あらすじ
美術館に行きたいけど行けていないあなたへ。忙しいあなたにこそ、至福の余白時間を美術館で過ごすことが人生に必要なのです。美術館を出た後、世界が違って見えるはずです。時間がなくても、知識がなくても、大丈夫。とある現役学芸員が、美術館での過ごし方のキモとコツを、最新の美術館事情とともにガイドします。「語れる」ための鑑賞の心得も、レクチャーしますよ。さあ、スマホから顔を上げて、出かけましょう。
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Posted by ブクログ
これもいわゆるハウツー本になるのかもしれないが、鉛筆と手帳を持って美術館に行くということはいままで書いた人はいなかったかもしれない。またすこしではあるが、美術で論文を書くための参考になることも書いている。
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この書籍を読む前は、正直なところ美術館とは私は縁遠い存在なのかと思っておりました。
美術館に行くことによって、精神の余白や刺激を貰える事が分かりました。
正直なところ、某の展示会という告知ポスターが駅前に貼っているのをよく見ますが、それでも興味がないと切り離していたのが正直なところです。
しかし、現在美術館がどの様な現実に直面をしている、そして取り組みをしているのかを知ること出来ました。
そもそも、展示会という構造が最初から生まれていたのではなく、後から生まれた仕組みという事も始めて知る事が出来ました。
この本の真価は私自身が美術館へ行った時に、見方が変わるものだと思いました。
美術館へ行ってみたい。
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本書の中で展覧会の歴史についてサラサラっと解説してくれる。
ここを読むだけでも面白い。
誰かから頼まれて描く職人集団から、サロンでの出品を目的とするアーティストへと変遷していく。
日本では独自文化としてデパート展が活発に開催されており、その影響から美術館では企画展が重視されるようになった。
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「全部に意味がなきゃ、ダメなの?」(p.183)タイパを追求する社会へのアンチテーゼのような書。ちょっと美術館に行ってみようかな、と読者に思わせるくらいには美術館に行くことの敷居をぐんと下げてくれる。学芸員の立場としての意見は鑑賞の参考になる。メモを取り、言語化を通して体験を経験とするという考え方が好き。筆者の美術館に対する好きの感情が爆発してた。
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冒頭の「あなたが最後に美術館に行ったのはいつですか?」の問いに、作中通り「先週行ったばかりですが」と答えちゃったのはさておき(たまたま行ったばかりだった)
もう何年と美術館に行っていない、しかも働き盛りの20-50代をターゲットにした一冊ではありながら、普段美術館に行く習慣がある人が読んでも十分楽しめる、気付きを得られるお話だったと思います。
自分は作中で一番来てくれないと嘆かれていた年代なんですが、言われてみれば同年代の人あまり見ない気がします。
そこから全然気づいていなかった……
美術館に行く習慣のある人は、総じて若い時に何らかの衝撃的鑑賞体験をしているという点も自分には心当たりがあってびっくりしてしまいました。
自分は東山魁夷先生の「白馬の森」がまさしくそれでした。
あの体験があったからこそ美術館に行っているなと今でもそう強く感じています。
だからこそ、この本に書かれていることの説得力がより増した感じがしました。
他にも共感できた部分は多数ある中、一番の共感ポイントは没入型展示に対する見解でした。
自分も全くもって同意見。
作者さまがオリジナル作品として映像を通じて没入型を作るのはいいのですよ。
ただ歴史的名画をモチーフに、その世界観を映像で再現したり装飾したりするのは、名画の作者様の解釈ではなく、その映像を作った方の解釈の入った、結局その方の作品になってしまうので、いくら元作品へのリスペクトがあったとしても受け入れられないというのが自分が以前から感じていた件。
同じ考え方の方を見つけた喜び、ここも大きかったです。
ただ美術に興味を持ってもらうという一つの入り口として機能しているのもまた事実なので、難しいところではあると自覚もしています。
でも、好きになれない……
個人的な意見はさておき、とにかく共感できる部分の大変多い、そして自分の普段の鑑賞方法を見直せる点でも非常に意義深い一冊でした。
取り敢えず、自分としてはまず鉛筆を買うところから始めようと思いました。
博物館めぐりのときには以前実践していたんですけど、美術館巡りではしてなかったので。
アウトプット、大切ですよね……次回から実践します。
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今年に入って美術館に行くようになった。
元々音楽は好きだけど、コンサートのチケット取っても体調不良とかで行けないかも、美術館なら会期のうちに行けばいいよねといったひねくれたコスパ意識から始まったことだった。
地元の美術館。
自分の好きなテーマの展覧会に行ったら、なんだか今年度全部行ってみようとなり、それが偶然仕事で役立ったり、話を聞いてくれる人がいて。
他の美術館にも興味が湧いたり。
数回続けて、世界が広がった実感があった。
そんな私がもっと美術館を楽しみたいと思い、見つけた本書。
(引用)
美術館で作品から適度に刺激を受けつつ、あっちこっちに心を揺り動かしながら、自分自身とじっくり向き合ってみてほしい。
展示でいいなと思っても図録を買うわけではないので、いつの間にか薄れちゃったり。
今度は入口で貸してくれる鉛筆を持って、作品リストに書き込むことから始めようと思います。
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第1章は美術館に行かない理由の考察、第2章は美術鑑賞の変遷、第3章は最新の美術館事情を概観、第5章では改めて美術館に行く意味を考察しますが、本書で非常に参考になったのは第4章で解説する美術館鑑賞の心得です。
個人的には年数回美術館・博物館に行くのですが、正直なところ、あまり心に深く残る経験というのはありません。そうした人間にとって、第4章で教示された基本的な鑑賞の心得は大変参考になりました。
まず、必携の持ち物として、メモ帳と鉛筆、クリアファイル、単眼鏡、サブバッグ。たまに単眼鏡で展示作品を見ている人を見かけましたが、作品を味わうにはあったほうがいいような気がします。
そして、鑑賞方法としては「いい加減に見る」と書いていますが、趣旨は1周目で全体をぐるっと見回して展覧会の世界観を理解するということで、2周目で自分の琴線に触れたコーナーを集中して見るという鑑賞の仕方です。そうして、自分の心が動くか否かに集中して作品を見るという見方を勧めています。
さらに「体験」を「経験」に帰る方法として、アウトプットすることを勧めています。そして、そのための鑑賞補助ツールとしてメモが最強であると教えてくれています。
次回以降、ぜひ著者の勧めに従った鑑賞方法を試してみたいと思いました。
Posted by ブクログ
美術館に行くことが好きな人でも改めて美術館の楽しみ方を再確認したいという人に読んで欲しいです。
自分は美術館に行くことは好きだけど、好きな理由がどこか漠然としていて明確に言葉にしなきゃと焦燥感に似た感情があったのですが、この本を読んで、『なんとなく美術館に行くのが好きだから』という理由でもいいんだなと思えるようになりました。
Posted by ブクログ
自分は興味を持って自分で行くことよりも、小さい頃に家族に連れて行かれることが多かった。しかしこの本を読むと、間違いなく自分で美術館に行きたくなる。美術館に行くための準備・鑑賞の際のことなど具体的に書かれているので、実践してみるのにも困らないと思う。
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県立美術館でボランティア活動をしているが、確かに美術館へ足が向かない人は多いと思う.本書では、美術館に関する現状や歴史を述べ、具体的な鑑賞方法を伝授している.江戸時代の浮世絵のような大量生産ができた特殊な例はあるが、単品を見ることが一般的でわが日本は鑑賞する環境は整っていると感じている.高橋龍太郎氏の言葉「アートの歴史とはこんなマインドフルネスによtってもたらされた、新たな気づきの歴史だったといってよい」 その通りだ思った.美術館をthird place、さらにはforth placeにするという考えは斬新だ.
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タイパが叫ばれるこの時代に、時間とお金をかけて美術館に出かけ、悠然と美術鑑賞する意味とはーーこの問いに、言葉を尽くして全力で答えてくれる現役学芸員である著者。私は日頃、美術館によく出掛けるが、自分は果たしてちゃんと鑑賞できているのか、もっと知識を身につけてからでないと美術の価値などわからないのではないか、などと自信がなかったが、そんな自分を全肯定してもらえた気分。著者の意見はどれも明快で、寛容で、美術への愛に溢れている。その愛の深さに引っ張られるようにして、あっという間に読んでしまった一冊。オススメ。
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朝日新聞で紹介されていたことをきっかけに購入。
長く美術館に行っておらず、タイパ思考に陥っている自分には、とても刺さる本でした。
意味が見出せないものには、なかなか時間やお金を投下できない、、、その癖、隙間時間には、だらだらスマホを見てしまう日々。。常に頭が情報でパンパンで心が安定しないことを悩んでいますが、忙しい毎日に余白を作ることの大切さを認識。その手段として美術館に行って自分の心の動きと向き合ってみるのも良いなと思えました。メモの取り方も参考になりました。
まだ美術館には行けていないですが、今年はトライしてみたいです。
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「美術館は感情を動かすために行く場所」という考え方が素敵。
毎日同じようなルーティンを繰り返していると、感情の起伏はどうしても小さくなる。そんなとき、美術館で自分の理解を超えた作品に出会うと、固まっていた心がふっと動き出す。
鑑賞のコツは、力を抜いて「いい加減に見る」こと。まずはぶらぶら一周して、気になった作品にあとから戻ればいい。
作品を見て浮かんだ感情や言葉は一瞬で消えてしまうから、メモするのも大切。
美術館は、教養よりも感情を取り戻しに行く場所と捉えると楽しくなりそう!
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とても柔らかな語り口に引き込まれた。
美術の知識もまったくない自分が、カッコつけて美術館へ行って楽しめるだろうか?実際観に行くことはあるけど、正しいのだろうか?とつい正解を求めてしまっていた。
でも、そんなことはどうでも良くて、自分なりに楽しむもの。そして美術作品と、そしてじぶん自身とどう向き合えば教えてもらった気がする。
アウトプットのお手本はさすが。同じようにはできないけど、自分のその時の感情、気づきを残したいな。
今週末は美術館に行くぞー!と楽しみになれる本だった。
Posted by ブクログ
noteの記事をベースにしているだけあって、テンポよく、サクサク読める良い本でした。クスっと笑えるユーモアある文章ですが、ところどころデータも用いて説明をしているところもあり、ストレスなく読めました。美術の簡単な歴史、美術鑑賞のコツなど、とても面白かったです!メモ帳片手に美術館に行きたくなります(*^^*)。※ 知らなかったけど、美術館では筆記具は鉛筆しか使っちゃダメだそうです。
タイトルが「忙しい人のための…」とあるので、あまり人前で読むのは憚られますが(お前、自分が忙しいと思ってるのか!?とツッコまれそうで…いや、私、暇人です、わかってます(汗)!)、タイトルには著者の想いが乗っていて、とても良かったです。コロナ禍の美術業界の置かれた状況も、自分も似たような不急不要な仕事をしているので共感し通しで、今となっては懐かしく思いました。
ただ、同じ「仕事で忙しいと◯◯ができなくなる」「タイパ思考の影響で◯◯離れが進んでいる」という論調の別の本が、本当にそうなのか?と批判されていたので(悪い意味ではなく)、現代人の忙しさや、タイパ思考が、本当に美術館離れの原因なのかは、判断が難しいところだと思いました。
Posted by ブクログ
・「全部見ようとしない」勇気を持つ
すべての展示作品を均等に鑑賞しようとすると、脳も体も疲弊してしまう。あらかじめ「これだけは見る」という目玉作品を数点に絞り、それ以外は足を止めずに流し読みする程度でよいと説く。
・「1作品1分」の集中鑑賞
全作品を漫然と眺めるのではなく、気になった数点に対して「1分間」じっくり向き合う。色、筆致、光の当たり方などを細かく観察することで、解説文を読むだけでは得られない深い感動や発見が生まれる。
・解説パネルは「後読み」が基本
最初に解説文を読んでしまうと、先入観で作品を見てしまう。まずは自分の感性で作品を捉え、違和感や疑問を抱いてから解説を確認することで、知識がより定着しやすくなる。
・五感と身体感覚を意識する
展示室の静寂や照明、床の感触など、美術館という空間そのものを楽しむ。疲れたら無理せずロビーやカフェで休憩を挟むことが、結果として質の高い鑑賞につながる。
・「マイ・ベスト」を1つ決める
鑑賞の最後に、その日最も心に残った「今日の一枚」を決定する。アウトプットを意識することで、漫然とした鑑賞が自分事へと変わり、日常に戻った後も記憶に残りやすくなる。
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美術館に行く積極的な理由を具体的な言葉で理解したくて読み始めました。
美術館・博物館には年に4.5回は行きます。少なくはないですが多くもないですね。自分か家族が興味ある展覧会に行く感じですかね。常設展にしょっちゅう行く、みたいな人と比べると全然行きませんが、美術を自分のスタンスで楽しんでいる方なのかな、と思いました。でもせっかくだから次からはメモを取りながらもう少し深い楽しみ方を味わおうかな、と思います。
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この著者は小さな美術館の学芸員しかわかってないけど、40前後か三十代半ばのようですが、今は大学講師しながら学芸員をやっているそうです。これからは大学講師が主になるのでこの本への学芸員としての熱き心が入ってます。
今のコロナ後の美術館のネットやスマホを利用しての美術館の鑑賞方法や美術館の集客の取り組みなどが書かれてます。
コスパやタイパとかの言葉が氾濫している中でその対極にある美術館の人間にとっての重要性を教えてくれてます。著者の人生観、世界観、価値観を通して書かれた美術への向かい方が述べられてます。良著です。
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美術館に行く意味…
忙しない毎日にそっと余白を差し込むこと
タイパコスパと効率に追われる現代であえて無駄に身を委ねる贅沢な時間
作品からの呼びかけに耳を澄ませ目に映る世界をほんの少し変化させること
自分自身と丁寧に向き合いながら深く息を吸い直すこと
フォースプレイスとして美術館を活用するのもあり
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美術館にしばらく行ってない人に向けた、美術館に行きたくなるような本。
コロナ禍での取り組みや企画展、SNSでの広報など、学芸員としての活動や裏方を知ることが出来た。
タイパとは対極にある美術館が提供する価値として、意味がなくてもいい、余白を楽しもうという考えや、自分自身と向き合うためのフォースプレイスとして活用しようという著者の思いが伝わってきた。
今開催中のゴッホ展にでも行って、余白や自分自身との時間を楽しんでみようと感じた。
Posted by ブクログ
美術館の歴史から楽しみ方まで美術館に行く人も行かない人も興味を深められる一冊。
私が足を運ぶのは、
・訪れる行為自体にある種高揚感
・非日常の空間で気持ちを開放させる
こんな理由なのかもしれない。
Posted by ブクログ
第一章はとても良かった。
ビジネスの世界では「アート思考」が流行しているのに、実際に美術館に足を運ぶ人は少ない。この矛盾の指摘は鋭く、一気に引き込まれた。
一方で、本書自体が「忙しい人のための」という構造を持っているのも興味深い。
本書が指摘するように、アート思考が流行しても人々は美術館には行かず、代わりに本や要約、フレームワークといった“手軽な知識”に向かう。つまり問題は「時間がない」というより、「タイパ(時間対効果)」の感覚にある。
そう考えると、「忙しい人のための」というタイトル自体が、この状況を皮肉なかたちで体現しているように思える。美術館に行く余裕はないが、アートについて“効率よく”知りたい。。。その欲望に、本書はあえて乗っている。その自覚的な立ち位置が面白いと感じた。
同時に、武田砂鉄のいう「わかりやすさの罪」も思い出す。私たちは本当に、そんなに急いでいるのだろうか。
また、「日本人は美術を勝ち取っていない」という話を思い出した。フランスでは革命によって貴族の所有物だった美術が民衆のものになった。美は奪取された公共財である。その歴史を持たない日本では、美術館はどこか「他人の空間」のままなのかもしれない。
後半は美術館の歴史やSNS事情などが語られるが、やや本筋から外れている印象もあった。私は具体的な「歩き方」を早く知りたかったのだろう。
実践的な学びは二つ。
一つはアウトプット前提で鑑賞すること。
もう一つは、まず一周してから、二周目で好きな作品をじっくり見ること。
この二段階方式は確かに有効だと思う。実際、ビュッフェでもまず全体を見てから皿を決める。美術館も同じなのだ。
結局のところ、美術を楽しむには「余裕」が必要だ。本書には「余裕のある時代は美術、余裕のない時代は技術に向かう」という趣旨の一節があったが、まさにその通りだと思う。だからこそ私たちは、美術にも技術的な意味でのメリットや効率を求めてしまう。それは少し寂しいが、現実でもあると感じた。
Posted by ブクログ
著者の言うとおり肝は一つの章。コスパはどう捉えるかによるが、明確な収穫のない美術館に行くメリットとは?
前半は美術館史や現代の企画展や美術館の背景、手軽な教養(?)がもてはやされる昨今、アートをどう学ぶべきなのか?
Posted by ブクログ
ダイパ・コスパの時代に
美術鑑賞は
マインドフルネス
脳内に溜まった不要なキャッシュを
クリアする
目の前の作品に集中し
自分の感情の動きを受け止める
異化効果:固定観念を揺り動かし、当たり前のものに新しい視点を与える
美術館はfourth place
Posted by ブクログ
すでに美術館に足を運ぶ私としては、美術館の良さは自分なりに分かっているつもり。
なのでその認識を再確認する内容だった。
美術の作品をより具体的に深く知りたい人よりかは、もっとシンプルに美術館への興味をそそるような内容だった。