浅暮三文のレビュー一覧

  • ダブ(エ)ストン街道

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    メフィスト賞を受賞した、でもミステリじゃない風変わりな小説。行方不明になった恋人を探して、ついに辺境の地・ダブ(エ)ストンに漂着した主人公が繰り広げる恋人探し道中…の合間に、謎の王様と執事ピエールその他の大集団の謎な旅模様、変なところで道徳的な半魚人、蝶ネクタイに手間取る熊、さまよう幽霊船、「白馬に白タイツ」の白雪仮面などなどなどなど…ダブ(エ)ストンを迷い歩く者たちの小話が突然紛れ込む!迷うファンタジー。タイトルの絶妙なバランス感覚、本文冒頭の文章の引き込みのうまさが瞬間的にレジ行きを決意させる本!?癖のないさっぱりした文章は非常に読みやすく、ダブ(エ)ストン全体の妙さ加減も面白い作品です。

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    2009年10月04日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    イリュージョン。
    この作品をwebなどで検索する場合、ダブストンかダヴエストンなんだかダヴェストンだかわからなくなり、作者名でしか検索するすべがなくなる。

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    2010年05月14日
  • 我が尻よ、高らかに謳え、愛の唄を

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    ネタバレ

    短編で、ちょっと前の話に重なってる部分がありつつ内容は全然違う話。最後まさかのパニック小説で展開にドキドキさせられましたがどれもその後が気になります。

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    2024年02月22日
  • 困った死体

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     停電中の感電死、熱帯夜の凍死。普通なら考えられないような状況に置かれた変死体を専門に扱う「サーカス」と呼ばれる特殊班の活躍を描いた4編収録の短編集。
     死体の設定もさることながら、登場人物達も個性的な面々が出そろい、ふざけた会話がやり取りされている。ただし、トリックは意外とまじめ。突拍子もないところからいきなり事件が解決するのではなく、文中にも事件解決に向けたヒントが書かれているため、推理しながら読み進めることはできる。ただ、ふざけすぎる設定の陰に霞んでしまうのが難点。

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    2023年08月10日
  • 困った死体

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    ありえない状況での困った死体だらけ

    断食中に食中毒死
    停電の夜に感電死
    真夏の林に凍死体
    砂漠の真ん中に溺死体

    こんな死体の謎を解くという、導入部分のわくわく具合が素敵

    浅暮先生のとぼけた味わいで描かれた気軽に読める一冊で、面白いネタから正直これは……というネタまで揃っていますが、そこはご愛敬(笑

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    2023年08月02日
  • 誘拐犯はカラスが知っている―天才動物行動学者 白井旗男―(新潮文庫)

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    けっこうおもしろかった。初読の作家さん。メインキャラの白井氏より、白井氏の大学時代の知り合い(知り合い?だったかしらんが同窓生)の警察犬ハンドラーの原が主人公に思えてくる。一人、関西人異邦人の原友美。関西弁というか神戸系っぽいような、結構オセンティックな発音が頭に浮かぶ、いい話し言葉なので、作者は関西人だろうか、といらんことも考えてしまう。動物が専門ではなさそうだが、良いトピックを拾って面白く設定つくっているな、という印象。
    カラスの貯食を利用した事件解決。文鳥と鳩の審美眼を利用した事件解決。警察犬の嗅覚とニホンリスの習性で事件解決。セミの習性で解決。オオムラサキ、ツバメ、イヌワシ、カモシカ、

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    2022年06月19日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    ネタバレ

    1998年。第8回。
    ファンタジー。何故にメフィストに応募したのだろ、新潮ファンタジーノベルって感じだけど。
    子供の頃から穴掘りが好きで考古学者になったケン。夢遊病の恋人タニアを探して、ダブエストンまで。なんで(エ)なのかというと、人によって言い方が違うから。地図にもない島?で、ここでは人々(てか生き物)は道に迷ってばかりいる。
    半魚人だの、しゃべるツバメだの、ファンタジーぽいのと会っていく。
    ファンタジー好きだから、楽しんで読めたけど、オチがよくわからん。

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    2021年11月25日
  • 誘拐犯はカラスが知っている―天才動物行動学者 白井旗男―(新潮文庫)

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    【感想】
    ・このミステリは「こう」と明確な推理はしない。動物の行動を根拠に確率を少しずつ上げてゆき絞り込む。最後まであくまでも蓋然性の問題であり確定はしない。このパターンは新しい気がする。
    ・著者は関西の人みたいやけど、作中の関西弁がなんかヘン。関西弁に「ですます」をつけてるからかな? もともと関西弁、特に大阪の商人言葉はそれ自体で敬語を含む用法が可能やから。

    【内容】
    ・誘拐犯が死んで誘拐された人の居場所がわからない。
    ・鳩や文鳥の絵画鑑賞能力が盗まれたシャガールを見つけ出す?
    ・バラバラ殺人で身許不明の腕や足から犯人を追う犬たち。リスやアリの行動をヒントに。
    ・現金輸送車襲撃犯はつかまっ

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    2021年11月07日
  • 誘拐犯はカラスが知っている―天才動物行動学者 白井旗男―(新潮文庫)

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    不思議な本だった。文章にクセがあり、関西弁が何だかおかしい、ストーリーもそんなに上手くいかないのでは?という展開。でもいつのまにか動物の行動を学び、それなりに人物にも愛着が湧き、読後感も悪くない。

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    2021年09月29日
  • 困った死体

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    ネタバレ

    砂漠で溺死などの奇妙な変死体ばかりを扱うチーム。しかも被害者の名前はいつも同じなのに、そこには特に裏はないっていう深読み不要なミステリーだった。

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    2020年04月18日
  • セブン opus2~古い街の密かな死~

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    「セブン」シリーズの2作目。


    主役は、文京区本郷M署の女刑事、如月七。親しい者は、彼女を「セブン」と呼ぶ。

    カナダ人の父親と日本人の母親の間に生まれたハーフで、彫りの深い美しい女性だ。

    1作目も同様なのだが、捜査を主導するのは先輩であり、
    彼女の師匠でもある土橋。

    セブンと土橋の間で交わされる、クイズのような、禅問答のようなやり取りは、たまに「?」となる。

    土橋から捜査のヒントを得ながら、事件を推理、捜査を行う、つまりは、彼女の成長物語ともとれる。

    また、五歳の時、自宅が全焼し、その際、両親を失っている。

    そのショックで、感情を置き忘れたようで、そのせいか、彼女自身の感情の揺れ

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    2018年07月26日
  • 誘拐犯はカラスが知っている―天才動物行動学者 白井旗男―(新潮文庫)

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    動物行動学となぞときって興味で読んだけど全然想像がつかない方法で面白かった。
    ただ大阪弁が違和感があって残念

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    2018年04月28日
  • セブン~秋葉原から消えた少女~

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    また、新たな女性刑事モノに出会えた。

    だが、最近、過去にさまざまな事件で傷を負っていたり、事件で家族を失ったりしている刑事がやたらと多すぎませんか。

    この作品の主人公、文京区本郷M署に勤める如月七(ナナ)もそうなんですね。

    カナダ人の父親と、日本人の母親との間に生まれたハーフ。彫りの深い顔、長い手足、170cmに近い身長とくれば、ああ、きっと「美しすぎる刑事」とか呼ばれるんだろうなと、余計なことを思ってしまう。

    だがどうやら、幼児期にその両親が殺害された模様。
    (まだ、この作品では真相が明らかにされていません)

    その傷のためか、感情を置き忘れたようなところがあるが、一人の親友と、そし

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    2018年02月20日
  • 10センチの空〈新装版〉

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    初めは覇気のない僕にあまり興味が持てなかったが、ラジオへの投書からファンタジーのような物語が進んでいき、興味深くなっていった。

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    2017年06月22日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    『きっと人間はプロセスの動物なのだ。プロセスに生きているのだ。目標や成果は道ばたに生えている雑草となんら変わりがないのだ。』

    第8回メフィスト賞。メフィスト賞でファンタジーは珍しいけど、安部公房の『砂の女』を彷彿させる作品。

    深く考えすぎないで読むくらいがちょうどよいのかな。面白かった。

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    2015年12月13日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    "ダブ(エ)ストン街道 "浅暮三文著 講談社文庫(2003/10発売)
    (1998/08発売 講談社の文庫版。解説:石田衣良。)

    ・・・第8回メフィスト賞受賞作。ひどい夢遊病でいなくなってしまった恋人のタニア。
    タニアの消息を追って主人公がたどり着いたのは迷い込むと出られない”ダブ(エ)ストン街道”であった。

    ・・・メフィスト賞受賞作、というよりは新潮の日本ファンタジーノベル大賞受賞みたいな作品。
    郵便屋、海賊船、王様など比較的コミカルな雰囲気。

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    2015年01月08日
  • ラストホープ

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    昨年、釣り用のジャケットを普段着に購入したので(文章にするとワケわからん(苦笑))、寒くなるのを前に釣りモノをとチョイス。
    正直、キャラクターがとても掴みにくい作品でした。視点が変わる際にもう少しキャラ立ててくれると読みやすいかなと思います。途中で相関図を作ったり、まぁその辺の曖昧さが面白さなのかも知れませんが。
    ストーリーも複雑で、捻りが効いてるのか、ただややこしいだけなのか。
    しかし、その辺に慣れてくると、それなりに面白く読めたりもします。著者の釣り好き、野球好きが伺えるのが良い。

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    2014年09月29日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    ネタバレ

    夢遊病のためにどこかよく分からない場所に行ってしまった恋人タニヤを探して旅立った考古学者ケン。乗っていた船が難破して辿り着いたのは、目的地ダブ(エ)ストンだった。地下鉄を運行する親子や人食い熊、郵便配達人など、様々な人や人じゃないものと出会いながら旅を続け、やがて自己の本質に思い至る。

    ダブ(エ)ストンとは架空の場所で、なぜ(エ)なのかというとそこにいる人々が各々違う発音をする為だ。それで(現実の)書店では(エ)を発音するかどうかで混乱したという。本当なら面白いエピソードだ。勿論本編も面白い。カテゴリとしてはファンタジーよりも冒険小説だと思う。ダブ(エ)ストンの環境は厳しく、生きていくだけで

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    2013年06月13日
  • ダブ(エ)ストン街道

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    メフィスト賞受賞作だけどミステリではない異色作。

    夢遊病である日突然いなくなってしまった恋人のタニヤを追って、謎の島ダブ(エ)ストンへ向かったケン。
    ダブ(エ)ストンでは誰もかれもが道に迷っている。
    幽霊や王様、人食い熊や半魚人なども道に迷っている。
    ケンは郵便屋のアップルと出会い、ともに旅をする。

    不思議の国のアリスみたいな雰囲気もあり、正直かなりとらえどころのない作品。読み終わるまでにけっこうな時間かかってしまった。。

    でもラスト近くで繰り返される「たどり着くことではなく目的地をめざしてさまよい続けることが楽しいのだ」という感覚はわかる気がする。
    あまりに心もとなくてどうしても「それ

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    2013年09月12日
  • 嘘  猫

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    読みやすい。ああ、猫ってそうだったなあっていうほのぼの観察ストーリー。猫を飼いたくなった。作者が猫好きなことが分かりほほえましく読める。

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    2012年02月06日