に学ばない、才人な自分の失敗に学ぶ、しかし賢人は他の人の失敗からも学ぶ(p62)
・博士が亡くなる数字前に残した言葉(プロセス):1)巨人を見つける、2)巨人が取り組まなかった大きな領域を発見、3)巨人の肩の上に立つ、4)前提条件の違いを見出す、5)間違った仮定を見出す、6)核心の問題、解決策などを究明する十分な分析をする(p105)
・障害を乗り越える4ポイント、1)ものごとはシンプルである、2)人は善良である、3)Win-winは常に可能、4)わかっていると決して言わない(p111)
・フォードは在庫の滞留スペースを制限することで、ライン上に問題がある場合、どの部分がフローの妨げになっているかを発見しやすくした(p142)
・かんばん方式では、仕掛品の生産量を制限するのに、スペースを制限するのではなく、数量自体を制限した(p145)
・かんばん方式は生産現場に、いつ作ってはいけないかを示す、つまり、過剰生産を防ぐための実用的なメカニズムであった(p146)
・従来の段取りを見直し、その方法を買えれば段取りに要する時間を劇的に減らすことができると主張、トヨタでは、段取り時間がほんの数分まで大きく短縮された、現在のリーン生産は、小バッチと段取り時間短縮の技法と強く結びつける(p149)
・プロセスラインや、カンバン方式を用いている企業を除き、ほとんどすべての生産オペレーションにおいては、1つのバッチ処理に要する時間は、そのリードタイムのほんの10%程度である(p162)
・ボトルネックはビートを刻む「ドラム」に相当し、「タイムバッファ」は納期から作業の投入日を割出し、さらに作業の投入を抑える行動は、注文と作業投入を結びつける「ロープ」の役割を果たす(p177)
・大野は局所的なコストを無視したことで、限界コストの引き下げに成功した、部分的な効率を追求しなかったことで、労働生産性を向上させた(p192)
・フォードと大野が目指したものの共通点は、1)流れを改善(リードタイム短縮)、2)いつ生産しないかのオペレーション、3)流れをバランスさせるプロセス、4)部分的な効率は犠牲にする(p193)
・効率が上がることと、生産性があがる、ことは別モノであるが、この二つの言葉を混同して使うきらいがある(p199)
・工場を動かすための作業ルールを可能にした指標として、スループット・在庫・業務費用、とした(p205)
・ボトルネックは現実として存在するもの、それを無視せずに、いかに活用するかが大切、存在を認識してこれに集中した管理することが大事(p213)
・リソースの能力を1つずつ切り離して別々に測っても意味がない(p214)
・コスト会計とスループット会計との一番の違いは、製造間接費の扱いである、コスト会計では、製造間接費を1つひとつの製品に配賦するので、多く作るほど原価は安くなるが、スループット会計では、原材料などの真の変動費のみを考慮する(p247)
・評価尺度には、時間と金額の両方が考慮されるべき、在庫の金額と在庫が工場に置かれている日数をかけて計算する(p258)
2013年3月3日作成