浅暮三文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
引きこもりの動物行動学者、白井旗男の捜査協力で事件解決を図る連作短編集。
安楽椅子探偵のように現場に行かない話もありますが、大抵は現場へ赴き、残された手がかりから真相を探り当てます。
行動をともにするのは(駆り出しに来るのは)警察犬のハンドラーである原友美。大学時代の後輩です。
周到なのは、白井の飼い犬にも嘱託警察犬として訓練を施し、犬に捜査協力を求めるので飼い主にも来てほしい、という断りづらい体裁を整えていることです。やり手ですね!
さらには鑑識課の上司と捜査一課のベテラン刑事も巻き込んで、白井の捜査協力に道筋をつけてしまいます。
そこまでするのは事件解決のためもありますが、ほかにも理由が。 -
Posted by ブクログ
また一つ、「当たり」の刑事モノに出会えた。
この作家さんとは、「セブン」でお初にお目にかかった。
その時は、あまりインパクトを感じることはなく、どちらかというと、主人公のキャラえも、ストーリー展開でも地味な印象だった。
それが、この作品では、一つ一つ調べ潰していく、地に足がついた刑事本来の姿が丁寧に描かれ、ド派手なキャラではないが、なぜか安心して読み進めていた。
さらに、「セブン」で如月と相棒を組んだ「ハシゲン」こと土橋刑事が登場してきたときは、心の中でガッツポーズをしてしまった。
それほど、土橋のキャラは忘れがたく、心に残っていた。
如月と亜坂が土橋の愛弟子のようで、土橋の二人に対 -
Posted by 読むコレ
まさかのラストホープの第2弾が読めるとは!
文庫書き下ろしなんて偉いっ!
タイトル通に国分寺を離れて、舞台はパリへ。
そもそもの目的が自作のフライを世界進出させようと
してのパリ出張ってとこからしてナンセンスw。
更にはキレ者の釣り師をアピールするも、フランスの
田舎村の役人になんだかんだで利用されるこの
憎めない3人組の苦戦苦闘の大活躍。
気がつけば、ルーブル美術館を相手に大仕事を
カマすハメになるとは! 結構強引でご都合主義な
展開も多数あるけど、今作の持つニヤっとする
大人なコメディたっぷりで楽しませてくれるって
事で充分相殺。
しっかりと期待通りのオチ -
Posted by 読むコレ
珍しく浅暮作品を読み切れた(笑)。自分いしてみたら快挙。
憎めない悪党達が繰り広げるコンゲーム風のコメディタッチの
クライム小説だから読めたんでしょうね。
プロットやストーリー自体は極単純な構造なんですが、話しの
中で展開が二転三転...なんてもんじゃないくらいに目まぐるしく
変化する様に完全の翻弄されっぱなしで、着いて行くのに精一杯。
後半のバッタバタ劇に至ってはもうどうなってる事やら(笑)。
とは言えラストは痛快かつニンマリの締め括りで、読んで良かったー、
と思わせてくれる一級品の娯楽作品! こりゃ面白い!
あーあ...釣りに行きたくなってきちゃったよ。