上村裕香のレビュー一覧

  • 救われてんじゃねえよ

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    母は難病、父は浪費家。文字通りキレイゴト一切なしのヤングケアラー沙智の壮絶な日々。腹も立つし泣けてくるけど笑えてくるのもホント。両親との距離感に悩みながら自分の人生を歩み始める彼女の姿に、根底にある家族愛をひしひしと感じました。

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    2026年01月31日
  • 救われてんじゃねえよ

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    2025年11月23日、文学フリマで本書と出会った。
    「女による女のためのR-18文学賞 大賞受賞作」という帯に惹かれて手に取り、売り場にいた小柄なお姉さんに勧められるまま、『ほくほくおいも党』とフリマ作品を併せて購入した。あとになって調べてみると、そのお姉さんが著者ご本人だったと知り、思わず笑ってしまった。もう少し話しておけばよかった。

    外から見れば「絶望的」と言われかねない環境のなかで、それでも日々を生きていく日常。お笑い番組など、ささやかな出来事に救われながら、どっこい生きている。その姿が淡々と、しかし強いリアリティを持って描かれている。

    状況に出口は見えず、改善の兆しもない。行政や

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    2026年01月03日
  • ぼくには笑いがわからない

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    おもしろかったです。
    まずタイトルが良いし、イラストも好き。

    登場人物たちも良い。
    キャラクターが立ってて魅力的。

    ストーリーとしては少し強引に感じる部分もあったが、漫画的な作品なのかもしれない。

    コンビ名も好きでした。

    森見登美彦作品はもちろん、「成瀬は都を駆け抜ける」に加えて本作を読むと、京都で大学生活を過ごしてみたかったとも思う。

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    2025年12月29日
  • ぼくには笑いがわからない

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    学生お笑いとM-1を舞台にした小説。参考文献に『M-1はじめました』『漫才過剰考察』『答え合わせ』『芸人雑誌』が載っているとなればお笑い好きとしては読まないわけにはいかない。主人公はお笑いに疎くて漫才がフィクションであることすら理解していない大学生。彼が言語学の観点からまぁまぁ見当違いのアプローチをしていくのが面白い。一方で第2幕は学生芸人に限らず自身の才能に悩む芸人の苦悩が描かれていてリアリティがあった。

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    2025年12月28日
  • 救われてんじゃねえよ

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    20ページほど読みかけて「この本は合わない」と思い、一度本を閉じた。けれど、一夜明けて続きを読んでみると、とんでもなく面白かった。主人公が諦めてないのに、読者が諦めてどうする。ちゃんと最後まで読んで本当に良かった。
    本作の主人公、さっちゃんと同じ環境にいる若者たちにはもちろん、そうでない人たちにもぜひ届いてほしい一冊。エンタメとしても十分面白いが、それ以上に社会派小説として、もっと多くの人たちに読まれるべきだと思った。
    上村裕香先生の作品、どんどん読んでいきたいです!

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    2025年12月24日
  • ほくほくおいも党

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    母親の介護をする活動家二世のサワコさんの言葉。
    「奪われない言葉を得ないと、ひとは生きていかれないから」
    「自分がうまく話せる言語を獲得することが大事」
    今回の政治的思想までいかないにしても親はよかれと思って子にいろいろな考え方を植え付ける。それを子が疑問に思った時、きちんと親と対話できるかどうか。対話するには自分の言葉を得ていないとできないし、親は子の話を受け止めないといけない。自分の頭の中だけとかSNSの中だけとかじゃなくて面と向かって対話することが大事なのかなと思った。
    可愛らしいタイトルからはなかなか想像できない話の内容で意表をつかれておもしろかった。

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    2025年12月21日
  • ぼくには笑いがわからない

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    最初から最後まで漫才を見ているような気分になる、不思議な小説だった。
    デビュー作はどことなく重い空気も漂っていたが、今作は笑える部分も多く、そしてひたむきな姿の登場人物たちにも好印象を抱いた。
    よこしまな目的で始めたお笑いだったが、果たしてそれを叶えることはできたのか、クライマックスに期待してほしい。

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    2025年12月21日
  • 救われてんじゃねえよ

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    ヤングケアラーと言われる人たちにもそれぞれに全く違う家庭の実情や思いがあるけど、表面的な事情を知っているだけなのと(実際に知ることはできないけれど)ここまで踏み込んだイメージができているかどうかで、見え方・関わり方が劇的に変わる。
    この問題がクローズアップされて支援対象者として見られるようになった現状から、もっと離れた(進んだ)ところに本当の救われがあるんだろうと思う。

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    2025年12月20日
  • ほくほくおいも党

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    題名と表紙から選挙を題材にした軽めの小説と思いきや、いろんな境遇の主人公が出てくる連作短編で、深く少し重たい内容が続くおもしろい小説でした。読んでよかった。

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    2025年12月12日
  • 救われてんじゃねえよ

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    しんどい。ヤングケアラーなんて単語で片付けていい問題じゃない。外から見ると異様な状態に慣れきってて抜け出したいと思ったり期待したりしないところも、感情が揺れるポイントがおかしいところも、両親に障害があって沙智にも続いてるのが明らかな描写の数々から主観に寄り添えないところも、読んでいて苦しかった。介護ってやらないとわからないしうまくなんてやれないし間違って傷ついて傷つけられてばかりだし、でも読んでよかった。

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    2025年11月08日
  • ほくほくおいも党

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    ネタバレ

    ●政治について考えたい方、必見の今オススメの1冊●

    表紙を見る限り、「読書の秋?」いや、「食欲の秋」もいいな〜!と思って手に取った。
    読み始めると、まさかのテーマは政治と家族をテーマにした物語で、想像とは異なり、ちょっとビックリした!

    絶えない活動家2世たち。
    「活動家2世」という言葉は、あまり聞かないが、「宗教2世」に似たようなものだと本作を読んだ限りは思った。

    主人公の千秋自身、共政党に入党したかったわけでもない。
    (やはり、これはまさに親ガチャ失敗というのか…。
    そんなことで、日々、父親にコンプレックスを抱えて生きていた。)

    「共政党」の支持者ははなかなかいないこともあり、共政党

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    2025年10月16日
  • ほくほくおいも党

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    ネタバレ

    これは刺さる人には刺さる本だなぁ。
    そして私は刺さる人だったよ。

    ちょっと違うけど、私も千秋と同じような立場で、いわゆる宗教二世(正確には三世)。
    千秋や健二ほど放っておかれたわけではないけど、自分に選択の自由がなかった点や、いろんな会合に連れてかれたり、思想を学ばされた点ではかなり境遇は似ている。

    たしかに親は愛情をベースに自分の子どもを二世・三世にしてるのかもしれない。
    でも私は絶対に反対。法に触れないかぎり、すべての選択権は本人にあるべき。
    というか、父親も母親も千秋の言葉を受け入れてなかったでしょ。あれは対話じゃなくて意見のぶつけ合いだよね。

    そして、健二は自分の言葉を持てていな

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    2025年09月19日
  • ほくほくおいも党

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    タイトルからは想像できない話だった。
    読み終えて、なんだか困ってしまって表紙を見た。主人公がおいもを手に持ち、険しい顔をしている。
    あらためて見ると、内容によく合った絵だと思う。
    現実と微妙に重なる世界でのけっこうな重いテーマ。でも、それをやわらげるような軽さがあった。
    お兄ちゃんがチキンでよかった!

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    2025年08月21日
  • ほくほくおいも党

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    個人的には文のテンポも各章との連なりも面白くサクサク読めました。本のタイトルと中身のギャップも感じながら楽しめる作品です。

    「活動家2世」の高校生を中心に、同じく両親が革新政党に所属していた2世、3世、ボランティアで革新政党に出会った大学生など、一見重苦しく思えるテーマですが、タイトルの通り「ほくほく」温かな面も沢山ある「家族と青春の小説」です。

    作品の中で出てくる事件は実際にここ数年で起こったものをオマージュしているのだと思い、妙にリアリティを感じられました。登場人物の考え方や主義信条、生きてきた人生がバラエティ豊かなので、どんな主義信条を持っていても楽しめると思います。

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    2025年08月14日
  • ほくほくおいも党

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    ネタバレ

    各章の主人公が活動家2世、という構成なのかと思いきやそういうわけでもない。でもそういう外した章(東北のこととか)こそ好きだったり。むしろどちらかというと、千秋と正、そして健二の家族とその周りの群像劇と捉えればいいかもしれない。

    帯にある「お父さんに家族との対話を要求します!」という言葉がいつ出てくるのかと読み進めていったが、結局最後まで出てこなかったのは少し残念だった。この言葉が「ほくほくおいも党」のエネルギッシュな活動ぶりを事前に想像させたがために、千秋たち家族の話に収めていく「畳み方」が意外に思えたのかもしれない。ただ、作り物っぽくない、いいラストだったと思う。

    書籍は初めて読んだけど

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    2025年07月22日
  • 救われてんじゃねえよ

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    知らないことに出会った時、自分が知っていること、想像できることの中でそれを理解しようとする。
    そのこと自体は仕方がないけど、安直な理解、ステレオタイプな決めつけに終わってしまう可能性が高い。
    ヤングケアラー。言葉は知っていても詳しく知らないことの解像度を上げてくれる本。

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    2026年04月30日
  • 救われてんじゃねえよ

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    文章に勢いがあり若いからこその感性を感じる。
    主人公 沙智は難病の母を介護している。高校にも通っている。お金が入れば、使ってしまう父。どうしようもない家族から成長してどうなっていくのか。
    題名がぴったりだ。

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    2026年03月17日
  • ぼくには笑いがわからない

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    勉強一筋で生きてきた言語学専攻の男子大学生が一目惚れした先輩と交わした約束(M-1で優勝したらキスしてあげる)の為にお笑いを分かろうと必死にもがく姿が眩しくてイタくてまさに青春だなぁと良い意味で見てられない思いを持ちながら読みました。デビュー作でヤングケアラーの、次作では政治活動家二世の生活の中にある類型から外された笑いを描いてきた作者にとって《社会化されたことばは個人の物語を救えない》という作中の一節が書く原動力になっているんだろうなと思いましたし、分からないものを分かろうと努力する主人公の姿には上村さんが自身を重ねている部分もあるように私には感じられました。

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    2026年03月07日
  • 救われてんじゃねえよ

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    ネタバレ

    ヤングケアラーの女の子とその家族の話。家族に巻き込まれながらの主人公沙智の学生、就活、職場での出来事が書かれている。
    就活時代のお母さんの描写はかなりリアルだなと感じた。パーキンソン病の母を持ち、どうしようもない父を持つ沙智。私ならあそこまで頑張れない。どんなに理不尽な状況でも、そこに笑いを見出せた沙智に拍手を送りたい。私なら、悲劇のヒロインぶって悲観的になってしまうだろう。

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    2026年03月06日
  • 救われてんじゃねえよ

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    「女による女のためのR-18文学賞」大賞作品。これは読んでおかなくてはと意気込んで手に取ったが、あまりの薄さとテーマがヤングケアラー。苦手分野でこれは流し読みか挫折しちゃうかと温度低めで読み始めた。やはり序盤は介護の苦しい日常、毒親登場で予想通りの展開。ラストで出てきた小島よしおのあたりからなんだか空気が変わってきて。辛いだけではない日常に仄かな温かさや笑いが等身大で描かれていて、ラストまで丁寧に読むことができた。
    綺麗事だけでは済まされない、生きていくことの過酷さとそれをやり過ごすことも必要だったり、自分を大切にすることの葛藤でたあったりと本当に色々と考えさせられ作品だった。こんなに薄い本な

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    2026年02月12日