長谷川英祐のレビュー一覧
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生命には理由がある――生物の驚くべき多様性を「進化」を基軸に解き明かそうとしてくれる本。
なぜ「進化」かというと、進化メカニズムは全ての生物現象の基盤となっているから。
ぐっとくるのは、「生物はあえてミスを犯すシステムを採用することで、自らの存続性を確保する道を選んだのかもしれない」という考え方。
遺伝情報はコピーされて受け継がれていきますが、そのとき、ごく低い確率でミスコピーが起こります。もしこれが完全なら、何世代経っても同じってことに……そんな「進化しない生き物」がいたとしたら、ほんの少しずつミスコピーをしながら、何世代にもわたって少しずつ、そのときの環境に最適なカタチに進化し続けるもの -
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『面白くて眠れなくなる植物学』から続くこと2冊目。進化論もなかなか面白かったが、植物学の本よりも時系列でストーリーとなって研究の経過がつながっていっているので、集中して読まないと着いていけなくなる。だが、ダーウィンやメンデル等が神の作り出した世界・生物体系論とどう戦い、現代科学にまで発展してきたかが大変わかりやすく書かれていて、面白い。確かに…!なるほど…!の詰まった本。さらっと読めます!
p.40 生物には交配することのできる同種の個体はたくさんいます。そしてたくさん生まれる子供のうち、大人になるまで生き残ることができる答えはごく1部です。生まれる子供の中で、他の答えよりも現在の環境に適 -
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<目次>
序章 ヒトの社会、ムシの社会
第1章 7割のアリは休んでる
第2章 働かないアリはなぜ存在するのか
第3章 なんで他人のために働くの?
第4章 自分がよければ
第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
終章 その進化は何のため?
<内容>
5年以上前に一度読んでいるのだが(2016年中経の文庫)、これを改訂したもの。コロナ禍においてより意義が高まったといえよう。進化生物学の泰斗が、”社会”がどのように作られているのかを解いている。アリやハチの社会は、確かに我々人間とは違っているのだが、それでも”似た社会”なのだ。そこをこの本から考えてしまった。「ヤマケイ文庫版あと -
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ネタバレ・巣の中は安全、外は危険がいっぱい。だとすると余生が長い若いアリには巣の中で安全な仕事(子育て等)をしてもらい、歳を取ったアリには外で危険な仕事をしてもらう。結果として死んでしまったとしても余生は短いので巣全体に対する損失は小さい。人間は逆(老人を敬う)のは、過去は老人の経験や知識が有益であったから。現代はどうだろうか?
・エサを取りに行く時に、発見したアリのルートを辿らずに間違えてしまうアリがいた方がショートカットを見つけられるかもしれない。
・個々のアリは仕事をしたい/したくないという主観ではなく、単に刺激(=業務)に対しての閾値が違うだけ。怠け者も仕事量が増えれば働くようになる。
・皆が