小原晩のレビュー一覧
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小原晩さん、今年のトップ3に入ってくる本に出会えました。ありがとうございます。どうしても唐揚げが食べたくなり、午後からずっと「唐揚げ定食を食べるんだ」という気持ちで乗り切りました。ジョイフルで唐揚げ定食を貪り食いました。やすい、うまい、はやい。私の好物、唐揚げ。
私は、くどうれいんさんも好きなのですが、なんだかおんなじ空気を感じて、わあああ、面白い。と喋りながら読み進めました。
ビルとビルの間で、彼女にとっては癒しの、逃避の時間だったろうに、こんな張り紙を見つけて。すごく、切ない気持ちになりました。
悲しい現状なんだけれど、本人はそんな感じかあ、というような気持ちで日々生きているのが感じ取れ -
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『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』
なんともセンセーショナルなタイトルから始まるこの作品は、作者の小原晩さんが上京(八王子から)してからの日常を綴るエッセイ
どこで唐揚げ弁当を食べてはいけないのかは冒頭で早々に解決してしまう
小原さんは、なかなかヤバいところで唐揚げ弁当を食べていた
私も都心で働いていたが、そこで弁当は食べないだろう
その後は感情剥き出しの日々が記されていた
都心で就職し、恋人と関西へ引っ越し、また東京へ戻ってきた、それぞれの生活が優しくて眩しい
とくに恋についての文章は秀逸だ
キュンキュンしながら何度も読み直してしまった
こんな風に毎日を愛せたらいいな -
Posted by ブクログ
良かったなあ。
エッセイというものの良さに気付き始めたばかりの初心者だけれど、この感性、人生のままならなさ、だけどどうにかなる人間の図太さ。一瞬の出来事に人生が乗っていて。こうやって生きて、ただ死んでいくのでも、全然いいんじゃないかと思えた。
夏の香りがする。
冬は、寒くて空気が張り詰めて、生き物がいなくなって、いくつかの感覚が遮断されるからこそ、一つの物事を澄んだ目で見られるような、だからエモいものが生まれやすい季節なんだと思う。
だとしたらこの本は、夏の本だと思う。
暑くて、うるさくて、あらゆる生き物がごった返しに生きている夏の東京で、にもかかわらず孤独でいれる、そんな著者な気がする。
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自費出版が伝説的ヒットを遂げた作品であるらしい。会社サボって唐揚げ弁当を青山の同じ場所で食べてたら、「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」とある日貼られていて逃げてしまった。そんな出だし。
手取り10万から寮費払ってどうやって暮らしていくのか。あ、ご飯出るからいいのか?いいのか?わからん。職業は美容師さんであるようだ。
父が亡くなった。父の頬は冷たかった。お母さんが私も棺に入れて!と言った。そういえば死んだら和太鼓でも叩いてくれと言っていた。どんどこどんどこ。
コーヒーを飲んでもどの味が好きかすぐに忘れてしまう。でもチーズケーキは生に軍配があがる。お菓子作りは苦手、必ず生焼けか黒焦げに -
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優しい。優しくて人一倍感情に敏感なのだ。
殆どの「うまくやれる側」の人間はずっと矢印が外へ向かっているでしょう。何かあっても深く理由は考えず、自分の方へ矢印を向けることはないと思う。他へ向けて、その向けられた相手もまた他へ向けて。
それでも他人の感情に敏感で、変なところで真面目なタイプの人間は、その矢印連鎖を自分のところで止めてしまいたいと思ってしまう。むしろ自分がその矢印の最終地点なのかなとも。なんとなくそんな印象をこの本を読んで感じました。
心のホウプと対話したい。自分の心に耳を傾けたい。
本当に何もかもが自分のこれまでの生活の中で実際にあったことと重なって、まるで自分の日記を読んでいる -
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やっぱりこの人の文章が好きだ。前作と内容や登場人物が被る部分も多いのに、読みたくなってしまうのは、ひとつの出来事や同じ人物に対して、小原さんが特定の感情にこだわることなく、色々な感度から覗きこんで、色々な可能性を含んだ解釈をしているからだと思う。特に「ほんとうはやさしい子」「兄のサービス」なんかは、前作の兄への印象とは大きく異なっていてすごく印象に残った。生き様は真逆でも、同じ人間から生まれ、同じ家で、同じルールのもと育ったから共有できる感覚みたいなものをここまで表現できるのはすごいと思う。
それから、わさびとテストの話を読んでどこに江國香織を感じるのかまた少しわかった。恋人の善意を無碍にで -
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前作につづき、小原晩さんの人柄が文章や選ぶ言葉に溢れており、この唯一無二の世界観が心地よくて、好き。
小原晩さんの豊かな感受性は、やり過ごしてしまうような何気ない日常、きっと相手にとってはほんのささやかな関わりの中からも、何かを感じ取る。その時の感情に向き合うことで、社会を知り、自分の心を育てていく。自身の等身大の言葉で綴られるエッセーにはリアリティや重みを感じて、感情移入させられた。
自分自身も日記を残したいと思った。日常で経験するどんな退屈、平凡に思うことさえも、何かを得ているんじゃないかと思わされる。自分の感性とも向き合って日々の棚卸をしていきたい。
p.s.
心が「無」である時 -
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ネタバレ文体がユニークな気がして好き。登場人物もどこか浮世離れしていて不思議。あけぼのアイディンティティ、とかどこか少し引っかかる言葉を使う。水浴びをするおじさんの背中を眺めたり、雨宿りをしていたらみんなでお酒を飲むことになったり。緩やかと流れる時間。喪服が似合いますね、と褒められると言うのはいかがなものか、と思ったがそのような女性がいたら素敵だろう。
表題作、風を飼う方法は序盤からどこか不穏。ゆるく自分自身の時間を楽しんでいるようだけれど、彼女はやはりトラウマを軸として生きてしまっている気がしてかなしい。1人でコアラを見たい気分、と言って恋人の元から去るし山彦さんにも会わないことにする。彼女は自分を