あらすじ
会話で相手と交替するまで平均0.2秒。この一瞬にどんな高度な駆け引きや奇跡が起きているのか――言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、「食べログ」レビューからお笑いに日銀総裁の会見、人気漫画まで俎上に載せ、日常の言語学をわかりやすく伝える、待望の書き下ろし。なぜうまく話せないのか。悩んでしまうあなたの必読書!
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Posted by ブクログ
いやあ、きれいな文章だなあ。というのが、この本を読みながらの最初の感想だ。
美しい形容詞に彩られているというのではない。私はそういう文章をきれいと思わない。
本書を読んでいくと、言葉の次に来るべき言葉が期待通りに来る。用語が正確で、不必要な重複もなし。主語、述語の噛み合わせや助詞、助動詞の使い方などで違和感がない。いらつきを感じずにスラスラスラスラと超高速で読み進められる。段落内の文や語の並びもいいのだろう。
本書には、こんな記述がある。
「コミュニケーションが上手な人とは、相手が正確な解釈を迷いなく導けるような、上手なヒントを与えられる人ということだ」
著者は文章に対して年少の頃から慣れ親しんでいて、さらに職業的にも鍛えられてきた人だった。「まえがき」にそれがさりげなく書かれてあって、なるほどなと思いながら読んだ。
さて本書は、人が「会話」をする能力について書いたものだ。言語学者の研究によると、会話での話者の交替には平均してわずか0・2秒しかかかっていないのだという。私自身の言葉を挟みながら説明すると、会話とは次のような複雑な行為だ。
人は「情報の有益さ」を得ようとして相手の話を聞く。すでに自前の世界観がある中で、ずっと推論を続ける。言葉の並びだけではなく、話の間や身振りなども受信する。払った注意力に比べて割りに合う情報を得られたら、そこで解釈を止める。並行して、自前の世界観を修正して自分が返答する内容も考えている。相手の話が終わるタイミングも注意深く見守る。それが会話での瞬時の話者交替を可能にさせている。
著者は、コミュニケーションのこうした特徴をよくつかんでいるからこそ、文字のみの文章でも情報を上手く伝えられるのだろう。読者への言葉の置き方が巧みなのだ。今の生成AIは、すでにうまい説明文を書くけれど、こういう人の文章術を取り込んで、さらに作文力を磨いていくのだろう。
ASDの話も興味深かった。共感を汲み取らない言葉の受け取り方は、一つの論理体系で理解しようとする学問的態度とも、どこか通じる。人間の複雑な意思疎通を、今の理系学問は解明できるだろうか。本書が人文学の不要論に対する異論に言及している部分で、そんな思いにもとらわれた。
余談だが、読後、なんだか佐藤多佳子作『しゃべれども しゃべれども』を再読したくなった。
Posted by ブクログ
かなり面白かった。素人が勉強することの意義を感じる一冊だった。
わかりやすい大きな問いの設定はそれだけで夢があるなと思う。読みやすさと分かりやすさが考えられており、よかった。
最後に出てる本も何冊か読もうかな〜
Posted by ブクログ
言語学のオリエンテーションのような本。
日常の些細な疑問から、たくさん思考し調べることができることも言語学の魅力。
語用論を入り口としてキャッチーなテーマとともに会話の構造を考察していた。
参考文献も読んでみたくなる、言語学の沼に引きずり込まれる1冊。
Posted by ブクログ
まえがきからすごい好きでした。本編は語用論や生成文法など難しい部分もあったがわからない読者に寄り添いながら構成されていたので楽しめた。
200ミリ秒の刹那で繰り広げられる世界を知り、これから人と会話するのが楽しくなりそうな気がしてます。ちょこちょこある自虐ネタがめっちゃ面白かった!笑いました
Posted by ブクログ
考えるきっかけを与えてくれる本でした。
例えば、フィラー(発話の中で出てくる、「うーん」「えーと」等)の役割や影響等について、「流暢に話せない場合の無駄なもの」ではなく、そこにも多分な情報が含まれているし、フィラーにより相手への返答に要する時間をひとまず短くすることで、沈黙の時間が減少して相手の不安に繋がりにくくなる(一部、勝手な解釈が入っているかもしれません)。
あとは、流暢性バイアスなる言葉も始めて知りましたが、納得の連続でした。
詐欺師は常に応用している話術なのかなぁと考えました。
言語学に類されるジャンルの本かは解りかねますが、私達が普段の生活で当然のように行っている会話とその構造について、興味を引き立ててくれる素敵な1冊でした!
Posted by ブクログ
言語学という専門性にとらわれず、どの章も大変わかりやすく解説されていました。
単純に「なぜ人は0.2秒で他者の意見や話を理解したうえで自らそれに応じた言葉を発すことができるのか?」という疑問点から出発し、さまざまな角度からコミュニケーションについて読み解いた本で、とても興味深く感じました。
仕事のプレゼンテーションにおいて役立つスキルとして、フィラー(あのー、えっと等)を減らすにはジェスチャーをつけるという仕組みが根本的に理解できました。
また、自分が自由に言葉を選んで話すことができる事は自分の才能ではなく、周囲から教えてもらった言葉を学習し、且つ吃音症状がなくはっきりと言葉を発す事ができるといった要素が複雑に関係していることを知りました。
普段、何気なくしている雑談がこんなにも複雑な脳の使い方をしていることをここまで明瞭にできたことはありません。本当に面白かった!
国語辞典を趣味で読むのも楽しそうだなぁ。
P.S.私は「右」や「左」の概念が分からず苦労し、悩んだこともありましたが、右や左の2つぐらい分かんなくても、全然問題ないか、そのくらい言語は複雑で難しいのだから!と思えました。
Posted by ブクログ
会話の間は0.2秒しかないらしい。いったい会話をしているときに、人は何を考えているのか?
会話というのは実はめちゃくちゃ高度な営みなんだなぁと思うと同時に、言語以外のコミュニケーションも込みでラリーをやっていく、というのは双方の協力なしには困難だし、だからこそ日々の会話で「失敗したなぁ」みたいなことも起こるのだ。
言語学、と謳っているものの、「会話」という営みを扱う他の人文学分野の研究結果なども調べられていて、「会話」という事象のいろいろな側面が見られて面白かった。さまざまなエピソードをいれて、読者を飽きさせないようにしようという配慮がいっぱいあったな……
あと著者の水野さんのゆる言語学ラジオリスナーなので、文章めっちゃ水野さんの声で再生されておもしろかった。独特な読書体験でした。
Posted by ブクログ
構成がわかりやすかった。
細かいところは少し難しく感じるところはありつつも、思考の道筋みたいなところはたどりやすく、すんなりと読むことができた。
Posted by ブクログ
最近、Google HomeがGeminiに対応したけど、一部で評判が悪いようである。その原因が数秒待たされることらしい。0.2秒で会話できる人にとって、この間は不安を感じるようである。
本書は言語学について初めて知るきっかけになった。文の樹形図を見ると生成AIが確率で文を生成する過程にも見えて、割と人もAIも同じ思考で会話しているんじゃないかと考えたりした。
それでも0.2秒でラリーができる人間がいかにすごいのか、ということでもある。
コミュニケーションするうえでこういう間を考えたりフィラーについて考えるいい機会になった。
Posted by ブクログ
どうして会話が成り立つのか、は英語を学習し始めた時から疑問だった。著者も同じ様に感じている方なのでは?と思い読み進めると、壮大なテーマをかいつまんで、1部は言及を避けてまとめてあった。
やっぱり会話が成立するって不思議だと再認識。日本語話者んpレスポンスが早いなんて驚き。中国語と思っていた。
Posted by ブクログ
僕らが普段行っている会話が、いかに高度な営みであるか、この本を通じて理解できた。
特に、フィラーについての章は、面接やビジネスの世界では批判的であることに違和感を覚えていましたが、本書でっフィラーの重要性や存在意義を提示していた部分が印象的で興味深く読めました。
最後のあとがきで、著者の小4のクリスマスプレゼントがドラベースであることの衝撃で(私自身コロコロでドラベース大好きでした)、本書の核の内容をほぼ忘れてしまいました。
全体的に読みやすかったです
Posted by ブクログ
- ちょうど別の場所で0.2秒のターンテイキングについて読んだことがあり、タイトルに惹かれて読んだ。
- 自分は高校卒業後にアメリカの大学に進学して、英語をまともに勉強したが、たしかに最大の壁は読むことでも書くことでも聞くことでもなかった。スピーチや面接ですら、パターン化と暗記で割とうまくこなせるようになった。難しいのは結局会話なのだ。というのはこれを読んで「そりゃそうだよな」とか思った。0.2秒で求められる情報処理が異常なのだ。
- ポッドキャストは良く聞くので、ゆる言語学ラジオについてもその番組名や知名度は知っていたが、言語学というテーマに惹かれず、聞いたことはなかった。これを読んでも正直言語学そのものにハマる、というほど刺激はなかったが、面白いトリビアがたくさんあり、普通に読み物として楽しめた。
p129
> ・2人が同時に手を挙げたらその時点で失格
> ・2人とも手を挙げない時間が0・2秒間続いても失格
> ・一方で、片方が手を挙げ続けるのも禁止。挙手時間は最大で60秒までとする
手を挙げる、が制約だとできないのに、会話をする、だと成立するの面白い。それほどに情報量が多いんだと知った。
p133
> 例えば会話のターンを取る場合。その0・5秒前に一瞬目をそらしてから発話者に目を合わせる傾向が強いことが、視線計測装置を用いた実験によってわかっている。
たしかに一瞬目そらすかも…。聞いてる時に相手見て、そのまま目線そらさずに話し始めるのむずいかも。
p157
> 身振りに制限がないグループと、両手で棒を持ったグループを比較すると、棒を持った方は成績が落ちたという
ジェスチャーができるできないで、言語化能力が変わるというのはすごい。通話の時もスマホは持つのではなく、イヤホンつけて両手上げた方がいいのかも。
p203
> 僕たちには、スムーズにわかりやすく説明されると、その内容をじやすくなるバイアスがあるようだ。これを「流暢性パイアス」という。
これ本当にそうだと思う。経営者のインタビューとか見てると、適切に質問に答えてるかというより、質問に一番近いエピソードを自分の引き出しから引っ張り出して、いかに流暢に喋るかどうか、が全てな気がする。聞いてる方もそのエピソード自体にインパクトがあることが多いから、なぜか関心して終わる、ということが多い。そしてインタビュアーもこいつ答えてねえな、と思っても同じ質問繰り返しづらいので、そのまま流すという…。
Posted by ブクログ
普段の会話のやり取りをここまで深掘りできるのか、と面白く読んだ。国だけでなく、日本内でも地域によって違うことがあることも興味深い。会話のテンポが良いと、心地よく感じたり、高揚感が得られることも分析してほしいと感じた。
Posted by ブクログ
あとがきがすごく味わい深い。いびつな家計配分が今の(興味関心に)いびつな自分を作ったという表現はもちろんのこと、監修を引き受けてくれたりアドバイスをくれる研究者がいてこそ取り組めたテーマだったと書いているのがリアルだった。たしかに壮大な問いだ、と思いつつ、これ以上くわしく文献を出されたら途中で放り出していた可能性があるので、ギリギリついていける難易度で書いてくれてありがたい。
印象に残っているのはやっぱりTBSのCROSS DIGでも語られていた部分で、複雑かつ高速な処理を要する会話を分析すればするほど「すらすらしゃべることを要求するのは暴力的ではないか」という疑問がわいてきた、という点。
さらに掘り下げると、
・彼女は海が好きだ
・彼女は海が好きだった
という2文があったとき、多くの人は前者を交際中の恋人、後者を元カノに対する表現として解釈する。しかしASDの人は、彼女が海を嫌いになったなど他の可能性がある限り決まった解釈はできないと判断したという例が興味深かった。
そこから導き出される、
「共感を通じたコミュニケーション自体が、多数派による暴力なのかもしれない」
という視点は、言語化と同じくらい共感が叫ばれる(というか共感のために言語化が必要なのかもしれない)中で、心に留めておきたい。
ふとした問いから始まった研究が新しい考え方を連れてきてくれる例を示している本で、とても面白かった。あと、就活中の身としてはフィラーやジェスチャー=悪ではないと主張してくれてうれしかった。
Posted by ブクログ
言語好きな作者が、会話や言語の不思議やメカニズムを分析している。
専門家が書いていないから、論文や書物の引用やくどい表現がなくて、凄く読みやすく、面白い。
そうか普段何げなく会話ってほんとに奇跡なんだと気づかせてもらえた。
会話が難しく感じる人にも送りたい書物です。
Posted by ブクログ
日常の会話に気付きと、他者の理解を高めてくれる視点をもらいました。OJTでも使えそうな知識がたくさんあったので、読み返しながら新たな発見を自分なりに見つけたい。
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオリスナーとして、読んだ方がいい気がしたので読んでみた。
会話に潜む奇跡について、存分に感じさせてもらった。あとは水野さんと堀元さんの絆を感じられるところがちょこっとあって、エモくて良かった。
Posted by ブクログ
とにかく簡単で読みやすい。はじめの方にも記載があるが、高校生にもわかりやすく書いてあるらしい。
YouTubeチャンネルをいつも見ている人は、水野さんの声で文章が再生されるし、なにより内容の半分くらいはラジオ内で触れられているので、誰でも理解できる内容だったと思う。誰も置いてきぼりにしない優しい設計とも言えるが、もう少し踏み込んで書いてくれればもっと面白いだろうに…!と思う点が多い。
最後についている参考文献や関連書籍の充実さに水野さんの誠実な思いが表れていると思う。3時間くらいあればサクッと読めるので、最近本に触れてない人や普段から本を読む習慣がない人にお勧めするのにはちょうどいいかも。
Posted by ブクログ
まず、テーマが最高に面白い。相手が喋り終わってからわずか0.2秒後に自分が話し始めている、その0.2秒で私たちの脳はどのような情報処理をしているのか、なぜそんなことが可能なのか。
そのことを多角的に(文脈、文法、単語)、学者たちの様々な研究を紹介しながら考えていく。専門書と違い、平易な文章で、まるで語りかけるように、たまに脱線や世俗的なな比喩を挟みながら進んで行く、楽しい本だ。
しかし。
僕は水野さん大好きだし応援してますが、この本は正直に言って、期待したほどではなかった。そのことが逆に僕にとっては言語学的に興味深かった。
何故なのか。理由は2つ。
1つめ。まるで語りかけるような本であるからこそ、「ゆる言語学ラジオ」にあってこの本には無いもの、つまり、『堀元さんの不在』が影響している。水野さんの語りに対してテンポよく反応し、相槌を打ち、コメントし、茶化し脱線する、堀本さんがこの本にはいなかった。だから楽しい本にするために、水野さん自ら脱線するのだが、スピーカー自ら脱線するのであれば、なんとなくこれが上手くいって無い気がした。NHK「100分で名著」の伊集院さんよろしく、メインスピーカーでない人が、読者/リスナーと一緒に感じてくれているというか、並走してくれている安心感や共感があるか無いか、これは大きいのだと思う。
2つめ。堀元さんがいない、1人語りなのであれば、脱線は少なくするか、ものすごく複雑で難しい話が長く続いた時だけで良かったかも。ラジオではなく本なのだから、こちらもモードが違って、もっと深く深く言語沼にハマっても良かった。もちろん「僕は」ということだけど、本に求める娯楽は、ラジオに求めるそれとは違うのだなと思った。内田樹/名越康文/西靖の「辺境ラジオ」も、ラジオは最高(コサキン以来の衝撃)だが、本は(ラジオほどは)楽しめなかったのを思い出した。
ということで、深い話は苦手、でも言語学に触れてみたい、そういう人にオススメ。
水野さんこれからも応援してます!
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオを聞くようになり本屋でバッタリと出会ったので購入。
普段気にもしていないが、人との会話の裏(脳)で行われていることや、それと同時に発生しているジェスチャーやフィラーなどについて分かりやすく書かれていた。
個人的に印象に残った点はフィラーやジェスチャーなどからだ的思考と、概念などを説明するときに使われる分析的思考が相互に関わり合っているという内容。私は普段からジェスチャーやフィラーが多いという実感があり、それらを必要とせず流暢に話せる人を羨ましく思っていた。なんなら頭の回転が他の人に比べて遅いので、無駄なジェスチャーやフィラーが発生していると思っていたりした。ただジェスチャーやフィラーは頭の中にある景色や考えを言語化していく途中で発生するもので、さらにそれを介して言語化を助けてくれるものだと知った。本の中では洗濯機が動くために発生するノイズに近いとも書かれていた。
ノイズとは書かれているのだが自分の中でこういった仕組みなのかということを知れたことで、(まったく頭の回転が早くなったとかではないのだが)気が楽になった。なんならこれからもジェスチャーやフィラーを駆使して言語化を加速していこうと前向きになった。
この本を読む前にはこういった気づきを得る目的ではなかったので少し驚いた。ただ著者もこの本を書き始めたときにはどういう答えや示唆を得るか分からなかったとも記載されていた、なんとなく親近感。
本に慣れていない人でも興味を持って読み進められると思ったし、内容も興味深いものばかりなので結構おすすめ
Posted by ブクログ
著者がYoutubeでこちらの本を紹介されてるのを見て
面白そうだな、と思って読んでみました。
パッと見、そしてYoutubeでの紹介がとても分かりやすかったので、この本も気軽に読めるかな...と考えてたけど
そう簡単ではなかったです・泣
(なんならYoutubeでのお話がやっぱり分かりやすかったです。)
本での説明はやはり限界があるのか、
もしくは個人的には話を聞く方が性に合ってるのかもしれません。私のような方は本を読んでYotube見てみるのもありかもしれません。
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオの方が書いてる言語学に関する本。
会話と会話の間の間の0.2秒に人間は、
文構造の解析・意味の理解・語用論的な推論・ターンテイキングの準備・応用内容の整理・応用内容の文章化、、、と
果てしないことをしているということが詳しく書かれている。
印象に残ったのは、フィラーの種類によって、
自分がどんな思考をしているか相手に伝わってしまうということ。
(えーとは、伝える内容やイメージを思い出したり作り出す時に使う。あのーは伝えるべき内容が決まっているので、適切な伝え方を考えている時につかう。無意識に使い分けている!)
無い方が良いとされているフィラーに注目することは無いので面白かった。
ほんと人間ってすごい
Posted by ブクログ
水野さんのユーモアを交えつつ、普段行ってる会話がどれだけ複雑で、ある種異常なものなのかを分かりやすく教えてくれる。「上司に怒られている時は下を向きながらスゥーっと言うのがその場を切り抜けるのに最も効果的」、「Zoomで会話する時、相手と話すタイミングが重なった時は大抵の場合は譲ってもらえるから、構わず話し続ける」あたりの件は思わず笑ってしまった。
Posted by ブクログ
会話のわずか0.2秒の裏側で何が起きているのか。その認知プロセスを解き明かす本だと思い、興味を惹かれた。
実際、方向性はその通りだが、読んでいくうちに少し違和感も出てくる。
言語学や音声学のトピックが次々に現れるものの、それらが明確に一本の軸に収束していくわけではない。「結局どこに向かっているのか」と立ち止まる場面もある。
ただ、その散漫さは欠点であると同時に、この本の読み方を決めている気もする。つまり、断片を拾いながら読む本だ。
自分にとって引っかかったのは、テクノロジーとの接点だった。
本書で語られる認知の仕組みが、AI、とくにディープラーニングや生成モデルの挙動と妙に重なって見える。
たとえば、「猫を定義できない」という話。
私たちは猫を言語的に定義できないが、見ればそれが猫だと分かる。それは、過去の経験から「猫らしさ」の分布を学習しているからだという。
この説明は、そのまま機械学習の発想に重なる。
また、人間は会話の中で常に次の言葉を予測している。
理解とは、受け取ることではなく、先回りして補完することに近い。
この構造もまた、ChatGPTの生成プロセスを思わせる。
もちろん、本書がAIとの類似性を意識しているわけではない。
それでも、読んでいるうちに、人間の認知と人工的な知能が同じ地平にあるように見えてくる瞬間があった。
その発見自体が、この本のいちばん面白い部分だった気がする
Posted by ブクログ
会話を分解して,なぜ成り立っているかを一つ一つ丁寧に見ていく一冊.
ゆる言語学ラジオの水野さんによる著書であり,『会話』でどんなことが行われているかをつぶさに解説していく.ジェスチャーや音程など,言葉だけでなくいろいろな要素を読み取って会話は成立しており,文化圏が変わるとおのずと会話のルールも変わってくる.自分の当たり前を相手に押し付けることは『会話』においてもタブーであり,尊重が大事だなと平凡な感想が思い浮かんだ.
Posted by ブクログ
想像していた内容と少し違い、専門的な言語の特性の話しが多かった。もう少し日常の心理的な話が中心だと思っていた。
そんな中、ビジュアルシンカーという言葉ではなく絵として頭に浮かぶ人は言葉にするのが遅いと知った。今後の人間関係において相手のことを理解するという点で役立つと思った。