ちいさな美術館の学芸員のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美術についての本を何冊か購入した時の1冊です。著者は美術館の学芸員さんで、優しい口調でとても読みやすかったです。
現代人が如何にタイパ、コスパにとらわれているか、動画やSNSなどに時間を費やしているかなどの疑問を投げかけながら、学芸員として今の美術館の問題点やあり方を分析していて説得力があります。
「美術館好きは人生のどこかの時点、多くは十代や二十代前半の若い時期に何らかの衝撃的な鑑賞体験をしている(p,57)」は自分にも当てはまることだったのでよく分かります。
また、先日美術館にて彫刻の作品を観に行ったのですが、そのときの、手で触って感じた感覚がまさに同じ気持ちだったので、不完全燃焼だった気 -
Posted by ブクログ
現役学芸員兼大学教師が教えてくれる「日本美術」
そういえば、日本美術ってどうやって説明したらいいんだ?と、思い手に取った本。
日本では日本美術よりも西洋美術の方が人気があるというか、敷居が低いような雰囲気があります。日本美術の方が難しそう…というか(そして地味そう…、と)
そもそも「美術」という言葉自体が比較的新しいもので、明治以降に入ってきた言葉。世界的に有名な浮世絵作品が生まれている江戸時代にもまだこの概念がなかったのだそう。
でも、言葉はなくても作品はそれよりずっと前からあったので、どうも美術という言葉ではしっくりこないものも日本美術には含まれているのです(仏像と刀とか)。
この本 -
Posted by ブクログ
初めて見る仏像や浮世絵、刀に陶磁器に、なぜか不思議なノスタルジーを抱いてしまうことが多々あります。
数百年、ものによっては1000年以上も前に作られた作品から感じるのは、確かにそこに僕らと同じような人間が存在して、一生懸命にモノ作りをしていたという事実であり、日本という国の記憶。
こんなにも豊かな歴史と文化をもつ日本に生まれて、本当に良かったと思います。
「日本美術初心者のもう一歩手前にいる人に向けて」という本のコンセプトも、素敵。
デザイン:三木俊一(文教図案室)+高見朋子(文教図案室)
カバーイラスト:岡野賢介
本文イラスト:ちいさな美術館の学芸員
編集:前田康匡(産業編集センター)