野尻抱影のレビュー一覧

  • 三つ星の頃

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     解説で名取佐和子さんが「野尻抱影の名を見て、肩書きより先に<星>が浮かぶ人は多いだろう」(p200)と書かれている。私もそう思っていた。この『三つ星の頃』は一九二四年に研究社から出た短篇小説集で、初の単著だったとのこと。貧しくも精一杯生きている少年たちの姿が印象的で、たとえ東京が舞台であっても土と木々の濃い匂いが立ち込めているような作品がならぶ。病床にある少年が亡き義姉のことを思う表題作、博物学という分野がまだ現役だった頃の学校に迷い込んだ山椒魚の悲喜劇「悲しい山椒ノ魚」、学問を続けたいけれど周囲の大人に恵まれない少年の成長物語「職工の子」、親を殺した奴への復讐が天狗伝説を背景に行われる「天

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    2025年02月16日
  • 続 星と伝説

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    第2弾。
    世界でなんという伝説があることだろう。
    科学という名のもとに解き明かすもよし。解き明かさず伝説に浸るもよし。自分だったらどっちかなぁ。。

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    2025年01月01日
  • 野尻抱影 星は周る

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    先日、松岡正剛が亡くなった時に思い出したのは稲垣足穂と野尻抱影の追悼号のことだった。

    星への空への、宇宙への想いがあふれてくる。。

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    2024年10月25日
  • 新星座巡礼

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    この本をもって、四季それぞれの星空をめぐりたい。夜も暗くなくなってしまった今では難しいかもしれないけど。でも、いつか。

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    2024年07月07日
  • 野尻抱影 星は周る

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    1977年(昭和52年)没の天文随筆家による短編50遍あまり。書かれた時代は戦前から戦後にかけて。甲府で先生をやっていた時代の思い出話から、東京郊外で暮らす家の庭から見る星の話など。

    星の話なので基本的には夜の話。ただし季節は四季すべて。当時の東京市の夜空がまだ暗かったことが想像できる。

    冬のグラウンドでボールを探しながらみた空にオリオン座がでかく出ていたときの冷たい空気を思い出した。

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    2020年11月22日
  • 日本の星 星の方言集

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    星の和名など、考えたこともなかった。
    星に限らず、和名を知るたびに、日本語の豊かさを実感する。

    そうか、野尻抱影と稲垣足穂はそこでリンクしてくるのか。。

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    2019年09月13日
  • 日本の星 星の方言集

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    これこそ研究、学問という名に値する書。これ自体が民俗学的成果であり、歴史であり、教育であり、そして文学であるということ。冒頭はしがきの著者の控えめな表現にその志もしかと見える。野心で学問をやっていない。

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    2019年03月09日
  • 新星座巡礼

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    こころが平らかになる本とはこういう本のことなんだな、と思う。元々大正時代の本らしいのですが、古びない文体。星の永遠。

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    2013年12月02日
  • 新星座巡礼

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    見つけたことのある星座の描写は心に迫るものがあって、もっともっと実物の星座を見てから読み返したいと思った。

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    2011年11月01日
  • 星と伝説

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    小さい頃、おもちゃ代わりに天体望遠鏡を与えられた私にとって、宇宙は公園の遊具のように魅力的でした。この本は、色々な国の星にまつわる伝説を紹介しています。このシリーズ揃えたいけど、文庫のくせに高い…。

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    2009年10月04日
  • 野尻抱影 星は周る

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    月も星も好きだし、よく仰ぎ見るけれど、しっかり学んだり調べたりはしてこなかった自分の背を、ぽんと押してくれた野尻抱影の随筆集
    美しくロマンチックな語りで、星々の悠久の魅力、生活に根付いた親しさ、世界中で異なる星の名前の奥深さを教えてくれる

    本著を含むSTANDARD BOOKSは、科学と文学を繋ぐ随筆シリーズ
    この本と出会ったおかげで、星空に覚える「きれい」というシンプルな感動に、知識という陰影が加わりました

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    2025年08月04日
  • 三つ星の頃

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    冬の星座といえばオリオン座。真ん中の三つ星が目立つ形で、冬の寒さと相俟って、とても印象的。
    俊輔にとって、義姉の思い出と重なって、毎年見上げるのだろう。

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    2025年02月09日
  • 三つ星の頃

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    冥王星の名付け親、野尻抱影がしたためた、短編小説集。人間にとって抗いがたい、自然や病の脅威の中で、しかし強く、そして情に厚く自然を尊び生きる人たちの、生きる営みが、血の通った語りを通して描かれる。古めかしい言葉が多いけれど、そこまで読みづらくはないのは、やはりそこに血が通っているからではないかと感じます。序文で著者自身が述べていることですが、ここにおさめられているどの作品も、著者自身の経験や見聞に出発しており、まったく空想で描かれた小説とはやはり歯応えが違うなと思います。なんとも滋味深い一冊です。

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    2025年02月01日
  • 日本の星 星の方言集

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    野尻抱影のライフワークと言っても過言ではない星の方言集。本土だけでなく、琉球、アイヌ、果ては古文献から星に関する項目を抜き出し、解説を加える。事典といってもオーバーではない。
    農業や漁業に関連付けられた星の名前は、昔の人達が星に対して、今よりも生活に密着していたことが伺われる。

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    2021年10月26日
  • 野尻抱影 星は周る

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    ネタバレ

    プルートの和名「冥王星」の名付け親にして古今の星の名前を収集した随筆家野尻抱影のエッセイ。

    オリオンやベガを季節ごとに訪れる旧友のように懐かしみ、
    戦前の友との思い出や登山で見た星の輝き、ギリシャ からベツレヘム、中国、砂漠を旅するベドウィン、日本の船乗りの間での星にまつわる逸話と自身の回想が叙情的に綴られる。

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    2021年02月21日
  • 野尻抱影 星は周る

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    装丁の美しさに惹かれて手に取った一冊。

    冥王星の和訳命名者で、天文随筆家である野尻抱影さんの作品。
    1930年から1946年頃にかけて書かれた随筆を集めたもので、明治生まれとは思えないくらい、現代人の私でも、とても読みやすかった。

    星に対する知識も豊富で、読み物としても素晴らしかった。野尻抱影さんの星に対する親愛の情が、ひしひしと伝わってきた。

    今のイスラエル辺り、古代カルデアの人々が眺めた星空と、明治生まれの野尻抱影さんが眺めた星空。そして今を生きる私たちが眺める星空は、そんなに大差はない。
    そして遥か悠久の時を経て、昔からやってきた光が、今の私たちが見ている、星の輝きであることは、周

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    2020年05月05日
  • 野尻抱影 星は周る

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    文章が、とても普通。読みやすいというか、普通なのだ。
    良い意味でなのだけど、驚くほどに普通。
    そして、明治生まれとは、とても思えない。
    でも、内容は、全く普通ではない。
    文学を元にした教養の広さ、そこから派生する星への考察。
    そのギャップが何とも不思議な空気感を醸し出している。
    何より、星に対する愛情が満ちあふれている。
    本当に、好きなんだなあ。
    科学としてではない、星の楽しみを感じる。
    なんとなく、夜空を見上げたくなる一冊だ。

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    2018年09月07日
  • 野尻抱影 星は周る

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    本文とは関係ないが、
    電気の無い時代。薄暗い朝から働き、暗くなると休む生活をしていたと思われる頃。
    真っ暗な夜に眩しいほどの星が輝き、微妙な光り方の違いを感じつつ結びつけ、色々なストーリを作り出していたんだろうと思った。

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    2016年05月10日
  • 野尻抱影 星は周る

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    素敵な本です。
    星空を語る人の穏やかさ。星のように静かにちかちか瞬くような美しい言葉で優しさに包まれます。
    しかしそのほとんどが1945年に書かれた文章というのは不思議で仕方がない。あるいはそこに変わらずあったのは星々だけだったのかもしれないけれど。

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    2016年03月31日
  • 野尻抱影 星は周る

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    読み終わるまでに時間がかかってしまいました(^^;;
    内容が多岐にわたって注釈だけではフォローが追いつかず、いろいろ調べながら読みました。
    星空とその下での自身の体験をこんな風に叙述できるプラネタリアン、目指したいですね。

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    2016年02月19日