上村裕香のレビュー一覧

  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    タイトルからは想像できない話だった。
    読み終えて、なんだか困ってしまって表紙を見た。主人公がおいもを手に持ち、険しい顔をしている。
    あらためて見ると、内容によく合った絵だと思う。
    現実と微妙に重なる世界でのけっこうな重いテーマ。でも、それをやわらげるような軽さがあった。
    お兄ちゃんがチキンでよかった!

    0
    2025年08月21日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    頼れそで頼れない大人。
    介護してるけど、それを当たり前のように思っている母親。
    それを見守るだけのギャンブラーのおっさん(父親)。
    自分の状況を発信して、ことを改善しようとしない主人公。
    救われてんじゃねぇよ…はは。もう何も言えねえや。

    0
    2025年08月16日
  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    個人的には文のテンポも各章との連なりも面白くサクサク読めました。本のタイトルと中身のギャップも感じながら楽しめる作品です。

    「活動家2世」の高校生を中心に、同じく両親が革新政党に所属していた2世、3世、ボランティアで革新政党に出会った大学生など、一見重苦しく思えるテーマですが、タイトルの通り「ほくほく」温かな面も沢山ある「家族と青春の小説」です。

    作品の中で出てくる事件は実際にここ数年で起こったものをオマージュしているのだと思い、妙にリアリティを感じられました。登場人物の考え方や主義信条、生きてきた人生がバラエティ豊かなので、どんな主義信条を持っていても楽しめると思います。

    0
    2025年08月14日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ヤングケアラーの実体験をベースに書かれた小説。
    決して誇張してる訳じゃなく、もっとドロドロしたものを文章に昇華してるんだと思う。
    それなのに読んでいると苦しい。
    そうか、生々しいんだ。
    がっつり向き合って、取っ組み合いしてるんだ。
    小綺麗にまとまってないから、逆に生に溢れていて、それが表面を取り繕って毎日をやり過ごす私とは真逆で、何か大事なことを突きつけられてる気になる。
    自分が大人で、彼女は子供で、けど、どっちが大人だろう。
    世の中にはこんな事例が他にもあるだろう。
    子供を産んだから、育てているから、だから、子供は親の言いなり?
    子供を縛り付け自由を奪ってもいい?
    無力感、偽善、いろんな感情

    0
    2025年08月02日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    概要だけ読んだら本屋大賞によくあるウケ要素つまみ食いのヤングケアラー作品かと思ったら、一章の地獄っぷりの解像度から「笑い」を通底させて、主人公がなぜそこまで母を支えてたかを描いてるあたり、思ったより骨がしっかりしている作品だった。こういう作品では無理解やら性加害やらで主人公の物語の障害になりがちな脇役の男性キャラだけど、それに当たる恭介と町屋が主人公を図らずも導いているのも良い。

    0
    2025年07月23日
  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    各章の主人公が活動家2世、という構成なのかと思いきやそういうわけでもない。でもそういう外した章(東北のこととか)こそ好きだったり。むしろどちらかというと、千秋と正、そして健二の家族とその周りの群像劇と捉えればいいかもしれない。

    帯にある「お父さんに家族との対話を要求します!」という言葉がいつ出てくるのかと読み進めていったが、結局最後まで出てこなかったのは少し残念だった。この言葉が「ほくほくおいも党」のエネルギッシュな活動ぶりを事前に想像させたがために、千秋たち家族の話に収めていく「畳み方」が意外に思えたのかもしれない。ただ、作り物っぽくない、いいラストだったと思う。

    書籍は初めて読んだけど

    0
    2025年07月22日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ヤングケアラーって共依存みたいなところがあるのかな。大家族のお子さんが期待以上のキラキラネームで笑ってしまいました。

    0
    2025年12月21日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ヤングケアラーを取り扱った小説。
    目の前で倒れていたら、体調悪かったら、手を貸す以外の選択ができるのか。
    でも、そういう善意につけこむ大人(身内)もいるんだよね。

    0
    2025年12月18日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    よくある悲劇、可哀想、辛い、の話というよりは、現実的な気がした。実際は、笑い飛ばしてないと生きていけないよな、って思ったし、親はやっぱり完全には離せないのも事実。

    0
    2025年12月17日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    難病を患った母、パチンコ好きで介護しない父、高校生ヤングケアラーとなった沙智。

    -----
    p72
    でも、結局それじゃ、制度の話しかできない。『いま介護をしている子ども』にスポットライトを当てられない。

    p120
    「わたし、『見てるよ』っていいたいかもしれません」
    -----

    この辺がこの小説のハイライト。すぐには当事者に届かない、響かない。でも「自分」が存在していることにケアラー自身に気づいてもらいたいという気持ちを読み取った。
    外側(他者)から「あなた」自身が見えているよのメッセージを伝えることがいつかの救いになるかもしれない。

    0
    2025年10月27日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    難病の母の介護をする高校生の沙智。介護も家事も全く手伝ってくれない父と三人で八畳一間のアパートで暮らす。
    いわゆるヤングケアラーの沙智。
    狭い家の中での三人の暮らしの様子を読んでいて、さすがに17歳の沙智には辛いだろうと思われることばかり。
    本書は短編集なのですが、表題の『救われてんじゃねえよ』が高校生時代、『泣いてんじゃねえよ』が大学生時代、『縋ってんじゃねえよ』が社会人時代の物語になっています。高校生時代の話があまりに悲惨で、読んでいてこちらも沙智の両親を恨んでしまいたくなるほど。
    でも、大学生時代と社会人時代の話は読んでいて笑ってしまうことが多く、なんだかコントを見ているかのような気持ち

    0
    2025年10月26日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    家族という呪縛から
    どうしても逃れられない苛立ち、悔しさ
    憤り、苦しさ、もどかしさ…
    そんな感情が激しく渦巻いていた。
    それでも
    「救われてんじゃねえよ」と言えてしまえる
    覚悟と逞しさに
    不幸のどん底にいるはずの女子高生が
    どこか、少し幸せそうにも見えてしまった。
    家族というものの
    あたたかさを知っているからこその
    辛さなのかな。

    0
    2025年10月18日
  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    活動家二世やここ数年問題になっている宗教二世と呼ばれる立場の人たちの生きづらさが、実際問題として親と対話することですべて解決する訳ではないけれど、だからってそれを理由に言葉を奥に抱えたままでは分かることと分からないことが二人の間にあることも分からないし、何よりしないことで分かることが見つかることは無い。どちらかの要求だけを相手に飲ませるような半ば暴力の為ではなく、ちょうど中間の地点に日向を一緒につくり合う為に言葉が使われる世界であって欲しいと私は思う。

    0
    2025年10月13日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ヤングケアラーの話し
    テンポよくグイグイ読んだ
    狭いワンルームの部屋で親子3人が暮らす様子が目に浮かんで、匂いやユニットバスの汚れとか想像できて絶望的になった
    でも父も母も現状をただただ維持するだけで、私が娘だったら逃げ出したいけど、やっぱり主人公と同じように、誰かがやらなきゃならない、自分しかいないってなりそう、なんでお金ない人って入ってきたらいらんもの買うんかなーー

    0
    2025年10月12日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作。
    ヤングケアラーとか、毒親とか、共依存とか、テーマとしては確かにこの作品のなかに存在するのだけど、その言葉同士の間にあるものが描かれていたのかな、と思う。家族って、どんなにひどくても見捨てられないものだよね、とかそういう単純な言葉ではあらわせない何か。
    私は親の目線で読んでしまうから、出てくる親に対して、怒りに似た感情しか湧いてこないけど、読む人の目線によって、それは変わるのかも。
    何にせよ、「不幸」とか、「かわいそう」とか、そういうありきたりな言葉ではくくれない話だった。

    0
    2025年10月03日
  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    かわいい表紙でうっかり読んでしまったけれどしんどい話だった。宗教.活動家二世の苦悩。本人の自己責任でどうにかなる問題ではない『親ガチャ失敗SSランク』。夫婦が離婚出来る様に、親子関係も子どもから切れる様に法改正してあげてほしい。

    0
    2025年10月03日
  • ほくほくおいも党

    Posted by ブクログ

    表紙からほっこり系かと思ったら、がっつり重たいお話でした。政党員に限らず、自分は絶対正しい!って人の横にいるのは疲れるけど、それが親となると大変だな。活動家二世の苦悩について知ることができました。

    0
    2025年09月30日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    コロナ禍以降、50代の要介護認定者が急速に増えていると現場で感じている。

    50代だと、子どもはまだ高校生くらいか小学生のこともある。
    仕事柄、そんなヤングケアラー達を垣間見る日々だけれど、彼女達がどんな想いを抱きながら親の介護をしているのかは計り知れない。

    そんなヤングケアラー達の日常は、本書に書かれているように笑いでなんとかやり過ごすしかないのだろう。

    私も医療従事者としての訪問先で、便を踏んでしまったり、突然のゴキブリの襲来に使い古しのオムツで退治など、笑い飛ばすしかない状況の毎日。

    私達医療従事者は、仕事が終われば看護介護から解放されるけれど、家族はそうはいかない。

    あなたの人

    0
    2025年09月21日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初の受賞作は刺激的で救いがなくて、でも後の二作は主人公が親と距離を取り結末も明るくなる。読後感はいいけど、物語で救われちゃってるよなぁ、とも思う。脳梗塞にまでなったお母さんがどうやってやってけてるのかあまりに書かれていない。

    救われてんじゃねえよ
    難病の母と高二でヤングケアラーの私、母の障害年金を散財する父。貧乏で、同じ部屋で両親はセックスをする。
    母の薬が効き始めてでもしんどいアピールする今の方がしんどいと言うわたし、脳腫瘍になって私のせいじゃないと喜ぶ母、人という字になれない母娘、あたりがしんどいしよい。
    文章は大衆小説向きで上手いわけではなかった。

    泣いてんじゃねえよ
    東京の大学4

    0
    2025年09月12日
  • 救われてんじゃねえよ

    Posted by ブクログ

    ヤングケアラーという言葉に当てはまる当事者は本当はそんな定義づけなんて要らない。定義づけられることで心が晴れる人も入れば逆にモヤモヤする人もいる。きっとそれはどんなことに対してもだろうなと考えてしまう本だった。上手く言葉に出来ないけど、当事者がモヤモヤするのに定義づけしたいのはなんでなんだろう、、他にもっとすることあるのでは??無限に考えてしまいました笑

    0
    2025年09月10日