テッドチャンのレビュー一覧

  • 息吹

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    すげぇ本。
    下手な学術書を軽く凌駕する含蓄。
    「偽りのない真実、偽りのない気持ち」が特に刺さった。真実によって変わる人と、真実を呑み込む人と。

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    2025年08月05日
  • 息吹

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    本屋では毎回ハヤカワSF文庫の棚を凝視している自分ですが、ちょっと厚めの本作「息吹」は毎回視界に入って印象に残って、しかし購入はしないというパターンが続いてました。

    決して軽くはないボリュームですが、2日で一気に読んでしまいました。
    SF小説の最高峰とネットのあちこちで書かれていますが、読んで納得。SF小説に求めるものが全部入っていると思います。

    私がとりわけ感銘を受けたのは作品のラストを飾る中篇「不安は自由のめまい」です。
    人生の選択によって分岐した別並行世界と通信できる装置が、この中篇の中心的なギミックです。誰しも思い描いたことのある「あの時こうしていれば自分の人生はこうなったんじゃないか」という逡巡。有り得たかも知れない自分の人生を覗き見たとき、人は何を思うのか、人は何をするのか。
    ラストは感動的な締めくくりで、最高の読後感で本を閉じました。

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    2025年03月30日
  • あなたの人生の物語

    匿名

    購入済み

     

    面白かった。
    難解な話がいっぱいあったけど、全体的に楽しめた。
    映画のメッセージからしったけど、どの話も深みがあってとてもよかった。

    #タメになる

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    2023年12月10日
  • 息吹

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    電子書籍で読んだので厚みがわからなかったけど、ものすごく長かったです。紙の本だとどれくらいのボリュームになるんだろう?
    カタカナの名前や名詞が突然たくさん出てくるので、もうよくわからないまま読んだものもありました。
    でも全体的に良かったです。
    私が特に好きだなと思ったのは、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」(自分も一緒にその時間を過ごしているような長〜い物語)と「不安は自由のめまい」(わりとわかりやすく、エンディングが良かった)の2作。
    SFなのに時々SFであることを忘れてしまうような、読者に語りかけるような、表紙のイメージのままのような短編(中編)集でした。

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    2026年10月24日
  • あなたの人生の物語

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    「息吹」が素晴らしすぎて期待値が上がり過ぎたのかもしれません。表題作「あなたの人生の物語」が一番グッとくるものがありました。ただ、「息吹」と比べると設定に既視感がある物語が多かったり、人間の普遍的な悩みに訴えかける素晴らしい余韻が残る物語が限定的だったかなと。
    バベロンの塔は結末が「んー。。」という感じ、理解はアルジャーノンに花束の再来感、地獄とは神の不在なりはちょっと主人公が報われなさすぎる。
    表題作はエイリアンとの遭遇はよくある設定でしたが、言語の違いから物事や人生の捉え方を再考するとかは深いなあと思いました。プロジェクトヘイルメアリーとは違う哲学的な文体も良かったですね。
    テッドチャン第三作短編集いつか出て欲しいです。

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    2026年10月04日
  • あなたの人生の物語

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    バビロンの塔が全然理解できなくて先行き不安だったけど、他は全部ハマった。
    超絶技巧のガラス細工みたいなSF。最高ラブ

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    2026年09月03日
  • 息吹

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    今とは違うテクノロジーの中にあっても普遍的な人間の葛藤や欲望が巧みに描写されていてとても引き込まれた。

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    2026年08月26日
  • 息吹

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    ネタバレ

    ハードカバーで読んだが、時間も経ったので文庫も読む。
    錬金術師の門は最高。何度読んでもいいし目頭が熱くなる。
    あとは前に読んだ時よりは興奮しなかったかも。
    ライフサイクル〜 は長いけどそこで終わるんだという感じだし、不安は〜 も同じ。どちらも自分の気持ちに踏ん切りをつけるために大金をかけるお話と言えるか。

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    2026年08月21日
  • 息吹

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    どの話も、美しいなぁと感じた。
    だいたいのSFは、理不尽な事実に抗おうとか、戦おうとするけれど、こちらの物語は、決まっているあるいは向かっている結末に、静かに向き合う姿勢がとても印象的。
    SFを通じて、人間の生き方を見つめられる鏡のような本です。

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    2026年08月12日
  • 息吹

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    商人と錬金術師の門
    ⭐️⭐️⭐️⭐️

    息吹
    ⭐️⭐️⭐️

    予期される未来
    ⭐️⭐️

    ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル
    ⭐️⭐️

    ディシー式全自動ナニー
    ⭐️⭐️⭐️

    偽りのない事実、偽りのない気与ち
    ⭐️⭐️⭐️

    大いなる沈黙
    ⭐️⭐️

    オムファロス
    ⭐️⭐️

    不安は自由のめまい
    ⭐️⭐️⭐️⭐️

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    2026年08月03日
  • あなたの人生の物語

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    購入から約9年…読めました!
    そして、おもしろかったんです!

    カテゴリはSF、それに異論はないですが、SFだけではない何かを感じました。

    9年前の購入のきっかけは表題作の映画化。
    まさか中編作品とは思いませんでした。
    そして、原作は、宇宙人とのコンタクトがメインテーマではなかった…表題どおり。読んで良かったです。

    気に入ったのは

    ゼロで割る
    あなたの人生の物語
    七十二文字
    地獄とは神の不在なり
    顔の美醜について――ドキュメンタリー
    作品覚え書き

    作品覚え書きが役に立ちました。第三者の憶測ではなく、本当の解説になっていて。

    ちなみに私はカリーはしないと思います。

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    2026年06月19日
  • あなたの人生の物語

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    映画「メッセージ」を見て、作品集を購入した。
    どの作品も、よく練られた独特の世界観で、人間が内に抱えるものがよく表現されており、少し難解ではあったが、読み応えがあった。

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    2026年06月08日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    映画化された表題作を含むSF短編集。
    めっっっっっっちゃ面白かった…なにこれ…作者が天才すぎる…
    確かに難しくはあるんだけどだからこそ、なるほど!!そういうことか!!となる瞬間が気持ち良すぎてありえないくらい興奮してしまった。ドーパミンがすごい。
    完全に端から端まで理解できたわけではないので一応星4だが5でもいい。

    「バビロンの塔」
    情景を想像するのが難しかったけど、天と地は繋がっているという結末が気持ち良すぎて感動。どう生きてたら思いつくんだ…

    「理解」
    人知を超えた天才になった者の思考。そして天才同士のバトル。知的レベルが上がるごとに文章も難解になっている気がしてその連動が面白かった。
    「理解」の意味が最初は全く分からなかったけど、それまでは何の意味もなさなかった記憶が「理解」というコマンドを受けることで自己を破壊させる意味をなすという解釈でいいのかな…?この解釈が浮かんだときは、なるほど…すご…と興奮した。
    全体的にかなり難しい話ではあった。

    「ゼロで割る」
    ずっと信じていたものが真実ではないと自分で証明してしまった。宗教から覚めるときのようなものなのだろうか。それが数学をテーマとして描かれているのが凄い…
    作中で述べられている数学の解釈が、確かになあ…と納得してしまうもので脱帽。

    「あなたの人生の物語」
    めっっっっちゃ面白い!!!最高!!
    新たな言語の習得法が『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で観たのと同じでやっぱりこれが主流なのか!!と思った。
    大学で言語学を齧ったことがあったのでヘプタポッドの持つ言語、文字についてかなり理解できて嬉しかった。フェルマーの原理も、物理学を全く知らない私でも理解できる説明だった。
    因果論と目的論の対立という構図が非常に興味深い。
    そして全てを知っているとしてもそこに至るまでの過程には意味がある。夫と愛し合い娘が生まれ、彼女を愛し育て、その後失くすことと娘が最初からいないことは全く違う。知識と経験は異なるものである。丁度『サンキュー、チャック』を見たばかりなのだが、少し通じるものがあった。
    最後のそういうことか…!!!が最高に気持ち良くて温かい気持ちになった。

    「七十二文字」
    ちょっとややこしくて難しかったな…
    ただオートマトンが職人の仕事を奪うんじゃないかという懸念は現代におけるAIと人間との関係を彷彿とさせて理解しやすかった。

    「人類科学の進化」
    約4ページのショートショートなのに大満足。
    古いものを解釈するのではなく、自分たちより進歩した先にあるものを解釈するというアイデアが面白い。根っこの部分は同じなのかも。
    確かに自分の子供が知能が高くても高すぎて自分の理解の及ばない存在になるくらいだったら、平凡でも理解できる存在であってほしいと思うのは分かるな…

    「地獄とは神の不在なり」
    自分が無宗教者なのでそこまでして神を求め信じる理由とは…ってつい思ってしまったけど、逆に不安定で不条理で理解不能な存在である神だからこそ誰でもいつでもすがれるのかもしれない。
    確かに最後にニールが行き着いたのが究極の信仰かもしれないが、ちょっと可哀想だなとは思ってしまう。本人はもうそんなこと思わないんだろうが。
    天使降臨という比喩的な話をリアルに存在するものとして描いているのが面白い。

    「顔の美醜について」
    あまりにも現代にぴったりな作品。"カリー"という選択肢が増えるのは良いことだけどそれを強制するのは違うよね……これはどんな技術にも言えるが。

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    2026年05月03日
  • 息吹

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    最初の「商人と錬金術師の門」はわかりやすく読みやすかった。
    時々「んー、なんの話だろ?」という感じで読み進めた作品もあるので、もう一度読み直さないとちょっとしっくりこない感じ。

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    2026年05月02日
  • あなたの人生の物語

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    それぞれの短編について、場面や設定を理解するのに少し時間がかかる。取り扱っているテーマも答えのないものであり、消化不良のまま終わる感じもするが、思考実験と考えれば、それぞれの思考の仕方が独特で面白い。

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    2026年03月17日
  • 息吹

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    優れたSF作家の特徴って、数百年やそこらで変わらない人間の本質や欲求に注目して、執筆当時の技術や社会的価値観や問題とリンクさせて、その時点から見た未来の可能性を想像して如何に落とし込めるかどうかだと思っていて、テッド・チャンはこの能力がとにかくずば抜けてます。

    SF小説で舞台を未来にすると、テクノロジーが追いついたり、全く違う進化を遂げた後の時代に読み返す際に滑稽さというか、ジョークのような感覚があるのですが、テッド・チャンの作品は、未来の人が読んでも響くものがあると思います。

    今回の短編集では「自由意志」や「自己決定」をテーマにした作品が多数収録されていて、身近な所で言うとあらゆるECサイトのレビュー欄や星の数、毎月配信される作品が変わるサブスクの映像サービス、24時間365日垂れ流される他人の価値観と共生する現代人には、色々考えさせられるな〜と感じました。

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    2026年03月01日
  • 息吹

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    私の苦手なサイエンスフィクション短編小説、しかしながらどの話もいろんな事を考えさせられる!『私は偽りのない事実、偽りのない気持ち』『息吹』がとてもよかったです。
    苦手な方もこのSFなら絶対大丈夫ですよ!

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    2026年02月23日
  • 息吹

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    ネタバレ

    「予期される未来」
    が短編やけどすごく好きだった。

    ◉追記
    映画「メッセージ」の原作が、あなたの人生の物語/テッド・チャンだったことを知って改めて見返した。
    10年前に観た時は全然理解できなかったけど、「予期される未来」とは対になるようなメッセージ性を感じた。改めて観た映画もすごくよかった。

    ◉文章
    ・自分の記憶を信用できないとしたら、わたしかいくら個人的な内省に時間を費やしているといっても、とれどけ説得力があるだろう。
    ・思っている以上に多くの記憶が捏造されていて、セルフイメージを築く礎石となっている前提条件のいくつかが実際に嘘だということだ。
    ・ある特定の傾向の行動を何年もとりつづけることが、人間の脳のわたちを刻みうる。そして、自然に同じ習慣をくりかえしつづけるだろう。

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    2026年02月02日
  • 息吹

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    骨太SFだった。。。
    かなり読書筋が必要だけど、唯一無二の読後感があり、何食べたらこんな設定を思いつくのかと感じるほど斬新なテーマが多かった。全体を通して透明でキレイなSFでした!

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    2025年10月18日
  • 息吹

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    ネタバレ

    ようやく文庫を発見した。
    待ちに待ったテッド・チャン二冊目。

    『商人と錬金術師の門』はハヤカワ文庫のSF傑作選『ここがウィトカなら、きみはジュディ』で、『息吹』は『SFマガジン700』でそれぞれ読んでいたが、テッド・チャンの文庫として入手できてとても嬉しい。

    私がテッド・チャンの文章を表現する時よく「緻密」という言葉を使用するのだけど、今回も改めて。もっとも緻密なのは表題作の『息吹』。静かで、息を殺して主人公の一挙手一投足を見守るような、そんな読書体験。

    そして『息吹』もそうなのだが、構築された世界観にも言及したい。
    『息吹』は人間ならざるもの(ロボット?)が生きる世界。
    そして神が世界を作ったことが科学的/考古学的に証明されている世界(『オムファロス』)。
    『商人と錬金術師の門』はイスラムの世界。イスラム社会は現実にあるが、自分とな異なる文化をあそこまで違和感なく書けるものなのかと唸る。
    それぞれ違ったアプローチだが、その発想と完成度が素晴らしい。

    物語はSFをベースにしながらそれぞれ考えさせられるものも多かった。人とは、人生とは?
    『偽りのない事実、偽りのない気持ち』は今の社会が徐々に向かっている世界でもある。人が都合良く解釈し記憶しそれにより起こり得る諍いは、記録で解決することも多いだろう。しかし一方で、実際に起こったことが真実かというと、そうではないこともある。それは記録では解決しない。そしてその価値観が失われていっている(我々が生きるこの社会でも)。
    『不安は自由のめまい』は、いいタイトルと思ったらキルケゴールからの引用だそうだ(キルケゴール、一度挫折しているけど読むか)。今流行りのマルチバースものだが、誰しもが思う「もしあの時」の選択がテーマ。私個人はプリズム使用の誘惑に勝てる自信がない。ラストはそんなプリズム依存に陥りそうな人の目を覚まさせるような結果。
    テッド・チャンの人間としての素晴らしさも感じさせる。

    一点ケチをつけるとすれば、私は『大いなる沈黙』の最後のメッセージがあまり好きじゃない。なぜなら、オウムは人間を愛しているとは思えないから。
    キーワードとして使いたい気持ちは分からなくはないけど。

    テッド・チャンはあまり多作の人ではないのが残念だが、この濃さを考えると、それも仕方がないのかもしれない。

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    2025年09月15日