水木しげるのレビュー一覧
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ネタバレ『きのこの話』(新井文彦)、『狼 その生態と歴史』(平岩米吉)、『絶滅したオオカミの物語』(志村真幸 渡辺洋子)の3冊をキッカケとして読む事になった『猫楠』(水木しげる)。
この3冊の中に出てきた人物こそ南方熊楠。
紹介内容がユニークで
❶ 昭和天皇にキャラメル箱に入った粘菌進献。
❷狼の糞の相談を受けた人物。
❸ 【オオカミの研究者】として語られ、イギリスにも滞在してロンドン動物園にしばしば足を運んでいた人物。
などなど…。
これだけ連続して読むと「この人物は一体何者?」と気になり本書を手に取った次第でございます。
私自身【きのこ】と【狼】からこんなに読書が続くと思っていなかったので何だか笑えてきた。
南方熊楠が残した業績よりも生涯の話からスタートし、
本書を読んでも【自身の癇癪と闘い続けたエロい学者さんとその家族&仲間たち】という印象しか持てなかったけれど、
「業績に隠れた人の中身ってこんなものなのかもしれない」と思えてきた。
そして、
【学者の好奇心&知識欲】って凄まじいとも思いました。
「何でこれはこうなっているのか?こんな現象が起こるのか?」という問いの中に、
【きのこ】と【狼】がいたんだなぁ。
それにしても…
それらの解明シーンにおいてほぼほぼ全裸なんて人初めて見たわ。 -
Posted by ブクログ
水木しげる(本名:武良茂/1922~2015年)氏は、大阪市生まれ、鳥取県境港市育ちの漫画家。紫綬褒章、旭日小綬章受章。調布市名誉市民、東京都名誉都民、鳥取県名誉県民。文化功労者。子供の頃聞いた妖怪の話に強い影響を受けた妖怪漫画(代表作『ゲゲゲの鬼太郎』(1960年代~)や、太平洋戦争時のニューギニア戦線での過酷な戦争体験を基にした戦争漫画(代表作『総員玉砕せよ!』(1973年))を数多く残した。境港市には、水木しげるロード(1993年)、水木しげる記念館(2003年)が造られている。
私は、ノンフィクションやエッセイを好んで読み、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。
本書は、日本経済新聞に2003年に連載された「私の履歴書」をメインにして、「水木サンの幸福論」を加え、更に、水木氏・実兄・実弟の3兄弟の対談と、自らの子供時代を描いた漫画『花町ケンカ大将』を付録として付けたもので、2004年に出版され2007年に文庫化された。
私は『ゲゲゲの鬼太郎』をTVアニメで少し遅れて見た(再放送だったと思われる)世代ながら、子供の頃は、正直なところ怖くてあまり好きではなかったのだが、大人になってから、境港市の町おこしの報道や「私の履歴書」で改めて気に留めるようになり、TVドラマ『鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜』(2007年)を見て、原作『総員玉砕せよ!』を初めて読んだ、かなり遅い水木支持者である。
「私の履歴書」は、(連載時にも読んでいたが)改めて通して読むと、水木氏の「奇人変人ぶり」、波乱万丈の人生が実に面白く、また、連載時から20年近く経ち、社会の閉塞感が一層強まる(ような気がする)中で、水木氏の人生(観)から気付かされることも少なくなかった。
また、氏が自らの人生から導き出した「水木サンの幸福論(幸福の七か条)」は以下で、実に水木氏らしいものである。
第1条:成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第2条:しないではいられないことをし続けなさい。
第3条:他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。
第4条:好きの力を信じる。
第5条:才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第6条:なまけ者になりなさい。
第7条:目に見えない世界を信じる。
尚、本書を読んで、水木氏が出征時に『ゲーテとの対話』を雑嚢に忍ばせて行ったほどのゲーテのファンだったことを知ったが、氏の人生観や幸福論にゲーテが相応の影響を与えているのは間違いないだろう。(私も『ゲーテとの対話』は大好きである)
(2023年1月了) -
Posted by ブクログ
仕事で水木さんの調布のお宅に伺ったことがある。(僕は出版関係ではありません。)
子供の頃、テレビで最初のモノクロの鬼太郎を見ていた世代。
古代史は好き。水木さんは境港出身で、故郷の無念を露わそうとした漫画を購入。でも子供の頃は水木さんの絵はチョッと苦手だった。今、こうして見るとクセのある絵が凄くイイ。それから、女性を描くのが苦手だなと改めて思う。
朝鮮半島から来たアメノヒボコが播磨を占領したという解釈は賛成。普通、オオクニヌシが播磨まで勢力を伸ばしていた証拠とされる但馬国風土記だけど、普通に読んだら占領されたという解釈の方が正しいと思う。
悪魔くんとか、水木さんの漫画を改めて読んでみようかなと思っている。 -
Posted by ブクログ
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』6期の設定をベースにした短編集。
各エピソードは6期の脚本家等が担当。
『鬼太郎』アニメは各シーズンごとに、世界観やキャラクターの性格も違うことで有名だが、こちらの小説もアニメ6期同様に「人間のほうが怖い」印象の話が多い。
個人的には、
・恋に一直線すぎる思いこみの激しい骨女と、骨マニアの青年の恋を、テンション高めに描く『骨女』
(骨女の猪突猛進っぷりが可愛い)
・6期オリジナルキャラクターの犬山まなちゃんと転校生との出会いが、サスペンススリラーに発展する『貝稚児』
(まなちゃんがいると恐ろしげな話も毒が薄れて良い)
・アニメでも寡黙な脇役である印象が強いぬりかべの内面にフォーカスした『ぬりかべ』
(ぬりかべに対して「犬」というキーワードに、妖怪ファンとしてはニヤリとしてしまう)
の3作が面白かった。