小原晩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあの本読みました大賞のエッセイ賞受賞作。
私家版が1万部を超える評判で、商業出版されたという活字界の成り上がり伝説を地で行く…というと、なんだか勢いとか圧が凄そうだが全くそんなことはなく、ビルの谷間でから揚げ弁当を食ったり、夜明け前の松屋で牛皿ビールを食ったり、行方不明の兄貴とメンチの斬りあいしたり、眠れない夜にオールナイトの映画館に行ったり…そんな、ちょっとダラしないような、いややっぱり一所懸命生きてる、東京人の日常をとてもうまく切り取った文章が良い。
世の中、上手くいかないことが色々あるけど、それでも今のところ、ディストピアにはなり切れないこの日本で、俺もひっそりとしたたかに楽しみを見つけて生きるサバイバーになれたらなぁ…とかそんなことを思いながら読んでいた。
飲酒習慣に戻るつもりは毛頭ないが、それでも折々に出てくる飲酒描写、なんか快適そうで美味そうなんでちょっと羨ましかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日常の些細なしあわせ、ほろ苦さ、理不尽さを描いたエッセイ。
淡々とした筆致なのに、読んでいると情景が自然に浮かんでくる。派手な出来事が起こるわけではないけれど、生活の中にある小さな光や違和感、少し笑える瞬間が、ちゃんと本の中に残されていた。
生活は、特別な出来事だけでできているわけではない。
むしろ、あとから思い出すのは、少し変な会話だったり、誰かと食べたものだったり、どうでもいいような理不尽だったり、なんとなく見た景色だったりする。
この本を読むと、そういう日常の細部を、もう少しちゃんと見てもいいのかもしれないと思う。
仕事に疲れている時、生活はただ消耗するだけのものに感じることがある。
でも、本当はその中にも、小さなしあわせや、おかしさや、腹立たしさや、ときめきが転がっている。
それを大げさに感動へ変換するのではなく、淡々と、でも確かに拾っていく筆致がよかった。
自分の生活も、少しだけ面白がってみたくなる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
こないだ公園を通りがかったとき、親子連れがいて、目についた。
子供さんは女の子で小学生か幼稚園の年長さんくらいで、お父さんもお母さんもぼくより若い。
女の子が、スケボーをしてて、飛び乗ってコナン君みたいに素早く移動したい感じで、大きくジャンプした。スケボーに乗った瞬間に、きれいに転んだ。
すこーんという感じの効果音が聞こえる、本当に綺麗に尻餅をついた。
子供さんは泣くかとおもったら、大爆笑。お母さんも大爆笑。お父さんは飛んで行ったスケボーを取りに走っている。
お母さんが子供のズボンの土を払って、
「あんたおしりが二つに割れたんちゃうか!」
といっておしりを確認して
「割れてもうてるやん!」とまた大爆笑していた。
子供さんもおしりを確認して
「ほんまやー」とけたけた笑っている。
お父さんも戻ってきて笑っていた。
読みながら、思い出したエピソードを上に書きました。
本の感想ですが、小原さんの文章は、切なくて寂しい。生活がぜんぜんままならない。
やる気になればものすごい成績を残すことは、前作の「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」でもよくわかった。ひらがなをすこし多めにして、漢字をひらいて開放的な雰囲気が文章に漂う。
これが生活。
詩のような文章は、書くたびに自分を削る。カップ麺ばかり食べてたら、生活も削られる。
でも、書くことでしか得られない栄養もある。
カップ麺でしか得られない満足感があるように。
素敵で寂しくて、不器用なのにやる気になればなんでもできる小原さんをこんな場所から応援しています。