児玉龍彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ごめんなさい、今頃読みました。。。
国会発言が7月末、それから5ヶ月経過して変わったことと云えば、
計画なき除染(移染)が大々的に事業化されてしまったくらいですか?
しかも、危惧されていた『利権がらみの公共事業化』に近い形で。
警鐘を鳴らしてくれる人がいるありがたさと、
それを実現しない(「できない」ではなく「しない」)官僚・政治屋に
絶望しかけている今日この頃です。
【収録内容】
第一部 7・27衆議院厚生労働委員会・全発言
1 私は国に満身の怒りを表明します
2 子どもと妊婦を被曝から守れ――質疑応答
第二部 疑問と批判に答える
第三部 チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発 -
Posted by ブクログ
TV報道で、国会で怒っている児玉先生の様子が報道されていました。
ああ、こうやって本気で怒っている人が国会に出れるんだと、その時なぜかほっとしたのを覚えています。
児玉先生のような方がこれだけ被爆の危険性を訴えているのに、
なぜ、政府、東電、大手マスコミは、その危険性を過小評価した報道しかしないのか?全く疑問です。
自分で責任がとれないから?責任を問われるのが怖いから?
これから5年先、10年先、次々と被爆被害が明らかになった場合、現状とは比べ物にならないほどの批判にさらされ、責任を問われるはず。
その時はどうするんだろう。
A級戦犯が今でも生きているように、本当の犯罪者は生き残り、 -
Posted by ブクログ
科学者、専門家としての良心や使命感が(やや感情的な文言も目立つが)読み取れ、その面では腑におちる内容。
ただ、福島事故を、放射線予防医学の観点のみから語るのは、問題のごく一面しか見ることにならない、ということを、このような本の読者は認識する必要があると思う。エネルギー問題、科学進歩の正邪、不確実性に対する認識の限界に前向きにチャレンジすべきなのかどうか、経済や人々の豊かな暮らしについてどう考えるのか、これらはすべて相互に関係している。一分野の専門家の意見だけで、今回の事故に対して「どういう方針で解決すべきか」を語るのは、無謀であることに注意しなければならない。
また、健康や生命に関わる情報 -
Posted by ブクログ
衆議院厚生労働委員会の発言で、国民を感動させた児玉龍彦氏の著作である。委員会の発言内容と説明用資料はもちろん収録されているが、それ以外にもチェルノブイリにおける甲状腺がんや膀胱炎にかんする調査結果が含まれている。
放射能被曝に閾値があるのかという問題については、この本を読む限りでは少量でも害があることが理解できる。遺伝子の一部が傷つくことにより、将来がんが発生しやすくなることがチェルノブイリの甲状腺癌の研究からわかってきた。
福島ではヨウ素による被害はそれほどひどくなさそうであるが、セシウム137による汚染が長期にわたって発生した場合どのような被害が引き起こされるか想像できない。特に、内部被曝 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
市場や生命という複雑なしくみを解明する新たな方法を、著者たちは「逆システム学」と呼ぶ。
それは、新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し、市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ。
経済学と生命科学の対話から浮かび上がる、まったく新しい科学の方法論。
[ 目次 ]
序章 逆システム学とは何か
第1章 セントラルドグマの暴走
第2章 制度の束と多重フィードバック
第3章 フィードフォーワードの罠?医学と経済学の逆システム学
第4章 変化と進化における多様性と適応
終章 どのようにしてパラダイムは転換してきたか
[ POP ]
[ おす -
Posted by ブクログ
18世紀、ダイナミックに動くシステムの予測のため、イギリスの牧師トーマス・ベイズにより人間の経験を事前予測とし、そこにデータを加えてよりよい事後予測を生み出す方法が提唱された。
今日の認知・認識の科学の進歩と、コンピュータの演算能力の爆発的な向上が新たな可能性を生み出しており、今後は、ベイズ主義の予測を進化させ、人間の認知・認識を客観視し、より精緻な事前モデルを生み出し、バイアスを与えないデータで推論サイクルを繰り返し、新たな予測モデルを打ち立てることが、6人にひとりの子どもが貧困となり、高齢者の9割が貧困に向かい、地域が衰退するという深刻な実情を直視する当事者主権、現場主義からの議論が求 -
Posted by ブクログ
内部被曝のことを報道で目にする機会が少なくなったし、見たとしても集団検査で検出されなかった、という話が多い。ではもう大丈夫なのか。ホールボディカウンターで総計を見るのではわからない、核種ごとの違い、蓄積される部位の違いなどの話が、その後の検査にどう反映されているのかも、僕は知らない。
安易なエビデンスはいけない、多数の例があってもエビデンスにはならない、という言葉が突き刺さった。チェルノブイリでさえ20年かかったのだと。ではまだ何もわからない、と怯えるだけでいいのか。怯えすぎかなあ、という印象がないわけではない。除染の基準はハード過ぎるかもしれない。でも、「直ちに影響はない」を、今こそ追求しな