【感想・ネタバレ】無敵犯 刑事課・亜坂誠 事件ファイル101のレビュー

あらすじ

動物虐待、ゴミ屋敷放火、下水道内でのガソリン爆発――K署勤務の刑事・亜坂の身辺で奇妙な事件が続発する。それぞれの現場には意味不明な言葉が残されていた。亜坂は本庁の土橋刑事の協力を得て捜査に乗り出すが、犯行は凶悪化の一途をたどり、ついには身許不明の女性が撲殺体となって発見される。その遺体にも、謎の言葉が刃物によって刻まれていた! 社会の闇を抉る警察捜査小説、第2弾。

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Posted by ブクログ

また一つ、「当たり」の刑事モノに出会えた。

この作家さんとは、「セブン」でお初にお目にかかった。
その時は、あまりインパクトを感じることはなく、どちらかというと、主人公のキャラえも、ストーリー展開でも地味な印象だった。

それが、この作品では、一つ一つ調べ潰していく、地に足がついた刑事本来の姿が丁寧に描かれ、ド派手なキャラではないが、なぜか安心して読み進めていた。

さらに、「セブン」で如月と相棒を組んだ「ハシゲン」こと土橋刑事が登場してきたときは、心の中でガッツポーズをしてしまった。

それほど、土橋のキャラは忘れがたく、心に残っていた。

如月と亜坂が土橋の愛弟子のようで、土橋の二人に対する優しいまなざしを感じる。

これからも、土橋を中心に2つのシリーズがリンクして描かれていけばいいなと、思うのだが。

学校からのウサギの盗難、ゴミ屋敷放火、下水道内の爆発。

K署の亜坂刑事は、その三つの事件に違和感を感じていた。
調べていくと、別々の小さな事件のある共通項にたどりつく。

そして、ついに四つ目の事件で、若い女性が殺されてしまうのだが、あとに幼い娘が残される。その娘は無国籍児だった。

その子が言う「内緒の子ども」がせつなく、内緒の子どもは幻の子どもでもあり、そこに確かに居て生きているのに、居ないこととして扱われる。

そういう事実が、悲しかった。

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2018年03月17日

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