小林恭二のレビュー一覧

  • ゼウスガーデン衰亡史

    Posted by ブクログ

    東京・下高井戸に造られた、
    アミューズメントパークを巡る、
    皮肉で壮大な偽歴史物語。

    大人向けの快楽を追求したアトラクションは、兎に角振り切れている。
    自分の顔がどんどん変形して、自殺や同性愛を体験できるアトラクションや、巧妙な心理作戦によって、最後は発狂するまで追い詰められるホラーアトラクション。
    個性豊かでニヒル、あるいは芸術に取り憑かれたアトラクションデザイナーたちが生まれ、アトラクションを生み出し、スターになり、時代を彩る。
    私利私欲にまみれた政治家たちが危うげにそれらを運営する。
    その中にも、時折カリスマや覇者が現れ、パワーバランスが変化する。

    まさに民主主義の成り立ちの経緯と、

    0
    2012年08月21日
  • したたるものにつけられて 自選恐怖小説集

    Posted by ブクログ

    ぶっちゃけ「小林泰三」さんの小説と間違えて買いました。こういう本との出会いもあるのね。ホラーと銘打ってるのですが、ホラーって感じもそうしません。
    「世にも奇妙な系」と私が勝手に呼ぶ「なんか奇妙な不思議な、気味悪い、怖い」っていうお話の短編集です。

    川上から大量の死体が何故か流れてきて、村が怪奇に見舞われる「流れる」。そして、歌舞伎役者の一生をテーマにした「田之助の恋」と「葦屋町綺談」が良かった。

    特に「田之助の恋」は美男の立女形が幽霊に恋をしてしまう話ですが、恐ろしいやら美しいやらで引き込まれました。

    0
    2012年08月15日
  • 宇田川心中

    Posted by ブクログ

    渋谷にある道玄坂は、大和田道玄という山賊が名前の由来になっているそうだ。大和田道玄の娘にまつわる恋のお話。
    愛とは何か、恋とは何か。いろいろと講釈を垂れる輩は多いけれど、この本はその中でも非常にシンプルな答えを与えてくれた。シンプルが故に、深く心に残った。

    0
    2012年07月14日
  • 宇田川心中

    Posted by ブクログ

    男女の縁と輪廻を描くラブストーリー。講談師のような語り口も楽しかったです。恋愛小説は「冷静と情熱の間」以来読んでいませんでしたが、人間の情、業にスポットが当っていて、ただの恋愛小説ではなく、楽しめました。
    途中、佐七(登場人物)の会話が歌舞伎のような節回しになったりして、非常に表現方法が多彩でした。ただ、最後の最後でちょっと荒唐無稽になってしまい、残念。途中まで非常に面白かったです。ちょっと運命ってものを信じてもよいのかと思いました。

    0
    2012年02月28日
  • 宇田川心中

    Posted by ブクログ

    なかなかのボリューム。

    愛は地球を救うってことかな!?

    前世から続く運命の出逢いを待つ日々です。

    0
    2012年02月03日
  • 電話男

    Posted by ブクログ

    100000tにて発見した一冊。

    電話が好きだから電話男になる人、何気なく電話男になることが運命であった人、それぞれが日常生活とは逸脱した

    0
    2010年11月09日
  • モンスターフルーツの熟れる時

    Posted by ブクログ

    ある街での人間模様。日常にうっすらと違和感を注入し、捩れた著者独特のユーモアが振りかけられた。恋愛模様のふりをした幻想世界。シンプルな文章、小品の構成ながら重厚さが漂う。最期の2編で強引にエンディングへ持ち込むより、前半2編の鮮烈なイメージを追求したほうが好み。

    0
    2009年10月04日
  • 電話男

    Posted by ブクログ

     聞き役であり、自分から電話を切ることはなく、なんの報酬も求めず、かけてきた人にグチを言うこともなく、話の内容をダシに脅すこともない電話男。「電話男」では、実際の電話男の例とともに電話男の歴史やU研について。「純愛伝」では、突然電話男になってしまった妻をもつ主人公の話。
     とるこ日記で紹介されていたので読んでみました。この話を15年以上前に書いたというのがすごいなぁと思いました。知らない相手だからこそ、つい周りに言えない話をしてしまう。ちょっと難しかったですが、考えさせられる話でした。

    0
    2009年10月07日
  • 宇田川心中

    Posted by ブクログ

    舞台は、渋谷駅前の宇田川町。駅前の交差点ですれ違った少年と少女の恋の始まりが、承久の頃の悲恋、江戸の悲恋、そして現代へと巡る[輪廻転生の物語]へと繋がってゆく。

    0
    2009年10月04日