上村裕香のレビュー一覧
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ナラティブ、ストーリーと物語、自分の物語を自分自身で書くこと。大人になった主人公の言葉どおり「大人たちが逃げたから、逃げる選択肢のないたった10歳の子どもの自分が背負うしかなかった」のであり、冒頭の事件につながってしまった。
でも大人だから正しい行動ができる、なんて幻想だもんな。みんながみんな、いつでも、正しい行動ができるとは限らない、と大人の私は知っている。そしてそれはたぶんそのまま「逃げる」という選択肢につながる。それを持っている大人と、そうでない子どもの違いって本当に大きい。
この本を私が「当事者の作者が語る本だから(だから読む価値がある)」と、すでにフィルターをかけて見ようとする私がい -
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母が難病になり、父が出て行ってから10歳だった光莉は、学校にもほとんど通わずにひとりで母を介護してきた。
光莉が、母の首吊り自殺を幇助した疑いで逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けてしまう。
拘置所を出た後、叔母に引き取られた光莉は、作家の日比谷と出会い、小説を書くように勧められるが…。
ヤングケアラーは、どうしてもひとりで全てを背負い込んでしまい、身動き取れない状態になってしまう…誰かが気づいて無理にでも力を貸さなければ最悪の結果になってしまうのだが、光莉の場合も犯した罪の後、どうしたらいいかわからない状態になっていたのを見抜いて声を掛けたのが日比谷だった。
彼女もまた書くことで -
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内容ヘビーなのにサラッと読ませられた。
話の中で主人公さっちゃんがテレビの企画として出したヤングケアラー王のテーマ(ヤングケアラーの弱さでなく強さにスポットが当たる逆ポジ企画)とも共通すると思った。本人は家族のケアに対して疲れているだろうし、見捨てたり投げ出したりしたいだろうに、そんなネガよりも、なぜかそうやって求められていることに幸せを感じたりしていた。そういう当事者でないと分からない感情に引き込まれました。
たまにある匂いまでしてくるタイプの小説。連作短編だし、軽い口調だけど、主人公の状況自体は目を背けたくなるほど超ヘビー。子どもが家族をケアしなければならない状況を、家族の絆で片付けよう -
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ネタバレこの作者の小説の中では1番とっつきやすい「お笑い」を題材にした作品。
グミチョコレートパインやボーイズオンザランに通ずる童貞青春物語。
ヒロインがサークルクラッシャーのやりマンだったのが、ズーンっとえぐられるところだったなぁ。
今までお笑いを一切知らずに、言語学を学んできた男が一目惚れした女の子に振り向いてもらい為に成り行きでコンビを結成してM-1を目指すストーリー。
ミーレンズは真空ジェシカで当てがきしたのかなって思った。特に四郎は金髪でオドオドしてるキャラだし。
連続ドラマにしたら面白そうだと思った。
文中の漫才のネタや芸人同士の会話も、本当のお笑いみたいに面白く、作者のお笑いセンスもす -
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2025年11月23日、文学フリマで本書と出会った。
「女による女のためのR-18文学賞 大賞受賞作」という帯に惹かれて手に取り、売り場にいた小柄なお姉さんに勧められるまま、『ほくほくおいも党』とフリマ作品を併せて購入した。あとになって調べてみると、そのお姉さんが著者ご本人だったと知り、思わず笑ってしまった。もう少し話しておけばよかった。
外から見れば「絶望的」と言われかねない環境のなかで、それでも日々を生きていく日常。お笑い番組など、ささやかな出来事に救われながら、どっこい生きている。その姿が淡々と、しかし強いリアリティを持って描かれている。
状況に出口は見えず、改善の兆しもない。行政や