小原晩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「なんてことのない日常だな」と油断してページをめくっていると、いつの間にか他人の人生の『劇的なターニングポイント』のど真ん中に立たされている。
小原晩さんのエッセイ『これが生活なのかしらん』を読み進めながら、私はずっと「どうしてこんなにも、ただの生活の記録に引き込まれてしまうのだろう?」と不思議でたまらなかった。だって、描かれているのは、本当にどこにでもありそうな、個人的でリアルな日々の風景ばかりだからだ。
けれど、途中ではっと気がついた。
彼女がなんてことのないような軽やかさで書き留めているのは、実は人生におけるすごく大事な分岐点ばかりなのだと。普通の人なら、もっと大げさに、ドラマチック -
Posted by ブクログ
こう言っちゃ本当申し訳ないが、著者の趣味嗜好には1ミリも興味が持てず、なにもかも別の星の生き物の観察日記を読んでいる気分だった。が、ストレスで味覚を失い、上からも下からも食べ物が出るような繊細さ、五感のセンサーの鋭さだけは、おそろしく伝わってくる。
著者の経験した劣悪な環境下での搾取すら、「よわよわしい」「ふあん」「ばか」のような、ひらがなに崩された単語の感性によって、どこか「かるみ」のあるエッセイに変えてしまうのはすごいと思った。
『生きたくなるセット』の、太陽の塔を眺めていたときの一節が特によかった。
「その間、心のなかは無である。からっぽ、というのとは違くて、心には無が満ちていて、そ -
Posted by ブクログ
自費出版作品としては異例の売れ行きを記録した『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の小原晩、書き下ろし最新作!
気になっていた唐揚げ弁当の著者。わくわくしながら読みました。新しい作家さんでまだ有名になりきっていないときの新鮮さというか、独特の光がある感じ、いいよね。文章は読みやすくて、あーいいねと気軽に頷ける感じ。その分ぎゅっと刺さるかと言われると正直私には微妙だったけど、好きな人は多いんじゃないだろうか。3人暮らしの話が一番面白くて、やっぱり気が合う女同士のシェアハウスってまじで楽しそう。一回やってみたいなあと思った。彼氏との同居生活は、彼氏の思考回路がいまいち理解できなかったのもありそこ