水野太貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自称言語オタクの水野さんの本。
ご本人はあとがきで「テーマがでかすぎて行儀の悪い本」とおっしゃってるけど、こういう本こそ「このジャンル面白いかも」と思わせる力があるのよね。
特に印象に残ったのはこのあたり。
■ヒトは200ミリ秒=0.2秒でターンテイキングしている
ターン=話者が交替するまでの発話
ターンテイキング=話者の交替
■「はい」より「いいえ」のほうが沈黙が長い
はい 平均150ミリ秒
いいえ 平均650ミリ秒語オタクの水野さんの本。
ご本人はあとがきで「テーマがでかすぎて行儀の悪い本」とおっしゃってるけど、こういう本こそ「このジャンル面白いかも」と思わせる力があるのよね。
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Posted by ブクログ
推しが単著発売したと聞きまして。
「ゆる言語学ラジオ」は結構初期からお世話になっているし、自分が30歳超えてから人文系書籍への道を歩みだすきっかけとなったターニングポイント的な番組。
いつもの軽妙な語り口を要素を残しながら、水野氏の普段は見せない言語学に対する情熱をひしひしと感じた。人文学への期待と信頼。私もそうあってほしいという願望込みで激しく同意です。
書籍としては言語学各論への導入としての役割を担っている。気になる人は(自分は語用論の理解を深めたい)巻末の参考文献へと進んでみよう。もしくは、彼のラジオを聴いてほしい。相方との掛け合いは度肝抜かれますよ、学問をこうやって楽しんでいいんだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に興味深い内容でしたが、1番心に残ったのは著者の終章の結びの言葉でした。
ヒトを中心的な対象とする人文学を学ぶことは、自分とはかなり違った他者を知ることで、自分が全く意識していなかった常識に気づけるということ。
ASDの人のコミュニケーションを取り上げて、定型発達の会話が普遍的で優れているわけではなく、多数派だから採用されているだけかもしれないと思い至る著者の感性。
新たな知識を得ることは必ずしも望ましい事ではないという文化を持つ人がいるということ。
言語について調べていく中で、自分を他者として捉え、改めて自分と出会う事ができるという視点は非常に興味深いものでした。
勿論会話の0.2秒の間 -
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオを聴いていなくても面白い!
著者は、ゆる言語学ラジオのパーソナリティ。本書では、ゆる言語学ラジオで聞いたことあるな、という話題も少し含むが、改めて文章で読むと水野さん独特の感性が光って面白い。
一冊を通して、語用論、統語論、意味論、音声学などの知識を引用しながら、ひとつの構文について脳内処理と発話の産出を言語学的に考察している。
参考文献も細かく付されているし、巻末では知識をもっと深めたい人のための書籍も紹介されている。
すでに読んだものがあれば、本書での内容もこの書籍のここのことだな、と理解できるので、なお面白い。
ちょくちょく出てくる水野エッセンスも笑える。
言語 -
Posted by ブクログ
実は大学のとき、言語学を少しだけやっていた。この本でも触れられている関連性理論のあたりなんだけど、ちょっと変則的……というか、言語学を体系的にやったわけではないので、関連性理論だけをピンポイントで少し知っている、という感じで、改めてこうしてまとめて読むことで、あぁそういう流れの理論だったのかと知ることも多く、あの頃なにを学んでいたのかと反省しかない。
やっぱり言語学、面白いんだよ。
言語学っぽい授業は、同じ学科の中でも変わり種みたいなものだったので、友人の間ではもっぱら「分からん…」という評判だったんだけど、まぁ、日頃意識しないでやっている会話をここまで分析していく学問は、ある種「屁理屈」 -
Posted by ブクログ
⚫︎ジェスチャー・オノマトペ = からだ的思考
⚫︎言語 = 分析的思考
①からだ的思考と、分析的思考のもとになる「イメージ」がある。
②その「イメージ」は、からだ的思考と、分析的思考で、成形される。
③成形されることによって、扱える(意識できる・表現できる)ものになる。
…この理解であっているだろうか?
ともかく、この整理は、おもしろい。
その上で、わたしが最も気になるのは、ここで「イメージ」と呼称されているものの正体である。
簡単に言えば、「言葉になる前のもの」だと思うが、それは、どんな姿かたちをしているのだろう?ということだ。
⚫︎人間は、カテゴリー化=抽象化によって、世界を