石川淳のレビュー一覧

  • 江戸文学掌記 現代日本のエッセイ

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    資料。ほとんど一般に知られていない人間から山東京伝まで、様々な俳人や戯作者について思い思いに綴った一冊。

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    2013年08月15日
  • 背徳者

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     高校時代に「狭き門」を読んで激しく感動した。今でも読書体験としては最高のものの1つだ。そのあと「田園交響楽」を読んだが面白くなかったのでジッドはこれだけしか読んでなかった。それを30年たった今、ふとこれを読んだ。良いと思った。高校時代に「田園…」のかわりにこれを読んでいたら僕の何かが違っていたかもしれない、と思った。話自体はわりと淡々としているかもしれないが、趣味というか波長が特別に僕に合っているような気がした。風景描写のきれいさ。最初は愛なく結婚した妻だったが、その美しさにひかれるようになる。ロマンチックな時間。小説としてのバランスも良いと思った。
     主人公が崩落していくさまは、特に外的な

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    2009年10月07日
  • 紫苑物語

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    ネタバレ

    紫苑物語
    P12
    7歳の時 年の初めに作った歌を父が見て あからさまに 褒めあげた。確かに 手 筋が良い。すでに 一かどの歌 読みの歌である。
    しかし 父は主室を取って ただ1ところ言葉をあらためた。
    「これで非の打ち所はない。」
    その塩 入れられたところは宗頼もまた 迷ったところであった。そこに 二色の言い回しが考えられて、どちらにすべきかと思案の末に勝ったと思われたものを取り劣ったと思われたものを捨てた。しかるに 父が 改めて 書き記した言葉は先に宗頼自ら捨てた言葉そのままに他ならなかった。己が踊ったと見たものを 長者である 父はまさったと見ている。歌の道に於いて父は己より劣っているのだろ

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    2025年10月14日
  • 紫苑物語

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    ☆3.5 復古派、石川淳
     王道の幻想譚であらう。
     後半にかけておもしろく読めたが、もっぱら筋のなりゆきゆゑ。雲の上のたゆたふ筆致は、読み手に依れば川のやうによどみ、ともすればしづんでしまふ。使ひ慣れぬ漢語和語の連打の蕩揺としたとりえが読み初めはこころ苦しくあり、のびた麺のやうに好むところがすくないこともある。竹を割った切れを味はひたいと願った。世の中を文章で美化しても、卑下しても、本質は変らない。自分には実直な方がいい。

     構造としては、上田秋成「雨月物語」の影を落す。日本霊異記、宇治拾遺物語の滑稽感はなく、むしろ徳川期に多いやうな人間のくろぐろしい浅ましさをゑぐった王道の寓話伝奇が形を

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    2024年10月06日
  • 焼跡のイエス 善財

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    焼け跡のイエスのみ

    阿部公房のけものたちは故郷をめざすの主人公がきゅうぞうが目指した故郷。

    聖と俗がいりまじる表現。
    群衆の様子がありありとえがかれる。

    短い短編。次の日には,闇市は跡形もなくなくなる。皮肉か。

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    2021年12月06日
  • 背徳者

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    2021年 24冊目

    灼熱の太陽の下強烈に不健康な精神をもった男のアンバランスさ。



    フランス文学は自分のなかでちびまる子ちゃんの藤木くんて感じ。健康的なネクラの模範生。病んでいるけど狂気を感じるほどでもない。でも一番我々に近いところにあり、いつ自分が太陽に魅せられてしまうのだろうかという妖しさがある。

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    2021年03月08日
  • 焼跡のイエス 善財

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    昔の恋人と、大学のことを思い出す本。
    石川淳はいやらしいよなあ…!
    ユーモアが難しくてよくわからない。
    「貞子」を「てこちゃん」と呼ぶセンスは好き。
    クリスチャンなんだっけ?

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    2019年07月07日
  • 背徳者

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    ネタバレ

    狭き門、田園交響楽ときて、これを読みました。
    なんというか、いちばん概念的というか・・読み終えたあと背徳者というタイトルをあらためて見返して、「背徳者、いや確かにそうだ、でも何が・・?」と自問自答してしまう感じ。
    金を死ぬほど使って欲望のままに暮らして旅して、もといた洗練された世界との交流に関心を持たなくなって、未開の地を好んだり、堕落した人間と関わったり共犯したりすることに悦びを感じるのが、背徳なのかな・・。
    なんだかひたすら旅をしているので、情景描写の美しさはたまらなかったです。

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    2014年09月20日
  • 紫苑物語

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     「紫苑物語」「八幡縁起」「修羅」の3作が収められている。このうち「紫苑物語」についてドナルド・キーン氏が自伝の中で、美しい日本語で書かれていると絶賛していたので読んでみた。
     石川淳は今回初めて読んだ。解説を書いた立石伯氏によれば、石川淳は第一等の詩文の大家だったそうである。それ故戦いの場面でさえ美しい文章で書かれているのだという。
     ストーリーについてはあまり良く理解できなかったが、キーン氏の言う「美しい日本語」には出会えたような気がした。

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    2013年07月15日
  • 普賢 佳人

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    うーん、わからない。一体何の話なのか、全くの力不足でした。読みづらいし、使い慣れない漢字を使っているしで、何度も挫折しそうになった。
    ただ時折ハッとするような表現や展開があって、もう少し読解力をつけてからチャレンジしたい。

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    2011年11月14日
  • 普賢 佳人

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    芥川賞第4回受賞作(1936下期)


    これぞ純文学といった様相で、長いし読みづらいし、構成がわかるわけもなく、「普賢」が一体なんなのかもわからず仕舞、もう少し私の文章を読む力(噛み砕く力)をつけて読み直したいと思います。
    しかし、所々の表現がぶわっと吹き付けてくるものがあって、特に出だし「盤上に散った水滴が変り玉のようにきらきらするのを手に取り上げて見ればつい消えうせてしまうごとく、かりに物語にでも書くとして垂井茂市を見直す段になるとこれはもう異様の人物にあらず、どうしてこんなものにこころ惹かれたのかとだまされたような気がするのは、.....」。それから「おりから日にきらめく並木を吹き渡る薫

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    2010年03月05日
  • 狂風記 下

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    文字だけをおって読んでいたのだろうか、細かい所、忘れている。いつか再読できるだろうか。石川氏の短編なども読んだ。

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    2011年07月17日
  • 狂風記 上

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    ひらがなで、いしかわじゅんさんですと漫画家。漢字で石川淳さんですと文学の作家さん。これも記憶の中の蔵書だなぁ、細かい所、忘れている。SFに近いとか何かで読んで、上下巻を読んだ。

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    2011年07月17日
  • 紫苑物語

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    【お金が無いので再読】
    ダイガクの文学総論みたいなのでやった。
    その時はまったく理解できなかったが、数年経ってまた読んでみたけど、ピンとこなかった。
    あたしの感性の問題か??

    表現のすばらしさも良くわかんなかった。

    勝手言ってみると、やりまくりブーの白痴姫の理由をもっとかいてみれば、おもしろいのではないか、と。

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    2009年10月04日
  • 背徳者

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    二人の男女が色々な地方を旅するお話。
    冒険中どっちかが必ず体調崩している印象を受けた(笑)
    風景描写はとても綺麗で、文字を追うだけで
    風景が頭の中に浮かびあがってくる、その点では名著といえるのではないだろうか。
    物語はこの男女2人の冒険の話を、男性の友人達が聞いているという設定になっている。

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    2009年10月04日
  • 背徳者

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    人物描写がやたらと華麗。男の人に「美しい」「綺麗」は当たり前・・・そんな感じの文体でした。
    第三部で、主人公ミシェルと御者の少年(かな?)との二、三言のやり取りが好き。
    全編を通して、ジッドがミシェルを普通の一紳士として書こうとしているのは理解できるんですが、それでもどこか狂気を感じるのを禁じえなかったのは、ほとんど一方的な独白形式だったから?

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    2009年10月04日
  • 新釈雨月物語

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    雨月物語は怖いというより切なくて哀しい話が多いです。訳す人によって印象が変わる。それがおもしろいのです。

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    2009年10月04日