さやかのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ続きものである、ことの魅力がふんだんに鏤められた2作目!
1作目で、おそらく最強の人物だろうと見受けられた深雪。
今作でもまさに「無双」といった風の強さで素晴しかった。
彼女の同僚は、彼女を「強いばかりじゃない」と言った。
それは、そうだ。
しかし彼女は、そんな面も含めてやっぱり強いのだ。
次作からの活躍も楽しみだ。
ちなみに彼女をひっそり見守る天狗殿は、
主人公である兄よりも彼女を助けるべきポイントをおさえていたと思う。
今回、兄は本当にがんばったのだけれど
一番のおいしいところは奪われてしまったね。
……と、主人公以外の人物の感想から書いてしまったけれど
このシリーズ、主人公以外の人物がとても魅力的なのだもの。
今作で言ったら、多聞、そして硯だ。
硯の辿って来た数奇な年月、
硯の想い、
さらには
墨をすられ硯として使われる感覚にすら、
ひきこまれ、同調し、感じ入ってしまった。
もちろん、主人公も好きだ。
ツンどころか、けっこう酷いことズケズケ言うし、
そのくせ臆病だし、
臆病かと思えば妙なところで思い切りがいいし、
そして、最後まで全くデレない。
ラストでやっとちょっと、といった程度。
そこがいい。
今作、また彼は一歩進んだというか、殻を剥いた感じ。
前作での「奇跡のような成長」の効果を
永続的なものとして描いていないところはとても魅力だった。
主人公の幼なじみは、相変わらずの残念っぷりだったけれど
相変わらずイケメンだった。
彼は本当に残念な人なのだけれど
大事なものを大事にする、
まっすぐさや芯のしっかりしたところを持っている。
魅力的だ。
彼の家族もまた魅力的でいい。
次巻以降、どこかでじっくり読めることがあるだろうか……
ぜひ、期待したい。
彼の馴染みの岡場所のメンツも、
主人公のじいさん・ひいじいさんについても、ぜひ!!
そして今回、キーパーソンになるのが多聞だ。
今作以降、しばらくはメイン登場人物の1人になってくれそう。
彼もまた、魅力的なのだ。
誰よりも謎。
誰よりもカオス。
けれどちらっと見せる一面は誰よりも「人間らしい」ような気もするのだ。
彼が秘密を抱えていてくれることで
読者としては「あ、この作品また続きが出てくれるのね☆」と
安心できる。
多聞、GJ!!!!
小春については、
もう、何も言うことはない。
実は主人公以上に不器用で素直じゃないヤツなのではないかと思うのだけれど。
小春にはもう、魅力しかなく
感想を述べたくなる、よりは
ひたすら見守っていたい存在。
愛おしい。
さて。
登場人物が増えたことで、物語に広がりができた。
と、いうこともあるけれど……。
もともとこのシリーズは、とても多面的だ。
人間の世界と妖怪の世界。
主人公の生きる時代・主人公の祖父や曾祖父の生きる時代。
今作から、それに加えて多聞の登場で
現実・幻、という軸まで出来てしまった。
読みながら「これはどっち…?」と、私も惑ってしまったし
むしろ多聞の見せるそれは「どちらも本物」でさえある。
このシリーズはそんな、
いろいろな軸が交差して、重なり合って、混じり合って、
そうして滲んでしまうような場所が舞台となっているのだ。
舞台上の人物たちも、巻がすすみ
より深く・鋭く、個性がエッジをきかせてきている。
みんなの感情も思惑も広がって、どこまでも多層構造な物語だ。
また、2作目の今作の特徴としては
「振れ幅がより広がった」こともあげられると思う。
もっとやさしく、
もっとせつなく、
もっとエグく、
もっとおどろおどろしく、
もっと気楽で、
もっと楽しく、
もっと鋭く、
もっとおもしろい。
……次巻以降、本当にどうなってしまうのだろう。
この作品とは、これからも末永く付き合って行きたい。 -
Posted by ブクログ
バックトゥザフューチャーという映画がありましたが、それと同じくらいの強さで次の作品へのつなぎをしてくれているように思いました。
飲み口はあっさりしていて決してベトベトせず、クイッと喉を通っていくけれど、気がつくとガツーンときているカクテルのような雰囲気を味わいました。そして、次の一杯、お代わりを所望します。
登場人物の造形が前作よりもはっきりしてきて、各々の動き方が得心できるものだからでしょう。
皆が皆、らしい活躍をします。だから、読んでいて楽しい時間を過ごせます。
綺羅星なんていう語句の使い方におや?と思わないでもありませんが、まあ、些細なことです。この下巻があれば、上巻の冗長な感じも気になりません。
青鬼ってあちらの世界では実力者なんだね〜、天狗の活躍が見たいな〜、なんて思いながら星四つで。 -
Posted by ブクログ
続編の今回も楽しく読んでいます。まだ、読んでいる途中ですが、一ページ毎に期待が膨らむ感じ。ちゃんとしたレビューは読後に入れるとして、「墨をするしか脳のない硯」160ページ、はよいのでしょうか?能のない?前作でも、あれ?と思う記述がありましたが、細かいことだけが気になっちゃうんですよ。
上は途中までで書いたレビューでした。
今、読み終えました。上巻はわりと予想の通り展開していくなーという感じで、安心感を持って読み終えました。登場人物の能力も洗練されてきたな〜、後半に期待の展開、愛すべきあいつはどうなるのかなー?
ただ、211ページに「ひとつ返事」なる言葉が出てくる。ところどころに抵抗感のある言葉遣いをするんだよな〜、それが星一つのマイナスとしました。