短編(といいつつショートショート~中編くらいのもある)SF8選。テーマも設定もバラバラだけど総じて難解。
面白かった編
・「あなたの人生の物語」
母親が娘に向ける愛情は深く、歓喜も苦痛も出所は同じだなーというかそれを浮かび上がらせるのが何で宇宙人の文字表記なのか天才!って感じ。最初から最後までが決
...続きを読むまっていてもそこに見出せる何かは確かにある。他作「商人と錬金術師の門」にあったラストの一文、「ただそれだけです。けれどもそれでじゅうぶんなのです。」に近い感じかなー。
・「バビロンの塔」
高所恐怖症気味なので天まで届く塔なんて想像するだけで怖すぎる。(そして食える野菜が玉ねぎだけなの辛すぎる。)
タイトルから確か落雷に遭うやつだよね??とハラハラしながら読んだけど、全然違うウロボロスなオチが来た。どこまでいっても所詮釈迦(ここではアッラーだっけ)の手のひらというか、分からないことが分かった、的な感じかなー。
・「顔の美醜について」
人為的な顔の美醜失認は福音か欺瞞か?
自分だったらどうするかなー(オンオフモード切替もできる)、導入されたらどうなるかなーと思いながら読む。
確かに美醜の評価に振り回されなくなるのは気楽な気もするけど、また何等か基準を変えて優劣をつけるいたちごっこな気もするし、敵は美醜認識じゃなくそれを利用せんとする我欲だったり資本主義だったりしませんか?と思ったり。あとこれ導入されたら衝動的な恋愛が激減→出生率の低下→人口・国力減→各国で利用禁止とかなりそうだよな、という気もした。だってつがい相手の選別って繁殖と直結してるしさ。
<総評>
文章の抽象度が高い!日本語に直してもらっても多分3割くらいしか理解できてないと思う。そしてこれを高評価してる諸兄姉は頭がいいんだなーと尊敬。
分からない小説という意味でマイ評価は高くないけど、分からないからまた時間置いて読むと思う。分かるようになってるかどうか分からないし、今かろうじて把握したつもりの部分も時間がたつとピンと来なくなってる可能性も十分あるけど。