小原晩のレビュー一覧
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優しい。優しくて人一倍感情に敏感なのだ。
殆どの「うまくやれる側」の人間はずっと矢印が外へ向かっているでしょう。何かあっても深く理由は考えず、自分の方へ矢印を向けることはないと思う。他へ向けて、その向けられた相手もまた他へ向けて。
それでも他人の感情に敏感で、変なところで真面目なタイプの人間は、その矢印連鎖を自分のところで止めてしまいたいと思ってしまう。むしろ自分がその矢印の最終地点なのかなとも。なんとなくそんな印象をこの本を読んで感じました。
心のホウプと対話したい。自分の心に耳を傾けたい。
本当に何もかもが自分のこれまでの生活の中で実際にあったことと重なって、まるで自分の日記を読んでいる -
Posted by ブクログ
やっぱりこの人の文章が好きだ。前作と内容や登場人物が被る部分も多いのに、読みたくなってしまうのは、ひとつの出来事や同じ人物に対して、小原さんが特定の感情にこだわることなく、色々な感度から覗きこんで、色々な可能性を含んだ解釈をしているからだと思う。特に「ほんとうはやさしい子」「兄のサービス」なんかは、前作の兄への印象とは大きく異なっていてすごく印象に残った。生き様は真逆でも、同じ人間から生まれ、同じ家で、同じルールのもと育ったから共有できる感覚みたいなものをここまで表現できるのはすごいと思う。
それから、わさびとテストの話を読んでどこに江國香織を感じるのかまた少しわかった。恋人の善意を無碍にで -
Posted by ブクログ
前作につづき、小原晩さんの人柄が文章や選ぶ言葉に溢れており、この唯一無二の世界観が心地よくて、好き。
小原晩さんの豊かな感受性は、やり過ごしてしまうような何気ない日常、きっと相手にとってはほんのささやかな関わりの中からも、何かを感じ取る。その時の感情に向き合うことで、社会を知り、自分の心を育てていく。自身の等身大の言葉で綴られるエッセーにはリアリティや重みを感じて、感情移入させられた。
自分自身も日記を残したいと思った。日常で経験するどんな退屈、平凡に思うことさえも、何かを得ているんじゃないかと思わされる。自分の感性とも向き合って日々の棚卸をしていきたい。
p.s.
心が「無」である時 -
Posted by ブクログ
自費出版で大ヒットした同名エッセイの商業出版版。17編が追加収録されています。
前半の、20歳前後に美容師として働き、失敗を繰り返していた頃のエッセイが面白いです。
劣悪な寮環境、自転車操業のような金銭事情、それなのに誘惑に負けてアイスを買ってしまう。想像以上に壮絶でブラックな美容師時代を、飾らず淡々と書き記す文章が見事でした。
具体的なエピソードが豊富な前半はサクサク読んでいたんですが、お父さんの死を扱ったエッセイ辺りから「いや、もっと味わって読んだほうがいいんじゃない」と思いなおし、ちょっとずつ手に取って読むスタイルに変えました。
夜中にゆっくりと歩いてミッドナイトショーを見に行く。 -
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Posted by ブクログ
前作の「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」を読んだ時の、もっと深掘りしてほしかったという思いを叶えてくれる本だった。
前作がふわふわとして温かいのに比べて、今作は深掘りしてくれたからこそ暗さや憂鬱さが滲み出てきて辛かった。
詩のような雰囲気があって、基本は気を抜いて読める。
ただ、柔らかくて単純な雰囲気だからこそ、暗い部分がダイレクトに伝わってくる。
この、詩のようにも思えるし、幼い子が書き綴った文章のようにも思える独特な感じが面白い。
少しこの作者さんは変わった人なのかな?と思うこともあったけれど、自分自身もそういった面は持ち合わせているような気もして読みながら考える時間があった。
前作