あらすじ
会話で相手と交替するまで平均0.2秒。この一瞬にどんな高度な駆け引きや奇跡が起きているのか――言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、「食べログ」レビューからお笑いに日銀総裁の会見、人気漫画まで俎上に載せ、日常の言語学をわかりやすく伝える、待望の書き下ろし。なぜうまく話せないのか。悩んでしまうあなたの必読書!
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Posted by ブクログ
会話というとてつもなく難しいことを、人間は当たり前のようにこなしている。驚くことに2、3歳の小さな子どもでさえも。
僕にも6歳3歳の子どもがいますが、3歳の子供でさえ生活する上で問題のない会話ができています。それでもまだまだ辿々しいところもあるし、質問の意味を理解するのに時間がかかったりすることもある。
会話とはとてつもなく難しいもの。子どもの返答が遅くても、待ってあげるようにしたいと、あらためて思いました!
Posted by ブクログ
◼️ Q.(問い)
人はなぜたった0.2秒でターンテイキングできるのか?
◼️ A.(答え)
意味理解と発話の産出を並列・超高速で行っているから(が、なぜできるのかはよく分からない)
◼️ What(どういう意味?)
- 人はさまざまな情報をもとに言葉の意味を理解して会話する
- 単語の意味だけでなく、文脈や身振り、フィラーも解釈している
- なぜか自然にできているが、それは当たり前のことではない
◼️ Why(なぜこうまとめた?)
- 言葉を発したり解釈したりする能力には個人差がある
- 使用言語や文化、話者の特性など、多くの要因に左右される
- 自分ができることを当たり前と思わず相対化してみることが大事
◼️ How(何を実践する?)
- 『ゆる言語学ラジオ』は今後も聴き続けたい
- 話が伝わらない時は相手をよく観察する(どこにギャップがある?)
- 相手が理解するのに必要十分な情報を提供できているか振り返る
◼️ Keywords
- 生成文法:自然な文章を作り出すためのルール集(例. 樹形図)
- 言語行為論:言葉を外界への働きかけと捉える考え方
- 人は言葉の意味を「対応する現実の比喩」で捉えている
- 協調の原理(グライス):量, 質, 関係性, 様態 の公理
→ 必要十分な情報, 正しい情報, 関連する情報, 順序立った言い方
→ 公理に反する表現には何らかの意図が込められている
- 発話の終了前にはサインがある(例. 声の大きさ、視線、身振り)
→ オンライン会話ではこれらが感じ取りにくいので被りやすい
- フィラーや身振りには言語化を促進する役割もある(相互配慮)
- 人は妥当な解釈ができた段階で発話解釈を止める(コスパ重視)
→ 生成AIも本質的には同じ?(妥当な解釈ができたら応答を生成する)
→ 相手が正確に解釈できるようにヒントを与えるのが発話者の役割
- 会話のスピードや話し方はその人の特性に依る(違って当たり前)
- 自分の言語化力や発話力は当たり前ではないと心得る
Posted by ブクログ
著者のいうこの本の歪さというのはよくわからんかった。なぜなら私は体系的な知識を持ってないからね。
ただ、我々が特に意識することもなく行っている会話を分解してみると結構複雑なことを高速でやっているというのは非常に面白く感じた。
自分自身や、自分の属している社会を客観的に見られる機会を得るという意味でこういった人文系の本は価値があるし、その価値は体系的であることとはあんまり関わらんと思うんだよね。
Posted by ブクログ
小学生ぶりに読書にハマったので
登録一本めは推しの本を。
ラジオ内でも言っていたがわかりやすい、読みやすい
言語学について最近興味を持つようになった自分には、これをきっかけに他の本を深掘りしたくなった
全国の中でのコミュニケーションの仕方の違い
猫のことを正しく伝えることはできるか?
イギリスのデレク・ベントリー事件
めちゃくちゃ面白かったなあ
何回か読むことになりそう
Posted by ブクログ
ラジオでいつも話題になっていた本、やっと読めた。感想としてはジェーンスーさんの本と同じく、喋りが上手な人の本(喋りをそのまま本にしたエッセーや本書など)は、喋りで聞いた方がわかりやすいかもと思ってしまうが、ある意味水野さんそのものの内容と語り口が再現されているともいえる(たぶんオーディオブックに向いているのでは!?)。
この本のために社交を捨てた話とか、上手に自分がしゃべることで傷つけてきた相手もいるのではと己を振り返るようになったという話をラジオで聞いていたので、そういう人間味あふれる部分が面白かった。正直、言語学的な要素の部分は何度か読み直さないと難しいが、でも入門書の入門として優しく例を多用して説明してくれていて、ラジオの副読書として最高かもしれない。
Posted by ブクログ
会話では、一人の話者が話し終えてから、次の話者が話し始めるまでの間隔は平均してわずか0.2秒しかないらしい。この0.2秒のターンテイキングの「間」にいかに高度な駆け引きが起こっているのか、という謎をリサーチ・分解した本。
たとえば、以下のような具体例を通して、会話のわずか0.2秒の間に私たちの脳が無意識のうちに行っている処理について考察されている。
・日本語が多義であるゆえに、その意味の取り違えで数十年来の友人である言語学者同士がすれ違ってしまった話
・脳はある語を聞くと、意味的に近い語や似た響きの語を活性化させる(パンジー→チンパンジー→ゴリラ)という話
・サッチャーが記者に話を遮られるのは、発話の終了のシグナルの認識が原因のすれ違い(「降下する声の高さの程度」と「降下に要する時間」)ではないかという話
・我々が会話の応答者の沈黙時間にどのような意味を見出すのか(たとえば、話し手は聞き手が頼み事を聞き入れる気持ちがどのくらいあるかを平均して600m秒を基準に判断している)という分析
・ASD児は方言を話さない傾向があるという話
・フィラーの「あのー」「えーと」は使える場面が異なり、「えーと」はつけられるのに、「あのー」をつけると不自然になる文脈が存在すること
「会話はシビアな音ゲー」という水野さんの結論はもともと同意できる感覚だったけれど、0.2秒の中でこれだけ複雑な認知の処理をしているのだと思うと、言語学の奥深さと面白さを実感する。
Posted by ブクログ
著者の人柄がほんとうに素晴らしいのよ。それがもう、一冊丸ごと通して満ち満ちていて、愛おしくてたまらん!
っていうのがファンとしての感想で、
真剣に会話の0.2秒で行われていることをこういうふうに捉えたら、なんか緊張して話すの怖くなる、笑顔がひきつっちゃうなぁというのが率直な感想、
でも、これまでの人生で失敗してきたコミュニケーション(とくに就活)を、そっと包み込むように肯定してくれたところが最高だった、というのが読後感。
分かりやすく、学術的な空気を吸えるところもよかった!
Posted by ブクログ
こちらも長らく読みたかったもの。”ゴリラ~”のときにも思ったけど、軽妙な語り口が絶妙ですな。研ぎ澄まされた言語感覚からきているものだろうけど、お見事です。しかし確かに、会話のキャッチボールって、何気ないように思えるけど実は芸術ですな。
Posted by ブクログ
Podcastでは仕事柄もっぱら「ゆるコン」の方を聞いているのですが…学問的に興味があるのは言語学なので本書を読んでみました!
読後に一番感じたことは、自分の発言に対して相手がなぜそのような反応・返答・発言をしたのかを逐一考えてみたいということです。
その発言の裏で行われた0.2秒の処理過程を考察することは、自分の発言を省みたり相手の状況を慮ったりすることにもつながります。
本書は「(会話において)200ミリ秒でターンテイキングするにはどのような処理が必要か」についてまとめたものとのことで、実際、相手の話を聞いてから発話を返すまでの処理が、体系的にわかりやすく説明されていました。
一方で、筆者も触れているように「なぜたった200ミリ秒でターンテイキングが実現できるのか」という認知能力の面は分析・説明されていません。
また、会話については自分の中でさらなる疑問も湧いてきました。
例えば、話し手として日常的に、「上手く言い表せなかった」「どれだけ言葉を尽くしても語れない」「(相手に)真意が伝わっていない気がする」と感じるのはなぜだろうか、ということ。
もちろん個人によるボキャブラリーの幅が、原因の一つにはあるはずですが、認知と言語との間には言い表せない大きなギャップがあるのではないかと思います。
認知は言語化される際に、ある程度の要素を削ぎ落とされて分類されている(アナログ→デジタルのようなイメージ)ともいえるでしょうか。
この点は、2章で触れられた単語の成り立ちとも関わってきそうです。
また、文中にも出てきた『警官は叫びながら逃げる男を追った』の解釈について。
記述文であれば間に読点を入れることで、ひとつの意味にまとめられるけど(「叫びながら」の後に読点を入れれば叫んでいるのは警官)、口語の場合、どのようにして聞き手に意味の違いを知らせているのか。
息継ぎのわずかなタイミングのほかは、前段階の会話との整合性、一般常識などなど様々にある気はします。
これらも含めて言語学に関する文献を読み込んでみたい気持ちはありますが、なかなか難解そうでハードルも高いので、水野さんまた続編書いてくれないかな〜と期待!笑
また本筋とはずれますが、言語学や哲学などいわゆる文系学問は「すでに私たちが実行しているのにそのメカニズムが明らかになっていないこと」を探求するもので、情報学や生態学など理系学問は「新たな技術を生み出すための学問」だなと思いました。
さらに文系学問で得た知見は、人同士の隔たりに対する配慮につながり、理系学問は隔たり自体をなくす(改善する)方法を模索し実現する学問だといえます。
一方水野さんはあとがきで、『人文学は「ヒト」に焦点を当て、理系学問では「ヒト」もその他物質や生物と同様に扱う』という違いを見出していましたね。
その視点にもめちゃくちゃ納得です。
ちなみに、まっっったく関係ないのですが、お笑い芸人によって「さん呼び」と「氏呼び」のちがいがあるのはなぜなんでしょうか………気になりました笑
Posted by ブクログ
会話のターンテイキングにかかる時間は平均で200ミリ秒しかない。その短い時間に、人は相手の発言を理解し、自分の言いたいことを組み立てている。
当たり前にやっているけれど、その中身を見ると、とっても難しいことをやっているよね、というお話。
いや、それどころか、なんでこんなことができるのか、実はまだわかっていなかったりするらしい。
会話のターンテイキングを題材に、文や単語の意味理解、コミュニケーションに関する研究を紹介している。
なかでも印象的だったのが、文の理解には二次元構造が必要だ、という話。文や発話は一次元的に表現されるが、それを理解しようとすると、その階層構造(=二次元構造)を理解しなければならない。
当たり前のように日々やっている文の理解だけれど、どうやってできているのか分からないし、二次元構造への分解と再構築なんてことをやっているという自覚もない。でも、突き詰めて考えると、そのようにしているとしか思えない。不思議。
最後の方で、好きな本である「自閉症は津軽弁を話さない」が出てきて嬉しかった。吃音まで話が広がったりして、話題の広さが面白い。
著者の本職が編集者ということは知っていたので、てっきりこの本が出ている新潮社の人なのかと思ったら、違うらしい。
どうやったら編集者の人が同業他社から著作を出す流れになるんだろう、不思議だ…
しかも、過去に別の出版社から出ている著作もあるらしい。そちらも読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
当たり前のように日々行っている会話だが、よく考えてみると、相手の発話を瞬時に理解し、自然に返答できること自体が非常に高度な認知処理であることに気付かされる。本書では、その過程をわずか200ミリ秒という短い時間の中で何が起きているのかという視点から、言語学や認知科学を交えて丁寧に解説してくれる。
特に印象に残ったのは、「文は単なる語順ではなく階層構造として理解される」という統語論の話と、「人は少ない認知コストで十分に納得できる解釈を選ぶ」という関連性理論である。普段は意識しない会話の裏側に、これほど精巧な仕組みがあることに驚かされた。
また、相手に伝わりやすい文構成を意識することや、相手にとって関連性の高い情報を提示することが、分かりやすいコミュニケーションにつながるという点は、仕事での説明やプレゼンにも活かせる学びだった。会話という身近なテーマを通して、人間の認知の奥深さを実感できる一冊だった。
Posted by ブクログ
またまたpodcastゆる言語ラジオの水野太貴さんの本。
前回は子供のいい間違いで楽しくわかりやすかったが、今回は本格的。
ひとは、たった0.2秒の間に、話し手の言葉を理解し、さらに自分の言葉を用意し、
対話する。そのすごさを分析した本。
難解。
最後のほうのまとめから引用すると、
聞き手は
●文構造の解析 単語の切れ目を解析 語と語の結びつきを分析
●意味の理解 意味の検索
●語用論的な推論 イエスノー疑問か、言語行為か、、、
をして、話し手の発話を理解する。
そこから今度は自分自身が話し手となるために
●ターンテイキングの準備 自分がいつしゃべるタイミングかを計る
●応答内容の整理 フィラー(えーと)やジェスチャーで
●応答内容を文にする 相手を気づつけたり不快にしないよう
●応答 音声産出
となる。ここまでが200ミリ秒。つまり0.2秒というのだ。
普段何気なくかわす対話も、こうして考えると、深い。
フィラー、「えーと」、「あのー」も、場面場面で適切か否かが変わる。
深い。深いぞ。
自閉スペクトラム症(ASD)に話が及ぶのがまた興味深い。
「ASDの子は津軽弁でなく標準語を話す」説。
津軽地方でもTVが発達、標準語がベースとなるが、
子供たちは、相手と近くなると津軽弁で話し出すという。
それがASDの子はいつまでも標準語のままだと。
これは考えさせられる。相手との距離が取りにくい、相手の立場で考えられない
ASDの特性を良く表している。
深いなあ。
Posted by ブクログ
おもしろいですね。言語ってものが自己完結的ではなく、五感という土台によって支えられている、といたら、AIが人間と同じ知性を獲得することはないような気がしました。
Posted by ブクログ
会話って相手の話を聞いてから自分が発言するまでのわずか0.2秒で無意識のうちに色んなこと処理してるんだよ、という本。
身近過ぎて逆に難しいような内容をわかりやすい例で紹介してくれるので読みやすい。
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオの水野さんの著書。
会話の0.2秒を言語学する、と言うタイトル通り、各章で会話に必要な要素について理解を深めていく。
例え話で進んでいき読みやすく日本語の、そして言語の話を展開していく形式はわかりやすく読みやすかった。例えでアカギの話とかは水野さんがしたいだけでは?とおもったけど。
Posted by ブクログ
言語学のこと全然知らなかったことを知った。知らないことたくさんあって面白かった。無知の知〜。
私も親しい人に喋りすぎがちだから、言葉の暴力行使しがちかもしれない。
吃音や自閉症の特性を言語学から理解しようとするのも興味深かった。
言語学にせよ経済学にせよ、学問ってどんどん発展していくものなんだなぁ。その過程を少し知るだけで面白い。
Posted by ブクログ
膨大で難解な言語学のいろいろな分野のさわりをうまーく掬い取っている、のかな?
学識も学究的好奇心も皆無、といったタイプの私でも楽しくいろんな分野を横断的につまみ食いできる。「ゆる言語学ラジオ」のエッセンスを煮詰めて香りよくした、みたいな内容。
しゃべりばかりじゃなく、これだけ文章もうまいんだなあ、水野さん。年齢ほとんど変わらないのにこれだけの才能と人脈に囲まれて、それらをいかんなく発揮した、そんなふうに感じる。次の本もたのしみ。
Posted by ブクログ
会話の返答にかかる時間は、平均0.2秒。そのたった一瞬のなかで、わたしたちは相手の意図を読み取り、次の言葉を組み立て、タイミングまで計算している。
「間」や「フィラー(えーと、あのー)」にも、ちゃんと意味があった。それを知ったとき、日常会話がまったく違う景色に見えてきた。
学術的なのに読みやすく、気づいたらぐんぐん引き込まれていた。「ゆる言語学ラジオ」が好きな人はもちろん、コミュニケーションが苦手だと感じている人にも届いてほしい一冊。
Posted by ブクログ
自分は他人と比べて会話のテンポが遅いと思う。何を話してよいのか分からず沈黙となり、気まずい空間だけ残るということが多々あり、なぜ他の人はスムーズに会話が続けられるのだろうと疑問があり、この本を手に取った。話を聞いているとき脳内ではどんなことが繰り広げられているのかの説明があり、あ、自分はこれが詰まっているのだと分かった。
また、「えーと」や「うーん」といったフィラーについて、AIの要約を行うとこれらはノイズとして処理されるが、使われた背景をタグ付けすることで発言者の感情や会話の状況に意味付けすることもできそうだ。
Posted by ブクログ
ある程度専門的な内容が出てくるものの、ほとんど止まることなく読み続けることができ、相当根気強く推敲されたであろうことが容易に伺える。
こういった読み物は小説のようなストーリーと対面するものとは異なり、読み続つづけるには著者への信頼感がとにかく重要だと感じる。それは、言葉遣いや言葉の定義だったり、章の構成やその抜け漏れのなさだったり、上手な脱線の仕方だったり、要するに「ノイズの多さ・少なさ」により著者への信頼が積み重なったリ、失われたりする感覚があるが、とにかくこの本はノイズが少ない。それが元々面白いテーマではあるがやや専門的である内容を補助するためのサイドストーリーをすんなり読ませてくれることで、最後まで楽しく読める。
とはいえ、かなり入門であり、ある程度言語学に興味がある方にとっては、とても当たり前のことが書かれているので、そう思って読んだ方が良い。
Posted by ブクログ
本当にめちゃくちゃ言語学の本だった。
理解できなかったところもあるが、終章は結構面白かったのと、あとがきで「人文学は自分と出会え直せる学問」と書いてあったのが、とてもかっこよかった。
もっと本を読もう。
Posted by ブクログ
日々自然と当たり前に会話をしていること自体に疑問を抱き、どうしてすぐに相手の意図を汲み取って返答できるのか?という問いに、作者の興味の赴くまま挑んだ著書。
日本語学的な知識もほとんど自分が、あまり何も意識せず、言葉を使い分けていることにも驚いた。
また、筆者の結論である200ミリ秒での会話速度がむしろ異常だという考え方をすると、ある意味人に寛容になれる気がする。
Posted by ブクログ
YouTubeのポッドキャスト、『ゆる言語学ラジオ』のパーソナリティ・水野氏の著書。
会話のキャッチボールは何気なく行われていますが、脳内では超高速で処理しているということが何となくわかります。ただし、言語学の話が絡むとやや難解なところはあります。
日常会話ではふつうに使われているのに、言語学の立場では諸説あり定まっていないところは面白いです。『ゴリラを植えたよ』よりはより言語学の世界に踏み込んだ内容という印象でした。
Posted by ブクログ
会話って、思っていた以上に精密にできているんだなと驚いた。
人は会話のターンをわずか0.2秒ほどで交代しているという。1秒の沈黙でも違和感が生じるという話には「たった1秒で?」と思った。だけど、考えてみれば「えーと」「うーん」と言いながら話すのも、違和感を生じさせず、ターンを保持するための発話なのかもしれない。
「ネコ」の意味を説明できないという話も面白かった。経験から頭の中に作られた「ネコ」の集合体は人によって少しずつ違う。それでも私たちは、相手も似たものを思い描いていると見込んで話している。現実には存在しないものまで言葉で共有できて、言語ってすごい。
難しくて理解しきれないところもあったけれど、いつもの何気ない会話が興味深くなった。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴いた
会話の不思議を一緒に探索した気持ちに慣れて面白かった。
あと、日本人が、実は会話の間隔が短いというのは面白かった。
自分はすぐに人の話を遮りがちなので、ますます、感じ入った。
Posted by ブクログ
かねてから読みたかった本。
それが、落手したのが、残念なことに、一年に何度かしかない「てやんでぇ、こちとら忙しいんでぃ!」という繁忙期に当たってしまった。
著者の方には大変申し訳ないが、あまり楽しんで読むことができなかった。
タイトルのように、人は会話のターンを交代する0.2秒という短い時間の中で、一体どんな処理を行っているのかを、さまざまな言語学者の説を織り交ぜて解明していく。
ポッドキャストのプレゼンターらしいおしゃべりを、エッセイとして楽しむ趣向の本なのだと思う。
そしてそれが、今回自分にはよろしくなかった。
ストレートに話を進めてくれ!と思ってしまったのだ。
オースティンの言語行為論、グライスの協調の原理、ソシュールの共時態、アメリカ構造主義言語学のブルームフィールドからチョムスキーの生成文法、レイコフとジョンソンの認知意味論、ハーヴィ・サックスに始まりシェグロフとジェファーソンが発展させた会話分析…。
錚々たる研究者たちの成果が次々と披瀝される。
その研究者たちの顔がイラストで描かれている。
著作権の関係で、写真が使いにくいのだろう。
少し前に同じようにイラストで表示した本があったのを思い出したり、ソシュールがなんとなく漱石に似ているように見えたり、こちとら、まったく集中力がなく。
ただ、筆者の言う、人が言葉を話すのは、スムーズに会話が成り立つのは、奇跡に近いことなのだ、という言葉には、しっかり受け止めるべきなのかな、と思う。
流暢な会話力が有能さを表すという神話は、見直す必要があるのだな、と思えたことは、自分にとっては意味のあることのような気がする。
Posted by ブクログ
言語学で主要な理論が紹介されている。ターンテイクの話から入って、フィラーや吃音までとどんどん議論は広がっていく。それゆえに少し話が散らかってしまっている感があった。
フィラー「えーと」と「あのー」についての話が興味深かった。フィラーさえも私たちはちゃんと使い分けていることに驚いた。
「えーと」は「そもそも伝える内容を処理している段階」、「あのー」は「その伝え方を考えている段階」で出るということだ。(p147)
つまり、「えーと」と言っている時は、伝える内容を考えている時に発話され、「あのー」は相手にどのように伝えようか考えている時に発話される。だから独り言で「えーと」は言っても「あのー」とは言わない。
なるほどな―と感心した。こうやって分析すると、しっかりと法則が見つかる。だから言語学者は言語学の沼にはまるのだろう。
Posted by ブクログ
2026 06/09
当たり前にやっている会話のキャッチボールの隙間の時間の200ミリ秒を、言語学から研究し分析し「自分はこんなに複雑なことを自然と行なっていたのか」と驚く。
著者はそれを「自分と出会い直す」と表現する。
『知』を追い求める人たちって本当に面白い。200ミリ秒の間に脳で起こっていることは、何となく想像できるし、フィラー(「えーと」のように、発話の合間に挟み込むことば)やジェスチャーがただのモブではなく大事な役割を担っていることだって、何となくわかる。でも、『何となく』なんだよなぁ。でも、『何となく』で事足りるんだよなぁ。でも、その『何となく』を知りたいんだよなぁ。
人間って、本当に貪欲で面白い。
「人文学ではヒトを中心的な対象にする。自分とは違った他者を知ることで、自分がまったく意識していなかった常識に気づける。
つまり、自分を他者として捉え、改めて出会うことができる。これが人文学の魅力の一つ」
だと言う著者のこの言葉、すごく好き。
分かったような分からないような。言語化が苦手な私には読書感想文を書くのが難しい。
なので、せっかく著者が、
「なんで頭のいい研究者たちが寄ってたかって、誰でも理解でき、使いこなせている現象についてこんなに小難しい議論をしているのか、目線で楽しんでほしい。身近に感じれる」
と言ってくれているので、そのノリで読ませていただきました(第一章の「させていただく」を「食べログ」で研究する、を思い出したぞ)。
あんまり難しく考えずに楽しんで読めばいいと思います。