あらすじ
美術館に行きたいけど行けていないあなたへ。忙しいあなたにこそ、至福の余白時間を美術館で過ごすことが人生に必要なのです。美術館を出た後、世界が違って見えるはずです。時間がなくても、知識がなくても、大丈夫。とある現役学芸員が、美術館での過ごし方のキモとコツを、最新の美術館事情とともにガイドします。「語れる」ための鑑賞の心得も、レクチャーしますよ。さあ、スマホから顔を上げて、出かけましょう。
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Posted by ブクログ
「全部に意味がなきゃ、ダメなの?」(p.183)タイパを追求する社会へのアンチテーゼのような書。ちょっと美術館に行ってみようかな、と読者に思わせるくらいには美術館に行くことの敷居をぐんと下げてくれる。学芸員の立場としての意見は鑑賞の参考になる。メモを取り、言語化を通して体験を経験とするという考え方が好き。筆者の美術館に対する好きの感情が爆発してた。
Posted by ブクログ
冒頭の「あなたが最後に美術館に行ったのはいつですか?」の問いに、作中通り「先週行ったばかりですが」と答えちゃったのはさておき(たまたま行ったばかりだった)
もう何年と美術館に行っていない、しかも働き盛りの20-50代をターゲットにした一冊ではありながら、普段美術館に行く習慣がある人が読んでも十分楽しめる、気付きを得られるお話だったと思います。
自分は作中で一番来てくれないと嘆かれていた年代なんですが、言われてみれば同年代の人あまり見ない気がします。
そこから全然気づいていなかった……
美術館に行く習慣のある人は、総じて若い時に何らかの衝撃的鑑賞体験をしているという点も自分には心当たりがあってびっくりしてしまいました。
自分は東山魁夷先生の「白馬の森」がまさしくそれでした。
あの体験があったからこそ美術館に行っているなと今でもそう強く感じています。
だからこそ、この本に書かれていることの説得力がより増した感じがしました。
他にも共感できた部分は多数ある中、一番の共感ポイントは没入型展示に対する見解でした。
自分も全くもって同意見。
作者さまがオリジナル作品として映像を通じて没入型を作るのはいいのですよ。
ただ歴史的名画をモチーフに、その世界観を映像で再現したり装飾したりするのは、名画の作者様の解釈ではなく、その映像を作った方の解釈の入った、結局その方の作品になってしまうので、いくら元作品へのリスペクトがあったとしても受け入れられないというのが自分が以前から感じていた件。
同じ考え方の方を見つけた喜び、ここも大きかったです。
ただ美術に興味を持ってもらうという一つの入り口として機能しているのもまた事実なので、難しいところではあると自覚もしています。
でも、好きになれない……
個人的な意見はさておき、とにかく共感できる部分の大変多い、そして自分の普段の鑑賞方法を見直せる点でも非常に意義深い一冊でした。
取り敢えず、自分としてはまず鉛筆を買うところから始めようと思いました。
博物館めぐりのときには以前実践していたんですけど、美術館巡りではしてなかったので。
アウトプット、大切ですよね……次回から実践します。
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今年に入って美術館に行くようになった。
元々音楽は好きだけど、コンサートのチケット取っても体調不良とかで行けないかも、美術館なら会期のうちに行けばいいよねといったひねくれたコスパ意識から始まったことだった。
地元の美術館。
自分の好きなテーマの展覧会に行ったら、なんだか今年度全部行ってみようとなり、それが偶然仕事で役立ったり、話を聞いてくれる人がいて。
他の美術館にも興味が湧いたり。
数回続けて、世界が広がった実感があった。
そんな私がもっと美術館を楽しみたいと思い、見つけた本書。
(引用)
美術館で作品から適度に刺激を受けつつ、あっちこっちに心を揺り動かしながら、自分自身とじっくり向き合ってみてほしい。
展示でいいなと思っても図録を買うわけではないので、いつの間にか薄れちゃったり。
今度は入口で貸してくれる鉛筆を持って、作品リストに書き込むことから始めようと思います。
Posted by ブクログ
第1章は美術館に行かない理由の考察、第2章は美術鑑賞の変遷、第3章は最新の美術館事情を概観、第5章では改めて美術館に行く意味を考察しますが、本書で非常に参考になったのは第4章で解説する美術館鑑賞の心得です。
個人的には年数回美術館・博物館に行くのですが、正直なところ、あまり心に深く残る経験というのはありません。そうした人間にとって、第4章で教示された基本的な鑑賞の心得は大変参考になりました。
まず、必携の持ち物として、メモ帳と鉛筆、クリアファイル、単眼鏡、サブバッグ。たまに単眼鏡で展示作品を見ている人を見かけましたが、作品を味わうにはあったほうがいいような気がします。
そして、鑑賞方法としては「いい加減に見る」と書いていますが、趣旨は1周目で全体をぐるっと見回して展覧会の世界観を理解するということで、2周目で自分の琴線に触れたコーナーを集中して見るという鑑賞の仕方です。そうして、自分の心が動くか否かに集中して作品を見るという見方を勧めています。
さらに「体験」を「経験」に帰る方法として、アウトプットすることを勧めています。そして、そのための鑑賞補助ツールとしてメモが最強であると教えてくれています。
次回以降、ぜひ著者の勧めに従った鑑賞方法を試してみたいと思いました。
Posted by ブクログ
美術館に行くことが好きな人でも改めて美術館の楽しみ方を再確認したいという人に読んで欲しいです。
自分は美術館に行くことは好きだけど、好きな理由がどこか漠然としていて明確に言葉にしなきゃと焦燥感に似た感情があったのですが、この本を読んで、『なんとなく美術館に行くのが好きだから』という理由でもいいんだなと思えるようになりました。
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自分は興味を持って自分で行くことよりも、小さい頃に家族に連れて行かれることが多かった。しかしこの本を読むと、間違いなく自分で美術館に行きたくなる。美術館に行くための準備・鑑賞の際のことなど具体的に書かれているので、実践してみるのにも困らないと思う。
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最近から頻繁に美術館へ行くようになり、より美術館での体験を特別なものにできるんじゃないかとこの本を読ませていただきました。
具体的な美術館での鑑賞方については4〜5章で扱われています。
1〜3章では現代における美術や、美術館の扱われ方。そして美術館の歴史、最近の美術館事情について語られています。
個人的なハイライトは以下の点です。
・メモを取ること
→小さなメモと鉛筆を持ち、感じたことを何でも書き殴る。
自分の心を動かしたものを美術館から帰った後も捉えておくことが出来ています。
・作品を見る…心を止め、心を見る
→タイパ、コスパと、いつのまにか余裕のなくなっていた自分の歩みを止め、少しの間自分と向き合う時間(余白)を作ることができる。
何回か行くにつれ、「あぁ、何となくよかったな。でも何がだっけ?」と、記憶に残らず再び忙しい毎日に戻る…という繰り返しになっていることに気づき、それは何だか勿体無いなと本書を手に取りました。
結果としてより美術館を楽しむことが出来そうなヒントやアイデアをたくさん頂けた良い本だと思います。
Posted by ブクログ
すべてをじっくりみなくともよいということを学んだ。最初にさらっとみて、気に入ったものをじっくりみる。美術館の楽しみ方を学べた。展覧会に足を運ぶことは体験なのだ。その体験を記憶に留めるために、アウトプットも重要で、鉛筆とメモを次回持っていきたい。
個人的には3か月に一度ほど、美術館へ行く。
それはただただ、観るために。
例えばある絵をみて救われることがある。
昔から救いを求める人々がいて、その祈りは切実だったのだと、絵を通して自分の心に染み渡る。そして自分だけではないのだと救われる。仕事で嫌なことがあったり、育児で悩んだときにこそ行こうと思う。絵をみていると、思考や感情が整う。
これから芸術の秋だ。
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・「全部見ようとしない」勇気を持つ
すべての展示作品を均等に鑑賞しようとすると、脳も体も疲弊してしまう。あらかじめ「これだけは見る」という目玉作品を数点に絞り、それ以外は足を止めずに流し読みする程度でよいと説く。
・「1作品1分」の集中鑑賞
全作品を漫然と眺めるのではなく、気になった数点に対して「1分間」じっくり向き合う。色、筆致、光の当たり方などを細かく観察することで、解説文を読むだけでは得られない深い感動や発見が生まれる。
・解説パネルは「後読み」が基本
最初に解説文を読んでしまうと、先入観で作品を見てしまう。まずは自分の感性で作品を捉え、違和感や疑問を抱いてから解説を確認することで、知識がより定着しやすくなる。
・五感と身体感覚を意識する
展示室の静寂や照明、床の感触など、美術館という空間そのものを楽しむ。疲れたら無理せずロビーやカフェで休憩を挟むことが、結果として質の高い鑑賞につながる。
・「マイ・ベスト」を1つ決める
鑑賞の最後に、その日最も心に残った「今日の一枚」を決定する。アウトプットを意識することで、漫然とした鑑賞が自分事へと変わり、日常に戻った後も記憶に残りやすくなる。
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美術館に行く積極的な理由を具体的な言葉で理解したくて読み始めました。
美術館・博物館には年に4.5回は行きます。少なくはないですが多くもないですね。自分か家族が興味ある展覧会に行く感じですかね。常設展にしょっちゅう行く、みたいな人と比べると全然行きませんが、美術を自分のスタンスで楽しんでいる方なのかな、と思いました。でもせっかくだから次からはメモを取りながらもう少し深い楽しみ方を味わおうかな、と思います。
Posted by ブクログ
この著者は小さな美術館の学芸員しかわかってないけど、40前後か三十代半ばのようですが、今は大学講師しながら学芸員をやっているそうです。これからは大学講師が主になるのでこの本への学芸員としての熱き心が入ってます。
今のコロナ後の美術館のネットやスマホを利用しての美術館の鑑賞方法や美術館の集客の取り組みなどが書かれてます。
コスパやタイパとかの言葉が氾濫している中でその対極にある美術館の人間にとっての重要性を教えてくれてます。著者の人生観、世界観、価値観を通して書かれた美術への向かい方が述べられてます。良著です。
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美術館に行く意味…
忙しない毎日にそっと余白を差し込むこと
タイパコスパと効率に追われる現代であえて無駄に身を委ねる贅沢な時間
作品からの呼びかけに耳を澄ませ目に映る世界をほんの少し変化させること
自分自身と丁寧に向き合いながら深く息を吸い直すこと
フォースプレイスとして美術館を活用するのもあり
Posted by ブクログ
美術館にしばらく行ってない人に向けた、美術館に行きたくなるような本。
コロナ禍での取り組みや企画展、SNSでの広報など、学芸員としての活動や裏方を知ることが出来た。
タイパとは対極にある美術館が提供する価値として、意味がなくてもいい、余白を楽しもうという考えや、自分自身と向き合うためのフォースプレイスとして活用しようという著者の思いが伝わってきた。
今開催中のゴッホ展にでも行って、余白や自分自身との時間を楽しんでみようと感じた。
Posted by ブクログ
美術館の歴史から楽しみ方まで美術館に行く人も行かない人も興味を深められる一冊。
私が足を運ぶのは、
・訪れる行為自体にある種高揚感
・非日常の空間で気持ちを開放させる
こんな理由なのかもしれない。
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美術館に行った後、感想を記録するのは私もやっていきたい。例えば、展示会で最も心に残った作品についてその展示会に行ってない人に向けた文を書くなど
美術作品は作者が膨大な時間を使って制作したものであり、その中には現代だと無駄であると切り捨てられかねない気付きや感情が込められている。芸術作品を鑑賞することで意味がないと切り捨てられかねないようなことを大事にする感覚を養えると思う。
これは私も特に現代美術の鑑賞をしていて感じていたことで、この本の筆者も同様に感じていたことにはっとした。
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美術館へ行く意味を改めて問い直した内容。「確かに、そう思っているから美術館を面白いって思う」と思う部分も多かった。美術館へ行くのがマインドフルネスになる事、フォースプレイスになる事は新しい認識でためになった。
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ダイパ、コスパに囚われやすい現代人のことや、なぜ美術館に行けないのかなど実際の学芸員さんならではの感覚があって面白かった。
美術館の裏側まで知ることができるので、美術館に行くが自分なりの楽しみがまだ確立されていない人は読んでから行くとより楽しめると思う。
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美術についての本を何冊か購入した時の1冊です。著者は美術館の学芸員さんで、優しい口調でとても読みやすかったです。
現代人が如何にタイパ、コスパにとらわれているか、動画やSNSなどに時間を費やしているかなどの疑問を投げかけながら、学芸員として今の美術館の問題点やあり方を分析していて説得力があります。
「美術館好きは人生のどこかの時点、多くは十代や二十代前半の若い時期に何らかの衝撃的な鑑賞体験をしている(p,57)」は自分にも当てはまることだったのでよく分かります。
また、先日美術館にて彫刻の作品を観に行ったのですが、そのときの、手で触って感じた感覚がまさに同じ気持ちだったので、不完全燃焼だった気持ちを言語化してもらってスッキリしました。(p,162-163)
ただひとついえるのは
本書の題名があっていない?ような気がします。
私だったら、はじめに で使われている
「美術館に行きたいけどなぜか行けないあなたへ」かな。
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非常にわかりやすいし、面白かった。
芸術とゆったり向き合う時間をとるのって
素敵なことかもと思えた。
展覧会の探し方
美術館ナビ
美術手帖
tokyo art beat
展覧会に行ってみたいと思った。
そして、絵に向き合い、自分と対話をしたいと思う
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一言で言うと、無駄な結晶を、タイパを無視して見るのが美術鑑賞。
現代はすぐわかる、効率良くを重視。美術鑑賞はその対局にある。
展示会レポートを、作品を見ていない人にも伝わるように書くべし。
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数年ぶりに美術館に行った際、「なにもわかんね〜、なんかすげ〜」で終わってしまったので、美術館の楽しみ方を知るために読んだ。
「美術館でのメモのススメ」では、単純に自分がアートから受けた印象を箇条書きでメモして感動を忘れないやり方を知れた。
美術館では鉛筆しか使用不可とのことなので、鉛筆を使って走り書きのメモをして、後でスマホのメモ帳にまとめるのが良さそう。
Posted by ブクログ
美術館の置かれている現状、タイパ重視の最近の傾向、そこから、美術館の楽しみ方まで書かれている。
この本を読むと、肩の力を抜いて、まずはゆるく観に行ってみよう、と思える。「いい加減」という言葉が使われていることで、美術館へ行くことのハードルをかなり下げてくれた。
そして、次に美術館へ行く際は、必ずメモと鉛筆を持っていきたい!
心の余白をつくるために美術館へ行く。
自分にとっての「読書」にも通ずる内容だった。
(内容は関係ないけど、ちくま新書、フォント?行間? わからないけど、すごく読みやすい)
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ダイパ・コスパの時代に
美術鑑賞は
マインドフルネス
脳内に溜まった不要なキャッシュを
クリアする
目の前の作品に集中し
自分の感情の動きを受け止める
異化効果:固定観念を揺り動かし、当たり前のものに新しい視点を与える
美術館はfourth place
Posted by ブクログ
すでに美術館に足を運ぶ私としては、美術館の良さは自分なりに分かっているつもり。
なのでその認識を再確認する内容だった。
美術の作品をより具体的に深く知りたい人よりかは、もっとシンプルに美術館への興味をそそるような内容だった。
Posted by ブクログ
何もしていない という状態は当たり前ではなくなった
展覧会を楽しむのに予習は不要
主観的な鑑賞をするための秘訣はアウトプット
#美術を語ろう
発信をすることで奇跡が起こるかも
美術館でメモをする
時間の流れは環境によっていくらでも変化する
Posted by ブクログ
ちょくちょく名前を聞くタイトルだったのと、この夏、3回ほど美術館に足を運んだので読んでみましたが、タイトルからイメージしていたものとは、ちょっと違いました。
もう少し美術館の楽しみ方とか、時間が無い中でもどのように美術館と付き合うかみたいな内容かと思っていましたが、8割ぐらいは今の美術館が抱える問題や美術館そのものに焦点が当たっているように感じました。
私が期待していた内容とは違いましたが、
美術館は見方を変えて2周回るのがオススメとか、次回はメモ帳と鉛筆を持って、簡単な感想メモを残しながら見てみようとか、次に美術館に行く時の実用的なヒントを貰えたのは嬉しかったです。
Posted by ブクログ
本やネットで簡単に芸術作品を観られる今、美術館にわざわざ行くということは、確かにとてもタイパの悪いこと。
でも、その無駄とも思える時間が実は大切という考えは同感。
この絵が観たい!と思って下調べをする。チケットを入手して美術館に出向く。その一つ一つが芸術鑑賞という体験に含まれている気がする。
誰と行ったか、その日何を食べたかまで記憶に残っていたりもするから。
芸術鑑賞は、ただただじっくり眺めているだけなんだけど、著者おすすめの「メモをとる」を次からやってみようと思う。シャーペンやボールペンは不可の所が多いということすら知らなかったけど、ちゃんと鉛筆持参で!