あらすじ
会話で相手と交替するまで平均0.2秒。この一瞬にどんな高度な駆け引きや奇跡が起きているのか――言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、「食べログ」レビューからお笑いに日銀総裁の会見、人気漫画まで俎上に載せ、日常の言語学をわかりやすく伝える、待望の書き下ろし。なぜうまく話せないのか。悩んでしまうあなたの必読書!
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Posted by ブクログ
会話では、一人の話者が話し終えてから、次の話者が話し始めるまでの間隔は平均してわずか0.2秒しかないらしい。この0.2秒のターンテイキングの「間」にいかに高度な駆け引きが起こっているのか、という謎をリサーチ・分解した本。
たとえば、以下のような具体例を通して、会話のわずか0.2秒の間に私たちの脳が無意識のうちに行っている処理について考察されている。
・日本語が多義であるゆえに、その意味の取り違えで数十年来の友人である言語学者同士がすれ違ってしまった話
・脳はある語を聞くと、意味的に近い語や似た響きの語を活性化させる(パンジー→チンパンジー→ゴリラ)という話
・サッチャーが記者に話を遮られるのは、発話の終了のシグナルの認識が原因のすれ違い(「降下する声の高さの程度」と「降下に要する時間」)ではないかという話
・我々が会話の応答者の沈黙時間にどのような意味を見出すのか(たとえば、話し手は聞き手が頼み事を聞き入れる気持ちがどのくらいあるかを平均して600m秒を基準に判断している)という分析
・ASD児は方言を話さない傾向があるという話
・フィラーの「あのー」「えーと」は使える場面が異なり、「えーと」はつけられるのに、「あのー」をつけると不自然になる文脈が存在すること
「会話はシビアな音ゲー」という水野さんの結論はもともと同意できる感覚だったけれど、0.2秒の中でこれだけ複雑な認知の処理をしているのだと思うと、言語学の奥深さと面白さを実感する。
Posted by ブクログ
著者の人柄がほんとうに素晴らしいのよ。それがもう、一冊丸ごと通して満ち満ちていて、愛おしくてたまらん!
っていうのがファンとしての感想で、
真剣に会話の0.2秒で行われていることをこういうふうに捉えたら、なんか緊張して話すの怖くなる、笑顔がひきつっちゃうなぁというのが率直な感想、
でも、これまでの人生で失敗してきたコミュニケーション(とくに就活)を、そっと包み込むように肯定してくれたところが最高だった、というのが読後感。
分かりやすく、学術的な空気を吸えるところもよかった!
Posted by ブクログ
ずっと気になっててやっと手に取れた.最後まで面白く読めた.次に読みたい本や調べたいことがいくつか出てきたので,会話分析を知るときのとっかかりとしても良さそう.
こういう会話分析って実際のコミュニケーションUIに反映されてたりするんだろうか?非言語コミュニケーションって実は相当難しいことなのでは?そこにどうAIやらなにやらが介入できるだろうか..そんなことを考えながら読み進めていた.
いつもYouTube見てるので,その辺のまとまった話が一挙に読めて良かった
「手話は音声言語の手の形に置き換えたものではない」と明記されていたのも好印象だった.言語として音声言語だけじゃなくて手話言語についても少し触れられていた.
どうでもいいけど,「行う」が正しいと思ってたんだけど,この本では一貫して何箇所かで「行なう」の表記をしていて,調べてみるとどうやらどっちも正しいということを知った.
Posted by ブクログ
会話に対する前提が覆る本
知識の多さは解釈の多さ、謙虚さ寛大さにも繋がると改めて考えさせられた
現代は言語化するスピードが早いほど頭が良い、仕事ができるとされがちで、まさにそこに自分の弱さがあると信じて疑わなかったけど、その視点だけで一概に地頭が良くないなどと評価すること自体視野が狭い
考えたこともない知識に出会えることが本を読む醍醐味
食わず嫌いせず、偏りすぎず、色んな分野に触れてアップデートしていきたい
Posted by ブクログ
いやあ、きれいな文章だなあ。というのが、この本を読みながらの最初の感想だ。
美しい形容詞に彩られているというのではない。私はそういう文章をきれいと思わない。
本書を読んでいくと、言葉の次に来るべき言葉が期待通りに来る。用語が正確で、不必要な重複もなし。主語、述語の噛み合わせや助詞、助動詞の使い方などで違和感がない。いらつきを感じずにスラスラスラスラと超高速で読み進められる。段落内の文や語の並びもいいのだろう。
本書には、こんな記述がある。
「コミュニケーションが上手な人とは、相手が正確な解釈を迷いなく導けるような、上手なヒントを与えられる人ということだ」
著者は文章に対して年少の頃から慣れ親しんでいて、さらに職業的にも鍛えられてきた人だった。「まえがき」にそれがさりげなく書かれてあって、なるほどなと思いながら読んだ。
さて本書は、人が「会話」をする能力について書いたものだ。言語学者の研究によると、会話での話者の交替には平均してわずか0・2秒しかかかっていないのだという。私自身の言葉を挟みながら説明すると、会話とは次のような複雑な行為だ。
人は「情報の有益さ」を得ようとして相手の話を聞く。すでに自前の世界観がある中で、ずっと推論を続ける。言葉の並びだけではなく、話の間や身振りなども受信する。払った注意力に比べて割りに合う情報を得られたら、そこで解釈を止める。並行して、自前の世界観を修正して自分が返答する内容も考えている。相手の話が終わるタイミングも注意深く見守る。それが会話での瞬時の話者交替を可能にさせている。
著者は、コミュニケーションのこうした特徴をよくつかんでいるからこそ、文字のみの文章でも情報を上手く伝えられるのだろう。読者への言葉の置き方が巧みなのだ。今の生成AIは、すでにうまい説明文を書くけれど、こういう人の文章術を取り込んで、さらに作文力を磨いていくのだろう。
ASDの話も興味深かった。共感を汲み取らない言葉の受け取り方は、一つの論理体系で理解しようとする学問的態度とも、どこか通じる。人間の複雑な意思疎通を、今の理系学問は解明できるだろうか。本書が人文学の不要論に対する異論に言及している部分で、そんな思いにもとらわれた。
余談だが、読後、なんだか佐藤多佳子作『しゃべれども しゃべれども』を再読したくなった。
Posted by ブクログ
かなり面白かった。素人が勉強することの意義を感じる一冊だった。
わかりやすい大きな問いの設定はそれだけで夢があるなと思う。読みやすさと分かりやすさが考えられており、よかった。
最後に出てる本も何冊か読もうかな〜
Posted by ブクログ
言語学のオリエンテーションのような本。
日常の些細な疑問から、たくさん思考し調べることができることも言語学の魅力。
語用論を入り口としてキャッチーなテーマとともに会話の構造を考察していた。
参考文献も読んでみたくなる、言語学の沼に引きずり込まれる1冊。
Posted by ブクログ
自分は他人と比べて会話のテンポが遅いと思う。何を話してよいのか分からず沈黙となり、気まずい空間だけ残るということが多々あり、なぜ他の人はスムーズに会話が続けられるのだろうと疑問があり、この本を手に取った。話を聞いているとき脳内ではどんなことが繰り広げられているのかの説明があり、あ、自分はこれが詰まっているのだと分かった。
また、「えーと」や「うーん」といったフィラーについて、AIの要約を行うとこれらはノイズとして処理されるが、使われた背景をタグ付けすることで発言者の感情や会話の状況に意味付けすることもできそうだ。
Posted by ブクログ
後半から急激に面白くなる。
人は1秒以上の間があると答えにくいかなとか、邪推し始めるらしい。すごくわかる。
まとめは、研究者ならしなさそうな結論。
つまるところ、会話はすごく高度なので普通にできるのがすごい。普通にできるのが才能があるのだから、普通にできないのが普通であってもいい。ということ。
この本では人文系では、
「自分と出会いなおす」とあるけど、まさにそうだ。
人文学は人を特別視する。対象となる人は同じ文化、とは限らない。そうして自分と異なる他者を知ることで、自分の意識していなかった常識に気づける。
自分を他者として理解することで、改めて出会うことができる。
いい言語化ですね。
Posted by ブクログ
ある程度専門的な内容が出てくるものの、ほとんど止まることなく読み続けることができ、相当根気強く推敲されたであろうことが容易に伺える。
こういった読み物は小説のようなストーリーと対面するものとは異なり、読み続つづけるには著者への信頼感がとにかく重要だと感じる。それは、言葉遣いや言葉の定義だったり、章の構成やその抜け漏れのなさだったり、上手な脱線の仕方だったり、要するに「ノイズの多さ・少なさ」により著者への信頼が積み重なったリ、失われたりする感覚があるが、とにかくこの本はノイズが少ない。それが元々面白いテーマではあるがやや専門的である内容を補助するためのサイドストーリーをすんなり読ませてくれることで、最後まで楽しく読める。
とはいえ、かなり入門であり、ある程度言語学に興味がある方にとっては、とても当たり前のことが書かれているので、そう思って読んだ方が良い。
Posted by ブクログ
会話で相手に返事するまでの時間は平均“200ミリ秒(0.2秒)”。このデータを見たときに、私たちは日常のなかで無意識にだいぶ高度なことをやっているんだなあと驚かされた。テーマが難しそうだな?と読む前は少し身構えたけど語り口が柔らかくて読みやすく、内容も面白かった。
特に印象的だったのは、会話を支える「ノイズ」の役割。普段、相手の「あのー」「えっと」の多さや、過剰なジェスチャーについイライラしてしまうことがあるけれど、そうした間や動き「ノイズっぽいもの」こそが会話を円滑に成立させているのだと納得。
Posted by ブクログ
面白かった。
最後まで興味深い内容で一気に読んだ。
私も言葉の意味を改めて知りたいと思い、辞書を買ってしまった。
著者のYouTube等は見たことがなかったが、こんなに分かりやすく説明できる人ということはきっと会話も聞いてて楽しいのだろうと思い、聞いてみようと思う。
Posted by ブクログ
言語学について言及した本で、今まで全く意識したことがない会話の言い回しや空白、フィラーやジェスチャーに至るまで多角的に会話を捉えた面白い本。自分の会話の癖と照らし合わせながら読むと特に面白く、自分がなぜ会議中にフィラーを入れてしまうのかが腹落ちできた。
Posted by ブクログ
構成がわかりやすかった。
細かいところは少し難しく感じるところはありつつも、思考の道筋みたいなところはたどりやすく、すんなりと読むことができた。
Posted by ブクログ
最近、Google HomeがGeminiに対応したけど、一部で評判が悪いようである。その原因が数秒待たされることらしい。0.2秒で会話できる人にとって、この間は不安を感じるようである。
本書は言語学について初めて知るきっかけになった。文の樹形図を見ると生成AIが確率で文を生成する過程にも見えて、割と人もAIも同じ思考で会話しているんじゃないかと考えたりした。
それでも0.2秒でラリーができる人間がいかにすごいのか、ということでもある。
コミュニケーションするうえでこういう間を考えたりフィラーについて考えるいい機会になった。
Posted by ブクログ
僕らが普段行っている会話が、いかに高度な営みであるか、この本を通じて理解できた。
特に、フィラーについての章は、面接やビジネスの世界では批判的であることに違和感を覚えていましたが、本書でっフィラーの重要性や存在意義を提示していた部分が印象的で興味深く読めました。
最後のあとがきで、著者の小4のクリスマスプレゼントがドラベースであることの衝撃で(私自身コロコロでドラベース大好きでした)、本書の核の内容をほぼ忘れてしまいました。
全体的に読みやすかったです
Posted by ブクログ
- ちょうど別の場所で0.2秒のターンテイキングについて読んだことがあり、タイトルに惹かれて読んだ。
- 自分は高校卒業後にアメリカの大学に進学して、英語をまともに勉強したが、たしかに最大の壁は読むことでも書くことでも聞くことでもなかった。スピーチや面接ですら、パターン化と暗記で割とうまくこなせるようになった。難しいのは結局会話なのだ。というのはこれを読んで「そりゃそうだよな」とか思った。0.2秒で求められる情報処理が異常なのだ。
- ポッドキャストは良く聞くので、ゆる言語学ラジオについてもその番組名や知名度は知っていたが、言語学というテーマに惹かれず、聞いたことはなかった。これを読んでも正直言語学そのものにハマる、というほど刺激はなかったが、面白いトリビアがたくさんあり、普通に読み物として楽しめた。
p129
> ・2人が同時に手を挙げたらその時点で失格
> ・2人とも手を挙げない時間が0・2秒間続いても失格
> ・一方で、片方が手を挙げ続けるのも禁止。挙手時間は最大で60秒までとする
手を挙げる、が制約だとできないのに、会話をする、だと成立するの面白い。それほどに情報量が多いんだと知った。
p133
> 例えば会話のターンを取る場合。その0・5秒前に一瞬目をそらしてから発話者に目を合わせる傾向が強いことが、視線計測装置を用いた実験によってわかっている。
たしかに一瞬目そらすかも…。聞いてる時に相手見て、そのまま目線そらさずに話し始めるのむずいかも。
p157
> 身振りに制限がないグループと、両手で棒を持ったグループを比較すると、棒を持った方は成績が落ちたという
ジェスチャーができるできないで、言語化能力が変わるというのはすごい。通話の時もスマホは持つのではなく、イヤホンつけて両手上げた方がいいのかも。
p203
> 僕たちには、スムーズにわかりやすく説明されると、その内容をじやすくなるバイアスがあるようだ。これを「流暢性パイアス」という。
これ本当にそうだと思う。経営者のインタビューとか見てると、適切に質問に答えてるかというより、質問に一番近いエピソードを自分の引き出しから引っ張り出して、いかに流暢に喋るかどうか、が全てな気がする。聞いてる方もそのエピソード自体にインパクトがあることが多いから、なぜか関心して終わる、ということが多い。そしてインタビュアーもこいつ答えてねえな、と思っても同じ質問繰り返しづらいので、そのまま流すという…。
Posted by ブクログ
2026 06/09
当たり前にやっている会話のキャッチボールの隙間の時間の200ミリ秒を、言語学から研究し分析し「自分はこんなに複雑なことを自然と行なっていたのか」と驚く。
著者はそれを「自分と出会い直す」と表現する。
『知』を追い求める人たちって本当に面白い。200ミリ秒の間に脳で起こっていることは、何となく想像できるし、フィラー(「えーと」のように、発話の合間に挟み込むことば)やジェスチャーがただのモブではなく大事な役割を担っていることだって、何となくわかる。でも、『何となく』なんだよなぁ。でも、『何となく』で事足りるんだよなぁ。でも、その『何となく』を知りたいんだよなぁ。
人間って、本当に貪欲で面白い。
「人文学ではヒトを中心的な対象にする。自分とは違った他者を知ることで、自分がまったく意識していなかった常識に気づける。
つまり、自分を他者として捉え、改めて出会うことができる。これが人文学の魅力の一つ」
だと言う著者のこの言葉、すごく好き。
分かったような分からないような。言語化が苦手な私には読書感想文を書くのが難しい。
なので、せっかく著者が、
「なんで頭のいい研究者たちが寄ってたかって、誰でも理解でき、使いこなせている現象についてこんなに小難しい議論をしているのか、目線で楽しんでほしい。身近に感じれる」
と言ってくれているので、そのノリで読ませていただきました(第一章の「させていただく」を「食べログ」で研究する、を思い出したぞ)。
あんまり難しく考えずに楽しんで読めばいいと思います。
Posted by ブクログ
全然知らない分野だったから、面白い部分もあったけど自分にはちょっと難しかった。
日本の中でも地域によって会話のルールが違うというのは何となくわかった気でいたが、ありがとうが無いとムッとしてしまうかも。。。
Posted by ブクログ
この本を一言で言えば「0.2秒の間で会話を成立させてる俺ら奇跡じゃね?」である。異論は認める。著者のYouTubeチャンネルを視聴して本書に興味を抱き手に取った。言語学に関する本なんて読んだことは無かったので、どういった内容なのか楽しみにしながら読んだ。
内容としては、0.2秒で話し手と聞き手が交互に交代しながら会話をしている凄さを皮切りに、言語学全般の初歩的な紹介がされている。
意味とはなにか。「ネコ」はどうやって説明するか。「いいよ」と「いいね」の違いは何か。などなど。言語に興味がある方は楽しめる内容となっているし、専門的な話は割愛してなるべく噛み砕いた説明をしているため初学者でも全然気にする必要はない。
難点としては、言語学に興味がない人は読んでもつまらないと思うだろうし、書きたいことが多岐に渡るためか、少し整合性が取れてない印象だった。また、YouTubeで話している内容と重複している点も多々あるので、普段視聴している方は知っていることばかりで退屈に感じるかもしれない。
Posted by ブクログ
会話のターンテイキングの平均0.2秒に行われている頭の中にフォーカスし、言語学的に何が行われているのかを解説。
普通に話せるのが奇跡なくらいにおかしいことだという。
こんなことに興味を持つ人がいるのかという驚きがあった。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれなくてあまり読む気が起きなかった水野さんの本。
・「案配」「案外」「案内」の「ん」は発音が違う。案配はmの発音で唇が接する(math)、案外はngの発音で(-ing)、案内はn(note)。
・英語の冠詞a/anはoneが語源。apron(エプロン)は巻き添えを喰らい、本当は napronだったが、a napronのanを冠詞と思われ、apronになった。nicknameもan ickname(イックネーム)だった。
・「あなたよりお姉さんの方が礼儀正しかったよ」がイヤミに聞こえるのは何故か?事実を言ってるだけ。解釈は語用論という学問。
オースティン「言葉って事実そのものを伝えること少ないよね」(ネコは哺乳類だ。とか今日言った?)
オースティン「事実を通して聞き手や世界に働きかけてる」(部屋、寒くね?→なんとかしろ)
・「させていただく」は関西から流行って今は東京が一番流行ってる。食べログの口コミから調べた。場所に紐付く。
グライス「意味と解釈を分解する!」
部屋、寒くね?
意味→空間の温度が低い
解釈→暖房を付けたい、部屋をでたい
→会話にはルールがあってお互い協力するっぽい
ルール①必要な情報を与え、不要な情報は与えない
ルール②誤りや証拠不十分な事は言わない
ルール③相手と関連することを言え
ルール④不明瞭、曖昧、冗長を避け、順序だった言い方をせよ
※当たり前?いや、結構破ってる。
A「コーヒー飲む?」→B「明日出張で朝早い」
明確に「いいえ」と書いてないのにいいえとわかるし、直接的に断ると角が立つからやんわり断ってることまでもが瞬時に理解できる。ルールを破るってことは…という感じで。
意味も難しい。近づくと近寄る(意志を持つ)とかの微妙なニュアンスも理解する。また、周辺のものも活性化する。パンジーと聞いてチンパンジーやゴリラまで活性化し、「今日ゴリラを植えたよ」になる。
サジェストもしており、ネコのネを聞くとネから始まる単語を探している。
イギリスのサッチャー首相に関する論文「何故サッチャーはこうも話を遮られるのか」がある。特定のフレーズでイントネーションが急激に低下して話のターンが終わったように見えるから。言語以外も使ってコミュニケーションしてる。サッチャーが本当に話を終える時は141ヘルツの降下だが、遮られた時は167ヘルツで降下してる。サッチャー的には141ヘルツの降下が終わりのサインであって167ヘルツは違う。
他にもターン交代サインは多い。日本語は語順的に動詞が来ると…ってのはある。(昨日映画見てめっちゃ泣け…まで聞けばわかる)他にもヘルツ下げたり。一瞬目を逸せてから話者を見るのも話の主導権を取りたいサイン。
沈黙が1秒を超えると話者は違和感を覚えて聞き方を変える。頼まれごとに対して「いいですよ」と返す、500ミリ秒以内の回答なら快諾だが、それ以上なら渋々と受け取られる。平均200ミリ秒だが、日本人の平均はわずか7ミリ秒で被ることも多い。
フィラー(あー、えっと、その)は大事。不用意な沈黙は誤解を与える。あのー、と、えっと、が使えるシーンは実は異なる。1+1は?えっとーはいけるがあのーは無理。これすすんでる?に対しては、えっと進んでます、あのー進んでます、もいける。あのー、は伝え方考え中で、えっと、は伝える内容を処理中。
マダガスカルは確定情報を嫌う。母はどこ?に対して市場か家にいるよ。と答える。例え家にいることを知っていても。ムラブリと同じで情報を持つことが権威に繋がり襲われると考える。ムラブリもバイクが壊れたら街で高い金を払って修理する。一人のムラブリにバイク修理法を教えようとすると嫌がる。
実は国内でも差異ある。「ごめん。10万円貸して」に対して「助かったわ」と言われた人はどう思うかは地域性あり。東北や九州では普通、その他は「ありがとう」のようなお礼や「すまない」のような謝罪をすべきと思う(らしいけど、大阪の俺もあんまり違和感無かった)
東北地方の人は血圧測定所に「けつあつー」と言いながら入ってくる。思ったことを比較的口にする。
夫が妻に「醤油とって」と言って妻が手渡す。これに夫は何も言わない。東北だと26%の人、近畿だと19%、関東だと11%。義理の母がわたした場合でも、東北では11%、関西だと1%。
自閉症の子は方言を使わない傾向がある。方言には距離を詰める効果がある。心理的な距離を示す機能と自閉症が相性が悪いと考えられている。
語用論的推論も苦手な傾向がある。
①彼女は海が好き
②彼女は海が好きだった
どっちが今も付き合ってる?に対して、①と答える人が多いが「答えられない」と回答する。②も昔は好きだったけど今は違うのかも、とか。
語用論的推論は終助詞「ね」と「よ」で顕著。ね、は聞き手が知ってる情報に付けて、よ、は聞き手が知らない情報につける。
ーーーーー
僕は自分が誤解を招いたときは、「相手が自身の発話を正しく解読できなかった」と思うのではなく、「相手が適切な解釈にたどり着くためのいいヒントを与えられなかった」と考えるようにしている。聞き手を見る、身振りを引っ込める、などが会話の終わりサイン。
Posted by ブクログ
ポッドキャスト
『長瀬ゆかりのブックソムリエ』
2025.9.18
なぜか読みにくい。
解説が淡々と続くと思ったら、タレントの叶姉妹や、お笑い芸人のかまいたちなど出てきて、脱線気味なエピソードにリズムを乱された。
けど
コミュニケーションの違いは、世界だけでなく日本にも地域差があるというのが参考になった。
東北と近畿の違いがおもしろい。
小林隆、澤村美幸の著書に詳しいらしいが、コミュニケーションの正解は地域で違うとか。
例えば
頻繁にお礼をいわない地域に育った東北夫と、お礼があって当然と思う近畿妻の場合、夫婦仲にも影響がありそうだと。
食卓で、醤油を取ってもらった東北夫は、近畿妻にお礼を言わないかも?
わが家か⁉
個人の資質とは別に、育った地域を意識するとコミュニケーションの助けになりそうだって!
ユーチューブも気になる。
Posted by ブクログ
まず、テーマが最高に面白い。相手が喋り終わってからわずか0.2秒後に自分が話し始めている、その0.2秒で私たちの脳はどのような情報処理をしているのか、なぜそんなことが可能なのか。
そのことを多角的に(文脈、文法、単語)、学者たちの様々な研究を紹介しながら考えていく。専門書と違い、平易な文章で、まるで語りかけるように、たまに脱線や世俗的なな比喩を挟みながら進んで行く、楽しい本だ。
しかし。
僕は水野さん大好きだし応援してますが、この本は正直に言って、期待したほどではなかった。そのことが逆に僕にとっては言語学的に興味深かった。
何故なのか。理由は2つ。
1つめ。まるで語りかけるような本であるからこそ、「ゆる言語学ラジオ」にあってこの本には無いもの、つまり、『堀元さんの不在』が影響している。水野さんの語りに対してテンポよく反応し、相槌を打ち、コメントし、茶化し脱線する、堀本さんがこの本にはいなかった。だから楽しい本にするために、水野さん自ら脱線するのだが、スピーカー自ら脱線するのであれば、なんとなくこれが上手くいって無い気がした。NHK「100分で名著」の伊集院さんよろしく、メインスピーカーでない人が、読者/リスナーと一緒に感じてくれているというか、並走してくれている安心感や共感があるか無いか、これは大きいのだと思う。
2つめ。堀元さんがいない、1人語りなのであれば、脱線は少なくするか、ものすごく複雑で難しい話が長く続いた時だけで良かったかも。ラジオではなく本なのだから、こちらもモードが違って、もっと深く深く言語沼にハマっても良かった。もちろん「僕は」ということだけど、本に求める娯楽は、ラジオに求めるそれとは違うのだなと思った。内田樹/名越康文/西靖の「辺境ラジオ」も、ラジオは最高(コサキン以来の衝撃)だが、本は(ラジオほどは)楽しめなかったのを思い出した。
ということで、深い話は苦手、でも言語学に触れてみたい、そういう人にオススメ。
水野さんこれからも応援してます!
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオを聞くようになり本屋でバッタリと出会ったので購入。
普段気にもしていないが、人との会話の裏(脳)で行われていることや、それと同時に発生しているジェスチャーやフィラーなどについて分かりやすく書かれていた。
個人的に印象に残った点はフィラーやジェスチャーなどからだ的思考と、概念などを説明するときに使われる分析的思考が相互に関わり合っているという内容。私は普段からジェスチャーやフィラーが多いという実感があり、それらを必要とせず流暢に話せる人を羨ましく思っていた。なんなら頭の回転が他の人に比べて遅いので、無駄なジェスチャーやフィラーが発生していると思っていたりした。ただジェスチャーやフィラーは頭の中にある景色や考えを言語化していく途中で発生するもので、さらにそれを介して言語化を助けてくれるものだと知った。本の中では洗濯機が動くために発生するノイズに近いとも書かれていた。
ノイズとは書かれているのだが自分の中でこういった仕組みなのかということを知れたことで、(まったく頭の回転が早くなったとかではないのだが)気が楽になった。なんならこれからもジェスチャーやフィラーを駆使して言語化を加速していこうと前向きになった。
この本を読む前にはこういった気づきを得る目的ではなかったので少し驚いた。ただ著者もこの本を書き始めたときにはどういう答えや示唆を得るか分からなかったとも記載されていた、なんとなく親近感。
本に慣れていない人でも興味を持って読み進められると思ったし、内容も興味深いものばかりなので結構おすすめ
Posted by ブクログ
著者がYoutubeでこちらの本を紹介されてるのを見て
面白そうだな、と思って読んでみました。
パッと見、そしてYoutubeでの紹介がとても分かりやすかったので、この本も気軽に読めるかな...と考えてたけど
そう簡単ではなかったです・泣
(なんならYoutubeでのお話がやっぱり分かりやすかったです。)
本での説明はやはり限界があるのか、
もしくは個人的には話を聞く方が性に合ってるのかもしれません。私のような方は本を読んでYotube見てみるのもありかもしれません。
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオの方が書いてる言語学に関する本。
会話と会話の間の間の0.2秒に人間は、
文構造の解析・意味の理解・語用論的な推論・ターンテイキングの準備・応用内容の整理・応用内容の文章化、、、と
果てしないことをしているということが詳しく書かれている。
印象に残ったのは、フィラーの種類によって、
自分がどんな思考をしているか相手に伝わってしまうということ。
(えーとは、伝える内容やイメージを思い出したり作り出す時に使う。あのーは伝えるべき内容が決まっているので、適切な伝え方を考えている時につかう。無意識に使い分けている!)
無い方が良いとされているフィラーに注目することは無いので面白かった。
ほんと人間ってすごい