感情タグBEST3
Posted by ブクログ
歌詠みの家に生まれた宗頼、才能は豊かだが心に鬱屈したものを抱え、辺境の地に追いやられる。人を憎む狐の化身である美女を手に入れた宗頼は邪魔者を殺し続け、その跡には死者を想う紫苑が植えられた。そしてついに魔の矢により地上を焼き尽くす。
/ 紫苑物語
山の岩戸に住む石別(いしわけ)一族は、里の人々と適度な交流を持って独自の生活を成り立たせていた。しかし里の支配者は彼らの名なしの神を奪い征服しようとする。いつしか名なしの神はその由来を大きく書き換えられ、八幡大菩薩(源氏の氏神)になる。
/ 八幡縁起
人から外れた胡摩姫(コマ=駒=馬)と、山賊、足軽、盗賊たちを通して日本の起源を描いた物語
/ 修羅
Posted by ブクログ
あ…ありのままに今起こったことを話すぜ…
『学校の課題で糞つまらん文学作品を読まされていたと思っていたが
いつの間にかカッコよすぎて言葉を失っていたッ!』
美文とか漢籍の素養とか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
Posted by ブクログ
所収の「八幡縁起」がベスト。太古からの日本人精神史でもあります。石川淳の文は読むと力が湧く貴重な文です。こんな文章を書く人、また現れないかなと願ってます。
Posted by ブクログ
再読。
最初に読んだ時からかなりの時間(30年くらい昔)が経つ故に、ほぼ初めて読んだように向きあった。
若かりし日に読んだ時の印象は、著者の他の純文学作品と比較して読みやすいな、ぐらいのものだった。改めて読むと、熟練の技とでも言いますか、洒脱な文章に舌を巻く気持ち。この味は、外国語に翻訳するとリズムとコクが再現できないだろうな、などと考える。
Posted by ブクログ
著者の作品を初めて読む。文体のリズム良く、音楽を聴くように読める。私の、少ない読書体験から近いものを選べば半村良氏。フィクションだからこそ、歴史を引き寄せて想像出来る。
Posted by ブクログ
「紫苑物語」「八幡縁起」「修羅」の3作が収められている。このうち「紫苑物語」についてドナルド・キーン氏が自伝の中で、美しい日本語で書かれていると絶賛していたので読んでみた。
石川淳は今回初めて読んだ。解説を書いた立石伯氏によれば、石川淳は第一等の詩文の大家だったそうである。それ故戦いの場面でさえ美しい文章で書かれているのだという。
ストーリーについてはあまり良く理解できなかったが、キーン氏の言う「美しい日本語」には出会えたような気がした。