あらすじ
会話で相手と交替するまで平均0.2秒。この一瞬にどんな高度な駆け引きや奇跡が起きているのか――言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、「食べログ」レビューからお笑いに日銀総裁の会見、人気漫画まで俎上に載せ、日常の言語学をわかりやすく伝える、待望の書き下ろし。なぜうまく話せないのか。悩んでしまうあなたの必読書!
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Posted by ブクログ
後半から急激に面白くなる。
人は1秒以上の間があると答えにくいかなとか、邪推し始めるらしい。すごくわかる。
まとめは、研究者ならしなさそうな結論。
つまるところ、会話はすごく高度なので普通にできるのがすごい。普通にできるのが才能があるのだから、普通にできないのが普通であってもいい。ということ。
この本では人文系では、
「自分と出会いなおす」とあるけど、まさにそうだ。
人文学は人を特別視する。対象となる人は同じ文化、とは限らない。そうして自分と異なる他者を知ることで、自分の意識していなかった常識に気づける。
自分を他者として理解することで、改めて出会うことができる。
いい言語化ですね。
Posted by ブクログ
最近、Google HomeがGeminiに対応したけど、一部で評判が悪いようである。その原因が数秒待たされることらしい。0.2秒で会話できる人にとって、この間は不安を感じるようである。
本書は言語学について初めて知るきっかけになった。文の樹形図を見ると生成AIが確率で文を生成する過程にも見えて、割と人もAIも同じ思考で会話しているんじゃないかと考えたりした。
それでも0.2秒でラリーができる人間がいかにすごいのか、ということでもある。
コミュニケーションするうえでこういう間を考えたりフィラーについて考えるいい機会になった。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれなくてあまり読む気が起きなかった水野さんの本。
・「案配」「案外」「案内」の「ん」は発音が違う。案配はmの発音で唇が接する(math)、案外はngの発音で(-ing)、案内はn(note)。
・英語の冠詞a/anはoneが語源。apron(エプロン)は巻き添えを喰らい、本当は napronだったが、a napronのanを冠詞と思われ、apronになった。nicknameもan ickname(イックネーム)だった。
・「あなたよりお姉さんの方が礼儀正しかったよ」がイヤミに聞こえるのは何故か?事実を言ってるだけ。解釈は語用論という学問。
オースティン「言葉って事実そのものを伝えること少ないよね」(ネコは哺乳類だ。とか今日言った?)
オースティン「事実を通して聞き手や世界に働きかけてる」(部屋、寒くね?→なんとかしろ)
・「させていただく」は関西から流行って今は東京が一番流行ってる。食べログの口コミから調べた。場所に紐付く。
グライス「意味と解釈を分解する!」
部屋、寒くね?
意味→空間の温度が低い
解釈→暖房を付けたい、部屋をでたい
→会話にはルールがあってお互い協力するっぽい
ルール①必要な情報を与え、不要な情報は与えない
ルール②誤りや証拠不十分な事は言わない
ルール③相手と関連することを言え
ルール④不明瞭、曖昧、冗長を避け、順序だった言い方をせよ
※当たり前?いや、結構破ってる。
A「コーヒー飲む?」→B「明日出張で朝早い」
明確に「いいえ」と書いてないのにいいえとわかるし、直接的に断ると角が立つからやんわり断ってることまでもが瞬時に理解できる。ルールを破るってことは…という感じで。
意味も難しい。近づくと近寄る(意志を持つ)とかの微妙なニュアンスも理解する。また、周辺のものも活性化する。パンジーと聞いてチンパンジーやゴリラまで活性化し、「今日ゴリラを植えたよ」になる。
サジェストもしており、ネコのネを聞くとネから始まる単語を探している。
イギリスのサッチャー首相に関する論文「何故サッチャーはこうも話を遮られるのか」がある。特定のフレーズでイントネーションが急激に低下して話のターンが終わったように見えるから。言語以外も使ってコミュニケーションしてる。サッチャーが本当に話を終える時は141ヘルツの降下だが、遮られた時は167ヘルツで降下してる。サッチャー的には141ヘルツの降下が終わりのサインであって167ヘルツは違う。
他にもターン交代サインは多い。日本語は語順的に動詞が来ると…ってのはある。(昨日映画見てめっちゃ泣け…まで聞けばわかる)他にもヘルツ下げたり。一瞬目を逸せてから話者を見るのも話の主導権を取りたいサイン。
沈黙が1秒を超えると話者は違和感を覚えて聞き方を変える。頼まれごとに対して「いいですよ」と返す、500ミリ秒以内の回答なら快諾だが、それ以上なら渋々と受け取られる。平均200ミリ秒だが、日本人の平均はわずか7ミリ秒で被ることも多い。
フィラー(あー、えっと、その)は大事。不用意な沈黙は誤解を与える。あのー、と、えっと、が使えるシーンは実は異なる。1+1は?えっとーはいけるがあのーは無理。これすすんでる?に対しては、えっと進んでます、あのー進んでます、もいける。あのー、は伝え方考え中で、えっと、は伝える内容を処理中。
マダガスカルは確定情報を嫌う。母はどこ?に対して市場か家にいるよ。と答える。例え家にいることを知っていても。ムラブリと同じで情報を持つことが権威に繋がり襲われると考える。ムラブリもバイクが壊れたら街で高い金を払って修理する。一人のムラブリにバイク修理法を教えようとすると嫌がる。
実は国内でも差異ある。「ごめん。10万円貸して」に対して「助かったわ」と言われた人はどう思うかは地域性あり。東北や九州では普通、その他は「ありがとう」のようなお礼や「すまない」のような謝罪をすべきと思う(らしいけど、大阪の俺もあんまり違和感無かった)
東北地方の人は血圧測定所に「けつあつー」と言いながら入ってくる。思ったことを比較的口にする。
夫が妻に「醤油とって」と言って妻が手渡す。これに夫は何も言わない。東北だと26%の人、近畿だと19%、関東だと11%。義理の母がわたした場合でも、東北では11%、関西だと1%。
自閉症の子は方言を使わない傾向がある。方言には距離を詰める効果がある。心理的な距離を示す機能と自閉症が相性が悪いと考えられている。
語用論的推論も苦手な傾向がある。
①彼女は海が好き
②彼女は海が好きだった
どっちが今も付き合ってる?に対して、①と答える人が多いが「答えられない」と回答する。②も昔は好きだったけど今は違うのかも、とか。
語用論的推論は終助詞「ね」と「よ」で顕著。ね、は聞き手が知ってる情報に付けて、よ、は聞き手が知らない情報につける。
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僕は自分が誤解を招いたときは、「相手が自身の発話を正しく解読できなかった」と思うのではなく、「相手が適切な解釈にたどり着くためのいいヒントを与えられなかった」と考えるようにしている。聞き手を見る、身振りを引っ込める、などが会話の終わりサイン。