青沼陽一郎のレビュー一覧
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戦後最悪と言われる事件のその後。どんな事件で誰がなにがなんてよく耳にしていても場所が法廷に移ってからはとんと耳にしなくなっていた。その教団教祖の裁判の全容。
読み進めるたびに頭を抱えていました。知らなかった現実というか真実が書かれてて、知るほどに空虚になっていく感じ。
この事件を知らない世代が出てきたということを聞いて、せめて知り覚えている世代が記憶し忘れないようにしなければと思い手に取った一冊だったけどこれは証言記録だけでなくその向こうに見える問題提起もあり、今後裁判員制度によって突然裁く側になった場合に「裁判とは一体だれのものなのか」という至極当たり前のことを考えさせられる機会ともなりました。
素晴らしい一冊だったと思います。 -
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この本の元になったSAPIOに連載されていた記事のころから好きで読んでいたのですが、『食べる』という人間の行為が武器になったり国家戦略の一つとして扱われているという現実に慄然としたことを思い出します。
SAPIOで連載されていたときから面白いのでよく読んでいました。それにしても恐ろしい内容でした。
ここに特集されていた内容で
『怖いなぁ』
とおもった箇所は戦争が終わっても1970年代に返還されるまでずっとアメリカの領土だった沖縄の食事情に関するルポルタージュで、アメリカの油や肉を主体とする欧米型の食生活が入ってきたおかげで、沖縄県の肥満や平均寿命や疾病に関するデータが全国ワーストクラスになっているという記事には驚きを隠せませんでした。
とくに「Aランチ」と呼ばれるプレートで供されるメニューを見たときには
「こんなもの毎日のように食べてりゃあそら病気にもなるわな。」
と思わせるような量・カロリーともに
「アメリカン」
な代物で一度だけならいいけれどなぁ…。とは確かに思ったのですが…。
で、最終的には貧乏人はジャンクフードで肥満にさせられ、病気になったらなったで今度はアメリカの生命保険が待っている。 『食料』が武器として扱われていることがまざまざとわかりました。
日本の食料自給率がここまで低いのはアメリカの戦略だったのかと思い知らされます。 -
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「司法統計年報(刑法編)」を読むと、毎年3〜4名ほどが死刑判決を受けていることがわかる。主な罪状は殺人の罪もしくは強盗致死傷がほとんどではあるが、そもそも殺人で裁かれた人数自体が200〜300名は居るのだから、人を殺しても死刑になる確率は2%未満という事になる。世界レベルで見ると、2022年の統計では死刑を執行した国は20カ国、件数は900件弱であった。なお死刑執行数が多いと言われる中国や北朝鮮、ベトナムは死刑執行に関して秘密主義を取っており、数値自体を公表していないため、前述の数字には含まれていない。下手をすれば倍どころではなく執行数の桁を上げる可能性もある。
それに比べ、人口としては世界の80分の1(1.5%)程度が日本人であると考えるなら、900分の3(0.3%)という数は低く(執行数と判決数を単純比較はできないから目安として)、死刑判決には慎重な国であると捉えられなくない。なお死刑には基準があり、1.犯行の罪質 2.動機 3.残虐性 4.結果の重大性 5.遺族の被害感情
6.社会的影響 7.犯人の年齢 8.前科 9.犯行後の情状、といった判断基準に基づき、4の重大性=人数で言うなら大体3名以上を殺害すれば死刑になる確率が高いと言える。但し本書でも取り扱う光市母子殺害事件は2名でも死刑になっている。
本書はそうした死刑判決をジャーナリストとして実際に法廷で見てきた筆者が、事件の背景や実際の判決時の被告の表情・態度などについて考察していく内容だ。ちょうどオウム真理教の裁判及び判決時期と重なったため、21件もの判決を見てきている。よって本書も必然的にオウム真理教の引き起こした地下鉄サリン事件に関する被告の描写が多い。同事件は東大や早稲田、立命館など名だたる難関大学の出身者(しかも首席で卒業するなど)が引き起こした事件として意外性も注目された。
判決を受ける際の被告の表情や態度もそれぞれ異なるが、冷静に判決を受け入れる者、教団教祖のように不様な者など、それまでの裁判経緯からの結果の予測によったり、本人の精神の成熟度によるところが大きい。とは言え、死刑となれば、判決を言い渡されることが本人の死を意味するから、動揺が無いはずもない。寧ろ地下鉄サリン事件で3名が同時に判決を言い渡されるシーンで、死刑を免れ無期懲役になった1人が見せた動揺する描写は強く印象に残る。
裁判では被害者の遺族や被告の親族なども同様に判決を聞く事になるから、法廷における緊張感もかなりの物であると思われる。何より判決を言い渡す裁判長の精神的な苦痛はいかばかりか。殺人犯とは言え、人の命を奪う事になる裁判長の発言に際して、心のうちにある苦しさは想像を絶する。本書はそうした出席者の緊迫した状況を、犯人の心情に対する想像を交えながら見事に描き出している。
現在では日本でも裁判員制度が採用されているため、そうした判決に一般人言わば素人が参加しなければならない。日常的に判断基準を持つ検察や弁護士、裁判長ならまだしも、法律素人の一般人が感情や表面上の出来事に流されて誤った判断をしないとも限らない。制度自体を否定するつもりは全く無いが、十分な注意が必要である。本書を記した筆者自身も法律の専門家では無いものの、数多くの死刑判決を見てきた事で、そうした感覚には優れているが、それでも一部の判決には納得のいかない点もある様だ。それが普通の人間の感覚なのだとも思う。本書を読み進めることでわかるのは、事件の背景にある動機、被告の反省度合い及び将来への期待などはどれも本人以外でなければ真実はわからない。サリン事件の林郁夫の様に実行犯として2名を殺害しておきながら、自白と事件解決への協力から死刑を免れる者もいる。一方で殺害人数が1名であっても自白がなかったことで死刑になる者もいる。
林郁夫が法廷で見せた、反省の態度が真実なのか演技なのかは誰にもわからない。そうした中で死刑判決がなされ、毎年何人もの刑の執行がなされていく。私個人として死刑制度反対の立場では無いものの(一定の抑止力はあるだろうが、効果的かどうかは解らない)、死刑判決が抱える課題は大きい事は誰の目にも明らかだ。
その様なシーンをあくまで客観的に記録として残している本書は、日本の裁判制度が抱える問題について考える良い機会になる。 -
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日本の米国・中国との外交と畜産の危機 幕末の権力者の逸話から始まるのが面白かった。
アメリカは豚肉をはじめとした農産物で儲けようとしている。
大義名分としては世界の人を養うためだが、
それによって圧力をかけられたり、安全性の問題が発生したりする。
また中国は土壌汚染もあり輸入に踏み切ったため、世界の食糧は中国に集中することになる。
日本はなすすべもなく、大国であるアメリカと中国に食糧を支配されるのだ。
では日本はどうすればよいのだろうか。
アメリカの畜産物の輸入を抑えるために、国内のニーズを変える。肉食を減らす。輸入を完全に無くすのは無理なので、ホルモン剤などの有害物質を使っていない肉を輸入する。 -
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戦後の日本の食料自給率は、最高点の79%から年々低下し、今や37%に滑り落ちている。食料はほとんどアメリカなど外国からの輸入に頼り切っている日本。本作は、国のこうした状況に警鐘を鳴らしている。
主に「食肉」という観点から、日本がいかに海外の畜産農家に頼りきっているかを読者に示す。
食肉や関税などを巡る様々な現状ももちろん興味深かったが、後半に語られる習近平国家主席の半生エピソードに一番驚いた。冷血無慈悲なリーダーという、自分の勝手なイメージとはかけ離れた話ばかりだった。
様々な苦境を乗り越えて今の地位についたのだと知り、もっと中国や彼自身のことを知りたくなった。
新しい知識の詰まった一冊だった。 -
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筆者が実際に法廷で見た死刑判決の出た裁判の傍聴の内容。
声高に、死刑の是非を問うようなものではない。
裁判における死刑への攻防戦。法廷でのリアルな描写が迫真をもって迫ってくる。
オウム真理教の裁判が中心に展開される。
地下鉄サリン事件にかかわった被告達の量刑の違い、人を殺していないのに死刑、人を殺しているのに無期懲役(自首と見なされたため)など、人を裁くことの不安定さを端々で感じた。そもそも人を裁くとは、そもそもどのような行為なのか。
人から裁かれるということの不条理さ、自分がその立場に立ったとした場合、どのような態度で対応できるのだろう。登場する検察、裁判官、被告、被害者の発言から、色々考えさせられるものがあった。
裁判の傍聴が趣味という人がいるのは知っていたが、その人たちがなぜ傍聴にのめり込むのか、わかるような気がした。
裁判という場では、人間の業のようなもの、世界の不条理さのようなものが、人の数だけバリエーションをもって展開され、自分がそれに対面、対決することなのだろう。 -
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米国産の肉が輸入されている
むろん、社会問題としてとらえる。
その発端を
「桜田門外の変」
から論じ始める。
おやっ と 思わせられて
その歴史的な事実、
その背景には水戸の老公斉彬の
「牛肉食嗜好」があった
へえーっ と 思わせられる
そして、
わずか70年前の
敗戦直後の日本を従属させるための米国の巧妙な食料政策にも関連付けられていく
圧巻は
米国に飛んでの現地の畜産・農業従事者への取材、
TPPに絡む米国の畜産、農業事情が詳細にリポートされる。
同時進行して、
中国に飛んで現在の習近平政府で行われている、世界を視野に置いた中国の飼料用の農業事情、役人事情のリポート
が続く。
米国、中国が位置づけている食料政策
そこを論ずれば論ずるほど
食料の自給率をほとんど
他国に依存している、
食料弱者としての日本が、
この国の脆弱性が、
浮き彫りになってくる
私たちは
何を 食べていくのだろう
私たちは
どこに 向かっていくのだろう -
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戦場に置いて一番大切なことである補給線を無視し、日本陸軍に
壊滅的な打撃をもたらした悪名高き「インパール作戦」。
その作戦に参加した兵士の何人かは、敗走中に軍からはぐれ現地
の人に匿われる。軍で身につけた機械修理の腕を生かし、住み着
いた村で重宝される者もいれば、故郷の長崎に原爆が落とされた
ことを知り、日本に帰国する為に日雇い労働で費用を貯めて、
やっと帰国した故郷であるのに兄弟に冷たい仕打ちをされ、
再び日本を捨てる者もいる。
戦闘らしい戦闘もなく日本の敗戦を告げられたジャワの兵士たち
は、「何の為に南方に来たのか」との思いを抱え、インドネシア
独立戦争に身を投じる。そして、独立宣言を読み上げるスカルノ
大統領の警護に当たる。
帰国しようと思えば、いくらでも機会はいくらでもあった。
しかし、彼等は住み着いた土地に骨を埋めることを選んだ。
若くして兵隊に取られ日本を知らないから。日本には既に
家族がいないから。ジャングルの中で誰にも看取られず死んで
行った仲間の遺骨収集と慰霊を続けたいから。
それぞれに、平坦な人生ではなかったろう。しかし、辛苦の道を
歩んで来た人たちの話は後悔の念は感じられなかった。
久し振りに『ビルマの竪琴』を読み返してみたくなった。いい取材
の出来ている本書だが、著者の戦争に対する予備知識の不足と、
本文中の「!」や「!?」の多用が台なしにしているな。 -
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オウム関係の本は3冊目(1冊目アンダーグラウンド 2冊目約束された場所で)
3冊の本で共通して書かれていたのは、オウムの中に潜む人間が誰しもが持つ闇の存在について。
ふつう人間はそれを抑え込もうとして、ないしは社会によって抑え込まれることによって生活している。
しかし、それが抑制できなくなり表に現れた形がオウム真理教の蛮行であるという。
人間は自分に内在する暗い部分を見ることを嫌う、そのため我々にはオウムに対する嫌悪感が激しく残り続けているのだろうということだ。
オウムの行為はすべて人間が行ったことである。
考え方・精神状態などいろいろな条件が我々とは異なっていたからと言って、彼らは宇宙人でもなければ、ほかの生物でもない、まぎれもなく同じ人間が行ったことなのである。
あれはおかしな集団だ、嫌い排除すべきだということは簡単ではあるが、なぜこのことに至ったのか、次我々は何をするべきなのかについては考える必要があるだろう。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
裁判員制度がスタートしましたが、あなたは、裁判で死刑と判断できますか――。
麻原彰晃をはじめとするオウム信者、畠山鈴香、池袋の通り魔、光市母子殺害事件の元少年……。
重大犯罪をおかした死刑犯は、いったいどんな人物で何をしたのか?
そして、なぜ死刑を言い渡されたのか。
あるいは、それを免れたのか――。
長年にわたって精力的に幾多の裁判の取材を続けてきた著者が、それぞれの法廷で見てきた極刑裁判の様子と法廷で垣間見せた被告たちの素顔を綴りました。
いつ裁判員に選ばれるか分からない時代に必読の書です。
[ 目次 ]
第1章 死刑宣告の瞬間
第2章 死刑判決者の本音
第3章 死刑と無期懲役の壁
第4章 揺れる被告と遺族の心
第5章 ひとりも殺していないのに死刑
第6章 裁判員制度と死刑判決
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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麻原はとにかく自分の保身のことしか考えず、最初から最期まで、ただただ自分勝手な人間だったのではと感じた。
家族、弟子、被害者など直接関わりのあった人々に対しても何も感じない性格で、究極に自分の事しか考えられなかったのかと思う。
死刑判決を受けてから麻原の行動が異常で、精神的な病気なのか詐病なのか意見が割れているという情報を何度も聞いたことがあるが、この書籍を読んでからは、詐病だったのではないかという思いが強くなった。
彼は長い裁判を通していかに自分勝手で常識が通じない人間であるという事が露見した。
凶悪犯には変わりないが彼の弟子たちは、最期には洗脳が溶け、懺悔をする者や反省を述べる者も多く、まだ人間としての正常な感情が残っていた事が伺える。
しかし全ての元凶である麻原は、裁判の最初は受け答えをしていて、それでも自分の都合の悪い質問から常に逃げ、反省を述べる事もなく事件を全て弟子のせいにしていた。
そして途中からは現実逃避に走り、沈黙を貫き、奇行に走るという道を選んだ。
こんな人間をいまだに教祖や神と慕い、崇める教団が存在しているという事驚きを隠せない。
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悪評高い中国食品だが、少なくとも日本の資本が入ってたり日本向けの工場はここまでやるんかくらい綺麗でレベル高いよ。
そこまでやってるのは日本人のためにだよ。
日本がやらせてるんだよ。食の植民地だよ。
でも日本のみんなは知らないよね。
そんな内容。
日本のためにやってるわけではなく、金のためにやってるわけでで、消費者がいろんなことを知らないのは別のこれに限ったことではなく、消費者の様々な要望に答えることで金儲けをしようとした色んな思惑の結果で、別に、ほら、と言われるような話ではないような気がする。
他の色んな本を読んでると、ここで言ってることだけで、そうなんだ中国食品は安全なんだ、とはとても言えない。
川上で小便でもされたら、検査通らないとか衛生面とかに気を使ってるみたいなエピソードも、川上で小便するような国だったんだとしか読めない。